海外通販サイトのBanggoodでは、7月後半の発売直後には99.99ドルで販売されていた(8月24日時点では 129.99ドル)「OUKITEL C21 Pro」。CPUにMediaTek 6762D (Helio A25)、メモリ 4GBのエントリースマホです。このOUKITEL C21 Pro」をBanggoodさんよりレビュー用にサンプル提供いただきましたので、外観と使用感などを記載します。
解像度は1560 x 720とFHDではありませんが、ディスプレイは明るく鮮やか、そして何よりもガラス製で質感高めの背面は、指紋や油脂の付着が目立たず、この点のみでも評価に値するスマホです。
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上のリンク先記事から再掲載のスペックは以下となります。CPUのMediaTek 6762D (Helio A25)は2020年2月あたりにリリースされたもので搭載事例は多くないのですが、MediaTekのCPU・SoCとしては 一時期 多くのエントリースマホに搭載されていた Helio P23に僅かに劣るもの。
CPU | MediaTek 6762D (Helio A25)、8コア |
GPU | MG GE8320 |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 6.39インチ、解像度 1560 x 720 |
リアカメラ | 21百万画素 + 2百万画素(ワイド) + 0.3百万画素(マクロ) |
フロントカメラ | 8百万画素 |
WiFi | 11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 |
SIM | Nano SIM x 2 |
LTE 対応バンド | B2 B4 B5 B7 B12 B13 B17 B25 B26 B28A&B B66 |
バッテリー | 4000mAh、充電はUSB Type-C |
サイズ | 162 x 75 x 9 mm、178g |
OS | Android 11 |
その他 | サイドの指紋認証、顔認証あり |
エントリークラスのスマホでも FHDのディスプレイの製品が多いなか、1560 x 720の解像度となりますが、FHDとほとんど見分けがつかず、老眼の私としては テキストがデフォルトの状態で大きめな OUKITEL C21 Proのディスプレイの視認性が よりよいとも感じます。
▼ガラスカバーとの記載がありますが、背面のガラスは 指紋が目立たず(評価機はグリーンですが、ブラックの場合は異なるかと思います)、想像以上によいものです。
▼こちらはGeekbench 5のシステム情報。CPUは MT6762V /WDと製品紹介のMT6762Dと異なっていますが、Helio A25です。
▼こちらは「Device Info HW」のSoC情報
付属品、外観
繰り返しとなりますが、グリーンの色の恩恵もあると思われるものの、ガラス製の背面は 質感が高いうえに指紋の付着がほとんど確認できずに、想像以上によい出来です。以前に使用していた iPhone XS Maxや UMIDIGI スマホのガラスの背面では、ブラックでもあり指紋が目立ち、ケースは必須でしたが、本製品ではケースなしの運用もいけます。
この点では TPUのクリアケースが付属しているのですが、厚みがかなりあり、電源 兼指紋認証ボタンの操作性が損なわれるため、私はケースなしで使用しています。
▼鮮やかなオレンジの外箱。
▼本体は TPUのクリアケースを装着した状態で収められています。
▼説明書の撮影は割愛しましたが、SIM ピン、USB Type-Cのケーブル、EUプラグのACアダプターが付属しています。写真を撮影していませんが、Banggoodのサービスで 日本のプラグへの変換アダプターも付属しています。
▼こちらのようにTPUのクリアケースが装着された状態です。
▲▼下の写真は保護フィルムを外した状態。写真では上手く表現できていませんが、ライトグリーンにガラスの背面により透明感は抜群で、100ドルスマホとは思えない質感の高さです。
