Amazonにて Dragon Touchから販売の10.1インチ Androidタブレットの「Max 10 Plus」。CPUに8コアのUnisoc SC9863A、メモリ 3GB、ストレージ 32GBを搭載していますが、従来版の「Max 10」との比較ではディスプレイのアップグレード版の位置付けです。
この「Max 10 Plus」をDragon Touchさんからレビュー用にサンプル提供いただきましたので、使用感などを記載します。スペックとしてはエントリークラスとなりますが、その特徴のとおりにディスプレイは鮮やかで自然な発色。従来版の「Max 10」との比較では、色合いの相違が明らかです。
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Max 10 Plusのスペックと、実機のシステム情報
CPUにUNISOC SC9863A、メモリ 3GB、ストレージ 32GBと、エントリークラスのタブレットとしては、定番となるスペックです。ディスプレイを大きな特徴とする本製品ですが、実機から抽出のスペック情報とあわせて記載します。
CPU | UNISOC SC9863A 8コア、最大 1.6GHz |
GPU | IMG8322 |
メモリ | 3GB |
ストレージ | 32GB |
ディスプレイ | 10.1インチ、解像度 1920 x 1200、IPSパネル |
WiFi | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth / GPS | Bluetooth、GPSともに搭載 |
カメラ | リア 8百万画素、フロント 5百万画素 |
バッテリー容量 | 5000mAh、充電はUSB Type-C |
サイズ(本体) | 実測では 240 x 169mm、550g |
OS | Android 10.0 |
▼こちらはGeekbench 5から抽出のシステム情報。
モデル名は「Max 10」となっていますが、Android 10を搭載と正しく表示されています。
以降は「Device Info HW」から抽出のシステム情報です。
▼Geekbench 5の情報と同様に、モデル名は「Max 10 Plus」ではなく「Max 10」と表示されています。
▼SoCの情報では、CPUは「UNISOC SC9863A」、GPUはPowerVR Rogue GE8322とあります。スペック表のGPUはIMG8322と表記していますが同一です。
▼「Device Info HW」以外のアプリをインストールしていない状況ですが、内部ストレージの空き容量は、全容量 32GBのうち 21.48GB。64GB / 128GBの端末も多数ありますが、動画をガンガン保存しなければ、一般的には十分な容量です。
▼バッテリー容量は、仕様どおりに5000mAh
Max 10 Plusの外観とディスプレイ品質
続いて外観とディスプレイ品質について記載します。樹脂製で艶消しブラックの背面は指紋や油脂がつきやすいのですが、ラウンドしたエッジに 左右の細めのベゼルなど、Android タブレットとしては一般的なもの。
やはり本製品の特徴はディスプレイの表示品質。手元にある「Max 10」と比較しましたが、発色などは明らかに異なり、Max 10 Plusが自然な色合いです。
外観
▼Dragon Touchのタブレットのレビューは 3製品めとなりますが、コンパクトな白い外箱は共通です。
▼タブレット本体の周囲はゴム素材でしっかりと保護されています。
▼付属品は、コンパクトな電源とUSB Type-Cケーブル、ユーザーマニュアルに保証書
▲マニュアルは6ヶ国語の構成で、うち日本語は14ページ分。カラー刷りで、一般的なAndroid タブレットの利用方法が記載されています。
▼保護フィルムを付けたままですが、電源とケーブルを拡大。
▼保護フィルムを付けたままの、ディスプレイ面と背面。背面は指紋や油脂が付着しやすいため、しばらく装着したままにするのもありです。
▼艶消しブラックの背面。前述のとおり、指紋や油脂が付着しやすく、かつ目立つために常用にはケースが必要(5月9日時点では、専用ケースの種類は多くありません)。
▼背面を別の角度より。樹脂製で艶消し塗装でもあり、ややチープ感もあります。
▲電源ボタン、音量調整ボタンは、横持ち時の右サイドにあります。
▼イヤホンジャック、電源ボタン・音量調整ボタンを拡大。配置や操作は良好です。
▼充電のUSB Type-Cポートと、SDカードを挿入する蓋の部分を拡大
▼頻繁に取り外す蓋ではありませんが、ツメからやや強く外す必要があります。
ディスプレイの品質
Amazonの製品紹介には、「ディスプレイ技術への量子ドットの応用により、ディスプレイの色域を135%sRGBアップグレードし、QLEDテクノロジーを備えた高度なIPSパネルを使用、より広い色スペクトルを提供」とあります。
量子ドットの応用や、ディスプレイの色域などのユーザーでは計測しにくい部分は別にして、発色、明るさ、鮮やかさともに、ディスプレイを特徴としていることを実感できます。
▼デフォルトの壁紙で撮影したものですが、この角度で撮影しても色の変化も大きくなく、視野角は良好。
▼輝度を6割ほどにしての撮影ですが、明るく鮮やかなディスプレイ。
▼鮮やかさを認識しやすいよう、壁紙を変更して撮影。写真では読み取りにくいですが、手元にある iPad 2017モデルと比較しても、明るさ、鮮やかさは遜色ありません。
