ASUSより 2021年6月30日に発売の「ASUS ZenBook 13 OLED UX325EA (UX325EA-KG411TS)」。13.3インチのOLED(有機EL)パネルに、CPUに Core i7-1165G7、メモリ 16GB、512GB PCIe SSDを搭載する ハイエンドノートです。
この「ASUS ZenBook 13 OLED UX325EA」をASUSさんからお借りし、10日間ほど使用しましたので、外観・使用感などをレポートします。全般的に、私が所有するPCとしてはハイエンドの「Core i5 9500F、Geforce GTX1050 Ti搭載のミニPC」以上にキビキビと動作し、キーボードのタイピング感も良好。OLEDパネルは、原色系の色合いの派手さはあるものの、かなり明るいパネルです。
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ASUS ZenBook 13 OLED UX325EA (ASUS 公式ストア)
ASUS ZenBook 13 OLED UX325EAのスペック、特徴
モデル名で「OLED (有機EL)」をアピールしている製品ですが、基本スペックも充実し、軽量であることも大きなポイント。そのスペックは以下となります。
CPU | Core i7-1165G7、4コア 8スレッド、最大 4.2GHz |
GPU | Intel Iris Xe Graphics |
メモリ | 16GB LPDDR4X-4266 |
ストレージ | 512GB、PCI Express 3.0 x 2接続、インテル Optane メモリ 32GB搭載 |
ディスプレイ | 13.3インチ、IPS、OLED(有機EL)パネル、解像度 1920 x 1080 |
WiFi | 11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.1 |
ポート類 | Thunderbolt 4 (Type-C) × 2、USB3.2 (Type-A/Gen1) × 1、HDMI |
バッテリー容量 | (4セル) |
サイズ | 304 × 203 × 13.9~14.9mm、1.14Kg |
OS | Windows 10 Home、Microsoft Office Home & Business 2019 |
その他付属品 | USBイーサネットアダプター、専用スリーブ、USB Type-C オーディオジャックアダプター |
スペック、ASUS 公式サイトからみる本製品の特徴は以下となります。
- OLED(有機EL)パネルを搭載し、深く美しい黒、精細な色表現を実現。
- Core i7-1165G7、メモリ 16GB、PCIe SSD 512GBと基本スペックも充実。
- インテル Optane メモリ 32GB搭載
- 1.14Kgと軽量、最薄 13.9mmと薄いうえに、米軍 MIL規格に準拠した 堅牢性も兼ね備える。
上記3のOptane メモリの搭載においては、本製品をASUSさんに返却した後に気が付きました。Optane メモリの搭載により HDDがSSD並みに速くなることは認識していたのですが、SSD+Optan メモリの効果を「Optane(オプテイン)メモリーの仕組みとメリット・デメリット」で確認してみると、以下の記載があります(要約です)。
ファイルコピーをしながら画像編集ソフト「Photoshop」を動かすなどの、負荷を要する複数のタスクを実行した場合、SSD単体と比較するとSSD+Optan メモリでは大差をつけてタスクが早期に完了。
上記がSATA or PCIe SSDのどちらを言及しているのかは未確認であり、PCIe SSD + Optan メモリの効果も定かではないのですが、今回のレビューで CPUとSSDのベンチスコア以上に高速に感じたのは、Optan メモリの恩恵も少なからずあるかもです(想像)。
▼特徴の一つはOLED(有機EL)パネルを搭載していること。レビューコメントは後述ですが、精細な色の再現のみならず、かなり明るいディスプレイです。
▼手元にある 13.3インチのPCは 1.3〜1.4kgの製品が多いのですが、本製品は1.14kg。200g〜300gの相違でも、手にした瞬間に軽さを体感できます。
▼USB Type-Cのみならず、USB Aも搭載しているため、無線マウスなどのUSB ドングルの接続も安心。
実機のシステム情報
続いて、実家から抽出のシステム情報を記載します。前述のとおり、Optane メモリの搭載は製品をASUSさんに返却後の気づきであり、情報は未掲載です。
▼Windows 10のデバイスの仕様。
