今回レビューする製品は、CPU(SoC)に UNISOC T616を搭載する Android 14タブレットの「Blackview Tab 16 Pro」です。
11インチのディスプレイ、物理メモリ 8GB + 拡張メモリ 8GB、UFS 2.2 ストレージ 256GBと、ミドルレンジクラスのタブレットとなり、NetflixのWidevine L1にも対応しています。
レビューする製品はこちら
今回のレビューは、Blackviewさんからサンプル提供いただいた製品に基づいています。
Blackview Tab 16 Proのスペック
UNISOC T616を搭載するタブレットとしては 一般的なスペックですが、冒頭に記載のとおり、Netflixも含めた動画配信サイトの動画を高画質(FHD)再生可能な「Widevine L1」に対応し、Android 14を搭載しています。
なお、AliExpressの製品情報を確認したところ、Amazonの販売ページには明記されていませんが、以下に対応しています。
- 18Wの急速充電
- ストレージはUFS 2.2
- 顔認証
- リアカメラは8百万画素のメインカメラに加え、2百万画素の深度計測
CPU | UNISOC T616、 8コア |
GPU | Mali-G57 |
メモリ | 8GB、プラス8GBの拡張機能あり |
ストレージ | 256GB UFS 2.2 |
ディスプレイ | 11インチ、解像度 1920 x 1200、IPSパネル |
WiFi | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth / GPS | Bluetooth 5.4、GPS 搭載 |
LTE | FDD: B1/B3/B7/B8/B19/B20 TDD: B40/B41 |
カメラ | リア 13百万画素 + 2百万画素 深度計測、フロント 8百万画素 |
バッテリー容量 | 7700mAh、18Wの急速充電に対応、充電はUSB Type-C |
サイズ | 256.75 x 167.7 x 7.45mm、503g |
OS | Android 14 |
その他 | GPS搭載、金属製の背面、ケース・スタイラスペンが付属、顔認証に対応 |
Blackview Tab 12 Pro 実機レビュー、AnTuTu スコア 約23万、RAM 8GBに高速ストレージで快適動作。ガラスフィルムとケースも付属
実機のシステム情報
続いて、以下の記事にて紹介のアプリ「Device Info HW」から抽出のシステム情報を掲載します。
Android 端末のシステム情報抽出なら「Device Info HW」。無料アプリながらも広告なし、多くの情報を抽出可能
▼物理メモリは8GB、ストレージは最下段のとおり UFS(明記ありませんが、UFS 2.2)。OSは Android 14
▼CPU(SoC)のUNISOC T616は、Cortex-A75 x 2 / Cortex-A55 x 6の構成、GPUは Mali-G57
▼11インチのディスプレイの解像度は 1920 x 1200、リフレッシュレートは 60Hzの固定です。
▼物理メモリは8GB(拡張メモリは、システム情報では表示されません)、ストレージは、すでにベンチマーク関連や動画アプリをインストールしていますが、残容量は約231GBと余裕です。
▼バッテリー容量は仕様どおりの7700mAh。他のタブレットにて、ごく稀に仕様の容量と異なることがあります。なお、Cycle Countは2205とありますが、ソフト側でのバグだと思われます。
▲▼こちらは搭載するセンサーの状況。加速度計、光センサーのみの搭載と控えめです。同じく11インチタブレットの以下の製品も同様ですが、「磁気センサー」と「ジャイロスコープ」が未搭載のため、ナビとしての利用が目的の方は留意ください。
N-One NPad X1 実機レビュー、Helio G99搭載の11インチタブレット、NetflixでのWidevine L1対応も実機で確認済
Widevine L1への対応状況
Widevineについては、以下の記事にて掲載していますが、動画配信サイトの動画の高画質再生が可能な「Widevine L1」への対応状況について記載します。結果、Netflixも含めて、Widevine L1の高画質再生に対応しています。
Android 端末における Widevineとは。概要とL1,L2,L3の相違、L1,L3の画質を実機で確認してみた
購入した Android タブレットのWidevine L1対応の確認なら「DRM Check」アプリが便利。起動後に即視認可能
▲▼上の記事にて紹介のアプリ「DRM Check」から抽出の状況です。赤文字のとおり、L1に対応しています。ただし、Netflixについては Netflix アプリにて確認する必要があります。
▼Netflix アプリでの再生の仕様。赤文字のとおり、Widevine L1に対応し、最大の再生解像度はFHDです。