▼正面より。左右のベゼル幅(エッジ部分も含めた端から実測)が8mmに対して、上は11mm、下は14mm。
▲写真では淡く見えていますが、実際には明暗のメリハリや鮮やかさなど、写真よりも遥かによいものです。
▼縦表示にした様子
▲▼ちなみに、写真では暗くて細部まで確認できませんが、スタンドは以下の製品を使用しています。スマホ2台を独立して搭載することもでき、スタンドがしっかりしているために 15インチクラスのポータブルディスプレイでも重宝します。
▼当サイトのトップページを表示。自然な発色です。デフォルトの色合いとしては、やや暖色より。
▲▼こちらは、以下での実機レビューの「Max 10(右)」を、同じ壁紙を使用して比較したもの。いづれもデフォルトの設定で、明るさ 100%としたものですが、色合いが明らかに異なります。
色温度は設定画面により、ある程度 調整できますが、ここまで異なるとは思いませんでした。自然な発色のMax 10 Plusに対して、青みが強い Max 10。単体で見る限りは、Max 10も明るく 鮮やかなディスプレイですが、発色としては明らかに、Max 10 Plusが本来の色に近い。
▼参考までに、Max 10 Plus(上)とMax 10を並べてみました。イヤホンジャックや電源ボタンなどの配置は同じ、幅はMax 10 Plusが僅かに大きくなっています。
ベンチマークスコアと体感レスポンス
エントリークラスのCPUを搭載しているため、AnTuTu ベンチマーク v9のスコアは約11万と高くはありません。ただし、前述のMax 10や以下で実機レビューの「Dragon Touch NotePad 102」も含め、AnTuTuのスコア以上に動作する感覚です。Webサイトのブラウジングや動画視聴なら、特に遅さを感じることはありません。
ベンチマークスコア
Geekbench 5、AnTuTu ベンチマーク、ストレージのベンチマークを計測してみました。
▼Geekbench 5のスコアは、Single-Core 148、Multi-Coreは731。
▲下は同じくエントリークラスのタブレットとして、Fire HD 8と同じ 4コアのMT8163を搭載する「Vankyo Z10」のスコア。体感レスポンスは大きく異なるものではありませんが、本製品がやや機敏に動作します(OSやメモリの異なる Fire HDとの比較では、明らかに本製品が機敏に動作)。
▲▼Google Playからはインストールできなくなって久しい「AnTuTu ベンチマーク」も、いつの間にか V9となっていましたが、合計スコアは 113,378。
以下は v7のスコアであり、v9のスコアとの基準の相違もあるかと思いますが、Huawei P30 Liteの「省電力モード」に近いスコアです。
▼Android スマホ・タブレットで AnTuTu ベンチマークをインストールする手順はこちら。
▲▼こちらは「CPDT Benchmark」で計測のストレージのベンチマーク。Write 88.44MB/s、Read 116.14MB/sとスコアは控えめですが、アプリインストール時などに遅さを感じるものではなく、ごく一般的。
体感レスポンス
Dragon Touchのタブレットのレビューは、今回で3製品め。いづれも、SC9863Aを搭載していますが、一時期、多くのタブレットに搭載されていたデカコア Helio X27を搭載する端末と同等以上に動作し(Helio X27はデカコアの響きほどに速くありません)、動画視聴やWebサイトのブラウジングでは十分です。
- さすがに手元にある AnTuTuスコア 25万超の端末と比較すると、アプリ一覧の表示、ソフトキーボードの表示などでも多少のモタツキを感じますが、極端に遅さを感じるものでもなく、価格帯を考慮すると十分。
- Google Chromeを多用する私ですが、Webサイトの閲覧やタブの切替などの通常利用では十分なレスポンス。ただし、前述のとおり、上位の端末と比較すると機敏さに欠けると感じることもあります。
- huluを利用し、ドラマを数時間ほど再生しましたが、操作も含めてレスポンスは良好。液晶の質も含めて動画視聴端末としての利用に向いています。
その他の使用感
その他の使用感については まとめて記載します。
- 何度か記載していますが、背面に指紋や油脂が付きやすいのは従来版のMax 10と同様。しばらくは背面の保護フィルムを貼ったままで使用、あるいは(種類は少ないですが)ケースを使用するなどの対応が必要。
- サンプル提供版のためか、ディスプレイ面に保護フィルムは貼ってありませんでしたが、こちらも指紋が付きやすい。
- ディスプレイの項目で記載しましたが、明るく、鮮やかで自然な色合いな液晶。Max 10も単体で見る限りは明るく鮮やかですが、発色が異なり、双方で迷っている場合には再現性の高い Max 10 Plusがおすすめ。
- スピーカーは横持ちでの下に2つ備わっています。音量を上げると高音はよいものの、低音が弱いようにも感じますが、Andoridタブレットとしては一般的な音質。近距離での動画視聴では十分です。
まとめ
従来版の「Max 10」との比較では、ディスプレイの品質向上を特徴とする「Max 10 Plus」。スペックとしてはエントリークラスとなりますが、AnTuTu ベンチスコア 約11万以上に動作するように感じます。上位機と比較すると、ライトユースでも多少のモタツキもありますが、明るく発色のよいディスプレイとあわせて、動画視聴に程よい端末です。