OCulinkを装備するミニPC用の外付けグラボのボードとして、これまでは基盤むき出しの製品を使用していましたが、定評のある「MINISFORUM DEG1」を購入しましたので、使用感などを記載します。
先日のAmazon スマイル Sale 価格 約12千円と低価格ですが、アルミ製ボディや電源ボタンなどは極めて高品質。私は「MINISFORUM UM890 Pro」に接続して使用していますが、ミニPCの電源オンオフと連動し、動作も安定しています。私は以前から同製品の購入を迷っていましたが、その質感と使い勝手のよさから、もっと早く購入すべきだったと後悔です。
MINISFORUM DEG1の仕様
製品の仕様は以下となります。なお、付属品はボード、OCulink ケーブル、ネジ類となり、当然ながらもグラボと電源はユーザーで用意する必要があります。
サイズ | 270 × 175 × 41mm、約900g |
PCとの接続 | OCulink |
インターフェース | ATX 24ピン 電源ピン、PCIe × 16ピン |
対応電源 | ATX / SFX |
筐体の素材 | アルミ |
筐体色 | ブラック |
なお、私が動作確認したグラボは以下のみですが(PCは MINISFORUM UM890 Pro、およいUM780 XTX)、いづれも安定動作しています。ただし、この類の製品は、グラボやPCとの相性問題もあることに留意ください。
- Radeon RX 6600 XT Challenger
- NVIDIA GeForce GTX 1080
- NVIDIA GeForce RTX 3060 12GB
外観
外観について記載します。アルミ製の筐体は、想像以上に質感の高いもの。電源ボタンとLED インジケータ、電源取付のネジに至るまで、よくできています。
▼外箱のビニールに「簡易包装」と明記がありましたが、言葉どおりのシンプルな外箱です。コストカット、価格を下げるうえではよいことです。
▼付属品は、免責事項などの注意事項のしおり、Webの説明書へのリンクのしおり、電源・グラボ固定用のハンドスクリューネジとブラケット(2つめの写真を参照)。なお、説明書は公式サイトの以下のサイトにあります。
▼電源が接する部分は、傷つき防止のためにも柔らかい素材が貼られていますが、それ以外はアルミ製です。しかも、厚いアルミであり、ブラック塗装も含めてかなりの高品質です。
▼電源ボタン周りの作りも秀逸。電源オンでブルーのインジケータが点灯します。
▼OCulink ポートは左サイドにあります。差し込みの強度などは良好です。
▼電源設置の場所は、ネジとめしやすいよう、ATX、SFXと明記されています。
▼底板より。ネジがあると開けてみたくなりますが、今回はやめておきます。
▼24ピンの電源接続ポートを拡大。
▼グラボ接続のPCIe × 16ピンを拡大。
▲▼写真の下は、これまで使用のOCulink ボードです。基盤剥き出しのこちらにおいても機能しますが、また、ボード自体の作りは大きく変わらないとも思いますが、「MINISFORUM DEG1」の質感の高さと価格を考慮すると、買替の価値は十分にあります。
使用中のPC、電源、グラボの組み合わせ
グラボはテスト用の一時的な取付となりますが(常用するグラボを吟味中)、組み合わせているミニPC、電源、グラボの組み合わせを記載します。
▼ミニPCは、AMD Ryzen 9 8945HS、OCulink ポートを搭載する「MINISFORUM UM890 Pro」。ハイエンドなCPUとメモリ 64GBの豪華な仕様に マグネット取付式の天板を採用し、内部にアクセスしやすいことも特徴の一つです。

▼電源は以下の玄人志向の850W。もう一個所有し、自作PCにおいても同電源を使用しています。
▼グラボは「ASRock RX 6600 XT Challenger」。現行品ではありませんが、2025年3月8日現在、GeForce RTX 40 シリーズの品薄・値上がりに伴い、AMD Radeonも含めた中古グラボも値上がりしているように感じます。
電源とグラボの取付、使用方法
以下の立派なハンドスクリューネジが付属していたことを失念し、上の写真では手元にあったネジにて、電源とグラボを取り付けています。ケーブルは電源とPCIeのみですが、ケーブルがやや煩雑な取り回しとなっています。
▼電源は、写真前面のハンドスクリューネジ3個での取付です。前面のみでの固定であるため、電源の上を持って 持ち上げるとグラッとします。グラボのパネルは本体の溝に嵌め込んでの取付です。グラボも多少のぐらつきがありますが、許容範囲です。
▼電源側より。アルミ製の筐体に厚みがあることがわかります。また、電源と筐体のブラックの色合いが、程よくマッチしています。
▲▼使用においては以下の手順となりますが(グラボのドライバーが自動的にインストールされない場合には、手動でインストール)、PCの電源と連動し、ドッキングステーションの電源ボタンのインジケーターは青く点灯します。
- ドッキングステーションに、電源とグラボを取り付け ケーブルを接続。
- 付属のOCulink ケーブルを使用し、ドッキングステーションとPCを接続。
- ドッキングステーションの電源をオンにする。
- 上記1〜3を前提に(初期設定)、PCの電源をオン。PCの電源と連動し、ドッキングステーションも稼働します。
- ドッキングステーションは、PCの電源オンオフに連動。PCの再起動なども含めて、安定動作しています。
▲▼撮影のためにモニターの前においていますが、「MINISFORUM UM890 Pro」と接続しての使用中の一コマです。
▲▼こちらは以下の記事にて掲載の、基盤剥き出しのボードを使用しています。「MINISFORUM DEG1」と異なり、ボードと電源の置き場を別に確保する必要があり、デザイン的にも好ましくないうえに、使用中に基盤とケーブルに触れないよう注意する必要があります(ケーブルが抜けやすい)。

取付後のシステム情報
続いて、取付後にPCから抽出のシステム情報を掲載します。
▼Windows 11の「デバイスマネージャー」より。Ryzen / Radeonを搭載するミニPCのためか、NVIDIAのグラボよりも、(ドライバーを意識することなく)早々に認識しました。
▼取り付けたグラボは、(一時的な使用ですが)「ASRock RX 6600 XT Challenger」。
ベンチマークスコア
AMD Ryzen 9 8945HSを搭載する「MINISFORUM UM890 Pro」への取付後のベンチマークスコアですが、以下のリンク先記事で掲載の、Ryzen 7 5700X 自作PCでのグラボ内蔵時と比較してみました。
MINISFORUM UM890 Pro 実機レビュー、Ryzen 9 8945HS、メモリ 64GBを搭載し、パワフルで静音。OCulinkでの外付けグラボも安定動作
Ryzen 7 5700Xの自作PC、CPUファン・グラボ・SSDなど、私が使用のパーツ類とベンチスコア
▼「ファイナルファンタジー XIV」において、Ryzen 7 5700X 自作PC 内蔵時と同水準の「非常に快適 15,483」。OCulink 経由の接続では、M.2 PCIe 4.0 x 4の転送速度に依存しますが、ゲームの場合には PCIe 4.0 x 4においてもボトルネックとならないようです。
▲▼平均・最低フレームレート、ローディングタイムも同水準です。
▼3DMark Time Spyのスコアはやや劣ります。
まとめ、全般的な使用感
これまで使用していた基盤剥き出しのボードでは、ケーブルの接触などで やや不安定になることもありましたが、本製品においては安定動作しています(ただし、お使いのPCとグラボの相性もあるかと思います)。
筐体、電源ボタン、電源・グラボ取付ブラケットの質感も高く、MINISFORUMのミニPCのみならず、AOOSARやGMKtecなどのOCulinkを装備するミニPCでの使用もおすすめできる製品です。
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