今回レビューする製品は、Amazonにて販売の「Dangbei (ダンベイ) Neo ホーム プロジェクター」。20 x 15.7 x 10cmのコンパクトさにして、6W x 2のスピーカーを装備し、リモコンにNetflix、Amazon Prime ビデオ、YouTubeのホットキーを備えています。
上記アプリを本体にインストールしており(いわゆる Android TV)、さらにはオートフォーカス機能を備え、プロジェクターの起動後に、他の機器を接続することなく、動画などを即視聴することができます。
本体の質感は高く、オートフォーカスは数秒で完了と極めて便利です、また、リモコン・本体のレスポンスもよいうえに、他の一般的なプロジェクターよりも明るくクリアな映像です。
なお、今回のレビューはお借りした製品に基づくものです。
参照元、販売元 2023年5月25日現在のAmazon 価格は、クーポン利用により 74,999円
Dangbei Neo、ニュースリリース(PR TIMES サイト)
Dangbei Neo ホーム プロジェクター、Amazon
Dangbei Neo ホーム プロジェクターの特徴
本製品の最大の特徴は、上記のPR TIMESのニュースリリースとAmazon サイトのタイトルの先頭にあるとおり、Neflix 公式ライセンスを取得し、リモコンにNetflixのボタンを組み込んでいることですが、私が製品を開封して最初に驚いたのが、想像以上にコンパクトで質感が高いこと。
Amazonでのクーポン適用後の価格は 74,999円と安くはないために、「価格に見合う質感」とも言えますが、ミドルレンジクラスのプロジェクターでは実現できない 質感の高さと機能の豊富さ・利便性の高さです。
さて、本製品の特徴を抜粋すると以下となります。特に私が魅力に感じる事項は赤文字としています。なお、バッテリーは内蔵しておりません。
- Neflix 公式ライセンスを取得し、リモコンにNetflixのホットキーを組み込んでいます。また、 Amazon Prime ビデオ / YouTubeのボタンも装備しています。
- 20 x 15.7 x 10cmとコンパクトなサイズ、1.42kgと軽量。
- 6W x 2のスピーカーを内蔵。
- 解像度は1920×1080のFHD、HDR10+対応、最大120インチの投影サイズ。明るさは540 ISO ルーメン。
- プロジェクターの場合、ファンの音量が課題となりますが、本製品は26dB以下の静音仕様。ただし、私がiPhoneの騒音測定アプリで簡易的に計測したところ、 40dB前後でした。
- 対象物との距離を検出する最先端のToFセンサーによるレーザーオートフォーカスを搭載し、さらには自動台形補正の機能も搭載。
- インターフェースは 一般的なHDMIとUSBですが、有線LANポート、さらにはS/PDIFを備え、高音質な外部スピーカーに接続することもできます。
- Chromecast / Airscreenにより、スマホからのキャスティングにも対応しています。また、もちろん、Bluetoothにも対応しています。
- OSは Linux(をベースとしたAndroid)、1GBのメモリを内蔵
▼これまで複数のプロジェクターを使用していますが、煩わしいことの一つがフォーカスを合わせること。老眼の私にとって、ピントが合っているのか わからなくなることが多いのですが、本製品のオートフォーカスは助かります。
▼以下の画像のとおり、一般的なHDMIとUSB ポートからの接続のほか、スマホからのキャスティングにも対応しています。また、有線LANポートとS/PDIFを備えていることも 大きな特徴です。
開封、外観
続いて、開封、付属品、外観について記載します。Amazon サイトでのカラーは「ホワイト」と「ブルー」の2つがありますが、レビューする製品は「ブルー」です。ブルーと記載されているものの、写真で掲載のとおり 実機はグレイです。
開封、付属品
▼ブランドのロゴやNeflix 公式ライセンスの取得を主張しない、シンプルな外箱です。
▼厚めのクッション材で内部の保護も万全です。
▼説明書以外の付属品は、分割式のACアダプターとリモコン。リモコンは単四乾電池 2本での稼働ですが、乾電池は付属していません。
