ThinkCentre M75q Tiny Gen 5(AMD) 実機レビュー、Ryzen 7 PRO 8700GEを搭載しパワフル かつ静音な、超小型デスクトップPC | Win And I net

ThinkCentre M75q Tiny Gen 5(AMD) 実機レビュー、Ryzen 7 PRO 8700GEを搭載しパワフル かつ静音な、超小型デスクトップPC

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今回レビューする製品は、LenovoのコンパクトなデスクトップPC「ThinkCentre M75q Tiny Gen 5(AMD)」です。CPUにデスクトップ向けのAMD Ryzen 7 PRO 8700GE、メモリにDDR5 32GBを搭載し、やや重ための作業においても十分に活用することができます。

普段使いでの快適なレスポンスはもちろんのこと、やはり驚くべきは コンパクトな筐体。特に、デスクトップ向けのCPUを搭載しつつも 36.5mmの薄さであり、静音性も保持しています。

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今回のレビューは Lenovoさんからお借りした製品に基づいています。記載のスペックや価格は、2025年1月2日現在のものです。

ThinkCentre M75q Tiny Gen 5(AMD)、公式ストア

 

ThinkCentre M75q Tiny Gen 5(AMD)のスペック

「ThinkCentre M75q Tiny Gen 5」に搭載するCPUは、AMD Ryzen 5 8500GE / Ryzen 5 PRO 8600GE / Ryzen 7 PRO 8700GEの3つから選択となりますが、レビュー機は下表の最上位のモデル(製品番号 12RQCTO1WW)です。

コンパクトな筐体が最大の特徴となり、上の画像のとおり机下の設置(設置する周辺機器を探せず)や、モニター「Tiny-in-One」の背面に設置することができます。

映像出力は、HDMIとDisplayPortの2系統ですが、カスタマイズモデルでは DisplayPortを一つ追加して 3系統とすることもできます。

 

CPU AMD Ryzen 7 PRO 8700GE、Zen 4、8コア16スレッド、最大 5.1GHz
GPU AMD Radeon 780M グラフィックス
メモリ 32 GB DDR5-5200MHz(16GB x 2)、メモリはスロット形式
ストレージ 1 TB SSD M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4 TLC OPAL対応、2280サイズ M.2 空きスロットあり
WiFi WiFi6E 対応
Bluetooth 5.2
ポート類 USB3.2 Gen2 Type-C、USB-A 3.2 Gen 2 x 3、USB-A 2.0 x 3、HDMI、DisplayPort、有線LAN、マイク・ヘッドホン コンボジャック
サイズ 約 179 x 182.9 x 36.5mm(スタンドなしの横置き時)、約1.25kg(最大構成時)
OS Windows 11 Home
その他 フルサイズ USB キーボード、USB マウス付属、縦置きスタンド付属

 

▼ツールレス設計により、内部にアクセスしやすいことも特徴の一つです。実機での内部の構成については、後ほどの段落に記載しています。

 

実機のシステム情報

続いて、実機から抽出のシステム情報を掲載します。

 

▼Windows 11 「設定」「システム情報」から抽出の「デバイスの仕様」と「Windowsの仕様」より。CPUは AMD Ryzen 7 PRO 8700GE、メモリ 32GB、OSは Windows 11 Home

 

HWiNFOの使い方、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフト。投稿数 約4万件のフォーラムも充実

▲▼上の記事にて紹介のフリーソフト「HWiNFO」から抽出のシステムの概要です。クリックで拡大できます。

 

▼上の画像左のCPUの情報を拡大。CPUは、Zen 4 アーキテクチャ・デスクトップ向けのAMD Ryzen 7 PRO 8700GE、8コア16スレッド、デフォルトTDPは35W 4nm プロセス。

 

▼メモリはDDR5-5600 32GB、16GB x 2枚の構成です。

 

▼GPUはAMD Radeon 780M

▲「ディスク・ドライブ」の項目で表示のSSDの型番は「SAMSUNG MZVL81T0HDLB-00BLL」。検索したところ、多くはヒットしないのですが、後ほどのベンチマークスコアでは公表値以上のスコアとなっています。

 

▼メモリはMicron製の部品番号「MTC8C1084S1SC56BD1」

 

外観

外観について記載します。横置き時(付属の縦置きスタンドを装着せず)のサイズは 約 179 x 182.9 x 36.5mmと、一般的なミニPCよりも一回り大きな筐体ですが、デスクトップ向けのCPUを搭載するPCとしては、驚くほどの極小サイズです。

なお、ブラックの筐体の撮影では ポート類を確認しづらいため、以降のサイドの写真は 全般的に実機より明るくなるよう編集しています。

 

▼前面のポート類は左から、マイク入力/ヘッドフォン出力コンボ ジャック、USB-A 3.2 Gen2 x 2、USB Type-C  3.2 Gen2、電源ボタン

 

