Amazonでも展開中のTeclastのノートパソコン。一部の他の中国ブランドの製品と異なり、2019年9月17日時点では妙な日本語のレビューコメントもなく好印象。とはいえ、ほとんどレビューがないのも寂しいため、今回はAmazonで販売のTeclastのノートパソコンに対する私のコメントを掲載します。
Amazonで販売の製品の傾向
私はTeclastのタブレットを3製品(T20、M89、P80 Pro)所有していますが、中国の新興ブランドのタブレットは、ややクセの強い製品が多いように感じます。「クセ」と言えば聞こえはよいのですが、いわゆる不具合も含みます。
私が経験したものは、ディスプレイの色合いが青味の強いもの(Teclast T20)、一時期 起動ループを繰り返した製品(Teclast P80 Pro)、短期間 充電できずにいた製品(Teclast M89)の事例があります。
それに対して、ノートパソコンは極端に言えば各種パーツを組み合わせるシンプルな構成、また、Teclast、Chuwi、Jumperともに製造元は別となり、同じ製造元の製品をブランド名やデザインを僅かに変更して販売している製品も多数あり、タブレットほどのクセや不具合はありません。この点においては、Amazonで販売の製品も タブレットと比較すると安心して購入することができます。
さて、Amazonでの販売のTeclastの製品ですが、販売者名に「Teclast」とありますが、プロフィールにある会社名から判断すると直営店ではなく代理店。代理店であるために、また、日本向けにAmazonで販売している製品であるために、マージンを高くとり、BanggoodやGearBestなどの中国通販サイトと比較すると割高となっています。この割高であることを踏まえたうえで、製品の紹介です。
ただし、Amazonのタイムセールなどでは極端に価格が下がることがあり、このセール時には中国通販サイトと比較しても、驚くほどの安価で販売していることがあります。
なお、海外製・海外向けであるために英語キーボードとなり、便利なプレインストールアプリもありませんが、以下のフリーソフトの導入により快適になります。
Teclast F7 Plus
14インチのFHD IPSパネルに、CPUはGemini Lake N4100、メモリ 8GB、SSD 256GBと、Webサイト閲覧やオフィスソフトでは十分なスペックです。
私はGemini Lake N4100を搭載するノートPCを用いてサイト記事を編集することが多いのですが、遅さを感じることなくサクサクと動作します。
天板と底板はアルミ製で質感高く、ディスプレイの左右のべゼル幅も8mmと狭く(他製品の最薄は5mm程度)、キーボードはバックライト付きとスペック以外でも満足することでしょう。ただし、重さ 1.5kgと14インチノートとしてはやや重くなります。
▼バックライト付きで、横幅いっぱいに拡がるキーボードは主要キーも大きめ。英語キーボードとなりますが、変則的なキー配置はありません。
▼他の多くの中国製PCと同様に、背面から簡単にM.2 SSDスロットにアクセスでき、256GBのSSDで容量不足となった場合には、ユーザーで500GBクラスのSSDに換装できます。
▼500GBのM.2 SSDの事例と、換装の際に必須となるOSのクローン事例。
▼Amazonと中国通販サイトのGearBestの価格事例。約8,000円の価格差となりますが製品は同じ。中国通販サイトの納期は10日~2週間異なりますが、この納期の差をどうみるかがポイント。
▼F7 Plusの個別紹介記事はこちら。
▼こちらは、Teclast F7 Plusと同じく、CPUにGemini Lake N4100を搭載するPCの使用事例。
Teclast F5R
11.6インチのディスプレイはタッチパネルに360°の回転機構付き。上の画像のように、PCモード、タブレットモード、テントモードなどのスタイルで楽しむことができます。
前機種のF5は、CPUにGemini Lake N4100を搭載し、2018年度には国内外でかなりの人気となった製品。CPUをApollo Lake N3450に僅かにスペックダウンし、メモリ 8GB、SSD 256GBなどのその他の仕様とデザインは変更なくリリースされたのがF5R。天板と底板にアルミを採用し、上記のTeclast F7 Plusと同様に質感の高い製品です。
