今回レビューする製品は、14インチ 有機ELパネル 2.8K 解像度、CPUにCore i7-1260Pを搭載する「Lenovo Yoga 770i」です。4スピーカーにアルミ製ユニボディの筐体でデザインもよい製品です。
開封して驚いたのが、筐体の質感の高さと 有機ELパネルのブラックとそれ以外の色との対比が明瞭で、鮮やかなこと。もちろん、旧世代ながらもCore i7-1260P、16GB LPDDR5 メモリを搭載していますので、レスポンスも快適です。
販売元 当記事のレビューは、Lenovoさんからお借りした製品に基づくものです。また、アフィリエイトリンクを搭載しています。
Lenovo Yoga 770i(Core i5-1240P、メモリ 8GB モデル)、Lenovo 公式ストア
Lenovo Yoga 770iのスペック
同シリーズのエントリーモデルのスペックは以下の記事にて掲載していますが、今回レビューするモデル(型番:82QE005EJP)のスペックは下表です。
Lenovo Yoga 770i 14型、Core i5-1240P搭載、2.8K 有機EL Yogaスタイル PCが99,880円でセール中
CPU | Core i7-1260P、12コア 16スレッド |
GPU | Intel Iris Xe Graphics |
メモリ | 16GB LPDDR5-4800MHz オンボード |
ストレージ | 1TB M.2 PCIe SSD |
ディスプレイ | 14インチ、IPS、OLED(有機EL)パネル、解像度 2880 x 1800、アスペクト比 16 : 10、光沢、タッチパネル |
WiFi | Wi-Fi 6E対応 (IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n準拠 |
Bluetooth | 5.2 |
ポート類 | Thunderbolt 4 (Type-C) × 2、USB3.2 (Type-A/Gen1) 、HDMI |
Web カメラ | FHD 1080p、プライバシーシャッター付き |
バッテリー容量 | 4セル 71Wh、65W 電源アダプター |
サイズ | 約 316.66 x 220.25 x 17.35mm、約 1.42kg |
OS | Windows 11 Home |
その他 | アルミ製ユニボディの筐体、4スピーカー、Lenovo デジタルペン付属、指紋センサーなし |
実機のシステム情報
続いて実機から抽出のシステム情報を掲載します。
▼Windows 11のデバイスとWindowsの仕様。もちろん、スペック通りのCore i7-1260P、メモリ 16GB、OSはWindows 11 Home。
▼14インチ液晶の解像度は 2880 x 1800、推奨の拡大は200%と実機での見え方は程よいもの。
HWiNFO、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフトの概要
フリーソフト「HWiNFO」利用による Windows PC バッテリー劣化度の表示事例
以降は上の記事で掲載のフリーソフト「HWiNFO」から抽出のシステム情報です。
▼CPU、メモリ、ストレージのサマリー。クリックで拡大できます。CPUのCore i7-1260Pは、Pコア 4コア 8スレッド、Eコア 8コア 8スレッドの合わせて 12コア 16スレッド、TDP 28W。
▼LPDDR5 16GBのメモリはクアッドチャネルでの動作です。
▲▼1TBのSSDは「SAMSUNG MZAL41T0HBLB-00BL2」、PCIe4 x 4での動作です。型番をググってみると、2242サイズのM.2 SSDです。後段のベンチマークスコアで掲載していますが、読み書き 3000MB/s超の速度が出ています。
外観
続いて外観について記載します。アルミ製ユニボディ(アルミ削り出し)の外観の質感はすこぶる高く、MacBookや XiaomiのノートPCなどのこれまでにレビューしたPC、あるいは所有するPCと比較しても、トップクラスの質感の高さです。
▼右サイドは左から、マイク・ヘッドホンのコンボジャック、USB-A 3.2 Gen1、電源ボタン。電源ボタンは電源オンで白のインジゲーターが点灯します。
