中古で購入した 15.6インチ「NEC VersaPro VKM17X-2(VX-2)」のHD 解像度・TN パネルの液晶を、FHD 解像度・HD パネルの液晶に換装しましたので、その手順をレポートします。
交換手順としては、これまでに液晶交換を行った ThinkPad L580 / T550 / X1 Carbon / X280などと ほぼ同じとなり、時間をかけずに簡単に交換することができます。
参考、NEC VersaPro VKM17X-2のスペック
以下の記事にて掲載していますが、参考までに中古で購入した「NEC VersaPro VKM17X-2(VX-2)」のスペックを再掲載します。普段使いとしてはサクサク動作のCore i5-8350Uを搭載するうえに、SSDを2基搭載できること、15.6インチでは珍しく、キーボードにテンキーがないことが大きなポイントです。ちなみに、私は ヤフオクにて ややジャンク気味の製品を、4,000円ちょっとで落札しました。
NEC VersaPro VKM17X-2、中古購入 15.6型PCのスペック。Core i5-8350U搭載、テンキーレスが大きな魅力
▼黄色網掛けは、中古で購入後にカスタマイズした事項です。
CPU | Core i5-8350U、4コア 8スレッド |
GPU | Intel UHD Graphics 620 |
メモリ | DDR4-SDRAM、PC4-19200 16GB(8GBから換装)、2スロット |
ストレージ | 128GB SSD、2.5インチ SATA SSD 256GB(HDDから換装) |
ディスプレイ | 15.6インチ、解像度 1920 x 1080、IPS パネル |
WiFi | 11ac/a/b/g/n |
Bluetooth | 4.1 |
ポート類 | USB-A 3.0 x 5、HDMI、ミニ D-sub、有線LAN |
キーボード | テンキーなし、キーピッチ 19mm、キーストローク 2.4mm |
バッテリー | 47,520mwh(設計容量) |
サイズ | 377 × 255 × 27.6 mm、約2.4kg |
OS | Windows 11 Proに更新済 |
その他 | DVDスーパーマルチドライブ |
液晶は、この世代(インテル 第8世代のCPUを搭載)までに多い、視野角の狭いTN パネルのHD画質です。本製品に搭載の液晶は、比較的 明るい部類でしたが、以下の写真のとおり視野角が狭いこと(角度をずらすと、色の変化が大きい)、文字のドットが目立つことから、FHDのIPS パネルに換装しました。
購入した液晶
直近では、以下の15.6インチ「ThinkPad L580」の液晶を、HD / TN パネルからFHD / IPS パネルに交換しましたが、市販の液晶は あたりハズレが大きいように感じます。「ThinkPad L580」の場合には、液晶上の数mmの明るさが異なり、今回の「VersaPro」では、楽天市場で注文の製品型番と異なる型番の製品を受領しました。同じ輝度・色域の液晶ならよいものの、輝度・色域ともに異なりますが、そのまま使用しています。
▲今回、楽天市場から上の製品を購入しました。製品タイトルと詳細には「NV156FHM-N43、72% NTSC」と明記あるのですが、届いた製品は「NV156FHM-N3D、45% NTSC」です。
製品紹介に赤文字で「 出荷時は在庫によって違う生産ロット/メーカーから同レベルの製品を配送させていただく場合がございます」とありますが、72% or 45% NTSCでは同レベルとは言えず。45% NTSCも ほぼ同価格で販売されており、また、比較的よい液晶だったために、そのまま使用しています。
なお、「VersaPro VKM17X-2」に適合する液晶の接続は、EDP 30PINの一般的なもの(さらに高解像度、タッチパネルの場合には 40PINとなります)。
▼2周りほど大きな段ボールに梱包されていましたが、段ボールから取り出し後です。
▼AliExpressや他の販売店の場合、プチプチのグルグル巻きで梱包されている事例が多いのですが、本製品は立派な発砲スチロールの箱に梱包されています。
▼厚みのある発砲スチロールでの梱包です。これなら輸送中に破損する心配は皆無です。