もちろん、スペックどおりに Core i7-1165G7、メモリ 16GBと表示されています。
▼ディスプレイはFHD、表示スケールは150%
▼こちらはフリーソフト「HWiNFO」から抽出の情報。クリックすると拡大できます。
Tiger Lake Core i7-1165G7と正しく表示、右下のメモリのモードは「Quad Channel」とあります。メモリの帯域には詳しくないのですが、体感レスポンスが異様に速く感じるのは Quad Channelの恩恵もありそうです。
▼PCIe SSDは、「INTEL SSDPEKNW010T8」とあります。2280サイズのM.2 PCIe SSDです。
▼ディスプレイは、SAMSUNG製の「Model: SDC4158、ATNA33XC11-0」とあります。
▼こちらはGeekbench 5から抽出のシステム情報。
外観
付属品、外観について記載しますが、ディスプレイ・キーボードについては後段を参照ください。全般的には、当然ながらも以下のエントリークラスのASUS E210MA比較すると、質感は格段に高く、さすがはハイエンドなZenBook。付属品も充実しています。
外箱、アダプター類
▼ZenBookの天板のデザインをモチーフした外箱。
▼コンパクトなACアダプター(USB Type-Cでの接続)と、USB Aでの接続となる有線LANアダプター、USB Type-Cで接続のオーディオジャックアダプター。オーディオジャックアダプターは、本体の厚みから判断すると 内蔵も可能であったと思われます。
▼ACアダプターのサイズがわかるよう、マウスと並べて撮影。
▼説明書、保証書類。Microsoft Office Home & Business 2019も付属しています。
専用スリーブ
約1.14kgと軽量なため、持ち運びを意識してか 専用スリーブも付属しています。
▼専用スリーブに本体を収めた様子。ACアダプターなどの付属品を収納することはできませんが、本体の薄さを損なわない薄型のスリーブです。
▼厚み・重量が抑えられているため、カバンに入れても かさばることはありません。
天板
続いて天板について記載します。
▼ZenBookの特徴となる 禅の庭をイメージさせる文様。角度や照明により見え隠れする秀逸なデザインです。シンプルでよいですね。
▼ヒンジ側の中央にある「ZENBOOK SERIES」のテキストも さりげなくクールです。
▼ASUSのロゴあたりを拡大。
サイド
▼左サイドのポートは、フルサイズのHDMIとThunderbolt 4 (Type-C) × 2。Type-Cは双方ともに ACアダプターを接続できます。
▲キーボード面とディスプレイ面の隙間は大きいですが、サイドの質感も高いですね。
▼右サイドは、USB Aと MicroSD カードリーダー。スペースがあるため、USB接続のオーディオアダプターではなく、ヘッドフォンジャックを内蔵してもよかったように思います。
▼ヒンジ側より。多数の通風孔があります。
▼一部を拡大。ディスプレイを開いた際に、ディスプレイが机などに接することになりますが、ゴム足が備わっています。
底板
▼中央やや上に、広い面積の通風用の開口部があります。
▼ゴム足は四隅にありますが、一部を拡大。
▼両サイドにあるスピーカー(1W x 2)を拡大。
ベンチマークスコア
Geekbench 5、CINEBENCH R23、CrystalDiskMarkのみとなりますが、ベンチマークスコアを掲載します。
▼Geekbench 5のスコアは、Single-Core 1404、Multi-Core 4038とハイスコア。
▲▼下の画像は、私が所有するインテル CPUのPCのなかではハイエンド(Core i5 9500F、Geforce GTX1050 Ti搭載)の「MINISFORUM H31G」のスコア。外付けGPUとの比較ですので、Multi-Coreはともかく、Single-Coreは本製品が高スコア。体感レスポンスも本製品が速く感じます。
▼CINEBENCH R23のスコア。
Multi-Coreは控えめながらも、Single-CoreはCore i9-9880H超え。体感レスポンスもかなりキビキビと動作します。
▼CrystalDiskMarkによる PCIe SSDのベンチスコアは、Read 1937、Write 1727
▲▼上の画像はAmazonで購入した PCIe SSDのスコアですが、一般的に市販のPCに搭載のPCIe SSDは 発熱への対応を考慮してか、スコアは控えめとなる製品が多いです。
体感レスポンス
