
今回 実機レビューする製品は、CPUにAMD Ryzen 7 8745HS、DDR5 メモリ 32GB、1TB SSDを搭載するミニPC「ACEMAGIC S3A」です。上の写真のとおり、筐体のデザインも特徴となる製品ですが、マグネット脱着式のサイド板を開くことにより、メモリとM.2 SSD スロットに簡単にアクセス可能です。また、電源ボタンは電力モードの切替、調整ボタンも兼ねており、利便性の高い製品です。
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スペック

スペックについては以下の記事においても記載していますが、あらためての掲載です。Amazonの販売ページでは、同一筐体を採用する Ryzen 7 8845HSを搭載するモデルも掲載されていますが 価格表示はなく、2月8日現在では Ryzen 7 8745HSモデルのみの販売です。
Ryzen 7 8745HS、メモリ 32GBのミニPCが 89,800円で販売中。「ACEMAGIC S3A」のスペック
▼製品の受領前には、メモリは 16GB x 2と思っていたのですが、Crucialの32GB 1枚です。
| CPU | AMD Ryzen 7 8745H、8コア 16スレッド、最大 4.9GHz |
| GPU | AMD Radeon 780M |
| メモリ | DDR5 5600MHz 32GB、2スロット、最大 96GB |
| ストレージ | M.2 2280 PCIe 4.0 SSD 1TB、M.2 PCIe 4.0 SSDを増設可能 |
| WiFi | WiFi 6対応 |
| Bluetooth | 5.2 |
| ポート類 | HDMI、DisplayPort、USB4、USB-A 3.2 Gen 2 x 2、USB-A 3.2 Gen 1 x 4、2.5G 有線LAN |
| サイズ | 135 × 162.7 × 71.8mm |
| OS | Windows 11 Pro |
| その他 |
▼映像出力は、前面のUSB4、背面のHDMIとDisplayPortの合計3系統。その他、2.5Gの有線LAN、USB-Aを6ポート装備しています。個人的に惜しいと感じる事項は OCulink ポート(ドッキングステーションの利用により、外付けグラボを USB4より速い転送速度で接続可能)を未装備であること。

▼サイドパネルはマグネットでの脱着式となり、メモリとM.2 SSD スロットに簡単にアクセスすることができます(実機での写真は、後の段落に掲載しています)。

▼電源ボタン・サイドパネルなどに RGBライティングを装備しています。また、大きな特徴の一つは、電源ボタンは、「サイレントモード」「バランスモード」「パフォーマンスモード」のモード切替の調整ダイヤルを兼ねていること。

実機のシステム情報
続いて、実機から抽出のシステム情報を掲載します。
▼Windows 11「設定」の「デバイスの仕様」より。もちろん、販売ページの製品仕様どおりに、AMD Ryzen 7 8745HS、Radeon 780 Graphics、メモリ 32GBです。

以降の画像は、以下の記事にて紹介のフリーソフト「HWiNFO」から抽出のシステム情報です。
HWiNFOの使い方、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフト。投稿数 約4万件のフォーラムも充実
▼システムの概要です。クリック・タッチで拡大できます。
▼上の画像からCPUの情報を拡大。AMD Ryzen 7 8745HSは、Zen 4 アーキテクチャ、8コア16スレッド、4nmプロセス、TDP 45W、L3 キャッシュ 16MB

▼メモリの情報ですが、DDR5 32GBは 16GB x 2の2枚と思いきや、32GB 1枚のシングルチャンネルの動作でした。後ほど、側板を外して確認した写真を掲載していますが、大手ブランド「Crucial」のメモリです。

▼統合型GPUは AMD Radeon 780M Graphicsです。780Mでは軽めのゲームを ある程度 プレイすることもできます。

▼メモリの型番は「CT32G56C46S5.C16D」。前述のとおり、CrucialのDDR5 32GBです。メモリ高騰の昨今であり、2026年2月1日現在のメモリ単体価格は約6万円。この価格を考慮すると、本製品「ACEMAGIC S3A」のAmazon 価格 92,998円(Amazon 販売情報はこちら)は格安です。

▼1TB M.2 SSDの型番は「G945E2 1T」。型番からブランドなどを検索できませんでした。ベンチマークスコアの段落に掲載していますが、Readのスコアは7,000MB/s超と高いもの。