▼後述しますが、こちらが厚めのクリアケース。iPhoneやXiaomiのスマホでも、同様に厚いケースの事例もあり、ここは止む無しです、むしろ、ケースが付属していることを評価すべきですね。なお、Amazonのレビューを参照すると、Amazonではブラックのケースが付属しているようです(本体の色に応じ、ケースの色が異なるのかもしれません)。
▼特徴を記載した保護フィルムを剥がすと、通常利用に耐えうるフィルムが貼り付け済みです。
▼初期設定中の一コマ。パンチホールは左上にあります。パンチホールの大きさは、手元にあるミドルレンジからハイエンドの Xiaomi / realmeのスマホと遜色ありません。
▼実機は写真よりも鮮やかなディスプレイとなり、発色も白が際立つ明るいもの。ディスプレイ下のベゼルは、やや太くなっています。
▼こちらは付属のケースを装着した状態。2枚目の画像の電源 兼指紋認証ボタンが やや操作しづらく、ケースなし、あるいは別途 薄いケースを購入しての運用がおすすめ。
▼右サイドの電源 兼指紋認証ボタン、音量調節ボタン。指紋認証の設定は、上位機と比較すると多少の時間を要したのですが、操作性・認識の精度は良好です。
▼左サイド、SIM トレイ周辺が確認できるよう撮影。
▼上側より。イヤフォンジャック周りを撮影。フィルムが貼り付けられているのがわかりますが、気泡もなく好感。ただし、他のスマホのデフォルトのフィルムも同様ですが、指紋の付着は多いです。
▼下側より、USB Type-C ポートと シングルスピーカー。スピーカーの音質は普通です。ちなみに、下のベゼルはやや太めと記載しましたが、グリーンのサイドの端までの実測は 9mmです。
▼nano SIM x 2のSIM トレイ、ドコモ回線のOCN モバイル ONE SIMを取り付けた様子。後述しますが、自宅(千葉市郊外)での ドコモ回線 4G SIMは全く問題なく使用できています。
▼ライトグリーンの背面ですが、ブルーに近い写真映りとなってしまいました。実機の色合いとしては、上の画像の背面が近く、また、実機は写真よりもクリアで透明感があります。水平近くから見ると、実際には指紋が付着しているようですが、真上はこの角度で見ると 指紋や油脂の付着は ほとんどわかりません。
▼カメラ部分の出っ張りは、目件では 1.5mmと抑えられています。
ディスプレイ
上の外観でのコメントと重複しますが、あらためて ディスプレイ品質について記載します。私がこれまでレビューしたスマホ・タブレットでは、タブレットは製品により、ディスプレイの淡さや発色に多少のバラツキがある一方、スマホは100ドルクラスの製品でも、明るさ・鮮やかさ・発色などに上位機と大きな差はないとの認識であり、C21 Proも同様です。
- 6.39インチ、解像度はFHDではなく1560 x 720のC21 Proのディスプレイですが、私の目では粗さを感じず。デフォルトにおいて、テキストが大きいため、老眼の私には むしろ好都合です。
- 大手ブランドの上位機と異なり、暖色・寒色などを調整する項目はないようですが(見落としかもしれません)、どちらかと言えば寒色系の色あい。
- 白を背景にすると、脚色・調整のない原色に近い白であることがわかります。
- 明るさ、鮮やかさ(もちろん視野角も)ともに十分。ただし、明るさ 100%と70〜80%あたりの明暗差が強いようにも感じます(70〜80%、それより下の調整では、他のスマホよりも暗いイメージ)。
- 左上のパンチホールは、通知エリアの通知の妨げになることもなく良好。
- ベゼル幅は下側が実測 9mmと、一般的な製品よりも太いものの、気になるほどではありません。
ベンチマークスコア
AnTuTu Lite、Geekbench 5のベンチマークスコアと、自宅のWiFi環境での回線速度、4Gの回線速度を記載します。なお、AnTuTu ベンチマークは v9となり、ミドルレンジ以下のスマホでは 計測できない仕様となったため、AnTuTu Liteでの計測です。
なお、古い製品ですが、100ドルスマホの元祖的な、Helio P23を搭載・メモリ 4GBの「UMIDIGI A5 Pro」のスコアと比較しています。
▼AnTuTu Liteのスコアは 91,286
▼こちらは Helio P23のUMIDIGI A5 Pro。スコアは 95251となり、C21 Proよりやや優位。ただし、体感レスポンスに相違はありません。