メモリ拡張機能の設定項目
Anroid タブレットにおいて、メモリ拡張機能(ストレージの空き領域を、仮想的にメモリとして割り当て)を搭載することは一般的となりましたが、以下の記事に記載のとおり、メモリ拡張機能の設定項目は、端末によって異なることが多く、3パターンに分類されます。
Android タブレットのメモリ拡張機能、複数パターンの設定項目と設定方法のまとめ
本製品の場合、「設定」の「タブレット情報」に設定項目があります。
▼「設定」の「タブレット情報」にある「RAM」が調整項目です。デフォルトで「4GB」が拡張メモリとして、割り当てられています。
▼上の画面の「RAM」をタッチすると以下の画面となります。「メモリ拡張容量」のバーを任意の容量にスライドし、端末を再起動すると変更となります。
▼デフォルトの4GBから8GBに変更しました。なお、ストレージの空き領域を仮想メモリとして割り当てていますが、RAMと比較するとストレージの速度は遅いため、あくまでメモリ不足に陥った際の緊急避難的な使用となります。
外観
続いて、付属品と外観について記載します。他の中国ブランドのタブレットと同様に、金属製の背面の質感は高く、色合いからも油脂や指紋の付着が目立つことはありません。なお、背面は グレイ・ブルー・パープルの3色展開ですが、レビュー品はグレイです。
▼Blackviewのタブレットは複数 レビューしていますが、他製品と同様に白地にイメージ画像の外箱です。
▼上質なケースが付属しています。
▼スタイラスペンも付属しています。「Pro」版と名乗っているのは、ケースとスタイラスペンが付属していることも要因の一つのように感じます。
▼グレイのシックな色合いの、金属製(おそらくアルミ製)の質感の高い背面です。Blacviewのロゴも、目立つことがなく好感が持てます。
▼横持での下側には何もありません。サイドは多少の丸みを帯び、継目がないことから、アルミ削りだしのユニボディの可能性もあります。ユニボディの場合、筐体の美しさと軽量化に貢献しますが、本製品は11インチにして 503gと軽量です。
▼2スピーカーは、横持ちでの両サイドに配置されています。
▼SIMトレイとUSB-Cは、横持ちでの右サイドに配置されています。
▲電源ボタンと音量調整ボタンは、横持ちでの左上に配置されています。
▲▼カメラ、電源ボタン・音量調節ボタン周りを拡大。内部にアンテナが収納されている樹脂の部分も金属調の同色となり、違和感は全くありません。カメラの周囲の作り込みも丁寧です。
▼心地よいさわり心地の、上質なケースが付属しています。
▲▼柔らかめの収納部分の四隅は、保護用に厚くなっています。他ブランドのタブレットに付属のケースも、ほぼ同じ作り・素材感のケースが多いことから、他製品と同一製造元のケースとも思えます。
▼ケースに装着しての撮影です。保護のために一回り大きくなるのは仕方のないことですが、電源ボタン・音量調整ボタンの操作性は良好です。なお、ケースの蓋を閉じてのスリープにも対応しています。
▼スタンド部分の角度調整はできないものの、動画視聴などでは 程よい角度です。
ディスプレイ
デフォルトでは淡いブルーの壁紙となり、写真では暗くなるために、ダウンロードした壁紙を使用しています。ディスプレイの雑感は以下です。
- ベゼル幅は、細くもなく 太すぎずに11インチのタブレットとしては一般的。
- 輝度は明らかにされていませんが、目視では一般的な300 nitでしょうか。明るさ・鮮やかさとも十分です。ただし、他のタブレットと同様に、グレアパネルの映り込みは大きめ。
- 白を背景とした色合いは、暖色(黄色)・寒色(青白)のどちらかと言えば後者。クセのない標準的な、万人受けする色合いです。
- 当初、デフォルトの「明るさ自動調節」をオンにして使用していましたが、調節時には明らかに自動調節している最中であることがわかる、段階的な動きとなることがやや気になりました。
▼派手めな壁紙を使用していますが、色の明暗が明確な、鮮やかな液晶です。また、私は明るさ 80%ほどで使用していますが、明るさも十分です。
▼Web サイトなど、白を背景とした場合の色合いは、どちらかと言えば寒色寄り。他のタブレットでは、若干赤みを帯びた液晶も存在するなか、色合いにクセはありません。
▼天井が反射しているために、実機よりも淡く写っていますが、この角度から見ても視認性が大きく崩れることはありません。
ベンチマークスコア
AnTuTu ベンチマーク、Geekbench 6、ストレージの読み書きのみとなりますが、実機で計測のベンチマークスコアを掲載します。
Blackview Tab 12 Pro 実機レビュー、AnTuTu スコア 約23万、RAM 8GBに高速ストレージで快適動作。ガラスフィルムとケースも付属
▼AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは 288,712。
