12.5インチ 2.5K 解像度のシャープ製ディスプレイを搭載するTour Proを使用し、約2週間経過しましたので、その使用感などのレビューをまとめて記載します。全般としては、ボディの質感の高さは想像以上、エントリークラスの割にはレスポンスも上々、ディスプレイの品質も十分に満足なTour Pro。一般的には些細な事項ですが、私としては、常時稼働のCPUファンが惜しい(音量は大きくありません)。
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Tour Proのスペック
上記のレビュー記事にも掲載していますが、Tour Proのスペックは以下となります。
CPU | Kaby Lake Celeron 3867U、1.8GHz、2コア 2スレッド |
GPU | Intel HD Graphics 610 |
メモリ | 8GB DDR3 |
ストレージ | 128GB SATA SSD (Netac製)、2280サイズ M.2 SSDの空きスロットあり |
ディスプレイ | 12.5インチ、IPS、タッチパネル、解像度 2560 x 1440、グレアパネル、シャープ製、180°まで開くことが可能 |
Wi-Fi | 11a/b/g/n//ac |
Bluetooth | 4.2 |
バッテリー | 38000mAh |
サイズ | 290.7 x 201.5 x 16.6mm、重さ 1.23kg |
OS | Windows 10 Home |
その他 | バックライト付キーボード、指紋認証、ボディはアルミ製 |
- CPUのCeleron 3867Uはエントリークラスであり、製品受領前には、同CPUのベンチマークスコアから、Apollo Lake N3350クラスと同様に、画像表示などがモッサリすることを想像。しかし、実機は意外とキビキビしており、Apollo Lake N3450とGemini Lake N4100の中間程度の動作と言えそうです。
- アルミ製ボディ、バックライト付キーボードに指紋認証、2.5K 解像度のタッチパネルと、PCの質感・機能としては十分、全部入りの様相です。
- さらには、公式サイトや通販サイトには記載がないのですが、M.2 SSDの空きスロットが存在します。
▼こちらが M.2 SSDの空きスロット。
外観と機能性
ディスプレイとCPUファンについては後述しますが、外観と機能性について気になる事項は、重さ 1.23kgと、12.5インチとしてはやや重さを感じることのみ。この重さも、アルミが肉厚、あるいは内部の構成がしっかりしているのか(後日 底板を外し確認します)、剛性の高さに貢献しているような感覚です。
▲外観については上記の記事に写真多数を掲載していますので、ここではポイントとなる写真の再掲にとどめています。
▼180°まで開くことが可能なディスプレイ。画像では明確ではありませんが、グレアパネル・IPSの視野角も良好。
▲▼天板と底板に加え、サイドもおそらくアルミ製。先端に向けて絞り込まれているため、厚み 16.6mmよりもスリムに見えます。
▲▼キーボードはボディ同色のグレイに白の印字。印字の視認性はよく、シルバーのキーに白の印字のように、バックライトをオンにしないと印字が見えないなどの現象もありません。
▲画像右下にあるのは、電源ボタン兼指紋認証。指紋認証の精度も、所有する他の指紋認証付きのPCと同程度となり、指紋認証はほぼ100%の確率で瞬時に認識。
ディスプレイ
シャープ製 2.5K 解像度のタッチパネルを搭載することを大きな特徴とするTour Pro。XIDUの2.5K 解像度のディスプレイとしては以下のPhilPadに続き2台めとなります。
PhilPadや他の高解像度ノートとの比較も含め、Tour Proのディスプレイについての雑感は以下。
- Google Chromeのズームを200%にしても、テキストを粗さは全く目立たず。
- 画面の明るさは、PhilPadと比較すると控えめ。ただし、PhilPadのパネルが明るすぎるのか、CHUWIやJumperのPCと同程度の明るさ(他の多くのPC並み)。
- 購入時に貼付済のフィルムがよくなかったのか、当初はぼやけた感じもあったパネルですが、フィルムを剥がすと良好に。
- タッチパネルは、CHUWI MiniBookやSurface Goと比較すると、指の吸い付き感に欠けるような感覚もあり。
- グレアパネル・IPSとなりますが、色合い、鮮やかさ、視野角ともに良好。
▼ディスプレイの表示スケールの推薦は150%となっていますが、この設定ではテキストが小さすぎ、一般的には175%、視力の弱い私には200%で程よい感じ。