▼ラウンドしたサイドなど、質感の高さを感じ取れると思います。
▲▼以下の記事にて実機レビューの「ThinkPad Z16」のサイドの電源ボタンはフラットであり、押下しにくいのですが、本製品は適度な出っ張りがあり押しやすいです。
▼左サイドはHDMI、Thunderbolt 4(映像出力、PD対応)x 2個、microSD カードリーダー。Thunderbolt 4の要件は USB4より厳しいのですが、同ポートを2個装備していることはメリットの一つです。
▲厚みは17.35mmとそれほど薄くはないのですが、エッジがラウンドしていることもあり、サイズよりも薄く見えます。
▼全面とヒンジ側より(iPhoneでの撮影ですが、照明により色合いが異なって見えています)。
▼液晶を広げた場合の傷つき防止として、小さなゴムが備わっています。
▼背面より。ヒンジ側のゴム足は横長のもの。
▼天板のYOGAのロゴは、2つめの写真のThinkPad X1 Carbon 10thと同様に質感の高いもの。
▼通風孔が右サイドにある場合、マウス操作の右手に熱風が直接当たってしまい 作業を中断したくなることがあるのですが、本製品では下の写真のようにヒンジ側にあります。
▼付属するコンパクトな 65W 電源アダプター。
▼Lenovoさんにお借りした端末での今回のレビューでは未使用でしたが、スタイラスペンも付属しています。
ディスプレイ
本製品を起動して即感じたことは、光沢の有機ELパネルの恩恵を受け、明るく鮮やかで、Windowsの壁紙のブラックが引き締まっていること。ブラックと他の色とのコントラストが明瞭で、一般的なパネルとの相違を即感じ取ることができます。
色域としては、写真などの画像は原色をよく表現しており鮮やかですが、初期設定の色合いは暖色寄りで、サイトの蛍光色がギラつきがやや大きいように感じます。
▼他の写真も含めて、写真は圧縮しているために色褪せて見えますが、実機はかなり鮮やかです。
▼動画視聴モード、テントモードでの撮影。周囲の物の映り込みは大きいですが、正面での作業中は気になりません。
▼映り込みのないよう、ギリギリの角度での撮影です。この角度では視野角は良好で、鮮やかさを保持しています。
キーボード
キーボードはストロークの浅いものですが、タイピング感・使用感は以下となります。全般的に、タイピング感としては一般的ですが、ストロークが浅いためか、使い始めは多少の誤タイピング(タイプしたつもりができていない)を招きます。ただし、誤タイピングは慣れでカバーできます。
- こちらの記事で実機レビューの「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」と比較すると、よりストロークの浅いもの。ストロークの手持ちのメジャーなPCとの比較では、ストロークの深い順に、ThinkPad X1 Carbon 5th、M1 MacBook Air、富士通 LIFEBOOK U937/R、本製品、MacBook 12となります。
- タイピング感としては一般的よりもやや硬めで、富士通 LIFEBOOK U937/Rのストロークをより浅くしたイメージ。
- タイピング音は大きくなく一般的なもの。公共の場で使用の場合にも、それほど周囲に気を遣う必要もないと思われます(多少の気遣いは必要)。
- 実測 12 x 7.5cmのタッチパッドの動作はスムーズです。
▲▼ThinkPadなどと同様に中央に向けてくぼんでいます。Enterキーは「む」のキーと近接しており、Enterキーがもう少し大きいと更によいかも。
ベンチマークスコア
続いて実機で計測のベンチマークスコアを掲載します。比較対象は、以下の記事にて実機レビューの、インテル 第13世代 Core i5-13500Hを搭載するミニPC「MINISFORUM NPB5」です。Lenovoからも同CPUを搭載するミニPCが販売されています。
Geekbench 5
Geekbench 5のスコアは「シングルコア 1691、マルチコア 9207」。2つめの画像は Core i5-13500Hのスコアですが、普段使いのレスポンスに直結するシングルコアのスコアはほぼ同水準。こちらの記事にて、これまで実機レビューのPCをメインに、Geekbench 5のスコアを一覧化していますが、M1 MacBook Airに一歩及ばず。
