MINISFORUM UM750L Slim 実機レビュー、Ryzen 5 7545Uを搭載し キビキビ動作のミニPC、USB4ポートも装備 | Win And I net

MINISFORUM UM750L Slim 実機レビュー、Ryzen 5 7545Uを搭載し キビキビ動作のミニPC、USB4ポートも装備

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

今回 実機レビューする製品は、CPUにAMD Ryzen 5 7545U、メモリ 16GB、SSD 1TBを搭載するミニPC「MINISFORUM UM750L Slim」です。Ryzen 5 7545Uは AMD Zen 4 アーキテクチャでもあり、CPU ベンチマーク シングルコアのスコアは 同価格帯のミニPCとしては高く、普段使いにおいて キビキビと動作します。

メモリはオンボードとなり、同社製品に装備していることの多い OCulinkを未装備ですが、USB4を装備し、M.2 PCIe 4.0 SSDの空きスロットも備えています。

レビューする製品はこちら

MINISFORUM UM750L Slim、Amazon

MINISFORUM UM750L Slim、公式ストア

 

MINISFORUM UM750L Slimのスペック

スペックは下表となります。今回はメモリ 16GB モデルでのレビューですが、メモリ 32GB モデルも販売されています。

 

CPU AMD Ryzen 5 7545U、Zen 4 アーキテクチャ、6コア 12スレッド、最大 4.9GHz
GPU AMD Radeon 740M
メモリ LPDDR5 6400MHz 16GB
ストレージ M.2 2280 PCIe 4.0 SSD 1TB、M.2 PCIe 4.0 SSDを増設可能
WiFi WiFi 6E対応
Bluetooth 5.2
ポート類 HDMI、DisplayPort、USB4、USB A 3.2 x 2、USB A 2.0 x 2、2.5G RJ45 有線LAN
サイズ 126.8 x 130 x 50.4mm
OS Windows 11 Pro

 

▼サイズは 126.8 x 130 x 50.4mmと、他社のコンパクトさをアピールするミニPCと比較すると やや大きめです(ただし、M4 Mac miniと誤差の範囲で同じ)。映像出力は USB4 / HDMI / DisplayPortの3系統。背面の大きな通風孔から内部の熱が排出されます。

 

実機のシステム情報

続いて、実機から抽出のシステム情報を掲載します。

 

▲▼Windows 11「設定」の「デバイスの仕様」です。もちろん、販売情報どおりの AMD Ryzen 5 7545U、メモリは(オンボードの)16GB

 

▼「Windowsの仕様」は、Windows 11 Pro、バージョン 25H2。「25H2」となったためか、初回起動時のインストールに、以前よりも多少の時間を要します(私の場合、1.5時間~2時間ほどと記憶)。

 

▼以降の画像は、以下の記事にて紹介のフリーソフト「HWiNFO」から抽出のシステム情報です。ノートPCの場合、バッテリーの劣化度も確認できます。

HWiNFOの使い方、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフト。投稿数 約4万件のフォーラムも充実

フリーソフト「HWiNFO」利用による Windows PC バッテリー劣化度の表示事例

 

▼システムの概要です。クリックで拡大できます。

 

▼上の画像からCPUの情報を拡大。AMD Ryzen 5 7545Uは、Zen 4 アーキテクチャ、6コア 12スレッド、4nm プロセス、TDP 45W、L3 キャッシュは16MB

 

▼メモリはオンボードのLPDDR5 16GB、クアッドチャンネルでの動作です。

 

▼GPUは、統合型のAMD Radeon 740M。ゲーム関連のベンチマークは控えめであり、ゲーム向けではありません。

 

▼LPDDR5 16GBのメモリの情報です。モデル「MT62F1G32D4DR-031 WT」とありますが、Micron チップのオンボードです。

 

▼PCIe 4.0 SSD 1TBの型番は「KINGSTON OM8TAP41024K1-A00」です。検索したところ、多くヒットしませんでしたが、2280サイズのM.2 SSDです。後述のベンチマークの段落に掲載していますが、Read 6000MB/s超と 5万円台のミニPCに搭載のSSDとしては高いスコアです。

 

Windows 11、ライセンスのチェック

Windows 11のライセンスは「OEM ライセンス」であり、「ボリュームライセンス」ではなく安心です。「MINISFORUM」のミニPCは、他製品も含めてライセンスの安心感があります。

 

▼コマンドプロンプトを起動し、最後の>のあとに「slmgr/dli」をコピペし、キーボードのエンターキーを押下します。

 

▼以下の画面の赤枠にて、ライセンスの種類は「OEM_DM channel」とのあり、ライセンスはハードウェアに付与されています。

 

