BMAXの10インチ Android タブレット「MaxPad I10 Pro」の実機レビュー記事です。I10 シリーズとしては、CPUに8コアのUNISOC T618を搭載する「MaxPad I10 Plus」が先行販売されていますが、「I10 Pro」は CPUに4コアのUNISOCT T310を搭載するモデルです。
4コアながらも実機で計測のAnTuTu ベンチスコアは約17万となり、エントリークラスの8コア CPUよりも高スコア。体感レスポンスも 4コアとしてはサクサクと動作します。また、BMAXの製品らしく、アルミ製の背面の質感が高いことも特徴の一つです。
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BMAX I10 Proのスペック
CPUはUNISOC T618より下位のT310、メモリは4GBであるものの、4G LTE対応、金属製ボディであるうえに、このクラスでは珍しく顔認証を装備しています。
CPU | UNISOC T310、4コア |
GPU | PowerVR Rogue GE8300 |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 10.1インチ、IPSパネル、解像度 1920 x 1200、 |
WiFi、Bluetooth | 11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
LTE | FDD-TLE: B1/B3/B5/B7/B8/B20/B34
TD-TLE: B34/B38/B39/B40/B41 |
カメラ | フロント 2百万画素、リア 5百万画素 |
バッテリー容量 | 6000mAh、USB Type-C |
サイズ(本体) | 24.2 x 16.4 x 0.89 cm、530g |
OS | Android 11 |
その他 | 背面はアルミ製、2スピーカー、GPS搭載、顔認証に対応 |
▲スペックと概要については上の記事でも掲載しています。 保護ガラスとタッチレイヤーを一体化した In-Cell displayを採用しており(エントリークラスのタブレットでは未採用の製品も多い)保護ガラス面とディスプレイの隙間が少なく、一般的には薄く軽くなります。
実機のシステム情報
上記のスペックの補足となりますが、実機から抽出(アプリ「デバイス情報」より)のシステム情報を掲載します。
▼OSは Android 11
▼CPU(SoC)は UNISOC T310。他のアプリ「Device Info HW」の情報では、Cortex A75 / A55を搭載し、最大周波数は 2GHz x 1 / 1.82GHz x 3。GPUはPowerVR Rogue GE8300
▼メモリは4GB、ストレージは64GB。既に AnTuTu ベンチやGeekbench 5、Yahooなどのアプリをインストールしていますが、空き容量は 約44GBと十分。
▼バッテリー容量はスペックどおりの 6600mAh
▼10.1インチのディスプレイの解像度は 1920 x 1200、320dpi。リフレッシュレートは 60Hz
▼カメラは リア 5百万画素、フロント 2百万画素と、タブレットでもあり メモ書き代替程度となります。
外観
続いて外観と液晶の表示品質について記載します。BMAX、Teclast、CHUWIなどの新興中国ブランドはアルミ製背面の製品が多いのですが、本製品の背面もアルミ製です。これにより、また、上質な塗装により、質感が極めて高いことも特徴の一つです。
液晶においては、特徴としている In-Cell displayの採用により 保護ガラス面とディスプレイの隙間が少なく、明るさはやや控えめながらも鮮やかなもの。
開封、付属品
▼BMAXのAndorid タブレットのレビューは初めてですが、一般的な10インチタブレットよりも一回り大きな外箱です(20 x 33.8 x 3.5cm)。
▼大きな外箱のため、内部の保護材の厚みも十分以上です。
▼付属品は説明書、コンパクトなAC アダプターと充電用のケーブル、SIM トレイのピン。説明書は日本語も含めて 9ヶ国語構成となり、ポート類の説明、SIM トレイの引き出し方などがメインです。
▼AC アダプターのコンパクトさがわかるよう、マウスを並べて表示。Amazonで販売の製品のため、アダプターは もちろん 日本仕様です。
▼他の製品と同様にフィルムが貼り付けられています。フィルムは小さな気泡が2ヶ所のみと良好です。
