2020年10月にジャンクな中古で購入した「ThinkPad E130」。2012年6月の発売の11.6インチ Windows ノートであり、約1.5kgの重量とヒンジが壊れやすいことから、販売時も中古としても人気薄のPCですが、私としてはサイト記事の編集用として評価は高いもの。
レスポンスとしては Apollo Lake N3450程度、ディスプレイは視野角の狭いTNパネルですが、何よりもタイピングが快適。今回はこのThinkPad E130を今さらながらのポイントのみのレビューです。
購入、カスタマイズしたThinkPad E130のスペック
以下の記事に記載していますが、ヒンジの故障した(ヒンジ以外はかなり綺麗な状態)ジャンクな端末をPayPayフリマで4,980円で購入。その後、HDDをSSDに換装、HackintoshによるmacOSを導入すべく mSATA SSDを増設、メモリを4GBから8GBに増設しています。
ジャンクなThinkPad E130の再生、HDDをSSDに換装、mSATA SSDとメモリを増設
ThinkPad E130の壊れたヒンジを修理。大幅に改善するも完全な再生は困難
▼現在の構成はこちら。赤文字はカスタマイズした箇所です。
CPU | Core i3-3227U |
GPU | Intel HD Graphics 4000 |
メモリ | 4GB、8GBに増設済 |
ストレージ | 320GB HDD、120GB SSDに換装済、mSATA 128GB SSDを増設済 |
ディスプレイ | 11.6インチ、ノングレア、解像度 1366 ×768、TNパネル |
WiFi | 11b/g/n |
Bluetooth | 4.0 |
ポート類 | USB 3.0 x 2、HDMI、カードスロット、有線LAN、D-Sub |
バッテリー容量 | 劣化しているものの、ある程度は持つ |
サイズ | 28 x 212 x 21.7-23mm、1.54kg |
OS | Windows 10 Pro(中古で購入時に更新済) |
11.6インチにして厚み 23mm、重量 1.54kgと当時のノートPCとしても、特に重いことがマイナスポイントですが、USB 3.0 x 2、HDMI、有線LANを搭載していることは立派すぎます。
また、当時のThinkPadらしく、メモリ・SSDなどの拡張性が高いこと、バッテリーが分離式であることが大きなメリット。これらの拡張ができない場合には、購入することはありませんでした。
▼HDDをSSDに換装、mSATA SSDとメモリの増設後の写真です。
外観
構造的にヒンジが壊れやすい(他サイトや中古を確認すると、かなりの高確率で壊れています)最大の弱点を別にして記載します。プラスチック製のボディは質感高めとは言えませんが、キーボード面のThinkPadの「i」が赤く光る仕様など、現行販売のThinkPadにはない事項もさりげない魅力です。
▼2012年当時のPCとしてもディスプレイのベゼル幅は太いもの。私はもちろんベゼル幅が狭いPCが好みですが、ブラックベゼルのために大きな違和感はありません。
▼底板・キーボードなどにプラスチック感の強いE130ですが、中古としては天板・底板ともにかなり綺麗な状態です。
▲上の右側にシルバーのネジが2本ありますが、下の画像のようにヒンジが大きく開いていたものを、プラスネジを貫通させ修理しています。詳細は「ThinkPad E130の壊れたヒンジを修理。大幅に改善するも完全な再生は困難」を参照。
なお、写真左側の3本のネジを外すと簡単に内部にアクセスできる、メンテナンス性の高さも他のThinkPad以上に利便性の高いもの。
▼古いThinkPadは、USBポートにHDMI、D-Subに有線LANなどのポート類が豊富なことも大きな特徴。HDMIポートを備えているため、快適なキーボードを活かしてミニPC的に扱うこともできます。
ディスプレイ
視野角の狭いTNパネルとなりますが(E130にIPSパネルの設定はなし)、他サイトのレビューでも大きな批判は見当たらず。以下で記載のThinkPad T550のTNパネルはかなり見にくいものであり、ThinkPadのTNパネルにいいイメージを持っていませんでした(後述のとおり、T550のTNパネルと比較すると許容範囲)。
▼T550のTNパネルは、15.6インチとしては低解像度であり、経年劣化もあるかと思いますが、視野角・明るさ・シャープさともに、これまでにレビューしたTNパネルのなかでも最低ランクのもの。3KのIPSパネルに交換予定です。
T550のTNパネルにより、ThinkPadのTNパネルによいイメージを持っていなかったのですが、このE130と、同時に中古で購入したX280のTNパネルは十分に許容範囲。E130の具体事項は以下です。
- 色合いは青みの残る寒色系。どちらかと言えば、私の好みではない発色。
- 経年劣化もあるかと思いますが、単体で見る限りでは「やや暗い」程度の明るさですが、IPSパネルのなかでも明るいディスプレイと比較すると、その差は明確。E130の明るさ最大で、明るいIPSパネルの60%程度の明るさ。
- ただし、視野角は所有する、あるいはこれまでにテストした ASUSやマウスコンピューターなど特定製品のTNパネルほどに狭くありません。