Windows 11、ライセンスのチェック
Windows 11のライセンスは「RETAIL ライセンス」。「ボリュームライセンス」ではなく安心です。
▼コマンドプロンプトを起動し、最後の>のあとに「slmgr/dli」をコピペし、キーボードのエンターキーを押下します。

▼以下の画面にて、ライセンスの種類が表示されます。当製品においては「RETAIL_channel」の表示です。

外観のチェック
外観について記載します。独特なデザインの製品ですが、マグネット式で簡単に脱着可能な右サイドパネルなど、よく出来ています。また、通販サイトのイメージ画像を参照すると、大きな筐体を想像しそうですが、一般的なミニPCを一回り大きくした程度のサイズ感です。
▼ミニPCの場合、外箱を複数の製品と共用しているものが多いなか、本体のデザイン的なものもあり、専用の外箱です。

▼背面には技適マークも掲載されています。


▲▼本体・内部の緩衝材は十分な厚みがあります。左側には電源アダプターとHDMIケーブルが収納されています。

▼多くの他のミニPCと同様に、傷つき防止等のため、ビニールにて梱包されています。

▼付属品は左から、120Wの電源アダプター、簡易的な説明書、HDMI ケーブル。筐体の形状、デザインからもVESAには未対応、VESA ブラケットは付属していません。

▼電源ボタンのある前面より。ポート類は左から、USB4、USB-A 3.2(10Gbps) x 2ポート、3.5mm ヘッドホンジャック

▼両側のサイド、前面・背面・底面ともに、樹脂製の筐体です。両サイドの通風孔の下部(写真では右側)から RGBライティングが点灯し透けて見えます。

▼背面のポート類は左から、USB-A 3.2(5Gbps)x 4ポート、2.5G RJ45 有線LAN、DisplayPort、HDMI、DCジャック。映像出力は、前面のUSB4、背面のDisplayPort / HDMIの3系統です。


▲▼上部には「ACEMAGIC」のロゴがあり、電源オンによりライトが透ける仕様です。私は派手なRGBライティングは好みでないのですが、サイドも含めて明るさは抑えられており、気になることはありません。なお、モード切替のダイヤルは、私が実機を確認するなかでは金属製です。

▼底面はゴム足と通風口があります。底面のシールにも 技適マークがしっかりと掲載されています。

▼こちらの右サイドパネルが脱着式です。

▼使用中の一コマです。CPUの熱は 写真で見えている左サイドの通風孔から排出されます。


▼「サイレントモード」「バランスモード」「パフォーマンスモード」のモード切替の調整ダイヤルを兼ねている電源ボタン周りです。電源ボタンの素材の判定が難しいのですが、私の認識(触り心地など)では金属製です。

内部の構成、SSDの増設
内部の構成を確認し、M.2 SSDを増設してみました。繰り返しの記載ですが、電源ボタンから見て右側のサイドパネルはマグネット式での脱着となり、これを外すことにより、簡単にメモリとM.2 SSD スロットにアクセスすることができます。
▼サイドパネルを開きました。右側の中央あたりにある2つのツメと右側の2つのマグネットで固定されています。また、写真のとおり、サイドパネルには、メモリとM.2 SSDの冷却用の小さなファンが装備されています。

▼写真のとおり、ファンのケーブルが本体の基板に接続されています。ケーブルの長さは多少の余裕があり、サイドパネルを勢いよく開かない限りは、ケーブルが外れることもありません。

▼小さなファンですが、ファンの回転数は低く 私が使用している範囲では ほぼ無音です。

▼写真のとおり、DDR5-5600のメモリは Crucialの32GB 1枚です。PCIe 4.0 SSDにはヒートシンクが取り付けられています。

▼M.2 SSDの左に 2230サイズのWiFi / Bluetooh モジュールがあります。

▼標準装備のM.2 SSDとDDR5 32GB メモリを取り外しました。2280サイズのM.2 SSDはヒートシンクとシリコンパッドが装着されており、これらを外しての型番確認まで行っていません。

