今回レビューする製品は、CPUにHelio G99を搭載する 4.3インチのタフネススマホ「Blackview N6000」。AnTuTu ベンチ v10のスコア 約42万となるCPUに加え、物理メモリ 8GB + 8GB、256GB UFS 2.1ストレージ、48百万画素のリアカメラと、コンパクトなタフネススマホとしては豪華な仕様です。
高い基本スペックの恩恵でかなりキビキビと動作し、液晶は4.3インチの縦長ですが 想像以上に明るいもの。
レビューする製品はこちら
Blackview N6000のスペック
Blackview N6000、Helio G99搭載の4.3インチ タフネススマホがリリース。発売セール価格は149.99ドル
スペックと特徴は上の記事にて掲載していますが、あらためてスペックとポイントになる事項を記載します。
CPU | Helio G99、8コア |
メモリ | LPDDR4X 8GB + 8GB 拡張 |
ストレージ | 256GB UFS 2.1 |
ディスプレイ | 4.3インチ、解像度 1200 x 540、明るさ 450nits |
WiFi、Bluetooth | 11 ac/a/b/g/n、Bluetooth 5.2 |
LTE | FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28A/28B/30/66、TDD: B34/38/39/40/41 |
カメラ | フロント 16百万画素、リア 48百万画素 + 16百万画素 |
バッテリー容量 | 3880mAh、18W 急速充電、USB Type-C |
サイズ、重さ | 幅 65.25mm、208g |
OS | Doke OS 3.1 (Android 13 ベース) |
その他 | ボックススピーカー、MIL-STD810H準拠、IP68 / IP69K |
MIL-STD810H、IP68 / IP69Kに準拠するタフネススマホとしては、4.3インチの小型であることも貴重な存在です。加えて、CPUには上位のAndroid タブレットでの搭載事例の多い「Helio G99」を搭載し、メモリ 8GB + 8GB拡張、高速なUFS2.1のストレージ、48百万画素のリアカメラと、基本スペックは充実しています。
実機のシステム情報
続いて、実機から抽出のシステム情報を掲載します。
▼設定の「デバイス情報」より。OSは Android 13をベースに、Blackviewの独自カスタマイズを施した「DokeOS 3.1」。
▼アプリのドロワーより。タフネススマホでもあり、上から2段目の「ツールボックス」がインストールされています。
以降の画面はアプリ「Device Info HW」から抽出したものです。
▼物理メモリは、LPDDR4Xの8GB(下から2行目)、ストレージは、eMMCより高速なUFS(最下段)。後段に記載していますが、ストレージの読み書きは、PCのSATA SSDに近い速度です。
▼CPUはHelio G99(MT6789V)、Cortex-A76 x 2 / Coretex-A55 x 6の8コア。
▼4.3インチ ディスプレイの解像度は1200 x 540、リフレッシュレートは60Hz。数値のみを参照すると低い解像度ですが、4.3インチと小さなディスプレイであり、文字のドットは目視できません。
▼AnTuTu ベンチなどの大容量アプリを数個インストールしていますが、ストレージの残容量は 約222GBと余裕です。
▼バッテリー容量は仕様どおりの3880mAh。稀に仕様と異なる製品があります。
▼搭載するセンサーはこちら。「Device Info HW」では、左のグリーンが機能するセンサーを示していますが(機能しない場合にはレッド)、本製品ではアプリに表示の全てのセンサーが有効です。
メモリ拡張機能の有効化
未使用のストレージから 最大 8GBまで仮想的にメモリとして割り当てる「メモリ拡張機能」を備えています。物理メモリが一時的に不足した場合の、PCで言うスワップ領域的な扱いとなります。
以下の記事に記載していますが、OSやメーカー、端末によって設定方法が異なり、本製品では設定の「デバイス情報」から有効・無効の切り替え、割り当て量の変更を行います。
Android タブレットのメモリ拡張機能、複数パターンの設定項目と設定方法のまとめ
▼設定の「デバイス情報」から「RAM」をタッチします。+7GBとありますが、7GBを拡張メモリとして割当済みであることを示しています。
