今回レビューする製品は、高品質なプロジェクターを展開する「Dangbei」ブランドより新発売の小型プロジェクター「N2 mini」です。
上の写真のとおり、プロジェクターとは思えないデザインであり、内蔵ジンバルスタンドを搭載し、190°の広範囲チルト調整が可能です。販売店よりお借りした製品でのレビューであり、お借りした期間中、私は本体を斜め設置して使用しましたが、オートフォーカス、自動台形補正、スクリーンフィットのAI 自動調節機能が秀逸です。電源オン後、あるいは本体を移動しても、僅か数秒で自動調節となります。
また、電源をビルトインするうえに、Netflix、YouTube、Prime Videoをプレインストールし、Fire TV Stickなどを接続することなく利用できることも大きなポイントです。
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Dangbei N2 mini プロジェクター、Amazon
Dangbei N2 mini のスペック、特徴
はじめに、製品のスペックと特徴について、そのポイントを掲載します。メモリが1GBと少ないことにより、レスポンスを懸念していましたが、実機を操作してその懸念も払拭。NetflixやAmazon Prime Videoなど、遅さを感じることなく動作します。
- 内蔵ジンバルスタンドを搭載し、190°の広範囲チルト調整が可能
- 電源ボードをビルトインし、電源ケーブルのみでの接続が可能
- スマートLinux OSを搭載し、Netflix(ライセンス有り)、YouTube、Prime Videoなど約300のアプリに対応
- 鮮明な1080Pネイティブ解像度を実現、最大投影は120インチ
- システムの仕様としては、メモリ 1GB DDR3、ストレージは 8GB eMMC 5.1
- AI自動調整のInstanPro AI 画像調整機能を搭載し、オートフォーカス、自動台形補正、スクリーンフィット、障害物回避の機能を装備
- Dolby Audioに対応の6W スピーカー(シングルスピーカー)を内蔵、かつ 27dB以下の静音設計
- 搭載するポート類は、HDMI、USB-A、3.5mm 外部スピーカー
- サイズは 143 x 149 x 241mmとコンパクト、重量は 1.72kg
▼電源ボードを本体に内蔵しています。電源ボードの内蔵により、ケーブル1本で電源を確保することができ、コンパクトな本体とあわせて 省スペース化に貢献します。
▼190°のチルト調整が可能なジンバルスタンドを搭載することにより、傾斜での投影や天井投影を簡単に行うことができます。
▼私にとって、プロジェクターの実機レビューは久しぶりになりますが、実機を操作して想像以上に便利な機能が、こちらの「InstanPro AI 画像調整機能」です。私は遠近両用コンタクトを装用していますが、手動ではピントの合う調整を行いにくいものの、本製品においては起動直後の数秒(5秒弱)で自動的にオートフォーカス、自動台形補正などを調整となり、かなり便利な機能です。
▼参考情報ですが、「Dangbei」の他のプロジェクターは以下の記事にて実機レビューしています。
Dangbei N2 プロジェクター、実機レビュー。高音質と静音を兼ね備え、スタンドでの天井投影が簡単・便利なプロジェクター
Dangbei Neo プロジェクター 実機レビュー、Netflix ホットキーを備えるリモコン・本体のレスポンスよく、オートフォーカスも極めて便利
外観、付属品
続いて概観と付属品について記載します。プロジェクターとは思えないデザインなうえにコンパクト。電源ボードを内蔵していますので、本体・リモコン・電源ケーブルともに、片手で持ち運ぶことができます。なお、本体の持ち運びにおいては、下側のスタンド部分の空間に手を入れると、簡単に持ち運び可能です。
▼コンパクトな本体に対して、外箱は比較的大きなもの(内部に厚めの緩衝材あり)。
▼裏面には主な仕様が記載されています。
▲▼本体と付属品は、厚みのある緩衝材で保護されています。
▼本体と付属品(リモコン、単四乾電池、ケーブル、説明書)の一式。電源ボードを本体に内蔵しているために、付属品も含めてコンパクトです。
▼143 x 149 x 241mmとコンパクトな本体です。中央左の小さな円形のものは説明書には「カメラ」とありますが、オートフォーカス・台形補正などの調整用のカメラかと思います。なお、レンズにキャップは付属していません。
▼リモコン、電源ケーブル、説明書が付属しています。説明書は日本語も含めて、6ヵ国語構成。うち、日本語は16ページ分となり、本来・リモコンの操作方法・設定方法などを一通り網羅しています。
▲▼リモコンを拡大。低価格のプロジェクターの場合には汎用らしきリモコンとなることもあるように思いますが、本製品では 丁寧にツートン塗装された専用リモコン。Netflix、YouTube、Amazon Prime Video、Open Blowserのワンタッチボタンが装備されています。
▼リモコンは単四乾電池 2本での動作です。低価格の製品の場合、裏蓋を外しにくいこともありますが、本製品は簡単に外すことができます。
▼本体を斜めにした状態です。角度調整は硬くもなく、程よい力加減で行うことができます。また、一度調整すると、重みで角度がずれることはありません。
▼正面寄りに向けた状態です。スタンドの下の空間に手を入れると、簡単に持ち運ぶことができます。