▼リモコンのNetflix、Prime Video、YouTubeのボタンを拡大。NetflixとYouTubeは個人的によく利用するため、これらのボタンは重宝します。
中央の音量調整ボタンに中央にあるのは、オートフォーカスボタンです。長押しでオートフォーカス、押下で投影画面上にフォーカスアイコンがポップアップとなります。
▼リモコンの全体像。実測でのサイズは、42 x 165mmです。
▼説明書は日本語を含む 6ヶ国語構成。うち、日本語は17ページ分。リモコンの説明や、オートフォーカス・台形補正の説明など、十分なもの。
外観
以降の写真は実機よりも明るく写っていますが、実機はより濃いグレイです。
▼オートフォーカス・台形補正ともに自動も含めて リモコンあるいは画面での調整となるため、本体は電源ボタンのみのシンプルな構成です。
▼中央に小さく「Dangbei」のロゴがありますが、シンプルで好感触。電源ボタンも小さなものです。
▼スチール調のシックな塗装と相まって、質感の高いボディです。この位置から見ると、プロジェクターには見えません。
▼小さなレンズを搭載しています。レンズカバーはありませんが、傷つき防止の処理を施しているようです。なお、左にあるのはオートフォーカスで使用する「対象物との距離を検出するToFセンサー」です。
▼20 x 15.7 x 10cmのコンパクトな本体のサイズ感がわかるよう、マウスを置いて撮影。なお、実機の本体の色は こちらの写真を少し濃くしたイメージです。
▼前面のパンチング板も含めて、質感高めの本体です。
▼レンズ周りを拡大。
▼両サイドは同じデザインの通気孔です。説明書には、当然ながらも「決して塞がないでください」と注意書きがあります。
▼背面は左から、電源端子(バッテリーは内蔵していません)、外部スピーカー接続用のS/PDIF、有線LAN、HDMI、USB x 2。前述のとおり、S/PDIFと有線LANポートを備えていることも特徴です。
▼ポート部分を拡大。S/PDIFポートを見ると、ぜひ外部スピーカーを接続したくなります。
▼底面の中央には、PTZブラケット用(壁掛け用)ソケットがあります。1.42kgと軽量のため、壁掛け金具の選択(荷体重)にそれほど気を遣う必要はなさそうです。
使用感
使用感については、リモコン、レスポンス、騒音、オートフォーカス、映像、スピーカーに分けて掲載しています。
なお、掲載の写真は、スクリーンなしに白い壁に投射したものであり、光源の関係から斜め横から撮影したため、写真が歪んでいることをご了承ください。
リモコン
後述のレスポンスと部分的に重複しますが、リモコンのレスポンスはよく快適です。プロジェクターのリモコンは暗闇での操作となるため、ボタン配置に慣れるまで、誤操作は避けられないのですが、操作ボタンの配置は適切で、誤操作もそれほど多くありません。
なお、私はFire TV Stickにおいても、Netflixを毎晩 利用しているのですが、Netflixのショートカットボタンは やはり便利です。
レスポンス
動画視聴をメインとするプロジェクターでは、レスポンスはそれほど重要ではないのですが、設定・アプリのメニュー画面の遷移が快適な、ある程度のレスポンスは必要です。
本製品はLinuxにNetflixなどのアプリを組み込み動作していますが、RAMを1GB搭載しており(スマホと比較すると少ないですが、メディア端末では1GB搭載機も多い)、レスポンスは全般的に軽快です。具体的には以下となります。
- 初回起動時には、リモコンのペアリング、言語と地域の設定、WiFi 設定、Netflixのログインから始めますが、画面遷移に待たされ感もなく、スムーズに設定することができます。
- 全般的なレスポンスは、私が毎日利用している Fire TV Stick 4K Max以上にサクサクと動作します。Netflixのメニューの画面遷移、ホーム画面でのアプリ選択など、ストレスを感じることはありません。
- Netflixの番組選択の縦横移動も実に軽快。もどかしさは微塵も感じません。
▼こちらは設定画面。リモコンと本体のレスポンスが軽快なため、操作を間違ってしまうこともあります。
