一般的なミニPCとのサイズ比較
製品名に「Mini」とあるとおり、コンパクトなことも特徴の一つですので、一般的なサイズのミニPC「Beelink SEi8」とのサイズを比較してみました。
▼仕様上のサイズは、SEi8の124 x 113 x 41mmに対して、S12は115 x 102 x 39mmであり、縦横ともに約1cm コンパクト。角の丸みがあるために、約1cmの相違には見えませんが、コンパクトであることに間違いはありません。
なお、SEi8はCPUにCore i5-8279Uを搭載し、SE12よりも上位のミニPCですが、双方ともにボディは樹脂製。スペックと同様に価格差も大きいですが、質感的には同様です。
内部の構成
メモリ、SSDなどの内部の構成について記載します。
▼四隅のネジを外し、右上のゴムを引っ張ると底板が外れます。
▼左(底板の裏)に、増設の2.5インチ HDD / SSDの冷却・PCIe SSDの冷却のためのアルミシールドが備わっています。メモリはCrucial製ですが、PCIe SSDを取り外してみても ブランドを確認できず。
▼左上の熱伝導テープは、PCIe SSDの熱をアルミシールドに逃す仕様。電源オフにした直後に底板を開けたのですが、アルミシールド全体に温もりがありました。
▼マザーボード側の全体像。左下にあるのは WiFi チップ。裏面にあるヒートシンクの構造も確認したいのですが、マザーボードを取り外すとはめ込みが難しいためにやめておきます。
ベンチマークスコア
続いて、実機で計測のベンチマークスコアです。Geekbenchについては以下の記事でも掲載していますが、エントリークラスのミニPCやノートPCに搭載されることの多い Jasper Lake N5095 / N5100 / N5105が Core i5-5300U相当であるのに対して、Alder Lake-N N95 / N100は Core i5-7300U相当。インテルの世代では 2世代分ほど ジャンプアップしたイメージです。
▼GeekbenchのCPUベンチマークスコア。
上から順に「Beelink S12」でのGeekbench 6 / Geekbench 5、比較対象用のJasper Lake N5095を搭載の「Beelink Mini S」。Mini Sは N5095搭載機のなかでも やや低いスコアとなるのですが、シングルコアの比較において N95はN5095よりも約41%も高いスコアです。
▼CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 851、マルチコア 1739」。マルチコアは低いですが、シングルコアがCore i7-4850HQより高く、3万円前後のPCでもあり十分です。
▼256GB M.2 PCIe SSDのスコア。Read / Writeともに800MB/s台と控えめですが、この価格帯でPCIe SSDを搭載していることはありがたい。
▼自宅の光回線(Nuro 光)は速くないのですが、他のPCやスマホと同程度の回線速度です。
体感レスポンス
使い始め当初は、Jasper Lake N5095 / N5100と同水準のレスポンスと感じたものの、使い込んでいるうちに Alder Lake-N N95のキビキビとしたレスポンスを体感できます。
- Jasper Lakeも同様ですが、Gemini Lake N4100 / J4125あたりと比較すると、レスポンスの相違は確実に体感できます。
- 当記事はMini S12を使用し編集していますが、画像編集などのライトユースでもキビキビとした動きを実感できます。
- ベンチマークスコアと同様に、レスポンスとしては インテル 第7世代のCore i5-7300U相当。こちらの記事でレビューの富士通 LIFEBOOOK U937/Rと同水準の体感レスポンスです。
- ライトユースの場合、Core i5-5300Uあたりと比較すると、大きな相違ではありませんが、ややキビキビ感が増している感覚です。
全般的には、データ量や関数が余程多くない ExceclやAccessでの在宅勤務では十分なレスポンスです。現時点では遭遇していませんが、Windowsの更新時(セキュリティアップデートも含む)のシステムプロセスが動作している際にどれほどレスポンスが悪化するかが、ポイントの一つ。 Core i5-7300U相当ですので、極端な悪化を感じないだろうと思われます。
CPU温度、静音性
以下の画像はフリーソフト「HWiNFO」で計測のCPU温度ですが、CINEBENCH R23 ベンチマークで負荷をかけた際の温度は 最大 85℃。やや高いですが、これほど負荷をかけることもないので、私としては許容範囲。なお、ボディはベンチ計測時に多少温もりを感じる程度です。
静音性については、以下の記事で実機レビューの「Beelink Mini S / U59 Pro」と異なり、「ほぼ無音」で言えるほどではないのですが、十分に静音です。常時ではないものの、ほとんど気にならないほどの微かな音量で CPUファンが回転しています。
なお、以下のフリーソフト「FacCtrl」にて、ファンの回転数の制御ができることを確認済です。ただし、静音型のPCであるため、調整すると逆にファン音量が大きくなるため注意しましょう。
参考、日本語キーボードへのレイアウト変更方法
中国ブランドも含め、海外製のミニPC・PCでは、通常の場合、Windows 11 英語版がプレインストールされています。初期設定で日本語を選んだ場合にも英語キーボードの設定になっているため、@の位置など、日本キーボードとは異なる配置となっています。これを初期不良と勘違いする方もいらっしゃるのですが、以下の記事に記載の方法で、簡単に日本語キーボードのレイアウトへと変更することができます。
▼なお、こちらは私のおすすめのWindows 11の初期設定です。
まとめ
2023年3月11日現在、Jasper Lake N5095を搭載の「Beelink Mini S」との価格差(Amazon)は 約6,000円ですが、Mini S12とのベンチマークスコアの相違(Core i5-5300U相当 vs Core i5-7300U相当)、SSDの相違(SATA vs PCIe)を考慮すると、Mini S12のコスパが優れています。今後、エントリークラスのミニPCやノートPCでは、Alder Lake-N N95 / N100がメインとなること間違いなしです。
▼2023年4月22日現在の メモリ 8GB / SSD 256GB版のAmazon 価格は、7,000円オフのクーポン利用により 19,800円
参考情報
ミニPCにて使って便利な周辺機器は、以下の記事で掲載しています。狭いスペースでの使用なら 16インチ アスペクト比 3 : 2のポータブルモニター、サブPCとしての使用ならUSB 切替器がおすすめです。
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