▼PCIe 3.0となりますが、M.2 SSDを増設してみまいた。画像は割愛しましたが、もちろん 正常動作しています。

ベンチマークスコア
AMD Ryzen 7 8745HSを搭載する本製品にて計測のベンチマークスコアを掲載します。比較対象のCPUのスコアは、表形式にて掲載していますが、 以下の記事にて実機レビューのRyzen 9 8945HS、Ryzen 5 7545U、Ryzen 7 7735HSなどです。
MINISFORUM UM890 Pro 実機レビュー、Ryzen 9 8945HS、メモリ 64GBを搭載し、パワフルで静音。OCulinkでの外付けグラボも安定動作
MINISFORUM UM750L Slim 実機レビュー、Ryzen 5 7545Uを搭載し キビキビ動作のミニPC、USB4ポートも装備
ACEMAGIC RX16 実機レビュー、Ryzen 7 7735HSを搭載の16インチノートPC、金属製筐体にメモリとSSDを増設可能。高品質、拡張性豊富でおすすめ
全般的に、Zen 4 アーキテクチャのRyzen 7 8745HSの型番の響きほどに高いスコアではないものの、動画視聴やリモートワークなどの普段使いにおいて、当然ながらもキビキビと動作します。
Geekbench 5
Geekbench 5のスコアは「シングルコア 1772、マルチコア 9807」。

▼以降のベンチマークに掲載のスコア表も含めて、いづれも実機で計測のスコアを掲載しています。Ryzen 7 8745HSは、上位のRyzen 9 8945HSと比較すると、相応の開きがあります。

▼以下の記事にて、これまで実機にて計測のGeekbench 5のスコアを一覧化しています。上表以外の同水準のスコアとなるCPUなどのご参考に。
PC 実機で計測、Geekbench CPU ベンチマークスコアの一覧、サクサクと動作するスコアの指標
Geekbench 6
Geekbench 6のスコアは「シングルコア 2414、マルチコア 9946」。Geekbench 5と6では、評価項目とスコア判定のベースとなるPCのスペックが異なり、Geekbench 6は5よりも高いスコアとなります。

▼上位のRyzen 9 8945HSとは相応の開きがあることは、Geekbench 6と同じです。ただし、動画視聴やリモートワーク、ブラウザなどの普段使いのレスポンスは、体感できるほどの差はありません。

CINEBENCH R23
CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 1644、マルチコア 14952」。

▼Geekbenchと同傾向ですが、シングルコアにおいては 同じくZen 4 アーキテクチャの Ryzen 5 7545Uのスコアが意外と高いことがわかります。

▼以下の記事にて、これまで実機にて計測のCINEBENCH R23のスコアを一覧化しています。上表以外の同水準のスコアとなるCPUなどのご参考に。
CINEBENCH R23、ミニPCやノートPC 35製品で計測のスコア一覧。キビキビ動作のスコアの指標
3DMARK
GPUは統合型のAMD Radeon 780Mですので、負荷の大きいゲーム向けではありませんが、3DMARKのSteel Nomad LightとTime Spyのスコアを掲載します。統合型GPUとしては高いスコアです。


PCMARK10(起動エラー)
PCMARK10を何度かトライしてみたのですが、起動時に以下の「You need a GPU that supports OpenGL 4.3 to run this test.」となり、起動エラー・計測エラーが生じ、計測できず。

▼以下の海外サイトに現象などが記載されており、後ほどじっくり確認してみます。
Error trying to start Blender: “OpenGL 4.3 not supported” when it technically is、reddit サイト
[SOLVED] OpenGL 4.3 error、Steam サイト
CrystalDiskMark
M.2 2280 PCIe 4.0 SSD 1TB、型番「G945E2 1T」のCrystalDiskMarkのスコアです。Readは 7,075MB/s、Writeは 5,236MB/sと、ミニPCに搭載のPCIe 4.0 SSDとしては高いスコアです。実際に、大容量ソフトのインストールも速いように感じます。

USB4のチェック
前面に装備するUSB4のチェックとして、4K モニターへの接続、および USB4に対応するSSD ケースに収めた M.2 PCIe 4.0 SSDの速度について記載します。
4K モニターへの接続
以下の記事にて実機レビュー、現在は終売となっている PHILIPSの27インチ 4K モニターへの接続です。Windows 11 「設定」画面のスクショの貼り付けのみですが、4K@60Hzにて安定動作しています。