▼Geekbench 5のスコアは、Single-Coreは 143、Multi-Coreは 768
▼Geekbench 5のスコアもUMIDIGI A5 Proが優位です。
▲▼以下で紹介のアプリ「CPDT」による eMMCの速度。Write 69MB/s、Read 102.45と速くはない(遅い)のですが、大容量のアプリインストールでも極端な遅さを感じることはありません。ただし、撮影した写真のサムネイル表示ではやや遅延も感じます。
▼自宅のWiFi 環境(Nuro 光)の回線速度は 84Mbps。Nuro 光としては、かなり遅いのですが、PCや iPhoneと同水準のスコアです。
▼ドコモ回線 4G / OCN モバイル ONEでの回線速度は 22Mbps。千葉市郊外の日中の計測でしたが、(C21 Proとは関係ありませんが) 電波強度がフルでないにもかかわらず、意外と高速です。
体感レスポンス
エントリークラスのCPUであり、また、ベンチマークスコアも奮いませんが、想像よりも普通に動作しています。具体的には以下のとおりです。全般的には、100ドルスマホでも サブ運用としては十分な動きです。
- AnTuTu ベンチマークスコアが 30万超(realme 7 5G)、60万超(POCO X3 Pro)を使用した後に、C21 Proを利用してみると、アプリの起動や、起動した状態からホームに戻る、アプリの画面遷移など、さすがに機敏さに欠け、多少の引っかかりも感じます。
- ただし、C21 Proをメインに数時間も使用していると、サクサクとは言わないまでも わるくはありません。少なくとも Fire HD 8よりも普通に動作し、Amazonで販売している 1万円台半ばのタブレットと同程度の動きです。
- ゲームは試していませんが、私が体感レスポンスを測る指標として使用している FXアプリでは、上位機と比較すると 僅かな遅延もありますが、十分の常用できる水準です。
- ベンチマークスコアでは、Helio P25と比較しました。スコアはHelio P25がやや優位であるものの、体感レスポンスとしては同水準。
- eMMCのベンチマークは低いスコアとなりましたが、大容量アプリのインストールでは遅さを感じず。ただし、写真表示などでは多少のもどかしさも感じます。
サウンド、認証、カメラ
スピーカーの音質、認証、カメラなどの操作感について記載します。カメラは単独項目として記載すべきですが、エントリークラスのスマホでもあり、他項目とまとめての記載です。
- シングルスピーカーのC21 Proですが、YouTubeとNetflixを視聴した範囲では、いたって普通の音質です。
- 顔認証については、初期設定はすさまじいほどに瞬間的に完了しました。指紋認証をオフにして確認してみると、正面からの認識に要した時間は3秒程度。速くはありませんが、しっかりと認証できています。
- 電源ボタン兼用となるサイドの指紋認証は、登録に上位機よりも多少の時間を要するものの(プラス数秒程度ですが)、しっかりと認証できています。ただし、付属のケースが厚く、電源ボタンの操作の妨げとなるため、ケースなし、あるいは市販の薄いケースでの運用が望ましい。
- 21百万画素をメインとするリアカメラは、オートフォーカスや保存は遅くはないのですが、室内撮影での細部の描写が粗い、鮮やかさが足らないなど価格なり。また、拡大・縮小もぎこちない動きです。
- ドコモ回線のOCN モバイル ONEを利用し4Gの確認を行いましたが、千葉市郊外の自宅では速度も十分(ベンチマークの項を参照)。普通に使用できています。
まとめ
Banggoodでは 7月後半の販売直後には 99.99ドルで販売されていた「OUKITEL C21 Pro」。サブ運用のエントリースマホとしては、サクサクとは言わないまでも レスポンスも十分に実用的。カメラは価格なりとなりますが、ガラス製の背面と明るい色合いとあいまって(ブラックもありますが)、透明感・質感は高く、指紋や油脂の付着が目立たないことで、このクラスのスマホとしては評価できる端末です。
▼Banggoodの通常セール価格 129.99ドルのところ、クーポン「BG75cc94」の利用により 109.99ドルとなります(クーポンの有効期限 9月30日)。2022年2月10日時点では 112.99ドル(約13千円)で販売中
▼こちらは 国内通販の販売情報