Hackintoshによる macOSの導入を目的として、中古で購入した「ThinkPad T550」。しばらく放置・対応を頓挫していましたが、何とか High SierraとWindows 10のデュアルブート、記事の編集・Webサイトの閲覧に常用できる程度となりました。
スリープからの復帰で時おりフリーズする、トラックポイントの動きが速すぎるなどの課題はあり、現在のところ未対応ですが、Hackintoshに成功したことの簡易レポートです。
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ThinkPad T550、Mac側のシステム情報
Hackintoshにより導入した macOS High Sierraでの、システム情報を記載します。なお、掲載の写真の壁紙は Catalinaのものを使用しています。
▼MacBook Pro Retina 13インチ Early 2015に偽装。GPUの設定が最も手間取るのですが、Intel HD Graphics 5500 / 1536MBと正しく認識しています。macOSは High Sierraをインストール。他の端末も含めて、Hackintoshにおいては、High Sierraの不具合への対応情報が最も充実しています(海外サイトにおいて)。
▼0.1インチ足りませんが、15.5インチ・解像度 2880 x 1620と、こちらも正しく認識されています。
▲▼私のThinkPad T550は、以下の記事のとおり DIYで交換しています。IPSの視野角の広さはよいのですが、明るさがやや不足気味。
▼Windows 10とのデュアルブートですが、Macのドライブが二つあるうち、一つはHackintoshに失敗。
▲▼ThinkPad T550のメリットの一つが、以下の記事のとおり、2.5インチ SSD / mSATA x 2とストレージをトリプル化できること。
▼こちらはGeekbench 5から抽出のシステム情報。当然ながらも、Core i5-5300U、2コア 4スレッドと正しく表示。
ベンチマークスコア
続いて、2種類のみとなりますが、macOS側でのベンチマークスコアです。
▼Geekbench 5のCPUベンチマークスコア。上はMac、下はWindows 10のスコアですが、双方ともに同水準のスコアで安心しました。
▼SSDはトランセンド 2242サイズのTS120GMTS420Sを使用していますが、Write側のスコアが異様に低くなっています。Windowsで使用していた際も同様でした。
不具合情報
旧世代ですが、第5世代のCore i5-5300U、メモリ 8GBを搭載していますので、ライトユースなら遅さを感じることなく動作します。
Hackintoshした端末で、概ね共通する事項として WiFiとBluetoothはUSBドングルを使用する必要があること以外に、以下の不具合・要調整事項があります。その他、輝度・音量調整、キーボードのショートカット、App Store経由でのアプリインストールなどは普通に動作します。
- スリープからの復帰時にフリーズすることがある。
- マウスは普通に使用できますが、トラックポイントの動きが速すぎ、タッチパッドの動きは遅い。
- 液晶はTNパネルから3K 解像度のIPSパネルに交換していますが、全般的に明るさ不足(Windows使用時も同様)。
Hackintoshした端末で上記の不具合は、私として軽微なもの。十分に常用できる水準です。
▼私がHackintoshしたPCで常用している無線LAN 子機がこちら。どのPCでも安定して使用できます。
ThinkPad T550でHackintoshするメリット
ThinkPadとしてはマイナーな「T550」。マイナー製品であるためか、私はヤフオクで 程度のよいもの(電源ボタンが、少し陥没しているのみ。傷もほとんどなく、バッテリーのヘタリも少ない)を、1万円ほどで購入しました。
液晶がTNパネルで視野角が狭いうえに、色合いがよくなく、私はAliExpressから購入した 3K 解像度のIPSパネルに交換しましたが、T550本体・T550でHackintoshを行うことの大きなメリットは以下です。
- 他のThinkPadと同様に、キーボードのタイピング感が最高。ストローク浅めのMacBookのタイピングもよいですが、しっかりとした打鍵感を求めるなら ThinkPad。
- 当然ながらも 15.6インチのワイド画面で、老眼の私にも優しい視認性のよさ。
- 2.5インチ SSD、2242サイズのM.2 SSDを2基と合計 3基のSSDを搭載できること。私のように 2台のSSDで Hackintoshを試すことができます。
Hackintoshによる macOSの導入過程
導入にあたっては、以下の記事のThinkPad T420sのHackintoshで記載の「導入過程」と同じですので、詳細は省略します。
▲▼ポイントとなるのは、上記の海外サイトから「EFI-Clover」のフォルダをダウンロードし、Hackintoshした T550のEFIフォルダに上書きすること。これにより、GPUの設定、音量・輝度調整など、Hackinttoshの設定で厄介な事項に難なく対応できます。
なお、上のサイトで配布しているのは「ThinkPad T450」のEFIですが、T550も同スペックですので、そのまま利用できます。
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