外観のチェック

開封、付属品、外観について記載します。筐体は同社のミドルレンジクラスの複数製品に共通するものであり、樹脂製ではあるものの、質感としてはわるくありません。

 

▼同社のエントリークラスからミドルレンジクラスの他の製品と同様に、シンプルな外箱に収まっています。

 

▼保護用の緩衝材は、十分な厚みがあります。

 

▼多くのミニPCでは、傷つき防止のためにビニールで梱包されていますが、MINISFORUMのミニPCでは 紙製の袋での梱包が増えています。ビニールの場合には売却の場合などの再梱包にやや難があり(両面テープを多用)、私としては紙製の梱包が好みです。

 

▼付属品は左上から、説明書類、ゴム足の予備、VESA マウント取り付け用のネジ、AC アダプター、VESA マウント、HDMI ケーブル、AC アダプターケーブル。

 

▼AC アダプターとケーブルのサイズがわかるよう、マウスを並べて撮影。同社の上位の製品と比較すると、やや大きなAC アダプターです。

 

▼全体像です。樹脂製の筐体ですが、アルミ調の塗装とあいまって 安っぽさはありません。サイズは 126.8 x 130 x 50.4mmと、他社のコンパクトな製品と比較すると 一回り大きな筐体ですが、システムファンを備えるほか、内部の空流にも余裕があります。

 

▼天板とサイドに溝がありますが、内部へのアクセスは底板を外して行うタイプです。

 

▼一見して、USB ポートなどの下に立体的なラインがあるように見えますが、電源ボタンやUSB ポートなどのパネル全体が少し奥まっています。

 

▼使用中の一コマ。こちらの写真のように、電源オンで電源ボタンのLEDはブルーに点灯します。

 

▼前面のポート類は左から、電源ボタン、USB-A 3.2 x 2、オーディオジャック、CMOS クリア。最近のPCでは、CMOS クリアを使用することはないと思いますが、同社のミニPCは CMOS クリアを備えています。

 

▼背面のポート類は左から、電源ポート、RJ45 2.5G 有線LAN、HDMI、USB4、DisplayPort、USB-A 2.0 x 2

 

▼左右の両サイドは同じ構成ですが、大きな通風孔があります。

 

▼あらためての全体像です。一見してアルミ製ともに思える筐体ですが、アルミ調塗装の樹脂製となり、質感はわるくありません。

 

▼背面ですが、大きな通風孔の箇所にシステムファンを装備しています。内部にアクセスする際には、四隅のゴム足を外して露出するネジを外し、底板を開くことにより行います。なお、下部に技適マークがしっかりと表示されています。

 

▲▼以下の記事にて実機レビューの「MINISFORUM AI X1」と並べて撮影。「AI X1」は M4 Mac miniとほぼ同サイズですが、「UM750L Slim」は僅かに(数ミリ)大きなサイズです。

MINISFORUM AI X1 実機レビュー、Ryzen 7 255を搭載し快速、OCulinkでのグラボも安定動作、アルミ製筐体も特筆すべき高品質なミニPC
M4 Mac miniとほぼ同サイズ、アルミ製筐体の質感は、これまで実機レビューしたミニPCではトップクラス。Ryzen 7 255のベンチスコアは想定以上に高く、動作は快適。また、OCulink ポートで接続の外付けグラボも安定動作。

 

内部の構成、SSDの増設手順

底板を開いての内部の構成と M.2 SSDの増設手順について記載します。増設可能なM.2 SSDは、2280サイズのPCIe SSDです。なお、底板にシステムファンがあり、基盤からケーブルが接続されていますので、勢いよく底板を開かないよう注意が必要です。

 

▼底板の四隅にあるゴム足の下に、底板を固定するプラスネジがあります。

 

▼ゴム足を外しました。プラスネジ 4本を外し、周囲の隙間(右上矢印の部分など)にヘラなどあてて、周囲のツメを数カ所外すと底板は外れます。

 

▼底板を外した全体像です。右側の内部は、メモリがオンボードでもあり、スッキリとしており、空間に余裕があります。

 

▼底板側を拡大。ファンにはM.2 SSDの冷却用のシリコンパッドが備わっています。

 

▼基盤の中央やや右が 標準装備のM.2 SSD、その右に2230サイズのWiFi モジュールがあります。増設する 2280サイズのM.2 PCIe SSDは、WiFi モジュールの上に取り付ける仕様です。

 

▼M.2 SSDの空きスロットを拡大。

 

▼M.2 SSDの増設後です。

 

