Beelink SEi 8 ミニPCの実機レビュー、Core i5- 8279Uを搭載しサクサク動作、大手ブランド RAM・SSDの安心感、特筆すべき静音性 | Win And I net

Beelink SEi 8 ミニPCの実機レビュー、Core i5- 8279Uを搭載しサクサク動作、大手ブランド RAM・SSDの安心感、特筆すべき静音性

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Amazonや楽天市場などの国内通販においても販売している、ミニPCやTV Boxの老舗的なブランド「Beelink」。エントリークラスからハイエンドまで、多くのミニPCを揃えていますが、今回はCPUに インテル 第8世代のCore i5- 8279Uを搭載のハイエンド寄りの「Beelink SEi 8」の実機レビューです。

レビューする製品はこちら AmazonのモデルのSSD 500GB、レビュー機は 512GBと 容量が異なります。

Beelink SEi 8、RAM 16GB / SSD 500GB、Amazon 

Beelink SEi 8のスペック

CPUには インテル 第8世代・モバイル向けのCore i5- 8279Uを搭載し、上の画像では第10世代のCore i3-1005G1よりもベンチマークスコアは上位としています。

下表のスペックは、今回レビューするモデルのものです。メモリ / SSD 容量の異なるモデルもあります。

CPU Intel Core i5-8279U、4コア8スレッド
GPU Intel Iris Plus Graphics 655
メモリ 16GB
ストレージ 512GB M.2 PCIe SSD、2.5インチ HDD / SSDを増設可能
WiFi WIFI 6
Bluetooth 5.0
ポート類 USB 3.0 x 3、USB Type-C(データ専用)、HDMI x 2、有線LAN
サイズ 12.4 x 11.3 x 4.1 cm、345.5g
OS Windows 11 Pro

 

▼実機を確認したところ、ボディは樹脂製です。画像ではわかりませんが、底板の裏に 2.5インチ HDD あるいはSSDを増設することができます。

私は BeelinkのミニPCを他に3製品 所有していますが、内部の作りがしっかりしていることは、Beelinkの製品に共通する特徴の一つです。本製品の場合にも、以下の画像のとおり銅製のヒートシンクを備えており、冷却への気遣いが感じられます。

 

▼ヒートシンク、CPUファンの構成はこちら。Amazonの製品タイトルには「ほぼ無音」との記載があります。詳細は後段に記載しますが、ベンチマークで負荷をかけた際にも、CPU温度・ファン音量とも抑えられており、「ほぼ無音」の表現は適切です。

 

▼前面のUSB Type-C ポートはデータ専用、映像出力はHDMI x 2。最近のPCでは使用することも少なくなりましたが、まさかのフリーズの場合に利用する「CMOS クリア」も備わっています。

 

実機のシステム情報

続いて、実機から抽出のシステム情報を記載します。Windowsでのシステム情報の確認は、以下のフリーソフト「HWiNFO」が便利です。メモリやSSDの製造元の確認のほか、CPUの温度も計測することができます。

HWiNFOの使い方、Windows PCのデバイス詳細情報やCPU温度など、導入必須のフリーソフト。投稿数 約4万件のフォーラムも充実
Windows PCのレビューを行うことの多い私ですが、その際に必ずインストールしているフリーソフトが「HWiNFO」です。システム情報はもとより、メモリやストレージの製造元やCPUの温度も参照・動態管理可能な優れもの。これが無料で使えると...

 

▼Windowsの設定から抽出のシステム情報。CPUはCore i5-8279U、メモリ 16GB。OSは Windows 11 Pro、バージョン 21H2

 

▼フリーソフトの「HWiNFO」から抽出の情報ですが、Beelinkのこだわりとして、メモリは大手ブランド「Crucial」の製品を採用しています。

▲▼デュアルチャネルと思いきや、16GBの1枚でした。

▲▼メモリの型番はCT16G4SFS832Aとあり、260Pin DDR4-SDRAM  PC4-25600 (DDR4-3200)、 32GBの場合には 17,000円前後の製品です。中国ブランドの製品に限らず、コストカットのため、メモリやストレージに安価な製品(=程度のよくない製品ではありません)を搭載することが多いのですが、本製品の場合には、メモリ・ストレージでコストカットしていないことも、全体のコスパ度で考慮すべきです。

 

▼PCIe SSDは以下のモデルを搭載しています。メモリ・SSDともに廉価な製品ではなく、立派な製品を搭載しています。

 

▼こちらはGeekbench 5のシステム情報。CPUは 4コア8スレッド Coffee LakeのCore i5-8279U

開封、付属品

開封、付属品について記載します。製品の外観は後段を参照。

 

▼写真では大きく見えますが、コンパクトな外箱です。Beelinkの同水準のミニPCとしては、SEiシリーズとSERシリーズがあります。今 気がついたのですが、「i」はintel、「R」はAMD Ryzenの頭文字です。

 

▼MINISFORUMやCHUWIなどの他社のミニPCと比較すると、内箱、クッションともにシンプルです。

 

