ミニPCにもエントリークラスからハイエンドまで多数の製品がありますが、今回はApollo Lakeとしては最安の部類となる149.99ドル(約16,000円、Banggoodにて)の「AK3V」の実機レビューです。この価格にして、もちろん Windows 10 Homeをプレインストール済であり、CPUはApollo Lake J3455 (N3450相当)、メモリ 6GB、eMMC 64GB (2.5インチ HDD / SSD、mSATA SSDの増設・換装可能)と、普段使いでは普通にキビキビと動作します。
なお、当製品はBanggoodさんより、レビュー用にサンプル提供いただいたものであり、価格は流動的です。
▼レビューする製品はこちら
AK3Vのスペック
実機レビューの前にスペックの確認です。
- CPU : Intel Celeron J3455 (Apollo Lake N3450相当)
- メモリ : 6GB DDR3
- ストレージ : 64GB eMMC、2.5インチ HDD / SSD、mSATA SSDを増設・換装可能
- WiFi : 11b/n/g/a/ac
- Bluetooth 4.2
- ポート類 : USB 3.0 x 2、USB 2.0 x 2、HDMI x 2、VGA、有線LAN
- サイズ : 13.00 x 13.00 x 5.0 cm、800g
- OS : Windows 10 Home
約16,000円と安価ながらも、ライトユースならサクサクと動作するApollo Lake J3455にメモリ 6GB。ストレージはeMMC 64GBであるものの、2.5インチのSSDやmSATA SSDを増設、起動ドライブをSSD化できます。mSATAを増設できることについては、Banggoodの製品仕様には記載がないのですが、分解したうえで確認しています。また、他のミニPCと同様に、USB x 4、HDMI x 2にVGAと、ポート類は豊富。
▼今回レビューするAK3Vは、以下のACEPC AK1のマイナーチェンジ版。
外観
外観においては、プラスチック製ながらもグレーのシックな色合いに、ゴールドの銅製ヒートシンクを模した(プラスチック製)ものを組み合わせ、安価な製品には見えません。
▼以前にレビューしたACEPC AK1と同デザインのパッケージ。同じ製造元であることが、ますます明確に。
▼内箱の保護材も十分。
▼付属品は本体とACアダプターにHDMIコード、写真は割愛しましたが、テレビやモニターの背面に取り付けるブラケットも付属しています。
▼写真では表現しきれていないのですが、つや消しのグレーの色合いが良い感じ。通常、通販サイトのイメージ画像よりも実機の質感は劣ることが多いのですが、本機の場合は逆に実機がよりかっこよく仕上がっています。
▲▼ぱっと見で勘違いすることも多いと思いますが、銅製のヒートシンクのように見える物体はプラスチック製。よくもわるくも、よいアクセントになっています。
▲▼ USB 3.0 x 2、USB 2.0 x 2、カードスロット、HDMI x 2、VGA、有線LANと豊富なポート類。
▲通販サイトの製品イメージではVGAポートの存在がわからないのですが、上の写真のとおりVGA出力もできます。
▲▼中央下の白いバーは、電源オン時に青く光るしくみ。
▼机のゴミが目立ちますが、この角度からの眺めが最もミニPCらしい。
▼裏側の四隅のゴム足裏にネジがあり、このネジを外すと内部にアクセスできます。
内部の構成
2.5インチ HDD /SSDとmSATAポートの確認のため、分解し内部の構成を確認しました。
▼サイドの拡大写真ですが、上にあるプラスネジを外すと上蓋を開けることができ、2.5インチポートにアクセスできます。
▲▼HDDを仮置きしてみました。取付部分に不具合などはなく、しっかりと固定することができます。ただし、多くのミニPCと同様にスペース的な余裕はなく、上蓋はプラスチック製のスリットなしのため、熱のこもりが心配かも。
▼裏側四隅のゴム足裏にある4個のネジを外すと、マザーボードの背面を確認できます。
▼さらに、マザーボードを固定しているネジを4本外すとマザーボードの表面を確認できます。中央左上にmSATAポートがありますね。また、ミニPCで内蔵電池(黄色のパーツ)を備えているのは珍しい。
