デカコア MT6797X (Helio X27)を搭載する、Android 8.0の10.1インチタブレット「Alldocube M5X」。外観レビューに続き、ベンチマークと実際の使用感のレビューです。
MT6797Xを搭載する10インチクラスのタブレットとしては、Teclast T20 / Chuwi Hi9 Plusなどがありますが、私の使用感では手元にあるTeclast T20よりも、特にディスプレイにおいては使いやすくなっており、私としては10インチのメインタブレットとしてはこのM5Xを使用することに決定。
※ 当レビューはGearBestさんより提供いただいた製品に基づくものです。
関連記事
Alldocube M5X 実機外観レビュー、MT6797X,RAM4GBで180ドルの10型タブとしては十分な質感に
スペックとシステム情報
先行記事「Alldocube M5 X、デカコア MT6797X (X27)搭載の10.1型タブレットのスペックと特徴」よりスペック情報の再掲です。
デカコア MT6797X (Helio X27)を搭載するタブレットのうち、私が所有するTeclast T20、10.8インチの大きなディスプレイを持ち、別途 専用キーボードも用意されているChuwi Hi9 Plusと比較表です。
Alldocube M5Xの価格は199.99ドルと記載していますが、2019年1月20日時点のGearBest価格は179.99ドルとなっています。なお、いづれもLTE対応ですが、対応バンドなどの詳細は割愛しています。
M5XはM5のCPUをHelio X20からアップグレードした製品となりますが、M5 / M5Xともにカメラの性能をそぎ落とし価格を下げた普及版の位置づけといってよいかと思います。
私のこれまでの中国メーカー製のスマホ・タブレットの使用感では、カメラにスペックほどの写りのよさ・使い勝手とならない機種が多かっただけに(オートフォーカス・シャッタースピードが遅いなど)、カメラの画素数を下げて価格を抑えたのであれば、ユーザーにとってはよいことだと思います。
▼上記スペックの裏付けとしての掲載であるためコメントしませんが、CPU-Zより抽出のシステム情報です。
ベンチマークスコア
参考までの、AnTuTu ベンチマーク v 7.1.4、Geekbench 4のベンチマークスコアです。
▼AnTuTu ベンチマーク v 7.1.4のスコアは102184。
画像下は同じSoCのTeclast T20のスコアですが、誤差の範囲内であるものの 117061のT20に一歩及ばず。
▼ Geekbench 4のスコアは、Single-Coreが1736、Multi-Coreが5052。
こちらも誤差の範囲ですが、画像下のTeclast T20よりもやや良い結果となりました。
▲▼以下の記事でも掲載していますが、メジャーなスマホとの比較では、Single-Core / Multi-Coreともに概ねGalaxy S7相当。Alldocube M5 X、Galaxy S7ともにGPUはARM Mali T880ですので、妥当なスコアです。
▼ベンチマークではありませんが、自宅のWiFi環境(Nuro 光)での回線速度は91Mbps。
自宅環境での他のデジギアの速度と同様となり、また、M5 Xの電波の掴みとアンテナ強度も十分です。
体感レスポンス
他の記事でも記載していますが、デカコア Helio Xシリーズの場合、デカコアの響きほどの過度の期待は禁物。
ただし、さすがにAnTuTu ベンチマークスコアが10万越えになってくると、普段使いではサクサクと動作し、遅いと感じることはありません。
ここでは手持ちの10インチクラスのタブレット比較として、Teclast T20、iPad 2017との体感比較もまじえながら記載します。
なお、Helio X27搭載機の場合、本機も含めて「ゲーミング」と称することが多いのですが、ゲームを試していませんのでご了承ください。
- Teclast T20と同じSoCとなりますが、なぜか Teclast T20はGoogle Chromeの縦スクロール時のチラつきやカクツキを感じる場合があります。
- 一方のM5 Xでは、縦スクロール時のチラつきやカクツキを感じないほどに滑らかな動き。Teclast T20と比べると、全般的にスムーズなレスポンスに感じます。
- AnTuTu ベンチマークスコア 5万台クラスのスマホと比べると、負荷のかかるFXアプリもかなりサクサクと動作。
- 私が普段 通勤時に使用することの多い iPad 2017のレスポンスと比較しても、レスポンスの差はほとんど感じず、アプリの切り替えなどではM5 Xがよりスムーズなのでは、との感覚があります。
- ただし、私が所有するミドルエンドクラスのタブレットの機敏さでは、MTK8176 6コアを搭載する以下のTeclast M89がよりキビキビしています。Alldocubeがフラッグシップ機である「X」にMTK8176を採用するのも納得です。
▼ MT6797X (Helio X27)より一層 機敏に動作するMTK8176 6コアを搭載のTeclast M89とAlldocube X
