今回レビューする製品は、CPU(SoC)に UNISOC T606を搭載する、8.4インチ 解像度 1920 x 1200のAndroid 12 タブレット「アーアユー(AAUW)M60」です。物理メモリ 4GB(+拡張 4GB)、ストレージ 64GBは控えめながらも、4500mAh(実機での確認では 5000mAh)のバッテリーは18Wの急速充電に対応しています。
2024年6月2日時点のAmazon 価格は 11,549円(クーポン利用後)と安価な製品ですが、背面の質感は高く、画面の明るさ・鮮やかさ、レスポンスとバランスのよい端末です。
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レビュー当時(2023年8月)は 14,980円での販売でしたが、記事内に記載の価格は2024年6月2日時点の11,549円に変更しています。
アーアユー M60のスペック
スペックの近い製品としては、以下の記事に掲載の「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini」があります。CPUや物理メモリ、ディスプレイの基本スペックは同じですが、バッテリーは本製品が大容量です。
アーアユー M60、8.4型FHD / UNISOC T606搭載 タブレット。ALLDOCUBE iPlay 50 Miniとのスペック比較
Alldocube iPlay 50 Mini 実機レビュー、90ドル未満にして AnTuTu スコアは約24万、Widevine L1対応のFHD、鮮やか液晶の8.4型タブレット
CPU | UNISOC T606、8コア |
GPU | ARM Mali G57 |
メモリ | 4GB +ス トレージから4GBの拡張可能 |
ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 8.4インチ、IPS、解像度 1920 x 1200、In-cell |
WiFi、Bluetooth | 11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
LTE | LTE-FDD:B1 B3 B5 B8 B18 B19 B26 B28full、LTE-TDD:B40 B41 |
カメラ | フロント 5百万画素、リア 8百万画素 |
バッテリー容量 | 4500mAh(実機の情報では5000mAh)、18W 急速充電対応、充電ポートは USB Type-C |
サイズ、重さ | 202 x 125 x 7mm、318g |
OS | Android 12 |
その他 | GPS搭載、Widevine L1対応 |
▼ALLDOCUBE iPlay 50 Miniと基本スペックを比較してみました。M60は iPlay 50 Miniよりもバッテリー容量が大きく、かつ 18Wの急速充電に対応していることが大きな特徴です。また、顔認証に対応し、2スピーカーであることもメリットとなります。
実機のシステム情報
続いて、アプリ「Device Info HW」から抽出の実機のシステム情報を掲載します。スマホで参照の場合、画像・文字が小さいため、タッチで拡大ください。
Android 端末のシステム情報抽出なら「Device Info HW」。無料アプリながらも広告なし、多くの情報を抽出可能
▼下から2行目に「フラッシュ=EMMC」とあります。後段で掲載の計測値から、eMMCより高速なUFSと思ったものの、eMMCでした。
▼UNISOC T606は、Cortex-A75 x 2、Cortex-A55 x 6の構成です。GPUはMali-G57
▼8.4インチ 解像度 1920 x 1200のディスプレイのリフレッシュレートは 58Hz
▼物理メモリは 4GBと控えめですが、Web サイトのブラウジング、動画視聴、SNSやショッピングアプリが主な用途の私の使い方では、何とかなる容量です。
▼Amazon サイトにはバッテリー容量 4500mAhとありますが、5000mAhと表示されています。他のアプリにおいても、5000mAhの表示です。
▲▼下の画像は他のアプリで確認の情報ですが、こちらでもバッテリー容量は4500mAhではなく 5000mAhです。
▼アプリ「DRM Check」で確認のWidevineの対応状況。製品紹介の通り L1をサポートしています。