▲▼mSATA SSDは240GBで4,000円弱。本体と合わせて約19,000で立派なPCの出来上がりです。
▲AK3Vで唯一の課題となるのがCPUファン。同一製造元のAK1も同様ですが、この小さなCPUファンの音量が大きく、回転している時間が長いためにPCを離して設置したほうが無難。AK1では以下の記事のとおり、ファンレス化しています。
▼mSATAポート部分を拡大。また、上中央にSATAポートがありますが、先述の2.5インチポートに繋がっています。
ベンチマークスコア
CrystalDiskMark、Geekbench 4、ドラクエベンチマークのみですが、ベンチマークを計測しました。
▼eMMCはSamsung製。
▲▼CrystalDiskMarkのスコア(上)は、同じくeMMCのACEPC AK1(左下)、Chuwi Hi10 Pro(右下)と比較すると良好。
▼Geekbench 4のスコア(上)はApollo Lake N3450(下)よりもやや優位。
▼ドラクエベンチマークのスコアは「2583、やや重い」。Apollo Lakeとしては良好な部類となり、また、下の画像のGemini Lake N4100を搭載のBeelink Gemini X45よりもよい結果に。概ね Apollo Lake J3455 / N3450クラスはGemini Lake N4100よりも良いスコアとなります(体感的には同じですが)。
▼CPUファンのやかましさはありますが、発熱量の少ないApollo Lakeでもあり、通常使用(負荷をかけていない場合)のCPU温度は50度台と良好。
使用感
8時間ほど通常使用(Webサイト閲覧、サイト記事編集、画像編集、YouTube / Hulu視聴のライトユース)した範囲ですが、AK3Vの使用感は以下となります。
CPUファンの音量が大きく、かつ ほぼ常時回転するためにやかましいのですが、ライトユースでは十分に活用することができます。
- 上記の使用範囲ではサクサクと動作し、約5,000円ほど高いGemini Lakeを搭載するミニPCと比較しても、レスポンスの相違は感じません。
- Core i3-5005Uを搭載する28,000円前後のミニPCと比較しても、Webサイトの閲覧では画像を多用するWebサイトの閲覧や、タブの切替などで僅かに目視できる遅延がある程度。
- 64GBのeMMCも通常使用ではSSDと体感差があるものではなく、例えば大量の画像ファイルのエクスプローラーの並び替えなどで、やや遅延を感じる程度。
- やはり最大の懸念はCPUファンの音量。AK1 / AK3Vを製造のミニPCは、ヒートシンクやCPUファンでコストカットしているようであり、ファンレス化、あるいは より大きなファンに付け替える手段もありです。
▼以下のファンが取付可能か否かは未確認ですが、CPUファンの音量対策として、より大きな、低回転数のファンを取り付ける手段もあります。
AK3Vの価格
CPUファンの音量の課題はあるものの、Windows 10 プレインストール、ライトユースならサクサク動作のミニPCが149.99ドル(約16,000円)で購入できることは大きな魅力。
メモリ 6GB搭載で、他のミニPCと同様に2.5インチ HDD / SSDとmSATA SSDを増設可能、OSクローンにより起動ドライブのSSD化できることもメリット。2.5インチ SSD / mSATA SSDともにAmazonで約 4,000円で購入可能なため、約 2万円でストレージ容量 約300GBのPCの出来上がりです。
▼2019年7月20日時点のBanggoodでの価格は149.99ドル(約16,000円)
▼2020年8月22日時点では、上記の64GB eMMC版は169.99ドルとなっていますが、以下の128GB SSD版は149.99ドルで販売。価格が逆転しています。
▼Amazonでの類似品はこちら。メモリ 8GB、SSD 128GBを搭載し、クーポン利用により 13,800円で販売されています(2021年10月14日時点)
▼同時に取り付けたい、2.5インチ SSDの事例
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