▼背面には SIM カードの設置方法を記載した 保護フィルムが貼られています。
▼保護フィルムを剥がす前にカメラ周りを拡大。艶やかな保護フィルムに対して、ざらつきのある背面ですが、保護フィルムを装着したままでの使用もありです。
▲こちらの写真と以降のサイド・背面の写真では色合いが異なっていますが、実機により近いのは以降の写真です。
サイド
▼横持ちでの左サイド。左から充電用のUSB Type-C、SIM / MicroSD スロット、電源調整ボタン、リセットホール、電源ボタン。まさかの場合のリセットホールも備わっています。
▲後述のアルミ製の背面とともに、質感の高いサイドです。
▼SIM スロット(トレイ)の引き出しは硬くもなく 標準的なもの。
▼左サイドを拡大。カメラ周りは それほど気にならない程度の出っ張りがあります。電源ボタンなどの白地のガイドは見やすく適切です。
▲背面とサイドの継ぎ目の粗さもありません。
▼右サイドには何もありません。
▼上側は 左にイヤホンジャックとマイクがあります。
▲中央の樹脂製のツートンの部分も同系色で、良い感じに仕上がっています。
▼下側には左右にスピーカーが配置されています。スピーカー部分を拡大しても、バリなどもなく仕上がりは良好です。
背面
▼アルミ製・グレイの塗装と相まって、かなり上質な背面です。樹脂製の背面の場合、ホールドするとミシミシと音がすることがあるのですが、その現象もなく剛性も高いです。なお、ザラつきのある背面(塗装)となり、油脂や指紋などの付着は全くと言えるほどに目につきません。
▼BMAXの製品の場合、ロゴのサイズが気がかりなのですが(ミニPCではかなり大きい)、本製品ではそれほど目立つことなく、外出先での使用においても違和感はありません。
ディスプレイ、表示品質
ディスプレイの壁紙は、鮮やかさが表現できるよう変更しています。
▼左右上下のベゼル幅は、10インチとしては標準的、あるは僅かに狭いように感じます。
▼発色もよく鮮やかな液晶である一方。明るさはやや控えめ。液晶を明るくして使用することの多い私の場合、他のタブレットやスマホでは 70〜80%の明るさで程よいのですが、本製品では 90〜100%で使用しています。
▼この角度から見ても視野角は良好です。
▼In-Cell displayを採用してことがわかるよう拡大。比較対象となる製品の写真を未掲載のためにわかりにくいですが、保護ガラス面とディスプレイの隙間を認識できないほど。
▼当サイトのトップページを極端な角度から撮影。この角度から見ても色相の変化は大きくありません。
ベンチマークスコア
UNISOC T310を搭載する製品は、以下の8インチタブレットの「Blackview Tab 6」に続き2製品目となりますが、Tab 6と同様に4コア CPUとしては高いスコアです。
▼AnTuTu スコアは 172,718と公表値の15万以上。通常のAnTuTuベンチではなく Lite 版ですが通常版とスコアは近似値です(AnTuTu ベンチ 通常版 vs Lite版、2台のスマホで計測し スコア差を確認。概ね同水準で製品間比較も有効)。
▲▼上記の同じCPUを搭載する「Blackview Tab 6」では GPUの計測がエラーとなり スコアは147,561だったのですが、本製品では GPU+UXで高スコアとなっています。
▼参考情報ですが、8コア CPUのHelio A25(上のリンク先記事の「OUKITEL C21 Pro」)を搭載するスマホのスコア。4コアのT310のスコアはエントリークラスの8コアよりも高く、体感レスポンスも明らかに Helio A25よりも優れています。
▼以下の事例のように、エントリークラスの8コア CPUの「SC9863A」を搭載するタブレットも多いのですが、こちらの製品のAnTuTu スコアは11万前後となり、BMAX I10 Proが高スコア・体感レスポンスも優位です(2つめのリンク先記事のSC9863Aを搭載するタブレットの使用感より)。
▼Geekbench 5のCPUベンチマークのスコアは「シングルコア 358、マルチコア 707」。こちらは同CPUの「Blackview Tab 6」と同水準です。
▼ストレージは通常のeMMCであり、Witre は102.55、Readは 141.96と控えめなスコアです。ただし、上位のUFS 3.1 / 2.1のストレージと比較し、大容量アプリのインストールなどを行わない限りは体感できるものではありません。