▲▼参考指標として、以下の記事に これまでミドルレンジまでのスマホ・タブレットにて計測した AnTuTu ベンチマークのスコアを一覧化しています。タブレットに多く搭載されるCPUの事例としては、Helio G99が約40万、UNISOC T618が約29万です。なお、AnTuTu ベンチマークのバージョン 9と10が混在していますが、10が高いスコアとなります。
AnTuTu ベンチマーク スコア一覧、スコアに応じた動作の指標
▼Geekbench 6のスコアは「シングルコア 453、マルチコア 1567」。ちなみに、手元にあるタブレットのうち、Helio G99のスコアの事例としては「シングルコア 724、マルチコア 1985」です。
Androidでストレージの速度計測なら「CPDT Benchmark」、メモリの速度も計測可能で、機種により大きな相違も
▲▼上の記事にて紹介のアプリ「CPDT」で計測の、256GB ストレージの読み書き速度。「Write 143.3MB/s、Read 727.2MB/s」となり、Readが異様に速く、800MB/sに迫ることもありました。
体感レスポンス
中国ブランドのタブレットのうち、ハイエンド寄りの製品は CPU(SoC)に Helio G99を搭載していますが、本製品は UNISOC T616を搭載しています。Helio G99のリリース以前に、UNISOC T618と並び 多くのタブレットに搭載されていました。
体感レスポンスとしては、Helio G99に一歩及びませんが、普段使いでは 遅さを感じることなく、十分に実用的です。
- ホーム画面の遷移、アプリの起動や切替など、Helio G99を搭載するタブレットと比較すると、僅かに遅い感覚です。
- AnTuTu ベンチスコアが80万超のスマホと比較すると、キビキビ感に欠けていることを明確に体感できます。ただし、Web サイトのブラウジングや、Amazon プライムビデオやNetflixの動画視聴などの普段使いにおいて、遅さを感じることはありません。
- 下位のUNISOC T606の場合には、スリープからの復帰などにおいて 画面表示の多少のもどかしさを感じるのですが、本製品においてはその状況はありません。
- ベンチマークで記載のとおり、ストレージの読み込みは 700MB/s と異様に速いのですが、アプリの起動などにおいて体感できず。一般的な速度です。
- 写真の保存は、「多少遅いかも」と感じる程度。課題となるほどではありません。
スピーカー
NetflixとAmazon プイライムビデオを視聴する範囲での、2スピーカーの音質について記載します。全般的に、10~11インチの 2スピーカーのタブレットとしては 標準的な音量と音質です。
- 音量を概ね7割以上に上げると音割れが生じますが、これほど音量を上げることはないと思いますので、動画を視聴する距離では十分です。
- 高音はクリアである一方、低音は多少 こもりがちなように感じます。
- 4スピーカーを搭載するタブレットと比較したところ、音の広がりは適わないものの、一般的には2スピーカーで十分。
カメラ
フロント 8百万画素、リア 13百万画素のカメラを搭載しています。上の写真は、リアカメラにて、私が普段 記事にて使用するように撮影したものです(圧縮しています)。マウスの暗部の描写は明確ではなく、やや明るさが不足しているものの、記事の投稿写真としては わるくない画質です。
少なくとも、このクラスの他のAndroid タブレットとの比較では、同水準以上のように感じます。
顔認証
私としては、Android タブレットにおいての初めての顔認証ですが、想像以上に精度は高いです。
- 登録時に、正面からではなく 多少斜めになってしまいましたが、登録は即完了。
- 認証に失敗することもありますが、高い確率で認証できています。
- 認証速度は、Windows 11 PCよりも速いようにも感じます。
- 眼鏡を装着しての登録でしたが、眼鏡を変更しても、眼鏡を外しても認証できています。
▼顔認証の精度が想像以上でもあり、以下の記事にて詳細に記載しました。
Android 14 タブレットで顔認証を試してみた。登録方法と認証の精度などの使用感
まとめ
レスポンス、液晶の明るさ・鮮やかさ、Netflixも含めた Widevine L1、顔認証に対応、金属製の背面の質感の高さなど、バランスのよい Android タブレットです。レスポンス面においては、やはり Helio G99のタブレットが優位ですが、普段使いの体感レスポンスは それほど大きな差はなく、UNISOC T616においても十分に実用的です。
▼2024年7月11日時点のAmazon プライムデー先行セール価格は 29,900円ですが、さらに以下のクーポン利用により、28,000円台となります。
- Amazon プライムデー以前(7月15日まで)は、クーポンコード「A5QGZJO6」の利用により 28,410円
- 7月16日〜17日のAmazon プライムデーにおいては、クーポンコード「SPI6X43Q」の利用により 28,405円