デカコア MT6797 (X27)、メモリ 4GB、ストレージ 64GBにLTE対応、前面・背面ともに1300万画素のカメラを搭載するTeclast T20。前回の外観レビューに続き、実際の使用感などをお伝えします。Teclastのフラッグシップ機としてのT20、その外観はTeclastの他の端末以上に意気込みを感じられるものでしたが、その使用感はいに。
※今回のレビューは、GearBestさんよりサンプル提供いただいた端末に基づくものです。
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スペックとシステム情報
スペックについては、同じくTeclastの10.1インチタブレット「M20」と「A10S」、コスパが高く人気のAmazon Fire HD 10と比較しています。
Teclast T20のスペック上の特徴は以下。
- デカコア MT6797X(X27)を搭載し、AnTuTuベンチマーク v7.1.0のスコアは10万越え。
- メモリ 4GB・ストレージ 64GB(Sandisk製)と、さすがにエントリー機のTeclast A10S、Amazon Fire HD 10の倍の搭載量。
- GPUのARM Mali T880はGalaxy S7シリーズに採用されていますが、「スマホ向けプロセッサの最大手ARMの最新グラフィックス技術」によると、「PS3の2倍以上のグラフィックス性能がある」とのこと。
- カメラは前面・背面ともに1300万画素と、タブレットとしては高画素。
- もちろん、GPS・指紋センサーを搭載。背面はアルミ製。
- バッテリーはTeclastの他の10インチタブレットより多めの8100mAh(Android アプリ「Device Info HW」での容量は7727mAh)。
▼こちらの紹介記事も参照
以降はCPU-ZあるいはDevice Info HWから抽出したシステム情報です。
Screen Sizeが9.43インチと表示のおかしい箇所もありますので参考程度の情報です。なお、カメラはSamsung製のようです(最後の画像を参照)。
▲▼これまで、システム情報は「CPU-Z」で抽出していたのですが、カメラやeMMCの製造元も抽出できる「Device Info HW」がよりよい感じ。
ベンチマーク
AnTuTuベンチマーク、Geekbench 4のベンチマークスコアです。
▼AnTuTuベンチマーク v7.1.0のスコアは117061
私の感覚・他端末の状況では、スコア5万前後からWebサイト閲覧やゲームなど負荷の大きいアプリ以外の普段使いなら遅いと感じることなく動作し、8万越えではサクサク、10万越えではかなりキビキビと動作します。
▲▼Geekbench 4のスコアは、Single-Coreが1671、Multi-Coreが4725。概ね、Galaxy S7ほどの実力といったところか。Teclast T20のGPUであるARM Mali T880は、Galaxy S7シリーズに搭載のものですので、CPU・マルチメディアともにGalaxy S7相当と言えそうです。
▼自宅のWi-Fi環境(Nuro 光)での回線速度は95Mbps。時間帯などにより変動しますが、概ね自宅のパソコン・他のタブレットやスマホと同程度。スリープから復帰後のWi-FIの掴みも速く速度も問題なし。
使用感
続いて、実際の体感レスポンス、ディスプレイ、カメラなどの使用感です。全般的には、私が操作したことのある中国メーカーのタブレット・スマホの多くと同様、体感レスポンスは軽快である一方、室内でのカメラ撮影の範囲ではシャッターから撮影までのタイムラグがあります。
また、これは好みによりますが、ディスプレイの色調がみ青が強く、暖色系が好きな方は少なからず違和感を感じるように思います。
体感レスポンス
ゲームなどの負荷のかかる操作は行わず、Webサイト閲覧・動画視聴、その他軽めのアプリでの体感レスポンスは以下です。
全般的には、上記の利用範囲では遅いと感じることは全くなく、キビキビと動作します。
- 所有するiPad 2017がヌルヌルと動作するのに対し、T20は機敏にサクサクと動作します。
- Androidはアニメーション効果の見せ方が上手くないことも影響していますが、アイコンをタッチするとスパッと画面が遷移するイメージ。
- ただし、手元にあるTeclast M89(8インチ、 MTK8176 6コア)、Alldocube X1(8.4インチ、MT6797 X20 10コア)と比較すると、T20のディスプレイサイズによるものか、画面遷移などが僅かに遅れる、ひっかかりがあるような感覚あり。