▼レンズ周りを拡大。私としてはレンズキャップが欲しかったところです。
▼上に向けて天井投影を行いこともできます。
▼スタンドの台座部分を撮影。台座の中央にネジ穴がありますが、説明書には「PTZ ブラケットソケット」とあります。宙吊り用ブラケットのネジ穴ですね。
▼背面には大きな通風孔があります。使用時の熱風の排出は大きくありません。また、製品紹介に「27dB以下の静音設計」とありますが、確かに静音です。ファンの音量はスピーカーの音量に完全にかき消されています。
▼背面上に電源ボタン、HDMI、USB-A 2.0、3.5mm イヤホン(外部スピーカー接続)ジャックを備えています。電源オンにする場合、初めに本体の電源ボタンを押下する必要があります。
▼電源ケーブルの挿入口は、スタンド下部に備わっています。
設定、メニュー画面
初期設定、メニュー・ホーム画面について記載します。初回起動時には、リモコンのペアリング画面が起動となり、リモコンの「+」「-」キーの同時押下でペアリング完了です。
リモコンペアリング後の設定に多少の戸惑い(私は何も参照せずに手探り状態であったため)もありましたが、以下の設定など、短時間で行うことができました。おそらく、多くの方がリモコンの多少の操作により、初期設定が完了することと思います。
- WiFiの設定
- 設定画面にて日本語への変更
- 必要に応じて、上の写真右側の設定画面にて 映像のモードなどを変更します。
▼ホーム画面です。メニュー構成は、Fire TV Stickに近い構成となり、多くの方にとって扱いやすいものかと思います。なお、初期設定後の各種設定の変更は、右上の左から2つめの設定アイコンから行います。
主要なプレインストールアプリは、Netflix(公式ライセンスあり)、Amazon Prime Video、YouTube、ブラウザのOpen Browserです。
▼上の画像の二段目の左のアイコンを押下後のアプリ一覧です。上の画像の「APP STORE」からアプリをインストールすることができます。
▼設定画面です。こちらから、Bluetooth機器の接続、端末の初期化、フォーカスや台形補正の再設定などを行うことができます。上記のホーム画面も含めて、メモリ 1GBと少ない割には動作は快適です。
▼投影事例として、Amazon Prime Videoのホーム画面です。写真撮影は夕方に行ったのですが、薄日の遮光カーテンのなかでも、明るく鮮明な描写です。
以降の画面は夜間の撮影です。
▼鮮やかな事例として撮影した、YouTubeの初期設定画面です。写真は圧縮しているために 紫のメリハリがありませんが、現物は実に鮮やかな映像です。
▼Amazon Prime Videoを視聴中の一コマです。スクリーンを使用することなく、壁(クロス)への投影です。他のプロジェクターと同様に多少の淡さはありますが、このクラス(3万円前後の価格帯)としては 十分に明るい画面です。
使用感
上の写真は実際の使用中の一コマです。少し角度をつけて設置していますが、文中に記載の「InstanPro AI 画像調整機能」が上手く機能し、「オートフォーカス、自動台形補正、スクリーンフィット」を数秒で見事に調整となり、手間いらず。これは大きなポイントです。文中に記載の事項も含めて、使用感は以下です。
なお、使用環境は、プロジェクターから投影先(壁)までの距離は約2.5m、おそらくは90インチ前後での投影です。
- 前述のとおり、このクラス(3万円前後の価格帯)としては 十分に明るい画面です。
- プロジェクターですので、また、スクリーンではなく壁(クロス)への投射で使用したため、他の製品と同様に多少の淡さはありますが、綺麗な描写です。
- メモリ 1GBと少ないことによるレスポンスを懸念していましたが、設定・ホーム画面、Netflixなどのアプリの動作は、Fire TV Stick 4K Maxと同様に、遅さを感じることなく動作します。
- リモコンのレスポンスも良好です。また、プロジェクターのリモコンの場合、暗闇での操作がポイントになりますが、ボタン類の配置も適切であり、操作もすぐに慣れます。
- 繰り返しとなりますが、「InstanPro AI 画像調整機能」の機能は極めて便利。フォーカス・台形補正などを数秒で見事に調整してくれます。
- スタンドの調整機能も秀逸です。程よい力加減で調整でき、一旦調整すると重さで角度がずれることもありません。
- 製品紹介に「27dB以下の静音設計」とありますが、確かに静音です。ファンの音量はスピーカーの音量に完全にかき消されています。
- スピーカーは多少の音割れもありますが、音量も大きく、音質も比較的 良好なもの。映画やドラマの視聴には十分です。
- 他のプロジェクターも同様ですが、電源オンから映像投影までのタイムラグがあります。
- 製品名に「mini」とあるとおり、電源を内蔵していることも含めて、持ち運びは かなり便利です。私は、未使用時には私の部屋におき、使用時には他の部屋に持ち運び利用しましたが、片手での持ち運び・ケーブル接続・電源オンにして即 自動フォーカス・台形補正となり、極めて便利であり、利用頻度も多くなります。
▼Amazonでの販売情報です。2025年4月22日時点の価格は、クーポン利用により 31,900円。
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