Beelink U59 Pro ミニPC 実機レビュー、Jasper Lake N5105を搭載し ベンチスコアは第5世代 Core i5と同水準、ほぼ無音の静音性 | Win And I net

Beelink U59 Pro ミニPC 実機レビュー、Jasper Lake N5105を搭載し ベンチスコアは第5世代 Core i5と同水準、ほぼ無音の静音性

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国内外通販で販売のミニPCでは「Beelink U59(Celeron N5095を搭載)」が売れ筋の一つですが、今回レビューする製品は Celeron N5105を搭載の「Beelink U59 Pro」。無印のU59との比較では、CPUの変更以外に、天板のデザインやサイドのデザイン、有線LANポートを2つ搭載していることが異なります。

Celeron N5095 vs N5105はベンチマーク・体感レスポンスともに同水準となりますが、Web サイトのブラウジングや WordにExcel 程度なら このクラスで十分。また、前回レビューした「Beelink Mini S」と同様に、本製品も かなりの静音仕様です。

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Beelink U59 Pro、Amazon

Beelink U59 Proのスペック

「Beelink U59 Pro」のスペックは以下となります。Beelinkや他社のミニPCと同様に、2.5インチ SATA SSD / HDDを増設することができます。なお、国内のAmazonと海外通販のAliExpressでは、SSDの容量が異なりますが、以下はAmazonで販売のモデルです。

CPU Intel Jasper Lake (Celeron) N5105、4コア4スレッド、最大  2.9GHz
GPU Intel UHD Graphics
メモリ 8GB or 16GB DDR4
ストレージ M.2 SATA SSD 500GB、2.5インチ HDD / SSDを増設可能
WiFi 11 b/g/n/ac
Bluetooth 4.0
ポート類 USB 3.0 x 4、HDMI x 2、USB Type-C、有線LAN x 2
サイズ 124 x 113 x 42mm
OS Windows 11 Pro

 

上の記事で実機レビューした「Beelink Mini S」、無印版の「Beelink U59」との主な相違は以下です。

  • Mini SとBeelink U59のCPUは、Celeron N5095、U59 Proは Celeron N5105。「Jasper Lake N5095/N5100/N5105の相違・ベンチスコア、同CPU搭載のPC 13選」にて記載しましたが(下表参照)、N5095 / N5100 / N5105にベンチスコア・体感レスポンスは同水準。強いて言えば、TDPの相違により、N5100は よりモバイル向けとなります。
  • Mini Sにメモリの空きスロットはありませんが、U59 Pro / U59はメモリの空きスロットがあり、増設することができます。
  • U59 Pro / U59のUSB Type-C(Mini Sは未装備)はデータ専用、映像出力には未対応です。
  • U59 / Mini Sの有線LAN ポートは1つのみですが、U59 Proは2つ装備しています。

 

▼「以下の製品仕様では USB Type-Cは映像出力に対応、私のコメントではデータ専用。食い違っています」とのコメントをいただきました。あらためて Beelinkさんに確認した情報では映像出力可能、私が複数のモニターで試したところはNGです。映像出力に対応するためには、Thunderbolt 3 or 4、あるいは Altanative モードに対応している必要があるはずですが、現時点 確認できず。確認できたところで追記します。

2022年11月14日追記。あらためて、USB Type-Cでの映像出力を試してみましたが、上記と同様に映像出力できませんでした。ただし、文末のコメントのとおり、U59 ProでUSB Type-Cでの映像出力ができている、とのユーザーさんの報告もあり、私の個体の不具合と思われます。

 

▼Jasper Lake N5095 / N5100 / N5105の比較。インテルサイトから引用していますが、TDPなどの相違から、N5095はデスクトップ向け、N5100 / N5105はモバイル向けとなっています。N5100の場合には ベース周波数が低い一方、N5095とN5105は同じです。

 

▼ボディは樹脂製です。ポート類は、USB 3.0 x 4、HDMI x 2、USB Type-C(データ専用)、有線LAN x 2と、このクラスのミニPCとしては十分。万一 フリーズした場合に備えて、CMOS クリアも備わっています。

 

▼サイズは 124 x 113 x 42mmと、ミニPCとしては一般的なサイズです。

実機のシステム情報

続いて、実機から抽出のシステム情報を掲載します。フリーソフト「HWiNFO」では、メモリとSSDのブランドを確認できることが多いのですが、本製品では情報が得られませんでした。

 

