今年3月あたりからでしょうか、旧世代となる第4世代あるいは第5世代のCore iシリーズを搭載するミニPCの割安感が高まっており、最近では日本の直販サイトでも安価なベアボーンが売れ始めているとか。従来は、メモリ・SSD付きでWindows 10 プレインストールのミニPCと比較するとベアボーンの割高感もあり、これまで当サイトでは取り上げることはなかったのですが、そのコスパ度はいかがなものかと、Bangoodで多く販売されているXCY社のベアボーンのうち、X30とX35の概要と価格情報について記載します。
2019年9月15日 6時30分に、X30のクーポン情報を更新しました。即売り切れとなるため、留意ください。
参考、7月末時点でおすすのミニPC
冒頭から参考情報ですが、ミニPCのコスパ度を確認することなくベアボーン情報を記載するとミスリードすることもあるため、2019年7月末時点でおすすめのミニPC(他記事へのリンク)を掲載します。
余ったパーツや手元にあるOSを活かす場合には、格安のベアボーンも大いに魅力的ですが、購入後に即使用との点ではミニPCが優位です。メモリ・SSDも付き、ごく一部の例外を除いてはWindows 10がプレインストール済であるためにコスパ度は高くなります(以下は全てWindows 10がプレインストール済)。
▼格安な事例としてはAK3V。SSDではなくeMMCとなりますが、Apollo Lake N3450相当のCPUに、メモリ 6GB、eMMC 64GBで約16,000円。
▼ミニPCを多くリリースするBeelinkの製品。Gemini Lake N4100搭載の静音仕様。
▼Core i7-8750Hなど、ハイエンドのミニPCならS200。
▼旧世代(第5世代)のCore i3-5005Uを搭載となるものの、上位機のボディを流用するChuwi GT Box。
▼EGLOBAL M3は第7世代のCore i3 7100U、メモリ 8GB、SSD 128GBを搭載、Windows 10 プレインストール済で約25,000円。Windows 10 Proをインストールとの情報もあり、コスパ度はダントツ(詳細は上記の記事を参照)。
EGLOBAL m3, RAM 8GB / SSD 128GB
XCY X30 ベアボーン、第4世代 Core i7-4500U
Core i7-4500Uを搭載のベアボーンです。メモリはDDL 3L、SSDはmSATAに対応します。
- CPU : Intel Core i7-4500U、2コア、1.8GHz 最大 3.0GHz
- GPU : Intel HD Graphics 4200
- メモリ : なし、DDL 3L 1333MHz / 1600 MHz、最大 8GB
- ストレージ : なし、mSATA SSD / 2.5インチ SATA HDD / SSD
- WiFiモジュール : なし
- Bluetooth : 未対応
- ポート類 : 4 x USB 3.0、2 x USB 2.0、HDMI、VGA、有線LAN
- OS : なし
- サイズ : 13.60 x 12.50 x 4.30 cm、650g
- ファンレス
繰り返しますが、ベアボーンのため、少なくともメモリ・ストレージ・OSは別途用意する必要があります。Windows 10が手元にある方を除いて、Windows 10を新規に購入したうえでインストールするとなるとコスパがよくないため、無料のLinuxやChrome OSでの運用がおすすめ。
安く販売しているのは、第4世代(4世代前)のCore i7-4500Uに、GPUはIntel HD Graphics 4200と旧世代となるためですが、Geekbench 4のCPUベンチマークは以下。
▼Geekbench 4のCPUベンチマークスコア。上から順に Core i7-4500U、Core m3-7Y30、第5世代のCore i3-5005U。Core i7-4500UはCore m3-7Y30と同水準となり、Core i3-5005Uより優位。
▲▼私の使用感(Webサイト閲覧、画像編集、動画視聴、オフィスソフトなどの利用)では、以下のCore i3-5005Uでもサクサクと動作するため、Core i7-4500Uのパフォーマンスはゲームや動画編集などを行わない限りは十分。