Geekbench 6
Geekbench 6のスコアは「シングルコア 2380、マルチコア 9388」。Geekbench 6のスコアは、ベースとなるPCや評価基準の相違から Geekbench 5よりも高いスコアとなります。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 1600、マルチコア 6492」。なお、比較対象とした Core i5-13500Hのスコアは「シングルコア 1687、マルチコア 14251」です。
CrystalDiskMark
M.2 SSDの速度は「Read 3646MB/s、Write 3008MB/s」。PCIe 4.0 x 4としてはそれほど 高いスコアではありませんが、発熱も考慮すると妥当なところ。
メモリ帯域幅
LPDDR5 16GBのメモリ帯域幅は 47.4GB/秒とまずまずの速さです。前述のCore i5-13500H / DDR5 16GBは 50.42GB/秒。ほぼ同水準のスコアと言えそうです。
体感レスポンス
このクラスの製品では いつも同じコメントとなってしまいますが、旧世代とは言え、インテル 第12世代 モバイル向けハイエンドのCore i7-1260Pを搭載していますので、快適に動作します。一般的な在宅勤務や普段使いでは、数年間はメインPCとして利用できます。
- 私のPCの用途は、記事の編集・画像編集、Web サイトのブラウジング、動画視聴、データ量と関数多めのExcelとAccessなど、大きな負荷を要する作業は行いませんが、キビキビと快適に動作します。
- 上記用途では、シングルコアのスコアが概ね同水準となる M1 Mac、Core i5-13500HクラスのPCと遜色ない動きです。
- ベンチスコアとしては ほどほどの速度のM.2 SSDですが、CPUパワーと相まって、大容量アプリのインストール・アンインストールも快速です。
スピーカー
2Wx2 ツイーター 、2Wx2 ウーファーを搭載する本製品ですが、さすがに音質はよいです。音質にはどちらかと言えば鈍感な私にも、一般的なWindows ノートPCと比較すると、音質がよいことが即わかります。
YouTubeの音楽を M1 MacBook Airと聴き比べしたところ、聞き取りやすさは M1 MacBook Airがよいのですが、音質・音の広がりは本製品が優れています。
CPU温度、ファンの音量
ベンチマークで負荷をかけた際にも、キーボード面や背面はそれほど熱を帯びていないのですが、以下の「HWiNFO」で計測のCPU温度のとおり、最大温度は92℃となり、サーマルスロットリングが発動しています。これまでレビューした製品では、ミニPCの数台、ThinkPad Z16にてサーマルスロットリングが発動しましたが、これらと比べると本製品の発生頻度は高くなく、気にするほどではありません。
▼iPhone アプリ「デジベル X」で計測のファン音量。通常時(上)は33.5dB(AVG)、ベンチマークで負荷をかけた際には 46.6dB。負荷をかけた際には多少大きくなりますが、通常時にはファンはそれほど回転せずに静音です。
まとめ
2023年9月16日現在では、「Lenovo Yoga 770i」の後継の インテル 第13世代 Coreを搭載する「Lenovo Yoga 7i Gen 8」が販売されていますが、両端末ともに よい製品です。ラウンドしたサイドのデザインとアルミ製ユニボディの質感は高く、CPU、LPDDR5 メモリ、鮮やかな有機ELパネルと、メディア端末・在宅勤務や普段使いのPCとしては バランスのよいPCです。
また、詳細な時間の計測は行なっていませんが、急速充電に対応していることもメリットの一つ。急速充電を経験すると、一般的な充電のもどかしさを大きく感じます。
個人的な好みによるところですが、あえてマイナスポイントを記載すると、ThinkPadよりもキーボードのタイピング感がやや劣る(Yoga 770iは一般的なノートPCと同様)、液晶の色合いが暖色寄り(こちらは個人の好み)なことがあります。
販売元
Lenovo Yoga 770i(Core i5-1240P、メモリ 8GB モデル)、Lenovo 公式ストア
コメント