▼Windows 11 Proのシステム情報より。メモリ 8GB、OSはWindows 11 Pro

 

▼CPU-Zから抽出のシステム情報。CPUは4コア4スレッドのJasper Lake N5105、メモリ 8GBは1枚差しであり、シングルチャネルで動作(画像3つめの右側、「Ranks = Single」)。

開封、外観

続いて、開封、付属品、外観について記載します。樹脂製のボディですが、シックなつや消しブルー(ブラックが混ざったようなブルー)の色合い、丁寧な作りの天板のロゴとなり、同社の上位機と同様の質感です。

開封、付属品

 

▼同様なサイズのミニPCでも、ブランドによっては大きな外箱のこともありますが、Beelinkの場合には本製品も含めてコンパクトな外箱です。外箱には「Pro」との明記はなく、サイズは無印のU59と同じことから 外箱は共用と思われます。

 

▼内箱の上側は未掲載ですが、本体と付属品がピッタリ収まっています。

▲左下の説明書は、7ヵ国語構成。うち、日本語は4ページ・接続手順などのシンプルなものですが、メモリとSSDの換装手順が掲載されています。

 

▼説明書以外の付属品一式。左上から、日本仕様(US仕様)のACアダプター、VESA ブラケット取付用のネジ、VESA ブラケット、HDMI ケーブル 2本。

 

▼コンパクトなAC アダプターのサイズがイメージできるよう、マウスを並べて撮影。AC アダプターのOutputは 12V / 3000mAhです。

 

▼Beelink・他社のミニPCと同様に、丁寧に梱包されています。表面に「WARNING」とありますが、「付属のAC アダプターを使いましょう」などの、一般的な注意事項が記載されています。

外観

 

▼多少のザラザラ感のある天板となり、指紋や油脂の付着は少ないです。Beelinkのロゴの部分は、プレート・印字ではなく、文字・縁取りに立体感のあるもので、丁寧な作りこみです。電源オン時には、電源マークの部分が白く点灯します。

 

▼裏側に3つの通風孔がありますが、内部の熱はこちらから排出されます。ファン音は無音に近いものですが、それなりに熱い空気が排出されます。

 

▼説明不要かと思いますが、ポート類は左から、小さな穴は CMOS クリア、USB-A x 2、データ専用(映像出力未対応)のUSB Type-C、イヤホンジャック、電源ボタン。

 

▼こちらも見ての通りですが、中央上は通風孔、左から USB-A x 2、有線LAN x 2、HDMI x 2、電源ポート。HDMI ケーブルは、長短の2つが付属しています。

 

▼左右両サイドは同じですが、空気を取り込む通風孔があります。先ほど「Beelinkのロゴの作りは丁寧」と記載しましたが、こちらの写真でロゴの立体感がわかると思います。

 

▼多少のザラツキのある天板。前述のとおり、指紋や油脂は付着しにくいです。

 

▼底面の手前のゴールドの部分は、VESA ブラケットの取り付け用。内部にアクセス・底板を外す場合、四隅のネジを外して行います。

Beelink 他製品との比較

BeelinkのミニPCは、Atom、Gemini Lake、Jasper Lake、第8世代 Core i5など、複数所有していますが、うち、直近でレビューした「Mini S」「SEi 8」と簡易的に比較してみました。

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▼Jasper Lake N5095を搭載のMini S(右)との比較。Mini Sは「ミニ」のモデル名のとおり、U59 Proよりも一回り小さいです。ただし、小さくした影響か、メモリスロットは1つのみとなり、また、USB Type-Cを未搭載です。

 

▼第8世代のCore i5-8279Uを搭載する SEi 8との比較ですが、SEi 8は僅かに大きい。Mini S、U59 Pro、SEi 8ともに樹脂製のボディですが、天板のデザインが異なります。

 

▼Mini Sを縦に並べて撮影。

ベンチマークスコア

続いて、実機で計測のベンチマークスコアを掲載します。Jasper Lake N5105を搭載する「U59 Pro」ですが、N5095を搭載(無印のU59も同CPU)の「Mini S」より 僅かに低いスコアです。

 

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▲▼Geekbench 5のCPU ベンチマークスコアは「シングルコア 639、マルチコア 1883」と、2015年・2016年に発売のノートPCでの搭載事例の多い Core i5-5200Uと同水準。モバイル向けのCeleronとしては十分なスコアです。なお、中央は N5095を搭載の「Mini S」、その下は Core i5-8279Uを搭載の「SEi 8」のスコアです。

