今回レビューする製品は、CPUにAMD Ryzen 5 7430Uを搭載する14インチノート「ThinkBook 14 Gen 6」です。公式ストアの販売価格 8万円台半ばにして、メモリ 16GBを搭載しています。
14インチのノートPCとしては筐体の質感も高く、Web サイトのブラウジングや在宅勤務などの普段使いでは サクサクと動作し、10万円未満のPCとしてはおすすめ製品の一つです。
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今回のレビューは、Lenovoさんからお借りした製品に基づいています。記載のスペックと価格は 2024年12月15日現在のものです。
ThinkBook 14 Gen 6のスペック
スペックについては、以下の記事から再掲載です。冒頭に記載のとおり、エントリー構成においても、メモリ 16GBと指紋認証を装備し、筐体は一部を除きアルミ製です。
ThinkBook 14 Gen 6 (AMD)、アルミ製筐体 メモリ16GBの14型ノートが実質 7万円前後で販売中。指紋認証も搭載
CPU | AMD Ryzen 5 7430U、6コア12スレッド |
GPU | AMD Radeon Graphics |
メモリ | 16GB DDR4 3200MHz オンボード |
ストレージ | M.2 2242サイズ、512 GB PCIe Gen 4 SSD |
ディスプレイ | 14インチ IPS、解像度 1920 x 1200、45%NTSC、輝度 300 nit |
WiFi | WiFi 6E対応 (11ax/ac/a/b/g/n準拠) |
Bluetooth | 5.2 |
ポート類 | USB Type-C 3.2 Gen2 x 2(映像出力対応)、USB 3.2 Gen1 (Powered USB) 、USB 3.2 Gen1、HDMI、有線LAN、4-in-1 メディアカードリーダー |
サイズ | 313.5 x 224 x 16.9mm、約1.38kg〜 |
OS | Windows 11 Home |
その他 | アルミ製ボディ、指紋センサー搭載、ステレオスピーカー、バックライトキーボード |
実機のシステム情報
続いて、実機から抽出のシステム情報を掲載します。
▼Windows 11の「設定」にある「デバイスの仕様」と「Windowsの仕様」より。公式サイトの仕様どおり、AMD Ryzen 5 7430U、メモリ 16GB、Windows 11 Homeです。
▼ディスプレイの「拡大/縮小」の推奨は150%。他の14インチ FHDと同じですが、文字などがやや大きいように感じたのですが、ThinkBook 14 Gen 6に付属のスペックシート(梱包時のキーボードの保護のペーパー)には「125%」とあり、125%が妥当なところです。
▼キーボード右上の電源ボタンは、指紋認証に対応しています(顔認証には未対応)。指紋の登録、認証ともに速いです。
HWiNFOの使い方、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフト。投稿数 約4万件のフォーラムも充実
▲▼上の記事にて紹介のフリーソフト「HWiNFO」から抽出のシステムの概要です。クリックで拡大できます。
▼上の概要から CPUの情報を拡大。AMD Ryzen 5 7430Uは、6コア 12スレッド、7nm プロセス、TDP 15W
▼オンボートメモリ 16GBは、DDR4のデュアルチャンネル
▼GPUの情報です。
▼14インチ液晶の型番は「LENOVO LEN140WUXGA」
▼PCIe SSDの型番は、SKHynixの「HFS512GEJ4X112N」。2242サイズのSSDです。
外観
液晶とキーボード以外(これらは後述しています)の外観と付属品について記載します。8万円台のPCの場合には、樹脂製の筐体となることが多いように思いますが、本製品の天板と底板はアルミ製であり、質感は高いです。ただし、液晶のベゼルは レノボの上位機と比較すると、ややチープさ(一目で樹脂とわかるもの)を感じます。
▼左サイドは左から、USB-C 3.2 Gen2、USB-A 3.2 Gen1、HDMI、USB-C 3.2 Gen2、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック。USB-Cは2つともに、充電 / 給電と映像出力に対応しています(実機で確認済)。