▼自宅のWiFi 環境(Nuro 光)の回線速度は 82Mbps。他の端末と比較して電波強度が1段低いことが気になるものの、(Nuro 光としては速くない自宅での)他のスマホ・PCなどと同水準の速度です。
体感レスポンス
ベンチマークスコアの段落で記載のとおり、4コアのCPUながらも ベンチスコアは エントリークラスの8コア CPUよりも高く、体感レスポンスも遅さを感じることなく動作します。
- エントリークラスの8コア CPUでは、スリープから復帰後の起動にもたつきを感じることもありますが、本製品はスリープ復帰直後からキビキビとした動きです。
- 私の主な用途は、Web サイトのブラウジング、SNS / ショッピング / FXの軽めのアプリ、YouTube 他の動画視聴ですが、この範囲ではサクサクと動作します。
- さすがに AnTuTu ベンチスコア 50万超の端末と比較すると、スクロールやアプリの切替などでキビキビ感に欠けます。ただし、上記の利用範囲では、スコア 30万前後の端末と比較しても、大きな相違はありません。
- ストレージは高速な UFS 2.1 / 3.1ではなく、通常のeMMCとなり ベンチスコアも控えめですが、大容量アプリのインストールなど 気になるほどの遅延もなく良好です。
- 気になる事項としては、上記のとおり WiFiの強度が他の端末と比較して 1段低くなることが多いこと。ただし、体感できる遅延などはありません。
LTE接続
サブ回線として利用している ドコモ回線のOCN モバイル ONEのSIMを利用してみました。
▼付属のピンを利用により、SIM トレイを簡単に引き出すことができます。
▼国内の格安SIMのAPNはプリセットされておらず、OCN モバイル ONEの場合にも公式サイトを参照しながら APNを登録しました(他端末でプリセットされている場合にも、何らかの登録変更を行なっています)。
▼電波強度が弱い 千葉市郊外の自宅近辺でも、回線速度は 12Mbpsと他端末で使用した場合と同様の速度が出ています。
▼OCN モバイル ONEは、NTTドコモとの合併により、新規申し込みを停止しています。繋がりやすさとタブレットでも使用できる汎用性では、私の家族が利用中の「ahamo」、あるいは「Y!mobile」がおすすめです。
その他の使用感
スピーカー、カメラなどのその他の使用感については ランダムに記載します。
- 2スピーカーの音質はこの価格帯の製品としては一般的。スマホと同様に、高音重視のシャカシャカした音質です。
- 5百万画素のリアカメラは メモ書き代替程度となるために、撮影した写真は未掲載。オートフォーカスはやや遅めです。
- よい意味で意外なのが顔認証の精度。iPhoneと異なり、Android スマホ・タブレットの顔認証は補助的な端末が多いのですが、本製品では現在のところ立派に機能しており、PINでの認証はほぼ不要なほど。
- 外観の背面の段落でも記載しましたが、アルミ製の背面は剛性が高く、樹脂製の背面でありがちな、ホールド時にミシミシと音を発することもありません。また、油脂や指紋の付着も目につきません。
まとめ
10インチのコスパに優れたタブレットとしては、上位のUNISOC T618を搭載する製品(AnTuTu ベンチスコアは20万ほど)が売れ筋ですが、UNISOC T310を搭載する本製品のコスパ度もかなりのもの。
あらためて製品のポイントを記載すると以下となりますが、AnTuTu ベンチスコアは約17万となり、SNS関連、動画視聴などの普段使いではサクサクと動作するうえに、アルミ製の背面の質感も極めて高い製品です。
- CPUは4コアのUNISOC T310、メモリ 4GB、ストレージ 64GB
- 4コア CPUながらも AnTuTu ベンチスコアは約17万となり、エントリークラスの8コア CPUのスコアを凌駕。
- ベンチスコアと同様に、ライトユースの普段使いではサクサクと動作し、エントリークラスの8コア CPUの端末よりも快適です。
- 10インチ FHDのディスプレイは 明るさは控えめであるものの、鮮やかな液晶で発色も良好。
- アルミ製の背面の質感は高く、ザラつきのあるシックな塗装によるものか、油脂や指紋の付着も気になりません。
- スピーカーの音質は高音重視の一般的なもの。顔認証の精度は想定外に良好です。
- Andorid タブレットの場合、カメラはメモ書き代替と捉えるべきですが、本製品も同様の扱いとなります。
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