2023年に 15製品ほどのAndroid タブレットを実機レビューしましたが、今回はそのうち 主に下期にレビューした10製品において、8インチクラスと10インチクラスに分けたうえで、大きな特徴とマイナスポイントを添えてまとめてみました。詳細については、文中に掲載のリンク先記事を参照ください。
なお、文中の黄色網掛は他の端末と比較して優位な事項、ピンク網掛は劣位な事項です。文中に記載の「Widevine L1」の詳細については以下の記事を参照ください。
Android 端末における Widevineとは。概要とL1,L2,L3の相違、L1,L3の画質を実機で確認してみた
8インチクラス
8インチクラスでは4製品をピックアップしました。これから購入を検討する場合、レスポンス面では Helio G99を搭載する「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro」で決まりです。ただし、同製品はシングルスピーカーであるほか 課題も散見され、全体的なバランスでは」「アーアユー M60」がおすすめです。
なお、このクラスの製品はコスパの高さを強調するあまり、各種センサーを未搭載の製品が多いことに留意が必要です。
Blackview Tab 60、UNISOC T606
8インチクラスでは主流の8.4インチより一回り大きな 8.68インチの「Blackview T60」。縦持ちでの横幅とホールド感は8.4インチと変わらず、縦に長い端末です。
主要指標は以下となり、2スピーカー搭載・Widevine L1対応などの基本スペックのバランスはよいのですが、液晶の解像度が1340 x 800のHD+であることが惜しいです。ただし、当端末のみを使用している場合、文字などの粗さはそれほど気になりません。
- UNISOC T606を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約22万
- 物理メモリ 6GB + 拡張 6GB、ストレージは128GB eMMC
- 8.68インチディスプレイ 解像度 1340 x 800
- バッテリー容量は6050mAh、急速充電には未対応
- LTE対応
- ステレオスピーカー、Widevine L1対応(NetflixはL3)
▼サイドと背面は、アルミ製か樹脂製か識別しがたいのですが、質感は良好です。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/09/mC6qVxoNONVPEbc1696076805_1696076843-160x90.jpg)
ALLDOCUBE iPlay 50 Mini、UNISOC T606
2023年は8.4インチのタブレットに注目が集まっていますが、そのきっかけとなったのが「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini」。これまでの8インチクラスのタブレットは HD+の低解像度が主流でしたが、iPlay 50 MiniはFHD+となり、他社製品も含めて 8インチではFHD+が主流となりました。
また、CPU(SoC)に、AnTuTu ベンチマークスコアが約24万となる UNISOC T606を搭載し、従来製品のスペックよりも上位であり、低価格であることも大きなポイント。ただし、以下のiPlay 50 Mini Proも同様に、シングルスピーカーとなることに留意ください。
- UNISOC T606を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約24万
- 物理メモリ 4GB + 拡張 8GB、ストレージは64GB UFS 2.1
- 8.4インチディスプレイ 解像度 1920 x 1200
- バッテリー容量は4000mAh、急速充電には未対応
- LTE対応
- シングルスピーカー、Widevine L1対応(NetflixはL3)、金属製の背面
▼低価格の製品ですが、上位機と同様に金属製の背面で質感は高いです。ただし、シングルスピーカーであることに留意が必要。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/06/EGuTzJQqk12d04p1685792604_1685792641-160x90.jpg)
ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro、Helio G99
2023年10月29日現在、国内外で最も人気のある 8.4インチタブレットが、こちらの「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro」。CPUにHelio G99 / 8GB 物理メモリ / 256GB UFS 2.2 / FHD+ ディスプレイ / 18W 急速充電に対応とスペックが高く、低価格であることが大きな特徴。
ただし、iPlay 50 Miniと同様にシングルスピーカー、iPlay 50 Miniと異なり Widevine L3であり、また、開発・販売を急ぎすぎたのか、液晶や(解決したものの)拡張メモリの設定などの課題も散見されます。
- Helio G99を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約40万
- 物理メモリ 8GB + 拡張 8GB、ストレージは256GB UFS 2.2と高速
- 8.4インチディスプレイ 解像度 1920 x 1200
- バッテリー容量は5000mAh、18W 急速充電
- LTE対応
- シングルスピーカー、Widevine L3、金属製の背面
▼左はiPlay 50 Mini、右はiPlay 50 Mini Pro。私の端末の個体差かもしれませんが、Mini Proはやや黄色味が強いです。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/09/sTMoryaeIFBxo1l1694319714_1694319752-160x90.jpg)
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/09/UAYLrfz2fLCrkqM1694231903_1694231938-1-160x90.jpg)
アーアユー M60、UNISOC T606