▼右サイドは左から、4-in-1メディアカードリーダー、USB-A 3.2 Gen1、イーサネット・コネクター(RJ-45)、セキュリティキーホール
▲左右両サイドともに、他の面と同様に質感は高いもの。
▼ヒンジ側より。天板の色は同系色のツートンですが、撮影する角度によっては単色のように見えます。
▼私の好みの角度より。8万円台のPCとしては、天板も含めて全般的な質感は高いです。上の記事にて、概ね同じ価格帯の「Lenovo IdeaPad Slim 5i Gen 8」を実機レビューしています。Slim 5iも質感は高いのですが、本製品は同等、もしくはやや上の質感のように感じます。
▲▼天板を撮影。写真のとおり、同系色のツートンです。「ThinkBook」のロゴはやや大きく、特殊なフォントのようにも思いますが、配色からも気になるものではありません。
▼底板のデザインは、ThinkPadも含めて 他のレノボのノートPCと概ね同じです。
▼65Wの電源アダプターが付属。ThinkPadなどと共通のものです。
液晶
「14インチ IPS、解像度 1920 x 1200、45%NTSC、輝度 300 nit」の使用感は以下です。全般的には、45%NTSCの狭い色域のために 写真などで色合いに淡さも感じますが、明るさ・視野角ともに十分。発色などにクセもなく、よい液晶です。
- こちらの記事にて実機レビューの14インチ 100%NTSCを搭載(オプション選択)の「ThinkPad E14 Gen 5」と比較すると、写真などの色合いはやや淡いです(色などの再現性はやや低い)。
- ただし、落ち着きのある描写であり、事務作業などでの長時間の使用において、目の疲れは大きくありません。
- 一般的な使用においては十分に明るく、視野角も広いもの。
- 標準設定の色合いは やや暖色(黄色)寄りのように感じますが、万人受けしそうな色合いです。
▼標準設定の壁紙での撮影。非光沢パネルとあわせて ギラツキもなく、落ち着いた色合いです。
▼当サイトのトップページの表示事例です。実際の表示は、写真よりも多少 黄色味を帯びたもの。写真の表示はやや淡くなるものの、明るさ、視野角ともに良好です。
▲ベゼル幅の実測をしないままにレビュー機を返却しましたが、左右と上のベゼル幅は狭いです。
キーボード
キーボードの使用感を記載します。私としては、直近のThinkPadよりも好みの打鍵感です。
- 製品の受領後に即、快適、かつリズミカルに高速タイピングできています。
- 私はWindows 11 ノートPCとしては、同じく 14インチのThinkPad E14 Gen 5をメイン利用していますが、本製品がより快適なように感じます。
- 上記の背景としては、キーの押し込み感が ThinkPadよりも僅かに硬め。個人の好み・感覚によりますが、私には程よくマッチしています。
- 上の写真のとおり、Enter キーは一般的な日本語キーボードよりも小さいですが、影響は全くありません。確実に押下できています。
- タイピングとは関係ないのですが、ThinkPadのブラックのキーキャップは 指紋や油脂の付着、テカリが気になるのですが、本製品のグレイのキーキャプの場合、それらが気になるほどではありません。
▼他ののLenovoのノートPCと同様に、キーキャップは中央に向かって窪んでいます。
ベンチマークスコア
実機で計測のベンチマークスコアを掲載します。どちらかと言えばエントリー寄りのスペックであり、軽めな Geekbench 5/6、CINEBENCH R23、ドラクエベンチマークのみの計測です。
▲▼Geekbench 5のスコアは「シングルコア 1418、マルチコア 6106」。以下の記事にて、これまで実機レビューしたPCのスコアを一覧化しています。このなか、他のCPUとの比較では、シングルコアはのスコアは Core i7-1165G7や AMD Ryzen 7 6800Uと同水準です。
このあたりのスコアでは、Web サイトのブラウジング・一般的な解像度の動画視聴・在宅勤務では、上位機と遜色なくサクサクと動作します。
PC 実機で計測、Geekbench CPU ベンチマークスコアの一覧、サクサクと動作するスコアの指標
▼Geekbench 6のスコアは「シングルコア 1869、マルチコア 4847」。Geekbench 5と6では、スコア判定のベースとなるPCのスペックと評価項目が異なり、Geekbench 6は5よりも高いスコアとなります。以下の結果では、マルチコアのスコアがやや低いですのですが、何度か計測しても同水準でした。
