今回レビューする製品は、80 x 80 x 43mmの極小サイズでありつつも、CPUにAMD Ryzen 7 6800U、LPDDR5 オンボードメモリ、PCIe 4.0 SSDを搭載とパワフルな「MINISFORUM EM680」。さらには、USB4を2ポート搭載し、65W GaN 電源アダプターも搭載しています。
実機でのベンチマークスコア、体感レスポンスともに小さなボディから想像できないほどにパワフル。また、小さなファンを2基搭載していますが、ファン音量も小さく、内部の温度も抑えられています。
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MINISFORUM EM680のスペック
EM680のスペックと特徴は以下の記事にて掲載していますが、あらためてスペックとポイントとなる事項を掲載します。
MINISFORUM EM680、80mm角の金属製筐体に AMD Ryzen 7 6800U / PCIe 4.0 SSD / USB4を2基搭載のミニPCが販売に
CPU | AMD Ryzen 7 6800U、8コア 16スレッド、最大 4.7GHz |
GPU | AMD Radeon 680M |
メモリ | LPDDR5 16GB or 32GB 6400MHz オンボード |
ストレージ | M.2 2230 PCIe 4.0 SSD 512GB / 1TB |
WiFi | WiFi 6E |
Bluetooth | 5.3 |
ポート類 | USB4 x 2、USB-A 3.2 x 3、HDMI、TFカードスロット |
サイズ | 80 x 80 x 43mm |
OS | Windows 11 Pro |
その他 | 65W GaN Type-C 電源アダプター付属 |
▼前面と背面にAlt モード / PD対応のUSB4を搭載し、PD対応のディスプレイのケーブルからUSB4ポートに接続し、EM680への給電とEM680からモニターへの映像出力でき、安定動作することを確認済です。
▼右サイドには、ケンジントンロック、TF カードスロット、USB-A 3.2 Gen2、CMOS クリア。上の画像のポートを含め、小さなボディにもかかわらず、一通りのポートを備えています。
▼CPUの冷却には液体金属を採用、金属製ボディに ファンを2つ(CPUファン、および背面のPCIe SSDの冷却をメインとするファン)装備し、冷却対応も最大限考慮されています。実際、ベンチマークで負荷をかけた際の内部の温度は抑えられています。
実機のシステム情報
続いて、実機のシステム情報を掲載します。
▼Windows 11 Pro 設定のシステム情報。もちろん、仕様どおりのAMD Ryzen 7 6800U、メモリはオンボードの16GB。
PCのストレステストなら「OCCT」、簡単操作でモニタリング機能も豊富。「HWiNFO」関連ソフトの安心感もあり
以降は上の記事で紹介のフリーソフト「HWiNFO」から抽出の情報です。
▼概要ページ。クリックで拡大できます。AMD Ryzen 7 6800Uの以下に記載のない情報も含めると、アーキテクチャはZen 3+、8コア 16スレッド、 6nm、TDP (cTDP)は15W~28W、最大温度は95℃
▼LPDDR5 / 6400MHz、クアッドチャネルでの動作。私はこのあたりに詳しくないのですが、オンボードでクアッドチャネルとは、4GB x 4個のチップで動作とのことでしょうか。
▼SSDは2230サイズのM.2 PCIe 4.0 512GB、モデル名は「KINGSTON OM3PGP4512Q-A0」とあります。2230サイズが珍しいこともあり、AliExpressにおいても 一般販売していることを確認できず。
開封、外観
開封、付属品、外観について記載します。
開封、付属品
▼外箱の実測は、123 x 123 x 108 mmと、本体と同様にコンパクトです。
▲▼右は先日レビューした、Alder Lake-N N305を搭載の「UN305」の外箱です。比べてみると、小さいなサイズが際立ちます。
▼上の記事で「CHUWI LarkBox」を実機レビューしているとおり、超小型のPCには見慣れていますが、外箱を開いてみて そのコンパクトさに驚きです。
▼説明書類以外の付属品一式。
▼左から、HDMIケーブル、65W GaN 電源アダプター、本体、電源用のUSB-C to USB-Cケーブル。HDMI ケーブルとの対比からも、本体のコンパクトさを想像いただけると思います。
▼サイズ感がわかるよう、マウスを並べて撮影しました。電源用のケーブルの長さは約100cmです。
▼コンパクトな 65W GaN電源アダプターを拡大。プラグは折りたたみ式です。もちろん、他のノートPCなどでも使用できます(ThinkPadなどで確認済)。
▼他のMINISFORUMのミニPCと異なり、黄色の注意事項のしおりが同封されています。このしおりには、「ユーザーでCPUクーラーやクーラーシステムの取り外しには要注意(取り外した場合には保証対象外)。マザーボードやCPUに損傷を与える可能性あり」と記載されています。
このため、他のミニPCでは内部の構成を確認するのですが、本製品では内部を確認しておりません。
外観
公式サイトの製品紹介には金属製ボディとありますが、サイドの手触り感覚では樹脂製とも思え(天板はおそらくアルミ製)、内部のフレームが金属製の意味とも思います。
▼全面ともにブラックつや消しのボディです。天板の通風孔から小さなファンが見えていますが、手触り感覚では こちらは吸入用のファンです。
▼背面側より。電源ボタンのある前面以外の各サイドに通風孔が備わっています。
▼全面は左から、USB4、イヤフォンジャック、電源ボタン、電源連動のLED。サイドは全面ともに、指紋や油脂が付着しやすいです。
▼電源オン時には、以下の写真のように LEDがグリーンに点灯します。
▼右サイドは左から、ケンジントンロック、カードスロット、USB-A 3.2、リセットホール
▲背面は左から、HDMI、USB-A 3.2、USB4。USB4は前面・背面の2ポートとも、PD対応のモニターのUSB-Cケーブルを接続し、本体への給電・モニターへの映像出力を行い、安定動作することを確認済です。
なお、私はキーボードとマウスの接続などにおいて、以下のUSB切替器を使用しているのですが、電源供給の関係か(切替器本体は電源確保済)、なぜかEM680では切替器経由でのキーボードとマウスが動作せず。
▼以下の写真は、背面のUSB-A x 2個とUSB4を使用しているものですが、幅の太いUSB-Aを2個挿入した場合、幅が足りずに干渉する可能性もありそうです(一般的なUSB機器では問題ありません)。
▲前述の超小型PC「CHUWI LarkBox」では、ケーブルを複数取り付けると本体が浮き気味になるのですが、EM680は重心が下にあるためか、そのような現象はありません。
▼左サイドの通風孔から内部の熱が排出されます。また、左サイドは他の面よりも ボディが熱くなります(全般的によく冷えており、気にならない程度の熱です)。
▼右上の「MINISFORUM」のロゴは立体感のあるものです。
▼底板と斜めのサイドには多くの通風孔があります。写真上の中央裏に小さなファンがあり、前述の左サイドのファンとこちらのファンから内部の熱が排出されます。
以降の写真は、EM680のサイズ感がわかるよう、他の機器を並べて撮影しました。
▲▼先日レビューした、Alder Lake-N N305を搭載する「MINISFORUM UN305」との比較です。UN305は、ミニPCの標準的なサイズ、あるいは僅かに大きいのですが、EM680の設置面積は半分程度です。
▼M1 MacBook Airのパームレストに置いていますが、タッチパッドが被さらずに置くことができます。
▼iPhone SE 2ndを並べて撮影。
▼iPhone 12 Pro Maxを並べて撮影。EM680の横幅は、TPUケースを装着した iPhone 12 Pro Maxと同程度です。
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