iPlay 50 Miniと同じく、CPU(SoC)にUNISOC T606を搭載する 8.4インチ FHD+の「アーアユー M60」です。iPlay 50 Miniはシングルスピーカーですが、M60は2スピーカーです。また、18Wの急速充電に対応しており、ディスプレイの色合いも iPlay 50 Mini / Mini Proよりも自然です。
Android 12のタブレットとなりますが、上記により iPlay 50 Miniを検討中の場合には、こちらの「M60」をおすすめします。なお、背面は金属製となり、質感も高めです。
- UNISOC T606を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約23万
- 物理メモリ 4GB + 拡張 4GB、ストレージは64GB eMMC
- 8.4インチディスプレイ 解像度 1920 x 1200
- バッテリー容量は5000mAh、18W 急速充電
- LTE対応
- 2スピーカー、Widevine L1(NetflixはL3)、金属製の背面
▼背面を「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini」と比較。双方ともに金属製ですが、エッジの処理などM60がより丁寧な作りです。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/07/Sa1afU8ycoqljrM1690719749_1690719796-160x90.jpg)
▼レビューした製品ではありませんが、スペックの近いところでは、以下の記事にて紹介の「DOOGEE T20 Mini」も おすすめの製品です。
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/08/cOiaB6wayAzAIyZ1692535897_1692535917-160x90.jpg)
10インチクラス
10インチクラスでは、AnTuTu ベンチマークスコアが約40万となるHelio G99を搭載する製品が複数販売されています。現在レビュー中の製品ですが、Helio G99、Netflixも含めたWidevine L1に対応、4スピーカー、2.5K 解像度のディスプレイを搭載する点で、「DOOGEE T30 Ultra」が おすすめの一つです。
DOOGEE T30 Ultra、Helio G99搭載の2.5K 解像度 11インチタブがリリース。人気のT30 ProからRAM容量アップ
DOOGEE T30 Pro、Helio G99、33W 急速充電、11型 2.5K 解像度のAndroid 13タブ。Widvine L1もサポートし3万円未満で販売中
Helio G99以外のタブレットでは、メモリ 4GB / ストレージ 64GBとなりますが、「ALLDOCUBE iPlay 50 2023モデル」のコスパの高さが際立ちます。
AGM Pad 1、Helio G99
日本での展開は今後に期待の「AGM」ブランドですが、海外では多くのスマホ・タブレットを展開し、知名度も高いです。
IP68 / IP69Kの防水防塵に対応しつつも、250.3 x 160 x 9.0mm / 470gと、一般的な10インチタブレットのサイズであることが最大の特徴です。アルミ製の背面の質感は高く、全般的にもおすすめできる製品です。同社の他製品の情報を参照しても、しっかりとした製品を展開しているイメージがあり、国内通販で積極展開となった際には人気ブランドの一つとなりそうな予感です。
- Helio G99を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約40万
- 物理メモリ 8GB、ストレージは256GB UFS 2.2と高速
- 10.36インチディスプレイ 解像度 2000 x 1200
- バッテリー容量は7000mAh、18W 急速充電
- LTE対応
- 2スピーカー、Widevine L3、金属製の背面、IP68 / IP69K 防水防塵でありつつも 470gと軽量
▼IP68 / IP69K 防水防塵でありつつもスマートなボディで、470gと軽量です。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/08/9bkWWam1t7QnNBh1692797772_1692797838-160x90.jpg)
DOOGEE T20S、UNISOC T616
Helio G99搭載のT30 Pro、最近リリースされた T20 Ultra / T30 Ultraなど、2023年に特に勢いのある「DOOGEE」ブランド。UNISOC T616を搭載するT20Sは、急速充電には対応していないものの、アルミ製ユニボディの質感の高い筐体など よい端末であり、Helio G99でなくとも バランスのよい端末をお探しの場合には、候補となる製品です。
- UNISOC T616を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約30万
- 物理メモリ 8GB + 拡張 7GB、ストレージは128GB UFS 2.1
- 10.4インチディスプレイ 解像度 1920 x 1200
- バッテリー容量は7500mAh、急速充電には未対応
- LTE対応
- 2スピーカー、Widevine L1(NetflixはL3)、アルミ製ユニボディ、470gと軽量
▼実機は以下の写真以上にさわやかな色合いで、アルミ製ユニボディ(アルミ削り出し)の質感は高いです。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/08/IL3ZzkCqVgskO561691317128_1691317170-160x90.jpg)
DOOGEE T10S、UNISOC T606
上記の「DOOGEE T20S」の廉価版とも言える「T10S」です。CPU(SoC)は、8.4インチの「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini」「アーアユー M60」と同じ UNISOC T606を搭載し、物理メモリは6GB、128GB UFS 2.1のストレージ、Widevine L1に対応、アルミ製の背面の端末です。
上記のバランスのよい構成にして、10月28日現在のAmazon 価格は、5,000円オフクーポンの利用により 16,900円と高コスパの製品です
- UNISOC T606を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約25万
- 物理メモリ 6GB + 拡張 5GB、ストレージは128GB UFS 2.1