なお、CPUのApollo Lake N3450は、ベンチマークではGemini Lake N4100に僅かに劣るものの、Webサイト閲覧やオフィスソフトのレスポンスは N4100と体感できるほどの差はなく、普段使いとしては軽快に動作します。
▼10ポイントマルチタッチのタッチパネルは、筆圧レベル 1024のスタイラスペンにも対応しています。
▼F7 Plusと同様に、背面から2242サイズのM.2 SSDスロットにアクセスでき、より大容量のSSDに換装できます。
唯一のデメリットは、USBはType-CとMicro USBとなり、USB 3.0もしくは2.0のポートを持たないこと。このため、USBのワイヤレスマウスなどを接続する際には、別途アダプターが必要となります。
▼Amazonと中国通販サイトのBanggoodの価格事例。約4,000円の価格差であれば、また、納期も考慮すると、Amazonでの購入もあり。
▼F5Rの個別紹介記事はこちら。
▼F5Rと同一製造元のJumper EZBook X1。CPU、メモリ・SSD搭載量はF5Rが優位です。
▼F5Rと同じく、Apollo Lake N3450を搭載するPCの使用感はこちら。
Teclast F6 Pro
2017年発売の製品となりますが、スペック、デザインともに今でも通用するどころか、現在ではこのスペックをこの価格で販売するのは困難と思われる製品。発売から2年経過していることもあり、価格も2017年よりは安くなっています。
掲載の写真は、私の実機レビュー記事からピックアップしましたが、キーボード面も含め、全面アルミ製です。今では、キーボード面のみプラスチック、天板と底板はアルミとする製品が多いのですが、2017年の中国の製品は全面アルミ製とする機種が多くなっています。
スペックも充実。13.3インチのタッチパネルにして、360°の回転機構付き。CPUはミドルレンジのCore m3-7Y30にメモリ 8GB、128GB SSD。SSDの容量は少なめですが、背面からSSD スロットに簡単にアクセスでき、大容量のSSDに換装できます。
また、タッチパッドには指紋認証もあり、キーボードはバックライトなしであること以外は全部入り。ちなみに、キーボードの質感は、2018年以降に発売の製品と比較すると、印字などの質感がやや劣ります。
▼13.3インチのディスプレイは、IPS、FHDにタッチパネル。
▲ヒンジ部分はやや硬めで、ディスプレイの回転時には両手での操作となります。
▼Amazonと中国通販サイトのBanggoodの価格差は約1万円。1万円では512GBのSSDが余裕で購入できるため、Banggoodでの購入をおすすめします。
▼実機レビュー記事はこちら。
まとめ
Amazonで販売のTeclastのWindows 10 ノート 3製品をまとめて紹介、私なりの評価を記載しました。海外で人気の3製品ですので、どれを購入にしても後悔することはないとの認識ですが、あらためて簡単にコメントすると以下となります。
なお、デザイン・質感は3製品ともに、国産・海外大手メーカーのエントリークラスのPCと比較すると抜群に高いため、コメントから外しています。
- 14インチのF7 Plusは、ゲームなどの負荷の大きいことを行わない限りは、ディスプレイのサイズからもメイン利用としても十分。デメリットらしきものは、1.5kgの重さのみ。
- 11.6インチ、360°回転機構付きのF5Rは、タッチパネルも使え、また、そのコンパクトさから携帯利用には最適。ただし、フルサイズのUSBではなくMicro USBであることに留意。
- 13.3インチ、360°回転機構付きのF6 ProはCPUにCore m3-7Y30を搭載し、F7 Plusよりも快適なレスポンスなうえに指紋認証付き。タッチパネルも魅力だが、2017年に発売の製品であり、キーボードのデザインがやや古く感じます。
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