▼これまで、12.5インチから15.6まで、10製品弱の液晶を交換していますが、他製品と同様のビニールで保護されています。
▲製品紹介には「72% NTSCのNV156FHM-N43 あるいはNV156FHM-N61」とあり、こちらのPanelook サイトにて双方ともに「輝度 300 cd、72% NTSC」であることを確認済でした。ところが、実際に届いた製品は「輝度 220 cd、45% NTSC」の「NV156FHM-N3D」。取付後の目視では わるくはない製品のために、交換を主張することなく、そのまま使用しています。
液晶の交換手順
液晶交換の大きなフローは以下となります。 Lenovo 傘下のNEC PCでもあり、ベゼルの構成なども含めて、ThinkPadの液晶の交換手順とほぼ同じです。なお、底板を取り外す必要はなく、ベゼルカバーを取り外すことで対応できます。
- バッテリーを外す。これを行わない場合、(私は他製品で経験がありますが)最悪 マザーボードの液晶周りのヒューズ切れが発生することがあります。
- ディスプレイ面のベゼルを外す。ベゼルは樹脂の柔らかな素材で、ツメで固定されているのみであり、簡単に外すことができます。
- 液晶を固定している4本のネジを外し、また、ケーブルの接続部分を外し、液晶を取り出す。
- 新しい液晶のケーブルを接続、電源オンにより、画面表示をテスト。
- 上記で問題なければ、4本のネジで液晶を固定。
- 取り外したベゼルの取付。
- 取り外したバッテリーを取り付ける。
▼バッテリーを取り外しました。
▲▼ベゼルの隙間に、上のようなオープナー あるいはクレカなどを差し込み、ベゼルにツメを外します。周囲を一周するまでもなく、ある程度のツメが外れると、ベゼルを外すことができます。なお、このベゼルの外し方は、ThinkPadと同じです。
▼ベゼルを取り外しました。両面テープはなく、ツメのみで固定されています。
▲▼液晶の4カ所にあるネジを外すと、液晶を取り出すことができます。下側にケーブルが接続されているため、勢いよく取り外すことのないよう、注意しましょう。
▲▼液晶の外枠側を撮影。同世代のThinkPadと概ね同じ構成です。
▼経過の写真を撮り損ねたのですが、交換用の液晶をケーブル接続しました。オリジナルの透明テープを活かしたうえで固定しています。
▼ベゼルを取り付ける前のテスト中。綺麗に表示されています。なお、当初 液晶が点灯しなかったのですが、外部モニターに接続・BIOSでLCDの項目を表示後の再起動で点灯となりました。一般的には、BIOSを表示する必要はありません。
▼ベゼルを取り付けて完了。前述のとおり、楽天市場の製品情報と異なる型番・色域の液晶を受領しましたが、明るさもまずまず、表示も綺麗のため、このまま使用しています。
交換後の液晶表示、システム情報
交換後の液晶表示・品質、システム情報を記載します。視野角が広くなったこと以外では、FHDとなったことにより、文字のドットが目につくことなく(2.2K、2.8K 解像度クラスと比較すると、多少わかります)、より滑らかな表示となりました。
液晶の表示品質としては、それほど明るくはないものの許容範囲。色合いとしては、多少 寒色(青白)寄りです。以下の「ThinkPad L580」で交換した液晶と比較すると、明確に明るい液晶です。
ThinkPad L580、液晶の交換手順。FHD,IPS パネルにより視野角は良好も、交換した液晶はやや明るさ不足
▼極端な角度からの撮影です。上の写真は交換前のHD / TN パネル、下の写真はFHD / IPS パネルです。視野角の広さが全く異なることがわかります。
▼Windows 11の「設定」より。もちろん、1920 x 1080と正しい解像度で認識しています。
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▲▼フリーソフト「HWiNFO」で確認のモニターの型番は、BOE製の「NV156FHM-N3D(画像表示は一部が省略されています)」。
▼交換した液晶は、楽天市場から購入の以下の製品です。ただし、重ねての記載ですが、製品タイトルと詳細には「NV156FHM-N43、72% NTSC」と明記あるものの、届いた製品は「NV156FHM-N3D、45% NTSC」です。楽天市場の製品情報よりも狭い色域・輝度も低いのですが、欠点もない よい液晶です。