- 10.1インチディスプレイ 解像度 1920 x 1200
- バッテリー容量は6600mAh、急速充電には未対応
- LTE対応
- 2スピーカー、Widevine L1(NetflixはL3)、金属製の背面
▼T20Sと同様に金属製の背面ですが、ユニボディでないために 563gとやや重いです。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/08/5lyLeHpuqov2cRN1691214182_1691214218-160x90.jpg)
ALLDOCUBE iPlay 50 2023モデル、UNISOC T618
UNISOC T618を搭載する10.4インチの「ALLDOCUBE iPlay 50 2023モデル」です。Widevine L1対応のタブレットにおいて、Netflixに対応する製品はごく稀ですが、NetflixでのL1に対応している点で おすすめ製品の一つです。
メモリ 4GB + 拡張 8GB、ストレージは64GB、と控えめですが(メモリ 6GB / ストレージ 128GB版もあり)と控えめですが、金属製の背面に、ディスプレイも明るく 色合いも自然な製品であり、課題らしきものはありません。CPU以外は控えめなスペックのため、10月28日現在のAmazon 価格は 14,499円と格安であることも大きなポイントです。
- UNISOC T618を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約29万
- 物理メモリ 4GB + 拡張 4GB、ストレージは64GB
- 10.4インチディスプレイ 解像度 2000 x 1200
- バッテリー容量は6000mAh、急速充電には未対応
- LTE対応
- 2スピーカー、Widevine L1(Netflixにも対応)、金属製の背面
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/07/pmJyRAwJZYntIgr1690017282_1690017469-160x90.jpg)
N-One NPad X、Helio G99
TeclastやALLDOCUBEなどの中国新興ブランドに先駆けて、Helio G99のタブレットをリリースした「N-One」ブランドの製品です。4スピーカーに 10.95インチの大型ディスプレイと動画視聴に適した仕様ですが、Widevine L3であることが惜しいです。
その他、リアカメラは20百万画素、バッテリー容量は8600mAhと大容量かつ18Wの急速充電に対応と、他の10インチクラスの製品よりも充実しています。
- Helio G99を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約39万
- 物理メモリ 8GB + 拡張 8GB、ストレージは128GB UFS 2.2
- 10.95インチディスプレイ 解像度 2000 x 1200
- バッテリー容量は8600mAh、18W 急速充電
- LTE対応
- 4スピーカー、Widevine L3、アルミ製ユニボディ
▼スピーカーは左右の両サイドに2個づつ搭載しています。ツートンの色合いも含めてシックな背面です。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/07/sTDjZgd9kBqKfSd1688802222_1688802257-160x90.jpg)
N-One NPad Plus、MT8183
LTEには未対応のWiFi 専用タブレットとなることにより、10月28日現在のAmazon 価格は 15,900円と抑えられ、アルミ製ユニボディの質感の高さが特徴の一つとなる「N-One NPad Plus」です。CPUには Fire HD 10と同じ MT8183を搭載し、普段使いでは遅さを感じることなく動作します。
物理メモリは8GBで拡張メモリなし、OSはAndroid 12と多少の古さもありますが、また、Widevine L1には未対応(L3)となりますが、LTEは必要なく 安価でも高品質な製品をお探しの場合には候補となり得る製品です。
- MT8133を搭載、AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは約23万
- 物理メモリ 8GB(拡張メモリ 未対応)、ストレージは128GB UFS 2.1
- 10.36インチディスプレイ 解像度 2000 x 1200
- バッテリー容量は6600mAh、急速充電には未対応
- LTE 未対応のWiFi 専用
- 2スピーカー、Widevine L3、アルミ製ユニボディ
▼安価ながらも、アルミ製ユニボディ(アルミ削り出し)の背面です。
▼実機レビュー記事と販売情報
![](https://winandinet.jp/wp-content/uploads/2023/05/I4wOVdx9ywnxohW1684029530_1684029569-160x90.jpg)
まとめ
2023年に Android タブレットを15製品ほど実機レビューしていますが、うち、6月以降にレビューした製品をメインに概要などを記載しました。
私がレビューした製品、あるいはレビュー中の製品の範囲内で 特におすすめの製品は以下です。
- 8.4インチクラスでは、レスポンス重視なら Helio G99を搭載する「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro」。ただし、シングルスピーカーと液晶の色合いの課題があるため、2スピーカーとバランス重視では「アーアユー M60」。
- 10インチクラスのうち、Helio G99搭載機では現在レビュー中の「DOOGEE T30 Ultra」。NetflixのWidevine L1に対応、4スピーカー、12GB RAM、2.5K 解像度の11インチと、全般的に高いスペックでバランスがよいです。なお、「DOOGEE T30 Ultara」は、11月半ばにAmazonで販売開始との情報があります。
- 10インチクラスのうち、Helio G99以外のSoCでは「ALLDOCUBE iPlay 50 2023モデル」。メモリ 4GB / ストレージ 64GB(6GB / 128GB版もあり)と控えめですが、NetflixのWidevine L1に対応、明るく自然な色合いの液晶と、課題の少ない製品です。
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