 

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▲▼こちらは インテル 第5世代 Core i5-5300Uを搭載のThinkPad T550のスコア。U59 Proのスコアと概ね同意水準。体感レスポンスは U59 Proが僅かに速い感覚もあります。

 

▼ドラクエベンチマークのスコアはこちら。上のHD画質の1280 x 720は「普通、4533」、下のFHDの1920 x 1080は「やや重い、2518」

 

▼モバイル向けのCeleronのため、CINEBENCH R23は負荷がかかり、ベンチ計測にかなりの時間を要するのですが、参考までに掲載します。

 

▼CrystalDiskMarkにより、M.2 SATA SSDのスコア。SATAとしては一般的です。

 

▼自宅のWiFi環境での回線速度は、他のPCやスマホと同水準。千葉市郊外の自宅は、Nuro 光としては遅いです。

体感レスポンス

冒頭にも記載しましたが、Web サイトのブラウジングやWord、極端にデータ量の多くないExcelやAccessの在宅勤務では、U59 ProのCeleron N5105、Mini Sや無印のU59のCeleron N5095で十分にキビキビと動作します。

  • 私は会社では、N5105より下位の Celeron 3965U(約800gの13.3型軽量ノート、富士通 U938/Tの実機レビュー。11.6型と錯覚するほどの軽さながら、一部に課題も)のPC(会社から社員に配布)で、100MB超のExcel、1GB超のAccessを かなりの遅さを感じながら使用しています。Celeron 3965と比較すると、N5105は快適です。
  • ただし、「快適」と言っても、エントリークラスのCeleonのため、動画編集やゲームには向きません。
  • ライトユースでのレスポンスとしては、上述の第5世代のモバイル向け Core i5と同水準、あるいは僅かに上回る水準。Windows 11を搭載、メモリ・SSDのセットで 2万円台のPCとしては十分です。
  • ライトユースでの使用に限っては、第8世代 モバイル向けのCore i3クラスと比較しても、遜色ないレスポンスです。

ファン音量、CPU温度

特筆すべきは静音性。Beelink Mini Sも同様ですが、ベンチマークで負荷をかけた際にも、ほぼ無音と言えるほどに静かです。Windowsの起動時には、多少ファン音が聞こえることもありますが、少なくともエアコンの音に完全にかき消されます。

 

▼ベンチマーク計測で負荷をかけた際に、iPhone アプリ「騒音測定器」で簡易的に計測の騒音は 平均 32.59dB。iPhoneをお持ちの方は、周囲の騒音と比較してみてください。全く気にならないほどに静かです。

 

▼外気温 35℃、室温 25℃でのベンチマークスコア計測時の CPU 最大温度は 90℃と、やや厳しい値です。また、Mini Sも同様でしたが、良い意味でサーマルスロットリング(CPUに負荷がかかった際に、動作するクロック数を自動的に下げて温度の上昇を抑える)が機能しています。

ただし、本製品は 動画編集・ゲーム向きではなく、これらを目的とした購入層はいないとの前提では、今回のCPU 最大温度も許容範囲です。

また、前述のとおり、ファン音はほとんど感じない(=ファンの回転数が低い)のですが、ボディは全般的にそれなりの熱(温もりと熱いの中間程度)を帯びています。

まとめ

先日レビューした「Beelink Mini S」と同様に、静音性が大きな特徴となる「Beelink U59 Pro」。ベンチマークスコア・体感レスポンスとしては、Celeron(Jasper Lake) N5105を搭載のU59 Pro、N5095を搭載のU59 / Mini Sと同程度で、在宅勤務でのWordやExcelなら、十分にサクサクと動作します。

なお、Mini Sはメモリスロットが一つのみとなるため、メモリ増設・デュアルチャネルでの動作となると、U59 Pro / U59の選択肢となります。

 

▼8月17日時点のメモリ 8GB、SSD 500GB版のAmazon 価格は 29,580円、メモリ 8GB、SSD 256GB版は 25,440円。

 

▼以下の画像はU59ですが、天板のBeelinkのロゴ周りは U59 Proと異なります。

 

▲▼U59とU59 Proにレスポンスと機能に大きな差はないため、二択で迷っている場合には 価格が決め手です。

Beelink U59 ミニ PC、 Windows 11 Pro、Jasper Lake N5095、8GB メモリ、 256GB SSD
Beelink

 

▼引用した「Beelink Mini S」のレビュー記事はこちら。

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