縦横 約11cm、厚み 約1.8cmの極小にして、約120ドル(13,000円)のWindows 10ミニPC 「Beelink T4」。CPUにAtom Z8500、メモリ 4GBを搭載する、エントリーククラスのミニPCですが、ファンレスであることも大きな特徴。このBeelink T4をGearBestさんより提供いただきましたので、使用感などを記載します。
全般的には、ファンレスであることに加え、コイル鳴きなどもなく完全に無音となり、体感レスポンスとしては、同じくエントリークラスのApollo Lake N3350を搭載するPCよりも、画像表示などにおいては速いような感覚です。また、上の画像は iPhone XS Maxを並べて撮影したものですが、本体のコンパクトさは想像以上です。
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スペック
Beelink T4のスペックは、CPUにAtom Z8500、メモリ 4GB、eMMC 64GBとエントリークラスの構成。スペックよりも、安価で極小、かつファンレスであることが特徴。ただし、エントリー機で多いAtom Z8350よりも優位なZ8500であることは、さりげないアピールポイントです。
- CPU: Intel Atom X5-Z8500、4コア
- GPU: Intel HD Graphics 600
- メモリ : 4GB、DDR3
- ストレージ : 64GB eMMC、SSDの増設できず
- WIFI : 11 a/b/g/n/ac
- Bluetooth: 4.0
- ポート類 : USB x 4、HDMI、ディスプレイポート、有線LAN
- サイズ : 10.60 x 10.60 x 1.77 cm、250g
厚み 1.77cmの薄いボディでもあり、SSDの増設ができないことがマイナスポイントですが、ここは割り切って、また、小さなボディサイズを活かしてサブ運用としての利用がベスト。
▼普段、システム情報の確認に使用しているフリーソフト「HWiNFO」ではシステム情報を正しく取得できなかったため、Windowsの設定画面とデバイスマネージャーから抜粋のシステム情報です。
▲eMMCは、Generic SLG64Gとあります。
外観
実機を手にして驚くことは、スペック上のサイズから想像した以上に小さなボディであること。Windows PCとしてはStick PCがさらに小さくなりますが、Stick PCでAtom Z8500を搭載するとファンレスでは厳しいため、ファンレスのPCとしては、おそらくは最小の製品となるでしょう。
▼本体に比べると外箱は大きいのですが、この中にケーブル類などの付属品が全て揃っています。
▼付属品一式。
HDMI ケーブルは、コードの長いものと短いものの二本が付属。テレビやディスプレイの背面に固定するための金具とネジも付属しています。
▼サイズ感がわかるよう、Huawei P30 liteを並べて撮影。ジーンズのポケットにも入るコンパクトさです。
▼所有するミニPCと並べて表示。
▲赤い電源ボタンの手前の3製品はBeelinkのミニPC。右下はGemini Lake N4100を搭載する製品ですが、こちらはファンレスであるものの、内部からコイル鳴きの音が生じます。一方のT4は、コイル鳴きもなく、完全に無音です。
▽上の写真の製品のうち、私の利用頻度の高い製品は以下の2つ。
▼所有するミニPCで最大のCHUWI GT Boxとの比較。並べてみると、GT BoxはミニPCと呼べないほどに巨大に感じます。
▼電源ボタンのある前面はUSB 3.0 x 2
▼サイドにも USB 3.0が備わっています。
▼電源ボタンの反対側のサイドは、有線LAN、ディスプレイポート、HDMI
▼もう一方のサイドは、冷却用のスリットのみです。
▼裏側のみ、素材はスチール製(他の面はプラスチック)。左右にはゴム足ではなく、長めのゴム板が備わっています。
▼内部には大きなヒートシンクが備わっています。裏蓋を外して実物を確認したかったのですが、ネジはゴム板の下にあるようであり、今回はやめておきます。
ベンチマーク
安価なミニPCの場合、CPUはAtom Z8350やCeleron Jシリーズを搭載することが多いのですが、本製品は上位のAtom Z8500。そのベンチマークは以下となります。
▼Geekbench 4のCPU ベンチマークスコア。上はBeelink T4の実測スコア。エントリークラスのCPUの比較用として、中央はAtom Z8350、下はApollo Lake N3350です。スコアとしては、Apollo Lake N3350より劣りますが、私がWebサイト閲覧とサイト記事編集で使用の範囲では、画像表示などにおいて、N3350よりも引っ掛かりが少ないように感じます。
▼ドラクエベンチマークのスコアは「2509、やや重い」。Apollo Lake N3450クラスのスコアとなり、グラフィック性能は良好。
▼ファンレスであることが特徴の一つですが、ドラクエベンチマークを走らせ、負荷をかけた際のCPU温度は以下。最大で82°となっていますが許容範囲。ボディは温もりを感じる程度で「熱い」までではなく、冷却効果は良好と言ってよいでしょう。
▼こちらは64GBのeMMCのCrystalDiskMark。SSDの増設、換装はできませんが、eMMCのスコアとしてはこんなもの。SSDほどのスコアではないものの、HDDよりはもちろん高速。
▼自宅のWiFi環境(Nuro 光)、11aの回線速度は92Mbps。他の上位のPCと同水準となり安心。
使用感、体感レスポンス
コンパクトさと低価格であることが最大の特徴であるBeelink T4ですが、特筆すべきは静寂製。使用感、体感レスポンスは以下です。
- ファンレスであることに加え、コイル鳴きも一切なく、完全に無音です。
- 所有する他のファンレス ミニPCでは、コイル鳴きの高めの音を発する製品もあるのですが、T4は特筆すべき静寂性。
- 開封されていた形跡はなかったのですが、電源オンにするとWindowsの設定済で即使用できる状態でした。
- Webサイト閲覧などのライトユースにおいて、タブの切り替えなど、上位のApollo Lake N3450以上のPCと比較すると、やや待たされ感があります。
- ただし、Atom Z8350よりも引っ掛かりが少なく、画像表示の速度はApollo Lake N3350以上の体感レスポンス。
- N3350では、Webサイトの画像表示にもどかしさを感じることが多いのですが、本製品は「もどかしい」ほどの遅延は感じません。
- ファンレス機でえるため、ボディの熱のこもりが気になりますが、負荷をかけると温もりを感じる程度で、懸念すべきものではありません。
- ストレージがeMMCであること、CPUがエントリーであるため、大容量のアプリのインストールや、Windowsの更新時には、Apollo Lake N3450以上の上位機と比較するとさすがに遅さを感じます。
全般的には、重たい作業をガリガリこなすには向かないものの、テレビの背面に取り付けてのリビングPCや、プロジェクターを接続してのサブユース、Webサイト閲覧やサイト記事編集・Wordの使用などでは十分。私はプロジェクターに接続しての使用を目論んでいます。
まとめ
多くのミニPCやTV BoxをリリースしているBeelinkのエントリー製品となるT4。安価なことに、コンパクトなサイズとファンレスであることを特徴とする本製品ですが、やはり完全無音のファンレス機はよいものです。レスポンスにおいては、順当にAtom Z8350よりは少なからずキビキビとしており、特に画像表示ではワンランク上にApollo Lake N3350よりも速いような感覚です。
そのコンパクトさを活かし、テレビの背面に取り付けてのサブ運用や、プロジェクター用のPCとしても活躍しそうです。
▼2020年5月2日時点のGearBestでの販売価格は 119.99ドル、約13,000円です。
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