▼今回、500GBのSSDを増設してみましたが、もちろん Windows 11「ディスクの管理」にて認識しています。

 

▼増設したSSDは それほど高速ではありませんが、CrystalDiskMarkにて読み書き速度を計測してみました。後の「USB4」の段落にて、当SSDをUSB4経由の外付けとしたうえで 内蔵時の速度と比較しています。

 

ベンチマークスコア

CPUにAMD Ryzen 5 7545Uを搭載する本製品で計測のベンチマークスコアを掲載します。Zen 4 アーキテクチャであり、CPU ベンチマーク・シングルコアのスコアは、この価格帯(5万円台)のミニPCとしては高く、PCIe SSDの読み書きスコアも高いです。

なお、比較対象は CPUにCore i9-12900HKを搭載する、以下の記事にて実機レビューの「MINISFORUM NAB9」です。販売価格は「NAB9」が高いのですが、CPU ベンチマーク シングルコアのスコアは同水準、マルチコアは Core i9-12900HKがやや高いスコアです。

MINISFORUM NAB9 実機レビュー、 Core i9-12900HKを搭載のミニPC、13世代 Core i9のベンチスコアを上回ることもあり
今回レビューする製品は、CPUにインテル 第12世代 モバイル向けハイエンドのCore i9-12900HKを搭載するミニPC「MINISFORUM NAB9」です。 メモリはDDR4 16GB x 2の32GB、ストレージは PCIe 4...

 

Geekbench 5

Geekbench 5のスコアは「シングルコア 1,885、マルチコア 7,737」。2つめのCore i9-12900HKとの比較では、シングルコアは同水準、マルチコアは 6コア 12スレッドと14コア 20スレッドの相違もあってか、Core i9-12900HKが高いスコアです。

 

▼以下の記事にて、これまでに実機レビューした 主だったPCのスコアを一覧化していますが、シングルコアは Core i7-1360Pとも近いスコアです。

PC 実機で計測、Geekbench CPU ベンチマークスコアの一覧、サクサクと動作するスコアの指標

 

Geekbench 6

Geekbench 6のスコアは「シングルコア 2491、マルチコア 8999」。双方ともに 2つめのCore i9-12900HKがやや高いスコアです。

 

CINEBENCH R23

CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 1727、マルチコア 10647」。シングルコアのスコアは Core i9-12900HKと僅差で同じですが、マルチコアのスコアは 大きな差をつけ Core i9-12900HKが高いスコアです。

 

▼以下の記事にて、これまでに実機レビューした 主だったPCのスコアを一覧化しています。

CINEBENCH R23、ミニPCやノートPC 35製品で計測のスコア一覧。キビキビ動作のスコアの指標

 

PCMARK 10

PCMARK 10のスコアは 5,779。公式サイトによると、オフィスワーク向けのシステム推奨の目安は「Productivity = 4,500以上」、写真、動画、その他のデジタルコンテンツ編集向けのシステム推奨の目安は「Digital Content Creation = 3,450以上」とあり、双方ともに大きく上回っています。

 

3DMARK

3DMARK Steel Nomad Lightのスコアは 1,294。統合型GPUのAMD Radeon 740Mはゲーム向きではなく、実際に動作画面を見ていても、カクカクとした動作です。

 

ドラクエベンチマーク

FHD・標準品質でのドラクエベンチマークは「快適、6839」。何度か計測しましたが、同水準のスコアでした。2つめの Core i9-12900HKよりも低いスコアですが、Core i9-13900HK(レビュー記事はこちら)と同水準のスコアです。

 

CrystalDiskMark

型番「KINGSTON OM8TAP41024K1-A00」のPCIe 4.0 SSD 1TBの読み書き速度です。Read 6139MB/s、Write 5348MB/sと、5万円台のミニPCに搭載のSSDとしては、かなり高いスコアです。

 

体感レスポンス

約10日間、記事の編集、画像編集、ブラウザー、動画視聴、在宅勤務などのライトユースでの使用でしたが、これらの用途では もちろん キビキビと動作します。

  • 上記のベンチマークのとおり、この価格帯のミニPCとしては高速なSSDを搭載しており、Windows 11の起動と終了、大容量ソフトのインストールともに快適です。ただし、上記の用途では 読み書き 4,000MB/s前後のSSDと比較して、大きく体感できるものではありません。
  • 上記の用途の場合、CPU ベンチマークスコアが上位のPC(M4 Mac mini、Ryzen 9 7945HX、Ryzen 9 8945HSなど)と比較しても 遜色なく(相違を体感できない)キビキビと動作します。この意味では、ライトユースの場合には、上位のCPUを搭載するPCでなくとも、このクラスの製品で十分です。
  • エントリークラスのTwin Lake N150や Ryzen 7 5700Uと比較すると、引っ掛かりを感じない余裕のあるレスポンスです。
  • メモリは オンボード 16GBですが、上記の用途では 16GBで十分なもの。