- 少なくとも、正面から見る範囲ではIPSパネルに交換したくなるほどではありません(IPSパネルの販売はありませんが)。
- 発色がもう少し明るく鮮やかであれば、所有する MacBook Air 11 Mid 2011と同水準。
- 解像度 1366 ×768と低く、文字をじっくり見ると粗さもあるものの、11.6インチと大きくないサイズのため、それほど気にならず。
ベンチマークと体感レスポンス
標準装備のHDDでは、評価はかなり異なってくるのですが、SSDに換装したことにより Apollo Lake N3450とGemini Lake N4100との中間的なレスポンスで動作します。具体的な体感レスポンスは以下です。
- 同クラスのCPUを搭載するMacBook Air 11 Mid 2011よりも、やや優位なレスポンス。MacBook Air 11はメモリ 4GB、E130をメモリ 8GBに増設していることも貢献しているはず。
- Webサイトでの画像編集では、第5世代のCore i3-5005Uと比較しても僅かに遅延する程度で、ライトユースでは特に遅いと感じることもありません。
- 繰り返しですが、全般的には、Apollo Lake N3450と同程度、もしくはGemini Lake N4100に近いレスポンス。Atom Z8350やApollo Lake N3350よりは確実にキビキビと動作。サイト記事の編集程度では、現在(2020年10月)でも十分に実用的。
▼CrystalDiskMark v7での換装・増設したSSDのベンチマークスコア。上は2.5インチ SSD、下はmSATA SSD。詳細は「ジャンクなThinkPad E130の再生、HDDをSSDに換装、mSATA SSDとメモリを増設」を参照。双方ともに、国内通販サイトで最安水準のSSDですが、ベンチマークスコアは良好です。
▼こちらはGeekbench 5のCPUベンチマークスコア。上はE130、中央はBMAX B2のApollo Lake N3450、下はBMAX B2 PlusのGemni Lake N4100。BMAX B2 / BMAX B2 PlusはAmazonでも現行販売(BMAX B2のAmazonの事例はこちら)のミニPCですが、体感レスポンスに影響するSingle-CoreのスコアはN4100と同等です。
▼引用したBMAX B2 / B2 Plusの実機レビュー記事はこちら。
▼ドラクエベンチマークの標準画質でのスコアは「普通の3271」。
キーボードのタイピング感
キーボードのタイピング感は、私の好みにマッチしたもの。このキーボードのみでも購入するメリットは大きいように思います。
- 所有するThinkPadは、X220、X280、X1 Carbon 2016モデル、T550、E130ですが、キーの押し込みと戻り感の心地よさは、もしかすると最もしっくりくるかも。適度な戻り感でリズミカルにタイピングできます。
- 無変換・変換キーなどに他のキーよりも小さなサイズのものがありますが、ほとんど違和感なくタイプできます。
- 14インチのX1 Carbon 2016モデルと比較するとコンパクトですが、もともと私は12インチクラスの魂魄なキーボードが好みであり、ほどよいサイズ感です。
- 他のThinkPadも同様ですが、打鍵音は全く気にならず。低めの鈍い音がする程度です。
- トラックポイントの操作性は他のThinkPadと同様に良好。タッチパッドはX220と同様に、滑り対応のザラザラした小さなものですが、動きに引っ掛かりのあるX220よりもよいです。
▼本体と同様にプラスチック感のあるキーボードですが、タイピング感のよさはさすがにThinkPad。E130は、X280と比較してもストローク深めで、キーの戻り感も心地よい。
▲▼タッチパッドはX220よりも軽やか。タイピング感も、長時間使用していると疲れ気味のX220よりも、私としては好みです。
CPUファンの音量
私の大きなチェックポイントのCPUファンの音量ですが、サイト記事編集程度のライトユースでもファン音は聞こえるものの、小さな音量であるために全く気にならず。ベンチマークで負荷をかけた場合にも音量は変わらず、静かなものです。以下のノートPCなど、同水準のスペックでも常時ファンが回転し、やかましい製品もありますが、E130の場合には実に静か。
まとめ
同時期に発売されたThinkPad X220の場合には今でも需要があるようですが、ヒンジの不具合などもあり、格安な中古でも人気薄と思われるE130。私は拡張・遊び目的で購入したのですが、サイト記事の編集目的では当たりの製品です。ヒンジの故障以外では、重さとディスプレイの暗さのマイナスポイントもありますが、快適なタイピング環境はそのマイナスを十分に補うことができます。
強烈におすすめするものではありませんが、程度のよい中古でヒンジをDIYで修理する前提のうえでは、自宅での3台めあたりのサブPCとしてはよいかも、との認識です。また、AliExpressではパーツが多く揃っていることも魅力の一つ(本体の中古価格と比較すると割高なため、パーツ単体での購入はおすすめしませんが)。
▼ヤフオクなどのフリマが安価ですが、参考までの国内通販の中古の情報です。
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