Android タブレットに搭載のCPU(SoC)としては、従来はUNISOC T618が主流でしたが、2023年8月現在は Helio G99が人気となっています。
Helio G99を搭載するダブレット・スマホを3製品を実機レビューしていますので、概要とベンチマークのまとめとしてレポートします。
実機レビューのHelio G99 搭載端末、3製品の概要
はじめに、8月27日時点で実機レビュー記事を投稿済のHelio G99を搭載する端末 3製品の概要を記載します。なお、9月初旬には、以下の記事で掲載の「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro」の実機レビュー予定です(8月27日現在、受領待ち)。
Helio G99搭載 8.4型タブ iPlay 50 Mini Pro、いよいよ 8/21 16時に予約販売開始。Banggood 個数限定クーポン価格は129.99ドル
N-One NPad X
以下の記事で実機レビューの10.95インチのAndroid 13タブレット「N-One NPad X」は、物理メモリ 8GB + 拡張メモリ 8GB、UFS 2.2の高速ストレージ、18Wの急速充電に対応、Widevine L1をサポート(ただし、Netflixはサポート外)と、バランスのよい構成です。
また、筐体には アルミ削り出しのユニボディを採用し、他の金属製のタブレットと同等以上に質感の高いことも特徴とします。
▼4スピーカーは、横持ちでの両サイドに2個づつ搭載しています。旧 MacBookなどと同じく、アルミ削り出しのユニボディを採用していることも大きな特徴です。ユニボディは見た目の美しさと軽量化に貢献します。
▼8月27日現在のAmazon 価格は、クーポン利用により 28,900円
AGM PAD P1
日本では馴染みの少ないブランド「AGM」ですが、海外通販の「AliExpress」での複数製品のレビューや販売数から推測すると海外では人気ブランドの一つです。
NPad Xが4スピーカーにWidevine L1対応のところ、「AGM PAD P1」は 2スピーカーにWidevine L1に未対応となりますが、IP68/IP69Kの防水防塵に対応しつつも 470gと軽量であることが大きな特徴です。
▼防水防塵対応であり、USB Type-Cポート / イヤホンジャック、SIM トレイの2箇所にキャップが備わっています。
▼金属製の背面は、このクラスの他製品と同様に質感の高いもの。
▼8月27日現在のAmazon 価格は24,000円
Blackview N6000
こちらは4.3インチのコンパクトなタフネススマホ「Blackview N6000」。コンパクトなタフネススマホと貴重な存在であるうえに、Helio G99 / メモリ 8GB + 拡張 8GB / 256GB UFS 2.1 ストレージ / 48百万画素 リアカメラ / 18W 急速充電と立派なスペックです。
4.3インチの縦長ディスプレイであるため、ソフトキーボードでのスムーズな入力はやや厳しいものの、MP3プレイヤーやテザリング端末も兼ねるサブ機としての用途に向いています。私は記事編集中のBGMとして、YouTubeの音声をメインに視聴することが多いです。
▼上の記事に掲載の5.7インチ タフネススマホとのサイズ比較
▼8月27日現在のAmazon 価格は25,415円
その他のHelio G99搭載端末
実機レビューは行っていませんが、その他のHelio G99を搭載するタブレット・スマホの主だった端末について記載します。8.4インチ FHD+のディスプレイとあわせて、人気製品は発売後間もない「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro」です。
ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro
上の写真は以下の記事で実機レビューの、CPU(SoC)にUNISOC T606を搭載する「iPlay 50 Mini」ですが、2つ目の記事のとおり、外観は変更なく Helio G99を搭載する「iPlay 50 Mini Pro」が発売されています。従来版と同じくシングルスピーカーであることが惜しいのですが、金属製の背面に 8.4インチ FHD+の解像度と国内外で人気の製品です。
▼Banggoodでは クーポンコード「BGIP50MP1」の利用により 個数限定 129.99ドルでの販売です。ただし、8月27日現在では、クーポンセール終了(限定数 売り切れしだい終了)間近です。
ALLDOCUBE iPlay 50 Mini Pro、Banggood
Blackview A200 Pro
「Blackview A200 Pro」は、Helio G99 / 物理メモリ 12GB + 拡張メモリ 12GB / 6.67インチの液晶はAMOLED パネル / 108百万画素のメインカメラ / 5050mAhのバッテリーは66Wの急速充電 / インスクリーンの指紋認証に対応と、ほぼ全部入りのスマホです(ただし、Widevine L1には未対応との情報あり)。
このスペック・機能にして、発売当初のAliExpressでの価格は個数限定で200ドル未満、8月27日現在は 219ドルと安価です。
10インチクラスのタブレット、その他
その他、Helio G99を搭載の10インチクラスのタブレット・スマホは Lenovo / Xiaomiの大手ブランドをはじめ、複数のブランドから販売されています。製品毎に一長一短がありますが、ここでは個別記事へのリンクのみを掲載します。