▼こちらは既にメモリ 拡張機能を有効化している状態です。以下の画面の「メモリ拡張」を有効化し、下のバーをメモリとして割り当てたい容量に変更、その後、端末を再起動すると有効となります。また、無効化、割り当て容量の変更を行う場合も、同項目を変更したうえで再起動を行います。
開封、外観
通常サイズのタフネススマホを、そのまま小型化したようなデザインです。グリーン、オレンジ、ブラックの3色展開のうち、レビューするのはブラックの製品です。
▼コンパクトな本体の割には大きな外箱です。
▼本製品の特徴の一つである「物理メモリ 8GB + 拡張メモリ 8GB」であることが強調されています。
▼本体と付属品はしっかりと保護されています。
▼付属品、本体の一式です。付属品は左から、多言語表記の説明書(うち、日本語は7ページ分)、日本プラグのACアダプター、USB-C to USB-A ケーブル、SIMトレイ引き出し用の樹脂。説明書は、本体のボタン類とSIMの挿入方法がメインです。
▼説明書以外を拡大。ACアダプターはコンパクトな部類ですが、本体はそれ以上にコンパクトです。
▼四隅のバンパーがあるために全面ではありませんが、他製品と同様にビニールで保護されています。
▼PUフィルムが貼り付けられています。右上が少し浮いており、表面のフィルムを剥がすと、該当箇所に多少の気泡があります。
▼初期設定中。気のせいかもしれないものの、白を背景とした場合、周囲のごく僅かな部分に滲みがあるように感じます(一般的には気になるほどではありません)。
▼Amazon 販売ページなどのイメージ画像と同じであるものの、想像よりも縦長の画面です。また、バンパーはディスプレイ対比では厚いです。
▼コンパクトさがわかるよう、マウスと5.7インチのタフネススマホを並べてみました。
▲▼ちなみに、上の写真左側のタフネススマホは、以下の記事にて実機レビューのエントリークラスの「Blackview Oscal S60 Pro」です。Blackviewは、エントリークラスからハイエンドまで、今回のコンパクトな製品と、複数のタフネススマホを販売しています。
▼背面のカメラを拡大。16百万画素と48百万画素の2カメラです。
▼左サイドです。左にSIMトレイ、中央にアプリなどのショートカットを割り当てるファンクションボタンがあります。なお、サイドのグレイの部分は、おそらくアルミ製です。
▼右サイドは、指紋認証兼用の電源ボタン、音量調節ボタンがあります。私は指紋認証を使用していますが、認証の精度は高いです。
▼写真ではフラットに見える背面ですが、中央のカーボン調の部分は一段低くなっています。
▼付属のケーブルの使用ではありませんが、充電している様子。防水用のキャップがあるため、一手間要しますが、ケーブルの抜き差しは行いやすいです。なお、急速充電中には背面に多少の熱を帯びます。
ディスプレイ
仕様に明るさ 450nitsとあり、実機を使用しても かなり明るい液晶です。4.3インチ 解像度 1200 x 540の縦長画面でもあり、後述のとおり ソフトキーボードでの文字入力は多少の誤タイピングを招きますが、小さなソフトキーボードの割には意外と的確にタイピングできます。
解像度の数値のみでは、文字のドットはいかがなものかと思ったものの、4.3インチの小さなディスプレイですので、ドット・粗さが目につくこともありません。
▼この角度で見た視野角も良好です。色合いとしては、ややギラギラ感があるようにも思います(設定により調整可能)。明るさは最大 450nitsと明るく、私としては明るさ調節 6割ぐらいで程よい明るさのイメージです(他のAndroid スマホやタブレットでは、7割ほどにしています)。
▼前述の5.7インチ タフネススマホと本製品にて、Yahooサイトを表示して撮影。小さなディスプレイの本製品ですが、タッチも良好です。
▼当サイトのトップページを表示しての撮影です。この角度からの撮影においても、視野角は良好で、色合いも大きく変化することはありません。
ベンチマークスコア
AnTuTu ベンチマーク v10、Geekbench 6、ストレージのベンチマークスコアを掲載します。いづれも、以下の記事で実機レビューのHelio G99を搭載する Android タブレットよりもやや高いスコアです。
N-One NPad X 実機レビュー、Helio G99搭載でキビキビと動作の10.95インチ Android 13タブレット
▼AnTuTu ベンチマーク v10のスコアは 423,205。v9からv10へと更新となり、AnTuTu 3Dは通常版はインストールできず(CPU、GPUの制約による)、3D Liteでの計測です。v10はv9よりも高めのスコアとなりますが、スコア 40万クラスとなるとキビキビと動作します。
