「ついにこの日がやってきました」と言うと大袈裟ですが、これ以上 アプリリリースなどの進展がなければ、サブ運用も止めようと思っていたWindows 10 スマホ。10日ほど前に、Windows 10 スマホで使用していたFreetelのマイクロSIMをナノSIMに交換し、現在はAndroidスマホでのDSDS(デュアルSIM デュアルスタンバイ)用として、Freetel SIMを使用しています。つまりは、Windows 10 スマホのサブ運用を諦めました。
現在、Windows 10 スマホの購入を検討中の方には厳しい内容となりますが、Windows 10 スマホをサブ運用からも引退せざるを得ない背景を記載してみます。
アプリの少なさが致命的
過去記事にてしつこいほどに記載していますが、アプリの少なさが致命的というよりも、使用できるアプリがブラウザであるEdge以外はないに等しい状況が1年数カ月も続いています。
エントリークラスのCPUでも十分に動き、OSとしては軽いWindows 10 mobileですが、肝心なアプリがないため、スマホとして機能しない状況。これではユーザーが離れてしまいます。
具体的にアプリがないに等しい状況とは、
- Google関連アプリは皆無。せめて、Chrome 、Gmailはリリースされていると使用の幅が大きく拡がるのですが。開発元がGoogleではないGmailアプリもありますが、広告が多く、またフォルダ分け機能などの使い勝手は今一つ。
- ブラウザは実質としてEdge以外はなし。UC Browserやオペラもありますが、カクカクした動きで使える状況ではない。Edge自体の滑らかさはChromeと比較にならないほどよいのですが、Edgeに対応していないスマホサイトが多くある、Android、iPhoneとブックマークを共有できない状況では、使いいづらい。
- さすがに、MicrosoftのOneDrive・Word・Excelなどは普通に機能します。ただし、これらは、Android・iOSでもインストールできるため、Windows 10 mobileで使用する必要性はありません。
- その他、乗換案内関連・その他の一見使えそうなアプリもあるものの、Windows Phone時代から更新されていないなど、お粗末な状況。
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パソコンとのシームレスな連携がウリであったが
「Windows 10 mobileとWindowsパソコンのシームレスな連携」が2015年の秋ごろに各インタビューなどに記載のあった、Windows 10 mobileの(将来的な)展望・ウリの一つでした。
しかしながら、その連携にも進展がなく、Android スマホ・iPhone / iPadに、Excel・Word mobile、OneDrive・Google ドライブなどをインストールすれば、いくらでもWindows パソコンと連携でき、メールもGmailなどのフリーメールがあれば、個人でのスマホ・パソコンの連携であれば十分。あえてWindows 10 mobileである必要もありません。
Windows 10 スマホにできて、Androidスマホ・iPhoneにできないことはないのですが、逆の場合はWindows 10 スマホのアプリの少なさに起因して多すぎます。
法人需要による新展開も期待薄
2015年から2016年始めにかけては、Windows 10 mobileが法人をターゲットにしていることが大々的にアナウンスさていました。また、法人需要を見込んでか、VAIO Phone Bizも販売されましたが、その後の法人需要の高まりを受けてのアプリ開発・個人需要の高まりも期待薄かと思われます。
例えば、以下の日経関連の記事「企業ネット実態調査」によると、実態調査を行った571社中(うち、従業員1000人以上の会社は32.2%)、Windows 10 スマホの導入企業は僅か2社のみとなっており、Windows 10 スマホのデメリットとしては、やはり「アプリが少ない」と回答する企業が多いようです。
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[企業ネット実態調査]スマートフォンの導入率が過半数に、Windows 10 Mobileに厳しい評価
お膝元の米国でも寂しい状況に
Microsoftのお膝元である米国でもWindows 10スマホの販売状況は、かなり残念な状況となっているようです。これを表す記事を2つ。
▼源泉は2016年4月の情報となりますが、当時の米国ではWindows 10スマホを購入すると、ハイエンド機がもう1台、オマケで付いてくるキャンペーンを行うほどに「在庫処分」を行っていたようです。
▼Microsoftの直営店で、Andoridスマホ・iPhoneの専用コーナーができた一方、Windows 10 mobileの展示コーナーは片隅に、との状況に。
1年前から、新機種販売で最も盛り上がっているのは日本との状況でした。最近でも法人向けにはチラホラとリリースされているものの、旧機種は悲しいほどに値下がりし、在庫処分としか思えないような状況になっています。
▼私が購入したFreetelのKATANA02は、7,000円超OFFの14,000円に値下がり。
テザリング母機としては使用できるが、それ以外では利用は限定的
結局のところ、Windows 10 mobileスマホの現実的な使用方法としては、以下に限定されるように思います。以下の使用方法以外では、私のようにWin 10 mobileをいじりたい方向け、ブログネタ・記事ネタとして使用する程度でしょうか。
- テザリング母機。ただし、テザリング母機として使用しつつ、たまにはスマホとしても使用する、あるいはバッテリー持ちが格段によいなら利用価値が高いのですが、スマホとしてはアプリがないため機能し難い、バッテリー持ちもスリープ時にはiPhoneが長持ちする状況ではちょっとね。
- Webサイト閲覧。WindowsパソコンのブラウザとしてEdgeをメイン利用している方は、ブックマークの同期も可能なため、また、Edgeでのスクロールなどのレスポンスのよさと相まって利用価値はあるかと思います。ただし、mobile edgeではスマホサイトを参照できずパソコンサイトの閲覧を余儀なくされることも多いです。
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まとめ
厳しいことを記載しましたが、Wkndows 10 スマホを1年間ウォッチし、私の感じるところでは、「実用的な利用できるアプリがないに等しく、スマホとして一般的な利用はできない」との認識です。今後、短期間で普及に向けて整備されるかというと、法人需要・米国での販売状況からも期待薄。1年前から微かな希望を抱いていたのですが残念な状況が続いています。
コメント
こういった記事を探していました。
iPhone、Androidと使ってきましたが、ここにきて興味本位からW10Pに手を出してみました。あわよくばスマホ黎明期のようにシンプルに活用できればと思っていましたが‥。
シンクロやアプリにここまで頼っていたのだと実感しています。
ご指摘のようにOSは軽くシンプルですので、願いとしてはもっと皆さんに使用していただきたいのですが…。もうしばらくがんばってみます。
そうですね。OSとmobile Edgeのレスポンスは軽やかなため、せめてブックマークの同期がスムーズにできれば、さらにmobile Edgeに対応したスマホサイトが多くあると、Web閲覧には使えるのですが。
当初は日本の複数メーカーから端末がリリースされていたため、さらなる盛り上がりに期待しつつ、また 操作など試行錯誤しつつ記事にしていたのですが、Vaio Phone Bizなどの当時のハイエンド機種も投げ売り状態で残念です。やはり、Microosoft自体が本腰を入れないと駄目ですね。前回のWindows Phoneで失敗していただけに、今度こそは期待したのですが、機種リリースで多少なりとも盛り上がったのは日本のみのようでしたし。