▼背面のポート類は左から、電源コネクター、DisplayPort、USB-A 3.2 Gen2、HDMI、USB-A 2.0 x 3、有線LAN。できれば、映像出力対応のUSB Type-C ポートが欲しいところですが、前面とあわせて 拡張性は十分です。

▲中央にプラスネジがありますが、プラスネジを外すと 上のカバーを開くことができ、内部にアクセスできます。

 

▼左右の両サイドは通風孔のみ。

 

▼横置きでの天板・底板ともに、ブラック無地のシンプル、いづれもスチール製で剛性の高いもの。

 

▼WiFi アンテナを取り付けての全体像

 

▼ロゴ周りを拡大。細部の作りもよいですね。

 

▼付属の電源アダプター(90W)と縦置きスタンド。電源アダプターはノートPCのアダプターより 一回り大きなもの。

 

縦置き、ミニPC・Mac miniとのサイズ比較

付属のスタンドを利用した縦置きでの撮影と、サイズ比較用に一般的なミニPCとMac miniを並べて撮影しました。比較対象のミニPCは、サイズ 127 × 127.5 × 54.7 mmの「MINISFORUM NAB9」です。

MINISFORUM NAB9 実機レビュー、 Core i9-12900HKを搭載のミニPC、13世代 Core i9のベンチスコアを上回ることもあり

 

▼上の縦置きでの写真ですが、公式サイトの画像では上下逆になっています。電源ポートとWiFi アンテナ端子の位置から、縦置き時には上の写真となります。

 

▼約 179 x 182.9 x 36.5mmの「ThinkCentre M75q Tiny Gen 5」と127 × 127.5 × 54.7 mmの「MINISFORUM NAB9」との比較ですが、前者はサイズ以上に縦横が大きく、後者は厚みがあるように感じます。ただし、PCのみを撮影した写真のために大きく見えますが、双方ともに実際にはかなりコンパクトです。

「ThinkCentre M75q Tiny Gen 5」は、デスクトップ向けのCPUを搭載しつつも、このサイズ(特に厚み)に抑えたことは立派です。

 

▼従来モデルのMac miniとの比較です。Mac miniよりも一回り小さなサイズです。

 

▲▼以下の記事にて実機レビューの 12.1インチ「Let’s note CF-SV7」の上に置いてみまいた。本製品のコンパクトさを感じ取っていただけると思います。

Let’s note CF-SV7 レビュー、実機の使用感。中古 1万円台でCore i5-8350U、Thunderbolt 3搭載でお買い得

 

 

内部の構成

内部の構成について記載します。上の画像右側のとおり、2280サイズのM.2 空きスロットがあり、SSDを増設することができます。ぱっと見では 2スロットのメモリが見当たらないものの、CPUファンの下に配置されていました。

 

ユーザーガイド(公式)

▲▼背面のプラスネジを外し、カバーを前面パネルの方向に少しずらし、上に持ち上げるとカバーを外すことができます。

 

▼全体像。下の基盤側はスペース的に余裕がありますが、上のCPUファン側は狭いスペースにメモリも含めて収まっています。

 

▼デスクトップPCとしては一般的とも思いますが、2280サイズのM.2 SSDはネジなしで脱着することができます。標準装備のSSDの上に空きスロットがあります。カスタマイズモデルでは、2nd ストレージをオプションで購入することができますが、512GBで5万円超と高価なため、ユーザーでの購入・取付が安上がりです。

 

▼メモリを見つけるのみ数分要しましたが、CPUファンの下にメモリスロットが2つ収まっています。DDR5 メモリもCPUと同時に冷却する目論見かと思います。

 

▼前面パネル側より。狭いスペースに デスクトップ向けのCPU、高さのないCPUファン、ファン下のメモリなど、さすがによく出来た構成です。

 

▼あらためての全体像です。

 

ベンチマークスコア

実機で計測のベンチマークスコアを掲載します。GPUはAMD Radeon 780Mのため、ゲーム・メディア系のスコアはそれほどではありませんが、CPU ベンチマークでは、これまで実機レビューしたPCでは、かなり上位のスコアです。

 

Geekbench 5

Geekbench 5のスコアは「シングルコア 1996、マルチコア 11224」。

▲▼以下の記事に、これまで実機で計測したGeekbench 5のスコアを一覧化しています。このうち、下の画像は、シングルコアのスコアが1900超となるCPUですが、シングルコア・マルチコアともに、モバイル向けのCore i9-13900HやAMD Ryzen 9 7940HS相当のスコアです。

PC 実機で計測、Geekbench CPU ベンチマークスコアの一覧、サクサクと動作するスコアの指標

 

▲ちなみに、黄色網掛けは スコア一覧の記事において「おすすめのCPU」としているものです。

 

Geekbench 6

Geekbench 6のスコアは「シングルコア 2663、マルチコア 12492」。Geekbench 5と6では、評価項目とスコア判定のベースとなるPCのスペックが異なり、Geekbench 6は5よりも高いスコアとなります。

 