特に機能の充実している製品は冒頭2つの「HEADWOLF HPad 3 Ultra」、「DOOGEE T30 Pro」。私個人としては、サーマルイメージングを搭載のタフネススマホ「OUKITEL WP21 Ultra」も魅力に感じます。
- HEADWOLF HPad 3 Ultra、Helio G99搭載の11インチタブレット。RAM 12GB+拡張 12GB、256GB ROM、30W急速充電とスペックは充実
- DOOGEE T30 Pro、Helio G99、33W 急速充電、11型 2.5K 解像度のAndroid 13タブ。Widvine L1もサポートし3万円未満で販売中
- ALLDOCUBE iPlay 50 Pro Max、Helio G99搭載のAndroid 12タブレット。ストレージ容量が倍増となり販売に
- Teclast T50 Pro、Helio G99搭載の11インチ Android 13タブレット。AnTuTu スコア 約40万、DOOGEE T30 Proとの簡易比較も
- Lenovo Tab P11 Gen 2、Helio G99搭載の11.5型タブレットのスペックと価格情報
- Ulefone Power Armor 19 タフネススマホ、Helio G99、RAM 12GB、マイクロスコープなどの周辺機器も接続可能
- OUKITEL WP21 Ultra、サーマルイメージングにHelio G99、メモリ 12GB、66W 急速充電と豪華な仕様のタフネススマホ
- Xiaomi Redmi Pad、Helio G99搭載の10.61インチタブ。ユニボディの美しいデザインに4スピーカーを搭載
Helio G99の仕様とベンチマークスコア
ミドルレンジクラスのAndroid タブレットに搭載される代表的なCPU(SoC)としては、UNISOC T618 / 616 / 606、Helio G99などがありますが、Helio G99の仕様と実機で計測のベンチマークスコアを掲載します。
Helio G99の仕様
MediaTekとUNISOCの公式サイトから抽出の、Helio G99とUNISOC T618 / T616 / T606の主だった仕様を単純に並べたものです。
Helio G99の発表は2022年5月23日、UNISOC T618の発表は2019年8月27日と3年弱の開きがあることから、製造プロセスも異なります。
AnTuTu ベンチマーク v10
以下のグラフは、Android タブレットでの搭載事例の多いCPU(Soc)において、Helio G99以外は実機で計測のAnTuTu ベンチマーク v9のスコアをグラフ化したもの。Helio G99のスコアは 382,938と突出しています。
以下は Helio G99を搭載する上記(実機レビューのHelio G99 搭載端末、3製品の概要)の製品の、AnTuTu ベンチ v10での実測スコアです。私がHelio G99をレビューした際には、すでにAnTuTu ベンチはv9からv10に置き換わっており、v9の実測スコアは無しです。
スコアは上から順に「N-One NPad X」「AGM PAD P1」「Blackview N6000」のスコアです。解像度の違いもあり、N6000がやや高いスコアですが、概ね40万前後と言えそうです。なお、AnTuTu ベンチ version 10 vs 9、同一端末で確認のスコアの相違の記事にて記載していますが、v10はv9よりも多少高いスコアになります。
Geekbench 6
Helio G99のGeekbench 6のスコアの指標としては「シングルコア 720、マルチコア 2000」となります。以下のスコアは、AnTuTu ベンチスコアと同じく 上から順に「N-One NPad X」「AGM PAD P1」「Blackview N6000」です。
▼こちらは参考情報として、UNISOC T618のスコアです。シングルコアにおいては、Helio G99と約250の差があります。Geekbenchは、PC(Windows、Mac)と同じ基準によりスコア化されていますが、PCの場合 250もの差があれば、10分でも使用すると体感できるほどの相違です。
▲▼以下の「ALLDOCUBE iPlay 50」での計測結果です。
3DMark Wild Life
「N-One NPad X」のみですが、「3DMark Wild Life」のスコアは 1222です。
UFS 2.2 ストレージの読み書き
Helio G99とは直接的な関係はありませんが、Helio G99搭載タブレットのうち、UFS 2.2を搭載する「N-One NPad X(上の画像)」と「AGM PAD P1(下の画像)」のストレージの読み書き速度は以下です。
▼Writeにおいて、NPad XとPAD P1に大きな開きがありますが、PAD P1では「Write 444MB/s、Read 613MB/s」。PCのSSDとあえての単純比較では、Writen / Readともに500MB/sのSATA SSDと同水準と言えそうです。
まとめ
実機レビューした Helio G99を搭載するタブレット・スマホの3製品の概要と、実機で計測のベンチマークスコアをあらためて整理しました。
従来 主流であった UNISOC T618と比較するとベンチマークスコアは大きな差がありますが、UNISOC T618も普段使い(Webサイトのブラウジングや動画視聴、SNSや買い物関連のアプリ)では サクサクと動作するため、Helio G99搭載機に買い替えるほどではありません。
ただし、新規に購入する場合、Helio G99搭載機は機能も充実していることから、(予算に応じて)Helio G99搭載の端末をおすすめします。
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