実機を操作してみたかった富士通の13.3インチの軽量ノートである LIFEBOOK UHシリーズ、もしくは法人向けのUシリーズ。タイミングよく、私の会社の業務用PCではそれまでの15.6インチのLIFEBOOKからU938/Tに変更となりましたので、数日間 利用した範囲となりますが、その使用感などを記載します。
▼レビューするのは、こちらのU938/Tのエントリークラス Celeron 3965Uを搭載するバージョンです。
LIFEBOOK U938/Tのスペック
会社のPCであるため、セキュリティが強固でコントロールパネルさえもブロックされており、また、セキュリティーシールがてんこ盛りの状態であるため、部分的な写真となり、また、システム情報の確認やベンチマークも走らせることができないことを、ご了承ください。
- CPU : Celeron 3965U、2コア 2スレッド
- GPU : Intel HD Graphics 620
- メモリ : 4GB
- ストレージ : 128GB SSD
- ディスプレイ : 13.3インチ、IPS、ノングレア、解像度 1920 × 1080
- キーボード : キーピッチ19mm、キーストローク 約1.5mm、86キー
- WiFi : 11a/b/g/n/ac
- Blutooth : 4.2
- ポート類 : USB 3.0 x 2、USB Type-C、HDMI、有線LAN
- サイズ : 309×212.5×15.5mm、 約799g
使用しているモデルは、CPUがエントリー構成のCeleron 3965Uであることについては後述しますが、やはり大きな特徴は約800gの軽さ。この軽さは圧倒的で、手元にある13.3インチのノートPCは1.3~1.4kgの製品が3機種あるのですが、約800gの軽さと横幅309mmのコンパクトさはワンクラス小さいサイズに思えてきます。
軽さとコンパクトさに関連する使用感は以下となります。
- 約800gの重量は、体感的にはそれ以上の軽さに感じます。13.3インチの重量感を想像しつつもこの軽さであるため、余計に軽さを感じるのだと思います。
- この軽さとコンパクトさなら、通勤時に持ち運ぶのも苦になりません。実際の重量もキーボードケースに収めたiPadや、ケースに入れたSurface Goよりも軽く、13.3インチであることを疑ってしまうほど。
- これほど軽いと剛性が気になりますが、天板やキーボード面を強めに押してみてもたわむこともなく、意外なほどにしっかりしています。
Celeron 3965Uの使用感
当初、第8世代のCore i シリーズのつもりで使っていたところ、「なんか遅いぞ」と思い確認してみると、エントリー構成のCeleron 3965Uでした。下の画像はGeekbench 4のCPUベンチマークですが、上がCeleron 3965U、下がGemini Lake N4100。Single-Coreのスコアは同程度、Multi-CoreのスコアはGemini Lake N4100のスコアよりも大きく劣ります。
メモリ 4GBであることも含め、業務使用での体感レスポンスは以下となります。
- Wordや容量の大きくないExcelなら普通に動作しますが、数十MBクラスの算式や他ファイルからのリンクの多いExcel ファイルでは、会社で別途使用している第7世代のCore iシリーズと比較すると、さすがにもっさり。
- 13.3インチのディスプレイサイズとあわせて、Accessや容量大のExcelはやや厳しく、Accessを多用する私ですが、Accessを使用する気分にはならず。
- 業務上、OutlookやIEのタブを多く開いているのですが、その切替がもっさりすることも多くあります。
ディスプレイ、キーボード
手元にある、JumperやChuwiの13.3インチ~14.1インチのPCと比較すると、ディスプレイ・キーボードともに、U938/Tはかなり厳しくなります。具体的には以下のとおり。
- ディスプレイの発色、視野角ともに良好ですが、テキストはにじみがあるように感じられ、シャッキとしない。
- コンパクトなために感じているのだと思いますが、表示領域が13.3インチに満たない感覚もあり。
- キーボードは普通にタイピングできるものの、浅めのキーストロークのためか底打ち感があり、タイプ時の戻りも弱いように思われる。
ディスプレイとキーボードにおいては、以下のJumper / Chuwi製のPCが使い勝手がよいものです。
▼キーボードは普通にタイピングできますが、底打ち感がありキーの戻りも鈍く、快適性では上記の中国メーカー製の安価なノートPCが優位。また、タッチパッドについても、期待値ほどに滑らかではなく、逆の中国メーカー製の安価なPCの評価が高まりました。
外観、機能など
前述のとおり、業務使用のセキュリティシールなどが多数あり、全体の写真を撮れないのですが、サイドの写真に限定し、外観と機能などの概略を記載します。
▲▼下に向けて絞り込まれたデザインはスタイリッシュ。厚み15mm以上の薄さを感じます。
▼後継となるU939/Bの天板はマグネシウム製とあることから、U938/Tもマグネシウム製と思われます。梨目調の塗装も含めアルミ製とは異なる質感があります。
▲▼13.3インチのコンパクトで薄いボディながらも、有線LANとフルサイズのHDMIポートを備えていることは、さすがに国産ノート。USB Type-Cも備え、抜かりはありません。
まとめ
法人向けの富士通 U938/Tの簡易的なレビューでしたが、13.3インチにして約800gの軽さは大きなメリット。横幅も309mmとコンパクトであり、11.6インチクラスと錯覚してしまいそうです。
惜しいのは、ディスプレイににじみが感じられることと、キーボードのタイピング時に底打ち感があること。これにより、個人向けのLIFEBOOK WU2/D2をおすすめできるかと言えば、微妙なところ。私個人としては、中古が大量に出回る頃に中古狙いで十分かと。
個人向けはパネルの製造元やキーボードなどの細かい仕様が異なっている可能性もありますが、今度 店頭で確認してみます。
▼2021年3月15日 追記。メモリ 8GBを増設し、オンボード 4GBとの合計 12GBとしました。
▼2022年7月11日追記。1世代前の製品ですが、Core i6-7300Uを搭載する「LIFEBOOK U937/R」の中古を購入しました。メモリ 12GBに増設、PCIe SSDに換装しました。
▲▼2024年7月のAmazonプライムセール情報、U938/SとU937/Rの実用面の比較も簡易的に記載しています。
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