▲ストレージはmSATA、あるいは2.5インチのSSD / HDDをサポートしています。M.2 SSDではないのですが、いづれもパフォーマンスに差がないために、mSATA / 2.5インチのSSDをお好みで。ともに安いのですが、例えば、2.5インチ SSD 240GBなら3,500円ほどで購入できます。一方、メモリはAmazonの一覧としますが、DDR3L 8GBは3千円からとなっています。
▼ポート類は、4 x USB 3.0、2 x USB 2.0、HDMI、VGA、有線LANと十分。ただし、WiFiモジュールは付属していないため、有線LAN接続、もしくはご自身でのWiFiモジュール取付となります。
▲ボディの材質を確認できないのですが、ファンレスとしていることもあり、他の同様なボディを使用するミニPCと同じく、天板の部分はアルミ製で全体で冷却するしくみだと思います。
▼Banggoodでの画像の価格は159.99ドルとなっていますが、クーポン「BGXCYX8」の利用により134.99ドルに(9/30まで)
▼2019年9月15日 6時30分時点では、以下のとおりクーポンは有効でした。早々に売り切れとなるため留意ください。
▼別モデルですがBanggoodで販売のEGLOBAL M3のベアボーンも侮りがたし。第7世代 Core i3-7100Uを搭載するベアボーンが179.99ドル。
XCY X35、第8世代 Core i3-8130U
X30が第4世代の古めの仕様である一方、X35は現行の第8世代のCore iシリーズです。上の画像の右下のとおり、CPUの選択肢は5種類あるりますが、上位機はベアボーンとしては価格面で割高となるため、シリーズ下位のCore i3-8130Uのスペックと価格を掲載します。
- CPU Intel Core i3-8130U、2コア、2.2GHz 最大 3.4GHz
- GPU : Intel HD Graphics 620
- メモリ : なし、DDR4、最大 16GB
- ストレージ : なし、mSATA SSD / 2.5インチ SATA HDD / SSD
- WiFiモジュール : なし
- Bluetooth : 未対応
- ポート類 : 4 x USB 3.0、4 x USB 2.0、HDMI、VGA、有線LAN
- OS : なし
- サイズ : 13.60 x 12.50 x 4.30 cm 、650g
▼Geekbench 4のCPUベンチマークスコア。上から、Core i3-8130U、Core i5-8250U、上で紹介のCore i7-4500U。Single-CoreではCore i3-8130UとCore i5-8250Uが同水準のため、ライトユースでのレスポンスは変わらないはず。
▼USBは3.0 / 2.0ともに4個と、X30より2個多くなっています。WiFiアンテナは、内部にWiFiモジュールが付属しないこともあり付いていません。
▼ストレージがmSATA SSDと2.5インチ SSDであることはX30と同様ですが、メモリはDDR4
▲ファンレスのX30と異なりX35にはCPUファンがあります。さすがに第8世代のCore iシリーズ、しかもコンパクトなミニPCでファンレスは無理なのですが、ミニPCとしては大きなヒートシンクで冷却効率も高そうです。ファンは6㎝角だと思いますが、この場合にはファン音はそれほど大きくはないと思います。
▼Banggoodでの画像の価格は229.99ドルとなっていますが、クーポン「BGXCY796」の利用により199.99ドルに。8/31まで、50個限定。
まとめ
お手元にあるメモリ・ストレージ・Windows 10を活かす場合、あるいはLinuxをインストールする場合には、大いに魅力的となるXCY X30 / X35をはじめとしたミニPCのベアボーン。手元にあるパーツを活かす場合には、X30ではクーポン価格の日本円換算で約15,400円、メモリ 8GB / SSD 240GB 合わせて7,000円の場合には合計約 22,400円となります。ただし、Windows 10のラインセスを新規購入とする場合には、やはり メモリ・ストレージ付き・Windows 10インストール済のミニPCがお買い得に(上記参考を参照)。
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