▲▼上の記事にて実機レビュー(Mac向けのレビューですが、現在はWindows PCにて使用)の、USB4対応のSSDケースとM.2 PCIe 4.0 SSDを、本ミニPCのUSB4ポートに接続しての、読み書き速度の確認です。
他のPCに当該ケース・SSDを接続した際と同水準の速度が出ています。PC内蔵時の速度は(こちらの記事にて掲載の)「Read 4,893MB/s、Write 4,067MB/s」ですが、USB4ポート経由と言えども、外付け時には本ミニPC への接続に限らず この水準です。

電力モード、切替のチェック

上の写真のとおり、電力モードの切替ダイヤルを備えています。「サイレントモード」「バランスモード」「パフォーマンスモード」の3つに切替可能ですが、「サイレントモード」「パフォーマンスモード」にて ごく簡易的に、ベンチマークスコアと CPUのパッケージ電力の相違を確認してみました。
ファン音量は「パフォーマンスモード」においても、それほど喧しくはなく ファン音量のみでは体感しにくいのですが、ベンチスコアとCPUの電力消費量には反映しています。
▼Geekbench 5のスコアです。上の画像は「サイレントモード」、下の画像は「パフォーマンスモード」の結果です。何度か計測しましたが、モードに応じた差があります。


HWiNFOの使い方、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフト。投稿数 約4万件のフォーラムも充実
▲▼この確認方法でよいものか 検証したものではないのですが、上の記事にて紹介のフリーソフト「HWiNFO」にて計測の、CPU パッケージ電力の推移です。Geekbench 5の計測時のグラフですが、左側が「サイレントモード」、右側が「パフォーマンスモード」です。「パフォーマンスモード」においては 45W前後となることが多く、しっかりと機能しているように思われます。

CPU温度、ファン音量のチェック
私は常時「パフォーマンスモード」にて運用していますが、CPU温度・ファン音量ともに抑えられています。
▼CINEBENCH R23にて、CPU使用率を100%として際の CPU温度です(フリーソフト「HWiNFO」にて計測)。最大でも 81.5℃と、十分に許容範囲です。

▼同じく CINEBENCH R23にて負荷をかけた際のファン音量です。iPhone アプリ「デジベル X」での計測ですが、ベンチ計測時のファン音量の平均は約41dB。やや喧しく感じる音量ですが、ベンチ終了後には即静音となり、また、普段使い時には ほぼ無音のために、課題とはなりません。

まとめ
CPUにAMD Ryzen 7 8745HS、DDR5 メモリ 32GB、1TB SSDを搭載するミニPC「ACEMAGIC S3A」の実機レビュー記事でした。あらためて製品の特徴、使用感のポイントを記載すると以下となります。
デザインに大きな特徴のある製品ですが、マグネットの脱着式で簡単にメモリ・SSDにアクセスできること、電力モードの切替ダイヤルを装備など、利便性の高い製品です。また、メモリ・SSDの価格が高騰するなか、2026年2月8日時点のAmazon 価格 92,998円は格安と言えそうです。
- AMD Ryzen 7 8745HSのベンチマークスコアは、上位のRyzen 9 8945HSと比較すると それなりの差があるものの、普段使いの体感レスポンスは同水準で、キビキビと動作します。
- 特徴のあるデザインの筐体は それほど大きなものではなく、縦横は一回り大きい程度。
- RGBライティング機能のある筐体ですが、明るさ控えめなもの。
- マグネット式で脱着可能な右サイドパネルは やはり便利。メモリとM.2 SSD スロットに簡単にアクセスできます。
- メモリは大手ブランド Crucialの32GB 1枚です。メモリ高騰な昨今ですが、メモリ価格が落ち着いた後には、空きスロットへの増設も可能です。
- 「サイレントモード」「バランスモード」「パフォーマンスモード」の切替ダイヤルを備え、電力消費などへの反映を確認済。
- 「パフォーマンスモード」にて負荷をかけた際、CPUファンの音量はやや大きくなりますが、許容範囲内。また、普段使いでのファンは ほぼ無音と思えるほどに静音です。
▼2026年2月8日時点のAmazon 価格 92,998円です。Yahoo! ショッピング NiPoGi 公式ストアにおいても 安く販売されています。ちなみに、ACEMAGICとNiPoGiは、グループブランド的な位置づけです。






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