ゲームやビデオ編集などを行わない限りは、これ以上のレスポンスを望む必要もないほどにキビキビと動作します。気のせいだと思いますが、Webサイトのブラウジングや記事編集・画像編集などのライトユースでは、M1 MacBook Airよりも速いような感覚もあります(もっとも、ライトユースでは一定スペック以上では体感できるほどの差がつきにくく、錯覚だと思いますが)。
- Webサイトのブラウジング、記事の編集、画像編集といったライトユースでも、操作して即わかる速さがあります。
- 第8世代のモバイル向けCore i7あたりの体感レスポンスの相違は明確で、PCIe SSDとあいまって快適に動作。
- 本製品を使用して、大容量アプリのインストールは特に速く、PCIe SSDの速度のみならず、CPUやメモリの総合的なものによることが、よく実感できます。
一方で気なるのが後述の発熱。ベンチマークなどで負荷をかけた場合、CPUは90℃越えとなり、ボディも相応の熱を帯びます。
ディスプレイ
OLED(有機EL)を搭載する本製品。電源オンにしてすぐに 一般的なTFTとの相違がわかります。明るいことも大きな特徴となり、私がこれまでにメーカーさんからお借りした製品も含めて、実機レビューしたノートパソコンのなかでは、ダントツの明るさです。
- 多くのノートパソコン、あるいはモニターの場合、明るさ最大としても暗さを感じる製品が多かったのですが、本製品は明るさ 70%程度としても まだ明るいような感覚。
- ASUSの製品紹介どおりに「深く美しい黒、精細な色表現を実現」を感じる一方、わるく言えば、原色系が際立つような色合いです。
- 他の一般的なTFTと比較すると、自然な発色というよりも、テレビやモニターの画面調整でよくある「ダイナミック」に寄せたような発色。ややどきついような色合いです。
▼本体の包装には、「有機EL」、「次世代画質を実現する True-to-Life カラー」とあり、有機ELパネルを最大の特徴としていることは明らかです。
▼写真では 本製品の有機ELパネルの色合いを表現できていないことに留意ください。見出し下の濃淡の相違が更に際立つような色合いです。
▼ベゼル幅の実測を失念しましたが、上下左右ともに狭いベゼル幅です。
▼ディスプレイ品質とは関係ありませんが、ディスプレイの開き具合です。2番目の写真は最大限開いた様子。
▲ディスプレイを開いた際のキーボードの角度が、快適なタイピングに貢献しています。
キーボード
上質なキーに浅めのキーストロークで、テンポよくタイピングできるキーボードです。多くの他のキーボードと同様に、Enter キーの右側に一列あるために、Enterキー押下時に右隣のキーをタイプしてしまうことがありますが、これは慣れでカバーできます。
全般的に、タイピング音も大きくなく、多くの方が違和感なく 短時間で 使い慣れたキーボードと同様に高速タイピング可能な、万人受けしやすいキーボードです。
▼キーボードの全体構成。Enterキーの右側の一列や右上の電源ボタンが、慣れないと誤タイプを招きやすいのですが、すぐに慣れると思います。Enterキー右のページアップ・ダウンキーが不要な場合は、フリーソフトを利用し無効化するとよいでしょう。
▼キーの質感がわかるよう、拡大撮影。表面はツルツルしたものですが、タイピング時に滑ることもありません。
▼ディスプレイ側より。ディスプレイに向かったところに通風孔があります。
CPU温度、ファン音量
体感レスポンス、ディスプレイの明るさ、キーボードのタイピング感ともに特筆すべき良さがある一方、ボディの熱が気になります。
起動直後や負荷がかかっていない状況では、CPU温度は50℃程度とよいのですが、ベンチマークで負荷をかけた場合には90℃越え。CPUファンはそれほどやかましくないものの(レスポンスがよいことを考慮すると許容範囲)、ボディも温もりとは言えないほどの熱を帯びることもあります。
まとめ
Core i7-1165G7、メモリ 16GB、512GB PCIe SSDにより、キビキビと動作し、持ち運びも苦にならない 1.14kgと軽量の「ASUS ZenBook 13 OLED UX325EA」。上質なキーボードのタイピングも快適ですが、気になる事項はボディ(CPU)の熱と、有機ELパネルの色合いが やや派手なこと。ただし、これらを差し引いても魅力的なマシンであることに間違いはなく、個人的には 会社で使用の非力な液晶のクリアさに欠ける 富士通 軽量ノートに替えて導入したくなる製品です。
▼公式ストアの販売情報はこちら。7月23日時点の価格は Microsoft Office Home and Business 2019が付属し 164,800円 (税込)
ASUS ZenBook 13 OLED UX325EA (ASUS 公式ストア)
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