▼こちらはGeekbench 5のスコアが同水準となる、Core i9-13900HとAMD Ryzen 9 7940HSのスコアです。Geekbench 6も概ね同水準。

 

▼上記2製品のレビュー記事はこちらです。

GEEKOM IT13 実機レビュー、Core i9-13900H / メモリ 32GB / PCIe 4.0 2TB SSDを搭載し、ミニPC 最速クラスでキビキビと動作
今回レビューする製品は、CPUにインテル 第13世代 Core i9-13900Hを搭載するミニPC「GEEKOM IT13」。DDR4-3200 32GB メモリ、PCIe SSD 2TBを搭載するセットモデルです。 ミニPCのなかでも、...
GEEKOM AE7 実機レビュー、Ryzen 9 7940HSを搭載しキビキビ動作、静音で作業も捗るミニPC
今回レビューする製品は、CPUにAMD Ryzen 9 7940HSを搭載するミニPC「GEEKOM AE7」です。セットモデルは、メモリ 32GB、PCIe 4.0 SSD 1TBと、CPUに応じたハイエンドな仕様です。 CPUファンの音...

 

CINEBENCH R23

CINEBENCH R23のスコアは「シングルコア 1733、マルチコア 14434」。以下の記事にて、これまで実機レビューしたPCのスコアを一覧化しています。

CINEBENCH R23、ミニPC・ノートPC 30製品で計測のスコア一覧。キビキビ動作のスコアの指標

 

▲下の2つは Core i9-13900HとAMD Ryzen 9 7940HSのスコアですが、うち Core i9-13900HはCPU温度が上昇・サーマルスロットリングが発動し、本来の実力を発揮できず。この点、ThinkCentre M75q Tiny Gen 5(AMD)は、冷却も問題ありません。

 

3DMARK

3DMARK Time Spyのスコアは2825。統合型GPUのスコアとしては こんなところです。2つめの画像は Core i9-13900Hのスコアですが、さすがにAMD Radeon 780M、統合型GPUとしては高いスコアです。

 

▼3DMARKを計測中のCPU 温度です。80℃越えとなることもありますが、概ね 70℃前後となっています。

 

PCMARK 10

PCMARK 10のスコアは 6,779。「一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作向け」の Productivityの指標はスコア 4,500ですが、本製品では 9,660と かなり高いスコアです。2つめの Core i9-13900Hのスコアと比較しても、全般的に高いスコア。

 

CrystalDiskMark

1TBのPCIe 4.0 SSD、型番「SAMSUNG MZVL81T0HDLB-00BLL」のスコアです。Readは 6,193MB/s 超、Writeは 4,810MB/sと、これまで実機レビューしたPCではトップクラスの読み書き速度です。

なお、大容量ソフトのインストールは速いものの、Windowsの起動においては、他のPCIe 4.0 SSD(読み書き 4,000MB/s台)よりも、ワンテンポ遅いような感覚です。

 

体感レスポンス

体感レスポンスについて記載します。全般的に、私の以下の普段使いでの範囲内では、ベンチマークスコアがより高い M4 Mac miniや Core i7-14700Fなどと遜色ないレスポンスです。Windows 11とmacOSのアニメーション効果の相違から、M4 Mac miniよりもキビキビと動作していると感じることもあります。

なお、前述のとおり、Windows 11の起動は他のPCIe 4.0 SSDの端末よりも ワンテンポ遅れる感覚ですが、大容量ソフトのインストールと Windows 11の終了は速く 快適です。

 

▼上記レスポンスのコメントにおける、私の普段使いは以下です。

  • 記事編集、画像編集
  • 簡易的な動画編集(レビュー用の短編動画の編集)
  • Web サイトのブラウジング、一般的な画質の動画視聴
  • 在宅勤務における、データ量と関数が多めのExcelとAccess

 

CPU 温度、ファン音量

CPU 温度とファン音量について記載します。全般的に、普段使いにおいては ファン音量がほとんど気にならないほどに静音です。ベンチマークで負荷をかけた際には、多少 喧しくなりますが、ベンチマーク終了後に即 静音に戻ることもあり 許容範囲です。

 

▼「HWiNFO」で計測のCPU 温度です。上は通常使用時、下は CINEBENCH R23の計測時ですが、最大でも70℃台の後半と心配無用です。

 

まとめ

デスクトップ向けCPUを搭載のPCとしては、ミニPC並みの極小サイズのために、グラボ接続などの拡張性は乏しいですが、このサイズは大きな魅力。普段使いにおいては静音性も保持し、作業に集中することができます。

最安構成の AMD Ryzen 3 8300GE / DDR5 メモリ 16GB / 256GB PCIe SSDは 7万円台と、上位のミニPC並みの価格ですので、省スペースの筐体とあわせて、オフィスでの大量購入にも向いています。

なお、文中には未掲載ですが、付属の有線キーボード・マウスのうち、キーボードはテンキー付きのかなり大きな製品であり、こちらの記事で実機レビューの「トラックポイントキーボード」などの使用をおすすめします。

 

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