ThinkPad Z16 Gen 1 実機レビュー、Ryzen 9 RRO 6950H搭載、高品質ボディの16インチPC | ページ 2 | Win And I net

ThinkPad Z16 Gen 1 実機レビュー、Ryzen 9 RRO 6950H搭載、高品質ボディの16インチPC

ディスプレイ

マルチタッチ対応 4K OLED(3840×2400ドット)、マルチタッチ対応 WUXGA IPS液晶(1920×1200ドット)、WUXGA IPS液晶(1920×1200ドット)から選択可能な、Z16のディスプレイですが、レビュー機は通常(3つめ)の1920×1200ドットの液晶です。

 

▼一見してOLED(有機ELパネル)と勘違いしてしまったほどに、明るく鮮やかな液晶です。

 

▼16インチ アスペクト比 16 : 10の縦長であり、記事編集などの作業もはかどります。なお、15.6インチクラスのFHDでは 文字の粗さも気になることがあるのですが、本製品では粗さを感じません。

 

▼ディスプレイを最大限傾けての撮影。視野角も良好です。

 

▼ベゼル幅を左のThinkPad X1 Carbon 5th 2017モデルと比較してみました。古い X1 Carbonとの比較ですが、左右・上ともにThinkPad Z16 Gen 1は細いです。Z16の実測でのベゼル幅は、左右が5mm、上の中央以外の狭い部分は 8mmです。

 

キーボード

私がThinkPad推しの最大の理由は、他の多くの方と同様にキーボードのタイピングが快適なこと。これまで、Macも含めたノートPCやキーボード単体を多く使用してきましたが、ThinkPadのタイピング感と高速タイピングは断トツです。

本製品の場合、一般的なThikPadよりもストローク浅めで、MacBookっぽい ペラペラ感もありますが、他のThinkPadと同様に、快適・高速にタイピングできています。

ただし、後述していますが、軽作業時にもキーボード全体に熱を帯びることがマイナスポイント。個体差によるものか、キーボード部分にも熱を帯び、指先にも熱が伝わってきます。正直なところ、30分もタイピングしていると、熱のために継続してのタイピングは厳しくなります。

 

▼体感的なキーストロークは、M1 MacBook Airと同様 あるいはそれ以上に浅く感じます。

 

▼他のThinkPadと同様に、タイピングしやすいよう キーは中央に向けて窪んでいます。10キーなしのため、スピーカーの面積は広くなっています。

 

ベンチマークスコア

CPUファンがそれほど回転せず、全般的に熱を帯びている影響か、AMD Ryzen 9 PRO 6950Hを搭載している製品としては、ベンチマークスコアはやや低いです。なお、3DMark、その他のベンチマークも計測してみたかったのですが、発熱の関係から未計測です。

 

▼Geekbench 5のスコアは、「シングルコア 1368、マルチコア 8214」。こちらの記事など、海外の他サイトを参照すると、AMD Ryzen 9 PRO 6950Hのシングルコアのスコアは もう少しよいと思っていたのですが、何度計測しても 1300台。発熱との関係で抑えているのか、あるいはサーマルスロットリングが何度も機能していた形跡があり、十分に実力を発揮できていないのでしょう。

 

▼Geekbench 6のスコアは「シングルコア 1755、マルチコア 8284」。Geekbench 5と6では、スコアの測定項目とベースとなるPCのスペックが異なるため、Geekbench 6のシングルコアのスコアは、5よりも2~3割ほど高くなります。Geekbench 5との比較では妥当な水準です。

 

▼CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 1336、マルチコア 11724」

 

▼SSDのベンチスコアは高いです。私の場合、読み書き 1500MB/sと3000MB/sでは体感できるほどの差を感じないのですが、Read 6818MB/s 、Write 4878MB/sともなると、200MBほどのソフトのインストール時にも明確な違いを体感できます。

ただし、Windows 11の起動は、Z16側での何らのチェック機能などが働いているのか、エントリークラスのPCIe SSDよりも明らかに遅く、30~40秒ほど要します。反面、Windowsの終了は速いです。

 

▼メモリの帯域幅は29.44GB/秒。LPDDR5としてはやや遅い部類です。

 

体感レスポンス

ベンチマークスコアは、AMD Ryzen 9 PRO 6950Hとしては やや控えめなスコアであるものの、Read 7,000 MB/s弱、Write 5,000MB/s弱の高速 SSDと相まって、私の使用範囲(記事の編集、オフィスソフト、動画視聴、画像編集)では、キビキビと動作します。

私はM2 Pro Mac miniをメインPCとして利用していますが、macOSとWindowsのアニメーション効果などの相違もあり、本製品がよりキビキビ動作しているようにも感じます。

マイナスポイントとしては、発熱から生じる課題(後述)と、Windowsの起動が遅いこと。ただし、今回はお借りしたPCでのレビューのため、BIOSの確認やファームウェアの更新を行っていませんが、これらの対応により課題解消となる可能性もあります。

 

サウンド

2スピーカーを装備していますが、16インチと大柄であり、また、プレミアムモデルであるためにスピーカーもよいものを搭載しているためか(仕様には明記なし)、スピーカーの音質はよいです。YouTubeの動画の視聴時に即、一般的なノートPCとの相違を感じ、低音・中低音ともにクリアに聞こえます。

 

基本動作で気になる事項

デザイン、質感、レスポンス、液晶ともに出来のよい本製品ですが、PCの基本動作で以下の気になる事項をあえて記載します。

Lenovo オンラインストアのThinkPad Z16 販売ページの海外ユーザーの書き込みでは、私と同様に、発熱に起因するコメントが散見されます。一方、国内のレビュー記事では、発熱から生じる課題の記載は多くなく、お借りした端末の個体差、BIOSやファームウェアの更新で課題解消となる可能性もあります。

 

  1. 上記のベンチマークスコアのとおり、高速なPCIe SSDを搭載しており、Windowsの終了や大容量アプリのインストールは快適ですが、Windowsの起動が遅い。Lenovoのロゴが表示されるまで時間を要します。
  2. スリープ中、使用中ともに、キーボード面に他のノートPC以上の熱を帯びる。タイピング時にも指先に熱を感じ、長時間のタイピングは厳しいです。その際にはファンが回転している様子はありません。
  3. BIOS、ファームウェアの更新で修正されているようですが、ACアダプター接続時には、スリープから復帰できない現象があります。ググってみると、海外ユーザーで同じ現象があるようです。
  4. 時おり、画面がブラックアウトする。1,2秒程度 ブラックアウトし、即復帰するため、大きな影響はないのですが。

 

▼こちらは負荷をかけていない通常時のCPUとGPUの温度ですが、CPUのコア温度の平均は 79.8℃、GPUは80.6℃と高いです。また、内部温度が高いにもかかわらず、ファンが激しく回転している様子もなく、高い温度を保持した状態です。

 

まとめ

アルミ製の質感の高い筐体にハイエンドな基本スペック、一般的なThinkPadのキーボードとはストロークなどの趣きが異なるものの、快適なタイピング感・しかもテンキーなしとプレミアム感漂う「ThinkPad Z16 Gen 1」です。

ただし、「お借りした端末での個体差の可能性もあり。ファームウェアの更新で課題解消となる可能性あり」との前提ですが、また、公式ストアの海外ユーザーの書き込みと同様に、冷却と発熱に課題があり、上記の優位な事項を十分に活かしきれていないイメージです。

 

レビューした製品はこちら

Lenovo ThinkPad Z16 Gen 1 (AMD)、Lenovo 公式ストア

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