多くのミニPCを展開し、最近ではメカニカルキーボードも販売している「MINISFORUM」より、CPUに8コア16スレッドのAMD Ryzen 7 7840HS、DDR5 メモリ(最大 96GBをサポート)を搭載する、同社フラッグシップ機の位置づけとなる「UM780 XTX」が発売となりました。
ハイエンドの基本スペックとなるほか、OCulink ポートのアダプターが付属し、OCuLink 対応基板を経由して外付けGPUに接続することもできます。
なお、11月11日現在、早速 実機をレビュー中ですが、快適レスポンスはもとより、その静音性には驚きです。製品の受領直後であり、詳細なレビュー記事は後日となりますが、ベンチマークスコア・実機写真の一部を掲載しています。
販売元・引用元
MINISFORUM UM780 XTXのスペック
上の画像は公式サイトからの引用ですが、付属のOCulink ポートのアダプター(内部のPCIe 空きポートに接続)を使用し、外部GPUに接続している様子です。OCulinkについては、MINISFORUM 公式サイトにも概要の記載があり、「PC Watch」の記事に以下と記載されています。
OCuLinkはPCI Expressを外付けにする規格であり、Thunderbolt 4やUSB4と比較して比較的安価に、なおかつ転送ボトルネックが少ない外付けGPUソリューションを実現する
OCuLink搭載で最大メモリ64GB。空前のハイスペックUMPC「GPD WIN Max 2」
OCulinkを活かせる外部 GPU ボックス、あるいはOCuLink 対応基板を探しているのですが、AliExpressにおいても、ごく少数のように思います。動作状況は未確認ですが、GPD WIN Max 2用の機器は以下です。
▲▼おそらく、上の2つめの製品かと思いますが、以下のTecTabletsさんのレビュー動画(12分08秒あたりから)で、安価なOCuLink 対応基板を経由して、外付けGPU(GeForce RTX 4090でしょうか)を動作させています。
▼「MINISFORUM UM780 XTX」のスペックは以下となります。
CPU | AMD Ryzen 7 7840HS、Zen4 アーキテクチャ、8コア 16スレッド、最大 5.1GHz |
GPU | AMD Radeon 780Mグラフィックス |
メモリ | DDR5 5600 32GB / 64GB、最大 96GB |
ストレージ | M.2 2280 PCIe 4.0 SSD 1TB、PCIe 4.0の空きポートあり |
WiFi | WiFi6E 対応 |
Bluetooth | 5.2 |
ポート類 | HDMI、USB4 x 2、DisplayPort、USB-A 3.2 x 4、有線LAN x 2 |
OS | Windows 11 Home |
その他 | PD 給電対応、OCulink ポートのアダプター付属、スタンド付属 |
基本スペック、OCulink以外のスペックの補足は以下です。
- セットモデルのほか、メモリ・ストレージ・OSなしのベアボーンも販売されています。
- バランスモード(TDP 54W)とパフォーマンスモード(TDP 70W)の2つのモードあり。
- 映像出力は、HDMI、DisplayPort、USB4 x 2の4系統。DisplayPortにより(モニターが対応している場合)、高いリフレッシュレートでの出力が可能です。
- M.2 PCIe SSDの空きポートを備えていますが、付属のOCulink ポート アダプターの接続時(ユーザーでの取付)時には使用できません。
- 実機で確認したところ、OSは Windows 11 Proではなく Homeです
- スペックとは関係ありませんが、実機で確認のファン音は、ベンチマーク測定時にも驚くほどに静音です。なお、CPUの冷却は液体金属です。
- 公式サイトにサイズの記載が見当たりませんが、実機での確認では 139 x 127 x 59mm。一般的なミニPCよりも やや大型です。
- 天板のRGBライトは、BIOSにて有効・無効の切替可能とのこと(実機にて確認中)。公式サイト・イメージ画像のトラのエッチングシートは、ユーザーで取り付ける仕様です。
- モニターがPD給電に対応している場合、ケーブル1本でPC本体への給電と映像出力が可能です。モニター側の出力の要件が明記されていませんが、付属のACアダプターの出力は120Wです。