▼付属品は、ACアダプター、HDMI ケーブル 2本、VESA マウント、2.5インチ HDD / SSD 取付用とVESA マウントのネジ。HDD / SSD ケーブルは本体内部に取付済みです。

 

▼サイズ比較用としてマウスを並べていますが、やや大きめなACアダプター。プラグは日本仕様です。

 

▼説明書は日本語を含め 7ヶ国語表記。うち、日本語表記は4ページ分となり、ポート類の配置や使用上の注意が記載された シンプルな構成です。

 

▼スマホ、タブレットなどと同様に、簡易的な保護材で覆われています。

外観

続いて外観について記載します。インテル 第8世代のCore i5を搭載する、ミニPCとしてはハイエンドな製品のため、スチール製のボディを予想していたのですが、樹脂製でした。樹脂製でコンパクトなため、345.5gと軽量です。

 

▼天板はCDライクな極小の溝が多く彫り込まれたもの。このため、指紋や油脂が目立ちません。他社のミニPCでは、天板に大きなロゴがある製品もありますが、本製品のロゴは小さく好感が持てます。

 

▼前面は左から、CMOS クリア、USB 3.0 x 2、データ専用のUSB Type-C、イヤホンジャック、電源ボタン。

 

▼右サイドは通風孔のみ。金属調塗装の樹脂製です。

 

▼背面は左から、有線LAN、USB 3.0 x 2、HDMI x 2。HDMIは 4K対応です。上に3カ所ある縦のスリットは、ファヒートシンクとなり、こちらからCPUファンを通じて熱が排出されます。

 

▼左サイドも通風孔のみ。

 

▼底面より。後段に内部を記載していますが、四隅のプラスネジを外すと内部にアクセスできます。

 

▼やや上方から全体像。前面のポート部分のプレートはピアノブラック調塗装のため、デスクの模様が映り込んでいます。本体の紋様、汚れではありません。

▲他社のミニPCの場合、ピアノブラック調の塗装が多いのですが、なかなかに美しい天板です。

 

▼電源オン時には、電源ボタンの電源マークが白く点灯します。

内部の構成、SSDの増設

底板を外し、メモリやPCIe SSDなどの内部の構成を確認、2.5インチ SATA SSDを増設してみました。2.5インチのSSDの取付は簡単、取付の枠はアルミ製で、PCIe SSDの冷却への対応も兼ねています。

 

▼底面の四隅にある4本の、プラスネジを外します。

 

▼外しにくいツメもなく、以下のように やや太めの底板が外れます。底板には 2.5インチ HDD / SSD取付用のホルダーがあり、ケーブルが基盤とつながっているため、勢いよく底板を外さないよう注意が必要です。

 

▼全体像ですが、左のHDDと記載のあるものが アルミ製の枠。画像の右側に Crucialの16GB メモリ(空きスロットあり)、左にPCIe SSDがあります。

 

▼左上のように、マザーボードと底板裏が SATAケーブルでつながっており、底板を勢いよく取り外さないよう、注意が必要。マザーボードの裏側(天板側)に CPUとCPUファン、ヒートシンクがあります(マザーボードを取り外すと、嵌め込みが難しいこともあるので、今回は取り外さず)。

▲前述のとおり、Crucialのメモリを搭載。本製品も含めた Beelinkの上位のミニPCでは、大手ブランドのCrucial製のメモリを搭載していることを、製品紹介で記載していることが多いです。

 

▲▼発熱の大きいPCIe SSDの場合、SSDの上にヒートシンクを被せることが多いのですが、本製品は熱伝導のシリコン。不思議に思っていると、下の画像のアルミ板を通じて冷やすしくみです。簡易的な、安価なヒートシンクよりも、こちらが効率的。

 

▼こちらは、増設したSSD / HDDに被せるアルミ枠。

 

▲▼上の画像は Beelinkの上位のミニPC「GTR5」ですが、左下に「Shielding can」とあり、内部の温度を6℃下げる効果があると記載されています。本製品も同 Shielding canが搭載(上記のアルミ枠)されており、温度の低減効果は大きいようです。後述していますが、ベンチマークで負荷をかけた際にも、CPU温度の上昇とCPUファンの回転は抑えられています。

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▼SATA 2.5インチ の接続ポートを拡大。

 

▼アルミ枠を取り付ける前ですが、SSDの取付完了。

 

▼もちろん、Windows 11の「ディスクの管理」で しっかり認識しています。

ベンチマークスコア

Geekbench 5、CINEBENCH R23、ドラクエベンチマーク、CrystalDiskMarkのベンチマークスコアを掲載します。全般的に、Core i5-8279Uの場合には掲載のスコアよりも、ややよいスコアとなるように思いますが、発熱への対応などから、BIOSで制限している可能性もあります(後日に確認します)。

Geekbench 5、CPU ベンチマーク

上から順に、Core i5-8279Uを搭載の本製品「Beelink SEi 8」、 Core i5-8259Uを搭載の「MINISFORUM U820」、Core i3-1005G1を搭載の「MINISFORUM X35G」。体感レスポンスには影響しない程度ですが、Core i5-8279Uのシングルコアのスコアはもう少し高いと思いきや、他の2つよりも低い結果に。