▼Geekbench 6のスコアは「シングルコア 727、マルチコア 2055」
▼UFS 2.1 256GBのストレージは「Write 430MB/s、Read 437MB/s」と高速です。PCでのmSATA SSDあたりの速度です。
体感レスポンス
解像度が低いこともあってか、手元にあるHeilo G99を搭載する11インチタブレットよりも、一層キビキビと動作する感覚です。
- 私はスマホ、タブレットともにゲームなどの負荷を要することを行いませんが、私の普段使い(Web サイトのブラウジング、SNS・ショッピングアプリ、画像編集・記事の編集、FXアプリ)ではキビキビと動作します。
- また、私の普段使いでは、手元にある上位のSnapdragon 860を搭載するスマホと遜色ないレスポンスです。
- ただし、レスポンスとは無関係ですが、4.3インチの画面サイズにより 文字入力を多用する記事編集の長時間の利用では非効率です。
- PCでのSATA SSDに迫る読み書き速度のUFS2.1のストレージは、eMMCと比較して大きく体感できるものではないものの、大容量アプリのインストールなどにおいては効果を感じます。
LTE接続
サブ利用でドコモ回線のOCN モバイル ONEのSIMを挿入し、LTEの回線速度を計測しました。同SIMのAPNは予めプリセットされており、SIMを挿入しを指定後に即認識しました。
▼プリセットされた一部の通信会社のAPN。今回使用した OCN モバイル OneのAPNがプリセットされていますが、私が利用中の旧バージョンのAPNです。
▼千葉市郊外の自宅近辺は電波強度が高くないのですが、サブの普段使いでは十分な速度が出ています。回線の混雑する、平日昼休みの都内渋谷区某所においても 8Mbpsの速度で遅延もなく良好。
▼OCN モバイル ONEは、NTTドコモとの合併により、新規申し込みを停止しています。繋がりやすさとタブレットでも使用できる汎用性では、私の家族が利用中の「ahamo」、あるいは「Y!mobile」がおすすめです。
スピーカー
シングルのボックススピーカーを搭載しています。コンパクトサイズのスマホとしての音量としては標準的。音質はわるくはないのですが、ボディ内で音が反響し、ややこもりがちのように感じます。このため、YouTubeなどの一般動画ではよいものの、音楽向きではないとも思えます。
なお、上の画像のようにスピーカーは背面に配置されており、スマホを机上などに置いた場合には 音のこもりがさらに増します。
カメラ
48百万画素と16百万画素のリアカメラを短期間使用したなかでのコメントです。詳細においては、もう少し使い込んだうえで必要に応じて追記します。
屋外撮影では周辺部が白っぽくなるような感覚もありますが、室内撮影では48百万画素・16百万画素ともに、私の用途となる記事掲載用の写真としては十分に実用的。
以下の写真は48百万画素側で近距離で撮影したものですが(記事掲載用に圧縮しています)、当記事で掲載の他の写真(iPhone 12 Pro Maxで撮影)と比較しても遜色ない映りです。
指紋認証、顔認証
指紋認証と顔認証の双方を登録し、指紋認証をメインに使用していますが、以下のとおり快適に使用できています。
- 指紋認証はほぼ毎回 確実に機能しています。古い他の端末では、ある程度の期間 使用していると、認証の精度が低くなることもありましたが、本製品では高い精度を保持しています。
- 顔認証は実際にはそれほど使用していないのですが、(あるいは、指紋認証と顔認証の双方が補完しあい活用できている)顔の登録がかなり速いことが印象的。
ソフトキーボードの使用感
6インチ超のスマホが主流の昨今では、4.3インチのソフトキーボードでは文字入力を行いづらいことは認識済だと思いますが、参考までに記載します。
当初の想像よりも入力間違いとなるほどではないものの、やはり 一般的なスマホよりも間違いとなる確率は高いです。私は通勤電車内でスマホにて記事の編集を行うことも多いのですが、文字の大量入力では、多少のストレスになります。
まとめ
4.3インチのコンパクトなタフネススマホであり、ご自身の用途を認識したうえでの購入の検討となりますが、Helio G99 / 物理メモリ 8GB / UFS2.1のストレージにより キビキビと動作、液晶も明るく、高い次元でバランスのよいスマホです。
強いて課題らしきものを記載すると、スピーカーが音質が多少こもりがち、貼付済みのフィルムに浮きがあり、左右のスクロールの滑りがわるいように感じます。
コメント