▼内部の構成はこちら。トラのバックライト・エッチングシートは、ユーザーで取り付ける仕様です。CPUファン以外に、マザーボード・メモリ・SSD冷却用のファンとヒートシンクが備わっているようです。一通りの使用後に、分解したうえで構成を確認します。
▼金属製のスタンドが付属しています。OCulinkはデフォルトでは塞がっており、ユーザーにて付属のアダプターを取り付ける仕様です。
▼天板は半透明になっており、トラのエッチングシートはユーザーで取り付ける仕様(ユーザーで好みのものを取り付け可能)です。BIOSで有効・無効を切替可能とのことですが、現在、実機のBIOSで確認中です。
速報ベースの実機写真、ベンチスコア
製品を受領直後のため、詳細な実機レビューは後日(11月19日あたり)となりますが、速報ベースでの写真とベンチマークスコアを掲載します。現在、当記事は本製品を使用して編集していますが、快速レスポンスはもちろんのこと、静音性に優れた同社のミニPCのなかでも、群を抜いて静音です(CINEBENCH R23のベンチスコア計測時にも、ほとんど気にならないほどに静音です)。
外観
電源オン時(付属のエッチングシートは未装着)には、85mm角ほどのRGBライトが点灯しますが、BIOSで無効化することができます。なお、写真ではグレイのように見えていますが、実機は よりブラックに近いです。
iMac 27 Mid 2010のターゲットディスプレイ、AMD Ryzen Win 11 PCからの映像出力を確認。音声も含めて確実に機能
▲▼背面のポートをさらに拡大。USB4は前面と背面に備えています。私は上の記事で記載の古い iMacや他のディスプレイで、DisplayPortを使用することも多く、DPを装備していることも有難いです。
▼両サイドは網目状の通風孔があります。中央にヒートシンクが見えますね。
▲▼以下の記事にて実機レビューの、Core i5-13500Hを搭載する「MINISFORUM NPB5」を並べてみました。「NPB5」より縦横・高さともにやや大きく、本製品は部分的に金属の筐体のようで 重厚感があります。
なお、NPB5も十分に静音ですが、本製品はそれ以上に静かです。記事編集などの通常時には、Alder Lake-N N100のミニPCと同様の静けさです。
▼意外とコンパクトなACアダプターです。
▼11月14日現在、詳細なレビュー記事を編集中ですが、以下は付属のOCulink アダプターを取り付けた写真です。
ベンチマークスコア
以降のベンチマークスコアは、バランスモード(TDP 54W)とパフォーマンスモード(TDP 70W)の2つのモードのうち、デフォルトのバランスモードのスコアです。
▼Geekbench 5のスコアは「シングルコア 1954、マルチコア 12177」
▲▼以下の記事に、これまで実機で計測したPCをメインに、Geekbench 5のスコアを一覧化していますが、上の画像のM2 Pro Mac miniと ほぼ同じスコアです。
PC 実機で計測、Geekbench CPU ベンチマークスコアの一覧、サクサクと動作するスコアの指標
▼CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 1720、マルチコア 16589」。なお、スクショの掲載は割愛しましたが、M2 Pro Mac miniのスコアは「シングルコア 1645、マルチコア 11744」です。
▼こちらは BIOSでパフォーマンスモードに変更後の 3DMark Time Spyのスコアです。
▲▼PCIe 4.0 SSDのスコアは「Read 4762MB/s、Write 3870MB/s」。キビキビしたレスポンス・静音性から、以下の製品など、より高速なSSDに換装したくなってきました。
まとめ
「MINISFORUM UM780 XTX」のスペックとあわせて、受領直後の実機の外観とベンチマークスコアを、速報ベースで掲載しました。私のメイン使用のM2 Pro Mac mini 以上のベンチマークスコア、キビキビしたレスポンスもさることながら、その静音性には驚きです。平日は通常のメイン業務があるため(サラリーマンです)、レビュー記事編集作業ができないのですが、休暇を取得し 本製品をじっくり使用・記事を編集したい衝動に駆られています。