外観・デザイン
外観・デザインについては、「Alldocube M5X 実機外観レビュー、MT6797X,RAM4GBで180ドルの10型タブとしては十分な質感に」の記事にて記載していますので、そちらを参照ください。全般的には、白のボディでもあるため太めのベゼル幅が気になりますが、約180ドルの中国メーカー製端末としては、「この価格帯としては十分」との意味で他社製並みの質感です。
Alldocube製でも質感・デザインもアピールした以下のAlldocube X1と比較すると、電源・音量ボタンなどにチープさもあります。
▼画像上がM5Xですが、外観でベゼル幅の太さとともに気になるのが、電源ボタン・音量ボタンのチープさ。
▼背面の素材はプラスチック製かアルミ製が判断しづらいものです。
製品情報にはMetalとの表記がないためにプラスチック製であることが濃厚ですが、明らかにプラスチックとなる上部のMicro SIMカード・TFカードのカバーとは質感が別物(プラスチック製としては質感が高い)であるために、アルミ製である可能性もあります。
しばらく使用してみて、背面はアルミ製と思われます。背面のヒンヤリ感とアルミ素材の製品を重ねると擦れることからアルミと判断。
ディスプレイ
JDI(ジャパンディスプレイ)製のディスプレイとなりますが、他のタブレットとの比較では発色がやや淡いようにも感じます。
ただし、同解像度でシャープ製のディスプレイを搭載するTeclast T20は青みが強く、原色系は塗りつぶされたような違和感があったのですが、M5Xの色調は自然。
この自然で素直な色調のために、Teclast T20とAlldocube M5 Xとどちらをメインで使用するかといえば、迷わずAlldocube M5 Xを使用します。
なお、2560 x 1600の高解像度により、テキストを拡大表示してもシャギーさを感じることなく使用できます。Chromebookとなりますが、同じく10.1インチでも解像度 1280 × 800のASUS C101PAでは縦持ちにするとテキスト表示の粗さがわかるのですが、M5Xではその粗さは微塵もありません。
バッテリー
実際にバッテリー消費を計測したものではないのですが、使用時のバッテリー消費はやや大きめに感じます。これは同SoCを搭載するTeclast T20も同様なのですが、使用中には目に見えてバッテリーが消費するような感覚です。
後日、データをとり、あるいは対策したうえで必要に応じ追記しますが、取り急ぎのコメントです。
なお、デフォルトの設定ではスリープ時のバッテリー消費も大きいのですが、これは以下のiBatteryのインストールで激変しますので、大きな問題ではありません。
カメラ、スピーカー
カメラは前面200万画素・背面500万画素とおまけ程度のものであり、実際に画質・オートフォーカスのスピードなど厳しいものがあります。
このため、実写画像は未掲載としますが、私の中国メーカー製スマホ・タブレットのカメラの使用感では、一部のメーカー・機種を除き、カメラは発展途上にあるように思います。
カメラ性能を全面に出した製品でも実際使用してみるとスペックほどに使用できない製品が多々あり、この意味ではカメラのスペックを控えめにし価格を抑えたのであれば、カメラのスペックを抑えたAlldocube M5Xは正解かもしれません。
スピーカーについて、M5 Xの前機種となるM5の他サイトのレビューでは「モノラルか?」とのコメントもあるのですが、私が聴く範囲ではステレオであり音質もわるくはなく、十分に実用的です。
なお、LTE通信については技適のこともあり、また、Androidのドコモ系SIMを先日解約したばかりで手元にないため、ノーコメントです。
まとめ
2019年1月20時点の価格は約180ドルと安いながらも、デカコア・メモリ 4GB・ストレージ 64GBを搭載するAlldocube M5X。
やや見劣りするのは、ベゼル幅の太さと差さな事項ですが電源ボタンと音量ボタンの質感のみとなり、バッテリー消費も課題の一つ。
当機種のポイントは以下となりますが、私個人としてはTeclast T20に替えて 10インチのAndroidタブレットのメインとして使用することに決定です。
- 外観の質感としては、特筆すべき質感の高さではないものの、約180ドルの端末としては十分。
- 同じSoCを使用するTeclast T20 (ディスプレイのメーカーは異なります)よりも、ディスプレイは自然な発色で見やすいもの。
- AnTuTuベンチマークは10万越えで、通常使いとしては「遅い」と感じることのないサクサクなレスポンス
- バッテリー消費は他のMT6797X搭載機と同様によいとは言えず、今後の検証課題に。
- 全体としては、Teclastのフラッグシップ機 T20よりも、ディスプレイの発色の良さを主な理由として扱いやすい端末に。
▼GearBestの価格情報。2019年6月16日時点のフラッシュセール価格は179.99ドル(2019年6月16日時点の換算レートでは19,780円。送料 93円)
▼参考までのAmazon価格