内部の構成、PCIe SSDの増設
底板を開き、2280サイズのM.2 PCIe SSDを増設してみました。底板を外すと、簡単にメモリと2242サイズのM.2 SSDの換装、2280サイズのM.2 PCIe SSDの増設を行うことができます。
▼底板を外すため、四隅のネジを外します。
▼底板は簡単には外せないため、付属のVESA ブラケットを一時的に取り付けて外しました。
▼樹脂製の底板の裏には、2.5インチ HDD / SSD取付用のホルダーがありますが、マザーボードのぱっと見では、接続ポートはありません(仕様どおりに、2.5インチ SATA HDD / SSDを装着できません)。
▼マザーボードの全体像。中央が標準装備の2242サイズ SATAのM.2 SSD。左上に、2280サイズ M.2 PCIe SSD接続ポートがあります。
▲左下にあるのは WiFi チップ。
▼メモリは2ポートの淡い期待を抱いていたのですが、やはり 1ポートです。
▼いきなりですが、M.2 PCIe SSDの取付後。一時的な取付のため、冷却対応を行っていませんが、こちら(Amazon)のヒートシンクを取り付けるなどの対応が必要です。
▲▼取り付けたM.2 PCIe SSDは、上の記事にて実機レビューの「Beelink SEi8」に搭載の物を一時的に流用。2つめの画像はオリジナルの上記PCで計測したものですが、冷却対応や設定が適切でなかったのか、本製品での接続が本来の実力です。
ベンチマークスコア
Geekbench 5 / 6、CINEBENCH R23、CrystalDiskMarkのベンチマークスコアを掲載します。なお、比較対象は、以下の記事で実機レビューの、Alder Lake N95を搭載の「Beelink S12」、N100を搭載の「Beelink EQ12」です。
Geekbench 5
Geekbench 5のスコアは「シングルコア 909、マルチコア 2312」。2つめのN95の「Beelink S12」と同水準、N100の「Beelink EQ12」との比較では妥当なスコアです。
▲▼なお、以下の記事に、これまで計測した Geekbench 5のスコアを掲載していますが、N95のシングルコアのスコアは、インテル 第8世代の Core i3-8130Uより高く、Core i5- 8279U あるいは 第10世代 Core i3-10110Uの中間あたり。エントリークラスの価格帯のPCとしては十分です。
Geekbench 6
以下の記事にも掲載していますが、Geekbench 5と6では、スコア算出のベースとなるPCが異なり、Geekbench 6のシングルコアのスコアは Geekbench 5の3割増程度になります。本製品のスコアは「シングルコア 1114、マルチコア 2553」。
▼2つめのスコアは、同じくN95を搭載の「Beelink S12」。
CINEBENCH R23
CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 831、マルチコア 2374」。
▲マルチコアのスコアはランキング 最下位でやむを得ないのですが、シングルコアではインテル 第4世代 モバイル向け ハイエンドの Core i7-4850HQよりも高いスコアです。
CrystalDiskMark
本製品のM.2 SSDは 2242サイズのSATA接続。読み書きともに、一般的な SATA SSDのスコアです。なお、BeelinkのミニPCなど、N95 / N100の製品では PCIe SSDを標準装備しているものも多いのですが、読み書き800MB/s程度となり、本製品と体感できる相違はありません。
体感レスポンス
エントリークラスの価格のPCのため、つい Gemini Lake / Jasper Lakeのモバイル向け Celeron クラスの先入観でとらえてしまうのですが、ゲームや動画編集を行わない限りは、Alder Lake N95 あるいはN100で十分に快適です。
- Jasper Lake N5105 / N5100あたりと比較すると、ワンランク上の快適さがあります。特に、N95では、Windows 更新前後のレスポンスの悪化をそれほど感じません。
- ベンチマークスコアと同様に、体感レスポンスとしても インテル 第8世代の Core i3-8130Uと 第10世代 Core i3-10110Uの中間あたり。普段使いではキビキビと動作します。
- AMD Ryzen 5番台(事例としては、こちらでレビューの AMD Ryzen 7 5800HのPC)のPCと比較すると、普段使いでのキビキビ感は 僅かに劣るか、劣らないか程度。
- 標準装備のSSDはSATAですが、こちらも普段使いでは十分なもの。800MB/sレベルのPCIe SSDとは、おおきな体感差はありません。
CPU温度、静音性
省電力のAlder Lake N95ですので、他のPCと同様にCPU温度は PCに負荷をかけても それほど高くなく、また、ファンの音量も小さいもの。
▼こちらは前述のフリーソフト「HWiNFO」で計測のCPU温度ですが、ベンチマークで負荷をかけた際にも CPU温度は最大 79℃と抑えられています。
▼こちらは iPhone アプリ「デジベル X」で計測のファン音量。負荷をかけた際には、瞬間的に43dB、平均は36dBと 全く気にならない程度の音量です。また、通常時には30dB前後と 本体に耳を近づけて ようやくファンが動作していることがわかる程度。
参考、日本語キーボードへのレイアウト変更方法
中国ブランドも含め、海外製のミニPC・PCでは、通常の場合、Windows 11 英語版がプレインストールされています。初期設定で日本語を選んだ場合にも英語キーボードの設定になっているため、@の位置など、日本キーボードとは異なる配置となっています。これを初期不良と勘違いする方もいらっしゃるのですが、以下の記事に記載の方法で、簡単に日本語キーボードのレイアウトへと変更することができます。
▼なお、こちらは私のおすすめのWindows 11の初期設定です。
まとめ
他の Alder Lake N95 / N100を搭載するミニPCと比較すると、M.2 SSD ポートを2つ装備することが大きなメリットの「NVISEN AU01」。標準装備の2242サイズ M.2 SATA SSDは流通量が多くないため、他のノートPCなどに流用し、本製品では 空きポートで 高速なPCIe SSDを使用(OS クローンで対応。こちらの記事を参照)する手段もあります。
あらためて、本製品のポイントを記載すると以下となります。
- 一般的なミニPCと比較すると、縦横ともに 約1cm コンパクトな筐体。
- 全樹脂製の筐体ですが、デザインと質感は標準的。
- 標準装備の2242サイズ M.2 SATA SSDのほか、M.2 PCIe SSDの空きポートがあることが 大きなメリット。底板を開いて簡単に増設可能。
- 一方、メモリは 1スロットのみ。
- Alder Lake N95のベンチマークスコア・体感レスポンスは、インテル 第8世代 モバイル向けのCore i3 / Core i5に近い水準。
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