ただし、2つ目の画像は Netflix アプリでの情報ですが、NetflixではL3のSD画質です。その他、huluとAmazon Prime Videoでは最高画質に対応しています。
▲▼Widevineの概要、Netflix / hulu / Amazon Prime Videoでの画質の確認方法は、以下の記事を参照ください。
Android 端末における Widevineとは。概要とL1,L2,L3の相違、L1,L3の画質を実機で確認してみた
Android 端末にて、Netflix、hulu、Amazon Prime Videoの再生画質を確認する手順。Widevine L1 対応の確認にも有効
▼メモリ拡張は、設定の「ストレージ」項目にある「Memory expansion」から行うことができます。初期設定では無効となっていますの、以下の画像のとおり有効化したうえで、端末を再起動することにより有効となります。
開封、外観
2023年8月3日時点のAmazon 価格 14,980円と安価な製品ですが、価格以上の質感の製品です。背面は、アルミ製 or 樹脂製を識別しにくいのですが、スリープ時の冷んやり感からするとアルミ製。他ブランドの上位の製品と比較しても、遜色ない質感です。
▲▼他の中国ブランドの製品と異なり、外箱の裏面には日本語のみでの製品の概要が記載されており、日本市場に力を入れていることがわかります。
▼内部の保護も十分です。
▼保証書と説明書ですが、こちらも日本語のみの表記です。説明書は20ページでの構成と、他ブランドの説明書より詳しく、(写真は割愛しましたが)一部はカラー刷りです。
▼SIM トレイピンの撮影は割愛しましたが、コンパクトなACアダプター、USB-A to USB-Cのケーブルが付属しています。
▼保護フィルムが貼り付けてられていますが、ここでも丁寧な日本語での注意事項の記載があります。なお、フィルムへの指紋や油脂の付着の度合は一般的です。
▼シックな金属調の塗装の背面です。前述のとおり、素材はおそらくアルミ製。
▼他ブランドの製品では、ロゴやモデル名がシールの端末もあるのですが、本製品はシールではなく好感が持てます。
▲2スピーカーは、縦持ちでの下に配置されています。エッジの面取りも丁寧な作りです。
▲アンテナがある部分の色合いの相違も抑えられています。リアカメラは2レンズのように見えますが、8百万画素のシングルカメラです。
▼電源ボタン周りがボケてしまいましたが、カメラの台座、電源・音量調整ボタンの作りともに粗さはありません。
▼他の多くの端末も同様ですが、色の異なる部分の手触りでは、多少の段差があります。
▲イヤホンジャックは、縦持ちでの左上に配置されています。
▼参考までに、先日 実機レビューした「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini」を並べて撮影。写真では、左のM60の背面は、iPlay 50 Miniよりも かなり濃いように見えていますが、実機では 多少濃い程度です。
背面(底板)の厚みは iPlay 50 Miniより薄いように感じますが、質感は同等。もしくは、エッジの処理や色の異なる部分は M60がより丁寧な作りです。ただし、おそらくは底板の厚みの相違により、剛性としては iPlay 50 Miniがやや優位とも感じます。
▼カメラ周りも、樹脂製のプレートのあるM60が上質です。
ディスプレイ
液晶の色合いの濃淡がわかるよう、壁紙は壁紙アプリからダウンロードしたものを使用しています。仕様に明るさが記載されていないのですが、また、自宅に明るさを測定する機器がないのですが、感覚的には 300〜350nitsの一般的な明るさ。明るさ・鮮やかさともに、よい意味で一般的な品質です。
▼感じ方には個人差があると思いますが、私の感覚では デフォルトの色合いは暖色系。以下のとおり、Coolの寒色に設定すると程よい色合いに。また、明るさ調節は 70%あたりで程よい明るさです。
▼明るく鮮やかな液晶です。実測のベゼル幅(艶ありの黒の部分)は、横持ちでの上下は5mm、左右は10mm。左右は一般的な太さですが、上下は狭いです。
▲▼上はデフォルトの壁紙ですか、前述の通り、鮮やかさがわかるよう、壁紙アプリからダウンロードしたものに変更しています。
▼In-cellであることがわかるでしょうか。
▼写真ては読み取れないですが、オリジナルの色合いは暖色寄り。上述のとおり、私にとっては寒色(Cool)に変更すると程よくなります。なお、写真は圧縮しているため、実機よりも画像と文字が かなり淡くなっています。