- 自宅でのWi-Fi環境による影響も大きいのですが、200MBクラスのアプリのダウンロード・インストールもサクサクと進みます。
▼体感レスポンスの比較対象機はこちら
ディスプレイ
シャープ製のディスプレイとのことですが、発色で言えば青みが強く、使用者の好みにより評価が分かれるかと思われます。私としては、ある程度 黄色によせた暖色系の発色が好みのため、画面を見るたびにやや違和感を感じます。
- 手元にあるTeclastの端末(M89、P80 Pro)はやや淡めの発色なのですが、それとは異なり青みの強い発色。
- 設定項目にあるMiraVisionなどで、ある程度の調整は可能ですが、調整後も青みが強い状態。
- 明るさは十分であり、高解像度であるために文字を拡大してもギザギザ感を感じません。
- 個体差かもしれませんが、タッチへの反応が敏感すぎるような感覚もあります。画面に触れたか、触れていないような微妙なところで画面が動くことも。
カメラ
国内製品・海外製品ともに、実際に使用してみないと評価できないのがカメラの性能。私が操作した端末の事例では、画素数・F値などのスペックがよくても、オートフォーカスが遅い・シャッターをタッチしてから撮影までタイムラグがある、明るさが足らないなどがあります。
T20はフロント・リアともに1300万画素のカメラを搭載していますが、私が‘普段 スマホで使用するように室内撮りで使用した範囲でのコメントは以下です。
なお、記事に掲載するほどの撮影ができていないため、画像は割愛しています。
- オートフォーカスは、iPhone/iPad、Xiaomiの端末と比較すると劣るものの、私が操作したことのある、他の中国メーカー製のハイエンド寄りのタブレット「 Teclast M89」「 Alldocube X1」と同程度となり、速い部類。
- ただし、室内の撮影ではシャッターをタッチしてから撮影まで2・3秒ほどかかります。
- 画質はわるくはないのですが、やや暗め。
全般的には、 iPhone/iPad、 Xiaomiの端末と比べると酷なのですが、シャッターから撮影までの待たされ感があるうえにやや暗いため、室内での撮影はメモ替わりの使い方になろうかと思います。なお、屋外の撮影は(天候の関係で)試していないため、必要に応じ後日追記します。
指紋認証、バッテリー消費
指紋認証においては、手持ちの他の端末と比較した場合、特別に速くもなく遅くもなく並の速さで認識し、利用に問題はありません。
ただし、指紋センサーにジェスチャー機能が割り当てされているように思われ、指紋登録を行っていない状態でも、センサーをタッチするたびにホームに戻る・アプリ一覧表示などのコマンドが効いています。このジェスチャー機能が敏感なため解除したいのですが、現在のところ解除の設定が見つからず、ペンディングの状態です。
使用中のバッテリー消費は、しっかりと計測したものではありませんが、他のMedia TekのSoCを搭載するスマホ・タブレットと同様に、Snapdragonの普及帯のSoCと比べるとバッテリー消費が早い感覚。ただし、8100mAhと大容量のバッテリーを搭載しているため、「目に見えてバッテリーを消費している」ような感覚はありません。
なお、スリープ時のバッテリー消費においては、以下のiBatteryなどのアプリを導入することにより劇的にバッテリー消費が抑制されるため、端末単体としては無評価となります。
まとめ
先日の外観の記事「MT6797 (X27)搭載 Teclast T20 実機の外観レビュー、外箱に「匠心」の記載も納得の質感」も含めて、ポイントを整理すると以下となります。全般的に、外観の質感もよくレスポンスもサクサクなのですが、個人の好みとなるものの、ディスプレイの青みがかった色調でなければさらによかったのでは、との想いもあります。
- 外観においては、ベゼル幅はやや太めながらもアルミ製の背面の質感の高さ、重量は軽めながらも重厚感のある見せ方など、iPadと比較しても遜色ない質感。
- 体感レスポンスはサクサクながらも、ディスプレイの大きさの影響か、8インチクラスの同スペックのタブレットと比較すると画面遷移などにやや引っかかりを感じる局面もあり。
- ディスプレイの色調は青みが強く、この評価は分かれるかも。私としてはより暖色によせたほうがよかったのでは、との認識。ただし、Eye Comfort モード、MiraVisionの活用で青みの軽減可能。
- カメラのオートフォーカスの速度はよいのですが、室内撮りの場合(屋外は試さず)、シャッターを押してからの撮影までのタイムラグあり。
▼外観においては、以下の記事を参照ください。
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