 

 

▼比較対象とした、「MINISFORUM U820」と「MINISFORUM X35G」のレビュー記事・ベンチマークスコアの詳細は以下の記事を参照。

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CINEBENCH R23

 

▼CINEBENCH R23のスコアは、シングルコア 956、マルチコア 3570。ランキングではデスクトップ向けのハインエンドがひしめいているため、モバイル向けのCore i5-8279Uで下位となっているのはやむを得ず。ただし、シングルコアのスコアは、この価格帯のPCとしては いい位置につけています。

 

▼比較対象の、Core i5-8259Uを搭載の「MINISFORUM U820」のスコアはこちら。Beelink SEi 8より ややよいスコアです。

 

▼解像度 1280 x 720でのドラクエベンチマークのスコアは「すごく快適、11055」。その下は比較対象の、 Core i5-8259Uを搭載の「MINISFORUM U820」、Core i3-1005G1を搭載の「MINISFORUM X35G」。

CrystalDiskMark

続いて、CrystalDiskMarkによる PCIe SSDのスコアです。Amazonの製品紹介では、最大 1900 MB/Sとありますが、実機では Read / Writeともに控えめなスコアです。

スコアは控えめながらも、スコアが倍ほどのSSDと大きく体感できるものでもなく、Windowsの起動や終了、大容量アプリのインストールなど、SATA SSDよりも速いことを実感できます(大きな差ではありません)。

ファンの音量、発熱

上の画像では「静かな大型ファン」、「ヒートパイプとヒートシンクを搭載」していることがアピールされており、また Amazonの製品タイトルでは「ほぼ無音」と記載されています。この表現は誇張ではなく、以下のとおり ファン音量も抑えられ、冷却対応も適切です。

  • 記事の編集・ブラウザなどの通常利用では、時おり ごく小さく低い音量でファン音が聞こえる程度で、「ほぼ無音」との表現は適切。
  • ごく稀に、数十秒間 一段大きなファン音量となることもあり。ただし、やかましさは感じず。
  • ベンチマークで負荷をかけた際にも、CPUファンの回転・音量は極端に大きくならず、やかましく感じることはありません。通常利用時も含めて、同クラスのミニPCよりもファン音量が小さいことは確実。
  • 全般的に、ファン音量は 同クラスのCPUを搭載する ノートPCよりも静かです。
  • 以下の画像のとおり、CPU温度も許容範囲内となり、ボディは僅かな温もりを感じる程度。

 

▼ベンチマークで負荷をかけた際のCPU 温度は、最大73℃とよく冷えています。ただし、サーマルスロットリングが発動していたようであり(赤文字の「はい」の箇所)、追跡調査が必要。

体感レスポンス

上のベンチマークスコアの比較対象として掲載のとおり、私は同水準のCPUを搭載するミニPCを複数所有しています。スペック的にも これらと同水準の体感レスポンスとなりますが、具体的には以下です。

  • PCIe SSDを搭載(ベンチスコアは控えめ)していますので、Windowsやアプリの起動・終了ともに快速。大容量アプリのインストールも、時間をかけずに完了します。
  • 最近、Macをメインに利用していたのですが、久々に Windowsの本製品(Core i5-8259U、Windows PC)を使用してみると、macOS / M1 MacBook Airとは趣きの異なる キビキビした動きを感じ、ライトユースでは M1 Macとのレスポンスの相違はわからず。
  • 感覚的なものですが、Macは iPhone ライクなアニメーション効果も加味した速さ、本製品では ブラウザのタブの切替などが、アニメーション効果なしに瞬時に切り替わるような感覚。
  • 私が多用する記事の編集や画像編集、Excel / Access/ Outlookを複数起動しての在宅勤務では、本製品の水準で十分です。
  • また、前述のとおり、CPUファンの音量が抑えられていることもあり、ベンチスコア・同クラスのミニPC以上の快適さを感じ、作業に集中することができます。

 

▼レビュー機はメモリ 16GBを搭載しているため、Google Chromeのタブを20個程度開いても、メモリ残量は余裕です。

まとめ

CPUに 4コア8スレッドのCore i5-8279Uを搭載するミニPC「Beelink SEi 8」の実機レビューでした。12.4 x 11.3 x 4.1 cm、345.5gのコンパクト・軽量ボディとなり、同クラスのスペックとなるミニPCは複数ありますが、特筆すべきは、その静音性。私が所有うる同クラスのミニPCよりも、静音性に優れており、高スペックと相まって、在宅勤務などの作業は快適です。

また、Crucial製のメモリ、インテルのPCIe SSDなど、大手ブランドのパーツを使用していることも、安心感につながります。

 

▼Amazonの製品情報はこちら。また、同ページでは、CPUに AMD Ryzen 7 3750Hを搭載する「SER 3」も販売されています。

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