ヤフオクで購入した、ビープ音3回の頻発、あるいは「進入禁止マーク」「市松模様」のブロックノイズで起動しなかったMacBook Air 11 mid 2011(core i7、RAM 4GB)ですが、ダメもとで行ったヒートガンのリフローとMac OSの復元で見事に復活。
リフローを行った場合には再発する可能性大とのころですが、現在のところフリーズすることも、強制終了することもなく快適に稼働しています。
今回は、ヒートガンによるリフロー作業などの復旧作業のレポートです。ただし、個人でのリフロー作業はリスクを伴い、さらに状況が悪化・再発の可能性大となりますので、自己責任となります。
(2018年7月21日 追記)
使用頻度にもよりますが、約半年ほどでビープ音3回が再発。多くの他記事に記載のとおり、また、修理見積に出した修理業者のコメントでもあったのですが、ヒートガン対応のみならず、リフローによる対応は一時的な要素が大きいことをお含みおきください。
ビープ音3回のMBAのビフォーアフター
▲▼ビープ音3回の頻発でリンゴマークさえでることが少なく、また「進入禁止マーク」後の市松模様でフリーズ状態のMBAが、リフロー・OSの復元で復旧
下記のリンク先で、MBAの状態・リフロー前にやったことを記載していますが、修理前の状態は以下です。
- 電源投入後、起動音後のりんごマークは表示される場合もあるが、30秒から1分後には進入禁止マークで起動せず。
- 多くの場合は、ビープ音3回で起動せず。
- 「command + R」のMacOSの復元、セーフモードでの起動でフリーズ。これ以外の状況でも、アクションを起こすと市松模様の画面となりフリーズします。
- カーネルパニックとなることも。
- SMCリセット、PRAMリセットは効果なし。逆にビープ音3回の頻度が高くなる。
- Apple Hardware Testは起動せず。
- 底版を外してみたところ、素人目には水没・腐食の形跡なし。
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ビープ音3回のMacBook Airの買取・修理を見積もってもらった
そして、Webにて修理見積もり・ジャンクなMACの買取を見積もってもらった結果は以下。
- メモリの故障、CPUのはんだクラックの可能性が強く、修理費用は税抜き25,000円。リボール、あるいはリフローの対応となるが再発の可能性もあり。
- 起動しないジャンクなMBAの買取は12,000円(業者により価格差あり)。
25,000円出すなら、中古のロジックボードの購入・DIY交換が安上がり。また、多くのサイトを参照すると、リフロー対応は(業者・個人での修理を含め)再発の可能性大なら、ダメ元で自分で行うべしと判断しました。それでダメなら、いよいよロジックボードをDIYで交換との流れでした。
MBAのリフロー作業
では、私が行ったリフロー(はんだを加熱してはんだ付け)作業です。
私は先日まで「リフロー」の単語さえ知らなかったのですが、今回の作業を行うまでに MacBook Pro、PS3、その他PCのヒートガンを利用したリフローの記事を50以上は参照しました。
成功事例・失敗事例・再発して再度リフローした事例、オーブンでリフローしたケースなど多数あり、リスクを確認するうえでも、多くの事例を参照されることを強くおすすめします。「リフロー ヒートガン」で検索すると多数ヒットします。
用意したもの
リフローにあたり新たに購入したものは、通販で最も安いヒートガンと、フラックス(写真撮り漏れ)。そして手持ちのグリスとアルミテープ。アルミテープはリフローする部分以外を養生するものですが、アルミホイルでもOKです。
その他MBA分解用に特殊ドライバーセット(iPhone / MacBook Airの分解に。ドライバー他 38個のセットを千円ほどで購入)、Mac OSの復元用にヤフオクにて復元用USB(1,400円)も用意しました。
▼頻繁に使用するものでもないため、安いもので十分。DIYではこちらのヒートガンの利用者が多いです。High / Lowの2段階切替ですが、Low側で400度に達します。
鉛フリーはんだの融点は220度との記載が多くあり、Low側をロジックボードから数センチ離した位置から使用します(私は10cm程度離しました)。
▼はんだ付け、リフローには必須との記載が多くあり購入
▼私はこちらの類似品のグリスを秋葉原の店頭にて、Stick PCの冷却対応のため(Stick PC DG-STK3の冷却に銅板とアルミヒートシンクを利用してみた)、かなり以前に購入しました。