▲▼CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 1287、マルチコア 7800」。以下の記事にて、これまで実機レビューしたPCのスコアを一覧化しています。このなか、他のCPUとの比較では、マルチコアはのスコアは Core i5-1340PとAMD Ryzen 7 5800Hの中間あたり、Apple M1よりも高いスコアです。
CINEBENCH R23、ミニPC・ノートPC 30製品で計測のスコア一覧。キビキビ動作のスコアの指標
▼ドラクエベンチマークのスコアは「快適、6806」
▼PCIe 4.0 SSDの読み書きは3000MB/s 超えとなり、このクラスのPCでは一般的な速度です。
体感レスポンス
AMD Ryzen 5 7430Uのベンチマークスコアは、モバイル向けの上位のRyzenや、インテル 第12 / 13世代のCore i5 クラスより控えめですが、普段使いではサクサクと動作します。
- 私の普段使いの用途は、記事の編集(画像編集を含む)、Web サイトのブラウジング、YouTubeの視聴、在宅勤務でのデータ量・関数の多い ExcelやAccess。これらの用途では、遅さを感じることは全くなく、キビキビと動作します。
- 所有するPC / 実機レビューしたPCで最上位クラスは M4 Mac mini / Core i7-1400Fを搭載するデスクトップですが、上記の用途では遜色ないレスポンスです。
- ストレージ側となりますが、Windows 11の起動と終了、大容量ソフトのインストールも速く快適です。
- 以降の段落に記載していますが、上記のレスポンスとCPUファンの音量も小さいことをあわせて、作業に集中することができます。
サウンド
サウンドをアピールする製品ではありませんが、ビジネス向けのノートPCよりも よい音質であり、これまでレビューしたノートPCのなかでは、10点満点中 6.5あたりでしょうか(感覚的なものです)。
- Amazon Music、YouTubeを視聴する範囲となりますが、音量はやや大きいように感じます。
- 音質、特に低音は一般的なノートPCよりも良い部類です。
- ただし、音量を大きくすると多少の音割れはあります。
CPU 温度、ファン音量
負荷をかけた際のCPU温度とファン音量について記載します。CPU 温度はやや高めですが、ファン音量は エントリークラスのAlder Lake N100と同水準の静音性を保持しています。
▼CINEBENCH R23 ベンチマークを計測時のCPU温度です。最大は90℃前後とやや高いのですが、キーボード面などの筐体は熱くならず、作業には影響ありません。
▼iPhone アプリ「デジベル X」で計測のファン音量です。平均は31dBとかなり静かな、ほとんど気にならない音量です。ただし、瞬間的に音量アップとなることもありますが、数秒程度ですぐに静音となります。
まとめ
Lenovo ThinkBook 14 Gen 6の実機レビューでした。2024年12月15日現在のLenovo 公式ストアの販売価格は 84,700円。この価格帯のノートPCとしては、以下のとおり課題らしきものもなく、コスパに優れた製品です。
- CPUは Ryzenとしては エントリー寄りのRyzen 5 7430Uですが、普段使いでは上位機と遜色なく動作。また、メモリも16GBを搭載しています。
- アルミ製の天板と底板となり、この価格帯としては 質感の高いもの。
- 私個人としては、ThinkPadのキーボード以上に快適なタイピング感です。
- 同価格帯のPCとしては、以下の記事にて実機レビューの「Lenovo IdeaPad Slim 5i Gen 8」がありますが、基本スペックとしては「IdeaPad」がやや優位である一方、筐体の出来は「ThinkBook 14 Gen 6」が(大きな差ではないものの)よいように感じます。
Lenovo IdeaPad Slim 5i Gen 8 実機レビュー、Core i5-12450Hはキビキビと動作、タイピング感もThinkPad並みに快適
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今回のレビューは、Lenovoさんからお借りした製品に基づいています。記載のスペックと価格は 2024年12月15日現在のものです。
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