 

USB4のチェック

USB4 ポートにおいて、外部モニターへの映像出力、および 40Gbps対応のSSDケースを利用した M.2 PCIe 4.0 SSDの速度を確認してみました。映像出力は安定動作、PCIe 4.0 外付けSSDも、USB4接続としては一般的な速度が出ています。

 

▼USB4経由での外部モニターへの映像出力です。上の画像はメイン使用の27インチ 4K モニター、下の画像はDellさんよりお借りしている32インチ 4K モニター(4K@120Hzです。双方ともに安定動作することを確認済です。

 

▼こちらは段落見出し下の写真の、40Gbps対応のM.2 SSDケースに収めた M.2 PCIe 4.0 SSDの読み書き速度です。上はUSB4経由での外付け、下は本製品の内部への増設時です。Write側はやや低いですが、Read側は大きな速度低下なく 程よい速度が出ています(他のPCへの外付け時も同水準の速度です)。

 

CPU 温度、ファン音量のチェックです。

CPU 温度、ファン音量について記載します。通常使用時には極めて静音。ファンは回転していますが、ファン音量は全く気にならず、作業に集中することができます。

一方、ベンチマークで負荷をかけた際(CPU使用率 100%)のファン音量はやや喧しくなりますが、許容範囲 かつ負荷が下がると即静音となるために「良好」と言えそうです。

 

▼ベンチマークで負荷をかけた際(CPU使用率 100%)のCPU温度は 最大85℃。このクラスのミニPCでは、100℃近くになる製品もありますが、許容範囲のCPU温度です。

 

▼ちなみに、こちらは記事編集時のCPU温度です。2~3時間使用していますが、最大でも47℃とよく冷えています(室温は20℃程度)。

 

▼負荷をかけた際のファン音量(iPhone アプリ「デジベル X」にて計測)です。平均 約37dBとやや喧しく感じる音量です。ただし、これほど負荷をかけることは少なく、かつ負荷を下げると即静音となるために「良好」との判断です。

 

まとめ

CPUにAMD Ryzen 5 7545U、メモリ 16GB、SSD 1TBを搭載するミニPC「MINISFORUM UM750L Slim」の実機レビュー記事でした。あらためて製品の特徴と使用感などを整理すると以下となります。

全般的には、大規模セール時 5万円台のミニPCとしては CPU ベンチマークのスコアが高く、USB4とM.2 SSD 空きスロットを装備とバランスのよい製品です。

  • 樹脂製の筐体ですが、アルミ調の塗装は上質で 全般的にもわるくない質感です。
  • サイズは、他のコンパクトさをアピールする製品よりも一回り大きいものの、M4 Mac miniよりも僅かに大きい程度。
  • 同社の上位機に多く搭載のOCulinkを未装備ですが、USB4ポートを装備し、M.2 PCIe 4.0 SSDを増設することができます。なお、USB4は外部モニターへの接続・外付けSSDの動作を確認済、SSD 空きスロットへの増設も確認済です。
  • メモリはオンボードとなり、増設・換装できないことに注意が必要です。
  • 6コア 12スレッドのRyzen 5 7545Uのベンチマークスコア(特にシングルコア)は、この価格帯のPCとしては高く、在宅勤務などの普段使いではキビキビと動作します。ただし、ゲーム向けではありません。
  • ベンチマークで負荷をかけた場合、ファン音量はやや大きくなりますが、通常時には ほとんど気にならないほどに静音。作業に集中することができます。

 

▼2025年12月6日現在、Amazonと公式ストアは同価格、メモリ 16GB / SSD 1TB モデルが 65,599円での販売です。ただし、つい先日のブラックフライデーセール時には 約58千円での販売でしたので、メモリ高騰などによる価格変更か、あるいはセールの端境期であるものか、様子見がよいとも思います。

 

▼こちらは AMD Ryzen 5 7640HSを搭載、メモリがスロット形式の「MINISFORUM UM760 Slim」の実機レビュー記事です。Amazonでは「UM750L Slim」と同価格での販売です(販売ページはこちら)。

MINISFORUM UM760 Slim 実機レビュー、Ryzen 5 7640HSを搭載し5万円台、上位機と同水準で動作のミニPC

コメント

タイトルとURLをコピーしました