キーボード
キーボードのタイピング感もよいものです。MacBook Air 11よりもさらに浅めのキーストロークで、手元にある十数台のノートPCのなかでは最も浅め。ペタペタ感が強いものの、しっかりとタイピング可能です。打鍵音もかなり静かな部類で、通勤電車内でのタイピングも気遣い無用です。
ボディと同じグレイのキーに白の印字となり、実機を手にする前には印字の視認性を心配していたのですが、その心配は無用でした。上の画像は実機よりも明るめの画像ですが、実機はよりしっかりと印字を視認できます。
▼バックライトは明るさ可変ではなく、オンオフのみとなりますが、暗闇での視認性は良好。
▼タイピング感やキーの色合いは、マウスコンピューター m-Book X400と似ています。
バッテリー消費
Windowsのバッテリー消費は、製品により大きく異なることはないためにノーコメントですが、一点のみ補足です。
Tour Proでは上の画像のとおり、「カバーを閉じたときの動作=休止状態」を選択できることがメリット。休止状態を選択できないPCも多くあるなか(どこで制御するのか探っているのですが、現在のところ不明)、「休止状態」とすることにより、カバーを閉じた際にはバッテリーをほとんど消費しません。
ベンチマークと体感レスポンス
ベンチマークについては以下の記事にて詳細に記載していますので、そちらを参照ください。
ベンチマークのポイントを記載しますと、GPU関連のベンチマークではApollo Lake N3450、Gemini Lake N4100よりも優位、CPUベンチマークではN3450とN4100の中間レベルとなります(Single Coreのスコアは、Gemini Lake N4100より優位)。
▼ドラクエベンチマークでは、Apollo Lake N3450、Gemini Lake N4100と比較すると明らかに高いスコア
CPUにKaby Lake Celeron 3867Uを搭載する Tour Proの体感レスポンスは以下。
- 私の普段使いで利用の多い、Webサイト閲覧やサイト記事編集、画像編集では、明らかにエントリークラスのApollo Lake N3350よりもサクサクと動作。N3350で感じる画像表示の遅延もありません。
- 全般的には、Gemini Lake N4100と同水準の体感レスポンス。N3350よりも僅かに優位と想像していただけに、この体感レスポンスは意外でした。
- こちらは設定なども関係するかもしれませんが、もう一つ意外なのが CPU使用率が低いこと。同一の使用状況でのCPU使用率は、N3450やN4100でよりも概ね低めとなっています。これが上記の体感レスポンスのよさにつながっているようでしょう。
CPUファン
冒頭にも記載しましたが、質感の高きボディや快適タイピングのキーボード、エントリークラスのCPUの割には体感レスポンスがよいことなど、全般的に満足度の高い Tour Pro。そのなかで、かなり惜しく感じるのが、常時稼働のCPUファン。
音量は大きくないのですが、起動直後から負荷の大小にかかわらず、常に一定の回転数でファンが稼働しているように感じます。Speed Fanなどのフリーソフトで回転数を制御できればよいのですが、現時点ではそれもできず。
ただし、このCPUファンの恩恵か、以下の画像のとおり、ベンチマークで負荷をかけた際にもCPU温度はそれほど上昇せずに安定しています。
▼私が信頼するTecTabletsのレビュー動画がアップされています。私のコメントと同様に、ボディの品質は高く、ディスプレイはよい出来との評価であり、レビューした私としても安心。CPUファンのコメントはないのですが、「CPUが力不足」とあります。確かにそうなのですが、CPUをワンランク上げると価格に跳ね返るため、私はCeleron 3867Uでも妥当との認識です。
価格情報
上記のCPUファンの項にまとめ的な記載をしましたので、最後に価格情報です。XIDU社の製品は、これまでのところ USAとUKを主戦場としており、日本で購入できるのはAliExpress 内のXIDU ストアとXIDU 公式ストアのみ。
▼12/1現在、Black Friday セールを開催のAliExpress 内 XIDU ストアでは、Tour Proを403.11ドルで販売中
▼こちらは11.6インチ YOGAスタイルのPhilBook Pro。12/2現在、297.27ドルで販売中。
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