騒音
Amazonの製品紹介には「26デシベル以下まで抑えた動作音」とあります。26デジベル以下となると、ほとんど気にならないほどの騒音となるのですが、私が簡易的にiPhone アプリで計測したところ、以下の画像のとおり、平均 40dBほど。
スピーカーの音量を打ち消すほどのファン音の大きさではなく、また、他の一般的なプロジェクターよりも静かですが、標準的なノートPCで負荷がかかっている状況よりも大きなファン音です。
オートフォーカス
想像以上に便利な機能がオートフォーカス。設置場所の変更時、リモコンのオートフォーカスボタンの押下時には、上の写真の画面が表示となり、自動的に一旦フォーカスを外した画面から数秒(感覚的には5秒前後)でオートフォーカス完了となります。
暗い室内での手動でのピント合わせの場合、また、老眼の私の場合には フォーカスが合っていることが明確にわかりにくいのですが、このオートフォーカスは極めて便利な機能です。
▼手動(リモコン)での台形補正中の一コマ。台形補正も簡単に操作できます。自動補正の場合には、ズーム倍率も補正となり、表示領域(倍率を固定したい場合)によっては手動での補正がおすすめ。
投影画像
Amazonの製品紹介には「明るさは540 ISO ルーメン」とあります。技術的なところはさておき、さすがに、これまでレビューしたプロジェクターよりも高価なこともあり、投影画像はかなりの明るさです。下に参考写真を掲載しましたが、具体的には以下となります。
- 室内を完全消灯ではなく、ある程度の明るさを抑えた場合にも、設定画面の文字が十分に読み取れるほどの明るさ。
- 本製品の価格の半分ほどのプロジェクターと比較した場合、本製品が明るいことは電源をオンにして即認識できるほど。
- 以下の写真にて、何となく感じていただけると思いますが、特にブラックが引き締まって見えます。
- 電子的な 100%〜50%のズーム調整も便利な機能です。設置場所とスクリーン・壁までの距離が短い場合にも、ズームにより調整(小さく)することができます。
▼こちらはトップ画面です。実際には以降の写真よりも現物は鮮やかです。Netflix、YouTube、Prime Video、ブラウザなどのアプリがプレインストールされていることがわかります。
▼こちらはYouTubeのホーム画面。ブラックにホワイトの文字を明確に読み取ることができます。NetflixとAmazon Prime ビデオの写真は、コンテンツ保護の差し障りがある可能性があり、掲載は割愛します。
▼こちらは「APP STORE」のホーム画面。Google Play対応ではありませんが、また、日本向けのアプリではありませんが、任意のアプリを試すこともできます。
スピーカー
スピーカーの音質・音量ともに、これまでにレビューしたプロジェクター(文末の関連記事にあり)よりも良好です。ただし、スピーカーの一定以上に音量を上げると音割れは感じないものの、音質はやや こもりがちとなります。
また、内蔵スピーカーの場合には、スピーカーの位置が固定となるため、また、装備のS/PDIFポートを活かし、外部スピーカーを接続したいところです。なお、Bluetoothに対応していますので、Bluetooth スピーカーを接続することもできます。
まとめ
本文には記載していませんが、iPhoneからのミラーリングも確実に動作しています。2023年5月25日現在のAmazon 価格は、クーポン利用により 74,999円と安くはないプロジェクターですが、以下などを考慮すると、十分に価格に見合う製品です。
- 本体はコンパクトで質感も上々
- Netflixなどのホットキーを備え、レスポンスも軽快なリモコンと本体
- 設定画面やアプリの動作も快適。体感的には Fire TV Sticl 4K Max以上のレスポンス
- エントリークラスのプロジェクターと比較すると、使い始めて即感じる明るい投射映像
- オートフォーカスは数秒で完了
- 一方、ファンの騒音は、一般的なプロジェクターよりも静かであるものの、公表値には及ばず
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