今回レビューする製品は、CPUにAlder Lake-N N305、LPDDR5 メモリを搭載するミニPC「MINISFORUM UN305」。同じボディを採用する N100のモデルも販売されていますが、N305 / N100を搭載するモデルともに、金属製の筐体に Altモード / PD対応のUSB Type-Cを搭載しています。
CPUベンチマークのスコアは、シングルコアは N100と概ね同水準ですが、マルチコアは大きな差をつけ優位です。ベンチマークは、第8世代 モバイル向けのCore i5と比較しても高いスコアとなり、体感レスポンスも同水準以上にキビキビと動作します。
なお、当初、タイトルも含めて、メモリの表記を「DDR5」と表記していましたが、「LPDDR5」の間違いでしたので修正しています。
販売元
MINISFORUM UN305のスペック
Alder Lake N305/N100搭載のミニPC「MINISFORUM UN305/UN100」がリリース。USB-C Altモードを装備・金属製ボディで、N305/N100の本命ミニPC
Alder Lake-N N305を搭載する「MINISFORUM UN305」のスペックは、上の記事にて記載していますが、あらためての掲載です。なお、今回のレビュー機のメモリは16GB、ストレージは512GBですが、5月30日現在のMINISFORUM 公式ストアでは、メモリ 8GB、SSD 128GB / 256GBモデルの販売です。
CPU | Alder Lake-N N305、8コア |
GPU | Intel UHD Graphics |
メモリ | LPDDR5 オンボード 8GB / 16GB、デュアルチャネル |
ストレージ | M.2 2280 SATA SSD 128GB / 256GB / 512GB、2.5インチ SATA SSD / HDDを増設可能 |
WiFi | WIFI 5 |
Bluetooth | 4.2 |
ポート類 | USB Type-C (Alt モード、DP / PD対応)、USB-A 3.2 x 2(Gen 1、背面)、USB-A 3.2 x 2(Gen 2、前面)、HDMI x 2、有線LAN x 2、カードスロット |
サイズ | 136 x 121 x 39mm |
OS | Windows 11 Pro |
▲▼前面にAlt モード / PDに対応のUSB Type-Cを搭載しています。下の画像に記載のとおり、モニターが出力 45W以上のPDに対応している場合、ケーブル1本で UN305に給電しつつの映像出力に対応しています。実機で安定動作することを確認していますが、極めて便利な機能です。
▼デザインがよく、質感の高いボディですが、デメリットとしては 2.5インチ SATA SSDの増設、あるいは 2280 M.2 SATA SSDを換装する場合、マザーボードを取り外す必要があること。
実機のシステム情報
続いて、実機から抽出のシステム情報を掲載します。
▼Windows 11のシステム情報から抽出。もちろん、仕様どおりにCPUは Alder Lake-N Core i3-N305、メモリは16GB、OSはWindows 11 Proです。
HWiNFO、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフトの概要。投稿数15,000越えのフォーラムも充実
以降の画像は上の記事にて紹介のフリーソフト「HWiNFO」から抽出しています。
▼システムの概要(クリックで拡大できます)。本製品で唯一とも言える惜しい事項は、ストレージはSATA SSDとなり、PCIe 接続に対応していないこと。
▼CPUの情報。8コア8スレッド、10nmプロセス、TDPは15W
▼メモリはオンボードですが、レビュー機は LPDDR5の16GB、デュアルチャネルでの動作です。
▼512GBのSATA SSDは KINGSTONE製。
開封、外観
開封、付属品、外観について記載します。以前、MINISFORUMから以下の記事で実機レビューの、Core i3-1005G1を搭載する「X35G」が販売されていましたが、「UN305 / UN100」は同じ筐体を採用しています。
当時としては上位機に採用されていた筐体でもあり、金属製ボディで質感は かなり高いです。
MINISFORUM X35G 実機レビュー、Core i3-1005G1に高品質ボディと静音性で人気となる予感。Amazonでも販売に
ミニPC MINSFORUM X35Gに2.5インチ SSDとM.2 SATA SSDを増設。PCIe SSDとのトリプル構成に
開封、付属品
▼これまで、MINISFORUMのミニPCを複数製品 レビューしてきましたが、これまでのデザインとは異なる外箱です。中央に本製品の筐体と共通のロゴがあります。
▲▼最近のMINISFORUMのミニPCには、説明書に加え「初期セットアップのしおり」が付属しています。海外製のPCでは Windowsの英語版がプレインストールされていますが、初期設定で日本語を選択した場合にも、初期設定後のキーボードは英語キーボードとなっています。
英語キーボードの場合には、@など キーの印字と異なる文字が反映となり、これを初期不良と勘違いされる方が多いため、キーボードのレイアウト変更を明記した「初期セットアップのしおり」が付属しているものと思います。
▼本体は厚いクッションに収納されています。
▼傷つき防止のフィルムに収納されています。
▼裏側より。
▼金属製ボディにグレイのシックな塗装と、質感の高い本体です。
▼説明書以外の付属品は、ACアダプター、HDMI ケーブル、VESA ブラケット。
▼ACアダプターのコンパクトさがわかるよう、マウスを並べて撮影しました。
▼ACアダプターの仕様です。
▼説明書と前述の初期設定のしおり。説明書は日本語を含む多言語構成です。
外観
▼前面は左から電源ボタン、USB Alt / PD対応のUSB Type-C、USB-A x 2、マイク。後述していますが、USB Type-Cでは、PD対応のモニターのケーブルの接続で、UN305への給電、映像出力できることを確認済です。
▲▼以下の写真のとおり、電源ボタンは電源オン時にブルーに点灯します。
▼背面は、USB-A x 2、有線LAN x 2、HDMI x 2、ケンジントンロック、電源端子。
▼左サイドは、通風口にSDカードスロットとイヤホンジャックが組み込まれています。
▼右サイドは通風口のみです。内部の熱は、こちらから排出されますが、CPU温度がやや高くなることもあり、開口部はもう少し大きいとよかったとも思います。開口部はヒートシンクの厚みに合わせていると思われ、デザイン面ではよいのですが。
▼あらためての全体像です。前述のとおり、「MINISFORUM X35G 実機レビュー、Core i3-1005G1に高品質ボディと静音性で人気となる予感。Amazonでも販売に」の2020年10月の記事で実機レビュー・現在は販売されていない「X35G」と同じボディであり、筐体の設計としては古いものですが、今でも新鮮さを感じる、デザイン性・質感の高いボディです。エッジの丸みなど、Mac miniを小型化したイメージも漂います。
▲▼写真では読み取れませんが、MINISFORUMのロゴは立体感のあるもの。
▼中央のロゴはフラットとなり、透明樹脂で覆われたログが組み込まれたような仕様です。
▼底板の取り外しは、4個のゴム足を外し露出するネジ4個を外して行います。
他のミニPCとの比較
簡易的に、以下のミニPCと並べて撮影、サイズ感などを比較してみました。
▼CPUにAlder Lake-N N100を搭載する「Beelink EQ12」との比較。ミニPCとしては一般的なサイズの「UN305」に対して、「EQ12」はコンパクトであることも特徴としています。デザイン・質感の高さは、「UN305」が優れています。