ロジックボードの取り出し
無事 取り出しの完了したロジックボード
MBAの分解・ロジックボードの取り出しにあたっては、分解工房さんの記事を参照しつつ行いました。iPhoneの液晶・バッテリーを交換したことがある方なら、難易度は低いほうです。私は、iPhone 3GSの液晶・バッテリー・ホームボタンを交換したことがあるのですが、それと比較すると緊張感もなく、ロジックボードを取り出すことができました。
分解工房・MacBook Air Mid2012 11-inch/ロジックボード交換修理方法
やや戸惑ったところ、ポイントは以下となります。
▼小さなネジを紛失するリスクが大きいため、取り外したパーツ毎にネジを小分けにするなど工夫したほうがよいでしょう。
▼分解工房さんの記事には、「ケーブルの保護金具&持ち手を垂直方向に起こし」とあったのですが、保護金具を探すのに時間がかかりました。写真は、保護金具を垂直に起こした状態です。
▼左側のスピーカーケーブルは、コネクタが外れるのかと思いきや、ケーブルのみが外れることに。簡単に接続できるため無事でしたが。
▼iPhone向けのマクロレンズで拡大してみると、想定外にホコリがたっぷりのファン。このファンからキュルキュルと異音がしており、回転軸がブレていると思われます。後日 分解し修理してみます。
リフロー工程
では、実際のリフロー工程です。手順としては以下ですが、写真にて補足します。フラックスの塗り込み量、ヒートガンをあてる時間は、あくまで私の場合です。より正確に行うなら、融点220度となるよう温度計があるとよいのですが、温度を測らず行いました。
- リフローを行う部分以外は、アルミテープで養生。
- リフローを行う部分に、フラックスを多めに塗り込む。
- 私の場合、メモリ・CPU・GPUのいづれかが半田クラックを起こしている可能性があったため(勝手な想像で根拠はありません)、3つをリフローしました。
- ヒートガンをあてた時間は、ヒートガンのLow側を利用し、CPU・GPUは1分弱、メモリは2分弱。パーツからヒートガンまでの距離は10cm程度。温度を計測していないのですが、時間・距離は多くのサイトを参照し何となくの対応です。
- リフロー後、20分以上の自然冷却
- CPU・GPUにグリスを塗り込み。
▼アルミテープで養生したCPU・GPU(上)とメモリ(下)。パーツの接地面にフラックスを多めに塗り込んでいます。また、リフローは、CPU・GPU側とメモリ側の2回に分けて実施。一度に行わず、上側が冷却してから下側をリフローしました。
▼かなり汚いですが、リフロー後のボードが冷えた後に、CPU・GPUにグリスを塗り込みました。
なお、リフロー時にはフラックスが燃焼したような、あるいは半田が溶けた匂いがすることや、ヒートガン使用後にはヒートガンから熱気がしばらく出ていたため、屋外での作業がよいと思います。私はベランダにて行いました。また、ボードを水平に保つこともお忘れなく。
▼ロジックボードを元に戻し起動してみると、ビープ音は解消。
起動の工程でOSが破損していることが判明したのですが、ヤフオクで購入した復元用USBにてインストール、無事起動となりました。
まとめ
中古のロジックボードの購入、あるいはロジックボードが正常なジャンク端末購入によるロジックボード交換を覚悟していたのですが、ヒートガンによりリフロー・OSの復元で、無事にビープ音3回から復旧できました。
リフローは再発の可能性が高いようであり、今後も注意する必要がありますが、今のところ2回にわたるOSインストール(うち、1回はアップデート)にも持ちこたえており順調です。
約半年後に、ビープ音3回が再発。以降、合計3回ほどリフローしたのですが、3回目のリフロー後以降は起動することなく、ビープ音3回のままとなっています。
▼最終的にはリフロー後にエラー解消とならず、ロジックボードを交換しました。
コメント
MBA復活、おめでとうございます。
素晴らしいDIY精神に、神様が大晦日にくれた贈り物という感じで感動しました\(^o^)/
(私もMid 2013の11インチモデルを所有していますが、今のところ無事に動作しているようです。)
来年も愛読させていただきます。どうぞ良い年をお迎えください。
コメントありがとうございます。
まさか、MBAが復旧したうえで新年を迎えられるとは。
現在、復旧したMBAでコメントしていますが、初めてのMACに戸惑いながらも、その感触を確認しています。
ジャンクなPCのヒートガンでのリフローにはまりそうな気配です。