▼他のタブレットと同様にグレアパネルの映り込みが大きいですが、この角度から見ても、視野角は良好であり、色の変化も抑えられています。
ベンチマークスコア
実機で計測の AnTuTu ベンチ v10、Geekbench 6、ストレージの読み書き速度について記載します。
▼AnTuTu ベンチ v10のスコアは約23万。基本スペックが同じとなる「ALLDOCUBE iPlay 50 Mini」は約24万ですが、23万 vs 24万は誤差の範囲、体感レスポンスは同じです。
▲▼以下の記事にて掲載していますが、AnTuTu 3Dベンチは通常版ではなく、Lite版で計測しています(一定の要件を満たさないと、3D通常版では計測できない)。
▼Geekbench 6のスコアは「シングルコア 380、マルチコア 1340」
▼アプリ「CPDT」で計測のストレージの速度は「Write 118.67MB/s、Read 239.27」。eMMCとしては Readが速いです。
体感レスポンス
こちらの「AnTuTu ベンチマーク スコア一覧、スコアに応じた動作の指標」に記載していますが、私にとっての普段使い(Web サイトのブラウジング、FHDクラスの動画視聴、SNS・ショッピング関連のアプリ)で遅さを感じることなく動作する AnTuTu ベンチスコアの指標は 約25万。
UNISOC T606を搭載の本製品のAnTuTu スコアは約23万ですが、ほぼ上記の指標に合致します。具体的な体感レスポンスは以下となります。
- AnTuTu スコア 10万台後半の端末の場合、スリープからの復帰時などにカクツキを感じることもありますが、本製品ではスムーズな動きです。
- このクラスでは負荷のかかるゲームには向きませんが、私の普段使いでは 10インチクラスで旬なCPU「Helio G99」と比較しても遜色ないレスポンスです。
- ストレージはUFSではありませんが、AnTuTu 3Dなどの大容量アプリをインストールする場合にも、UFSと体感できるほどの相違を感じません。
LTE接続
サブ回線として使用している ドコモ回線の「OCN モバイル ONE」のSIMにて、LTEの回線速度を確認しました。
▼APNは手動で設定しました。
▼千葉市郊外の自宅では電波の強度が強くないのですが、16Mbpsと同SIMでの他のスマホ / ダブレットと同水準の速度が出ています。
▼OCN モバイル ONEは、NTTドコモとの合併により、新規申し込みを停止しています。繋がりやすさとタブレットでも使用できる汎用性では、私の家族が利用中の「ahamo」、あるいは「Y!mobile」がおすすめです。
スピーカー
2スピーカーは縦持ちでの下側に配置されています。YouTube、hulu、Netflixで動画を視聴した範囲でのコメントは以下です。動画配信サービスの動画を高画質再生できるWidevine L1対応であることを考慮すると、スピーカーは横持ちでの両サイドがよいとも思いますが、音量・音質ともに 1万円台半ばの端末としては良好です。
- 動画視聴用としては、音質・音量ともに程よいもの。
- 多少こもりがちのようにも思いますが、スマホのようにシャカシャカした音質ではなく、私好みの中低音重視と思われます。
- 近距離での視聴で音量を上げても、音割れは感じません。
カメラ
8百万画素のリアカメラのみの確認です。本製品に限らず、ごく一部のダブレットを除いては、リアカメラはメモ書き代替の趣きが強いのですが、本製品も同様です。
オートフォーカスと写真の保存は程々に速いものの、室内撮影においては 全般的に やや粗い画像となります(同クラスのタブレットと概ね同じです)。ただし、メモ書き代替としては十分に機能します。
まとめ
2023年8月現在では旬な8.4インチ FHDのAndroid タブレットとなる「アーアユー M60」。8月7日時点のAmazon 価格 14,980円(クーポン適用後)と安価であるものの、2024年6月2日時点のAmazon 価格は 11,549円(クーポン適用後)と安価であるものの、質感の高い外観、ディスプレイの明るさ、レスポンスともにバランスのよい製品です。また、本文には未掲載ですが、18Wと控えめであるものの、急速充電に対応していることも メリットの一つです。
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