2021年11月26日時点では、CPUにJasper Lakeを搭載する製品は多くないなか、Banggoodから販売の「TRIGKEY Green G2」は Jasper Lake N5095を搭載し、メモリスロットを2つ装備していることが大きな特徴。
この「TRIGKEY Green G2」をBanggoodさんより レビュー用にサンプル提供いただきましたので、外観・内部の構成・使用感などを記載します。
私はJasper Lakeを Gemini Lakeより僅かに優位なものと認識していたのですが、N5095のベンチマークスコア・体感レスポンスは、第5世代のCore i5-5200U相当と想像以上。また、本製品は 2.5インチ SSDの増設部分などの作りこみも丁寧で、ファンレスと思えるほどの静音仕様となり、かなり おすすめできる製品です。
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TRIGKEY Green G2のスペック
スペックの詳細は「Jasper Lake N5095を搭載、約23千円のミニPCのスペックと特徴。メモリの増設も可能」の記事でも記載していますが、このクラスのミニPCとしては珍しく、メモリを増設できることも大きな特徴です。また、他の多くのミニPCと同様に、2.5インチ SATAのSSD / HDDを増設することもできます。
CPU | Intel Jasper Lake (Celeron) N5095、4コア4スレッド、最大 2.9GHz |
GPU | Intel Jasper Lake 16 EU GPU |
メモリ | 8GB DDR4, 2933MHz(増設可能) |
ストレージ | M.2 SATA SSD 256GB、2.5インチ HDD / SSDを増設可能 |
WiFi | WIFI5 -802.11 |
Bluetooth | 5.0 |
ポート類 | USB 3.0 x 4、USB Type-C、HDMI x 2、DP、有線LAN |
サイズ | 12.4 x 11.3 x 4.1 cm 、295g |
OS | Windows 10 Pro、Windows 11に更新可能 |
後段に記載していますが、実機を確認して新たにわかったことは以下です。
- OSは Windows 10 Proを搭載していること。
- ベンチマークスコアと体感レスポンスは、Gemini Lake N4100を搭載するPCよりも多少よい程度を想像していたのですが、Core i5-5200U相当の実力です。
- 発熱の少ない Jasper Lakeですので、CPUファンの音量は大きくないことが想像できていましたが、それ以上に静音です。ベンチマークで負荷をかけた場合にも、音量が変化しないことは特筆事項。
▼メモリスロットが2つあるため、8GB x 2のデュアルチェネルとし、ベンチマークのスコアアップを図ることができます。スコアアップの事例としては「MINISFORUM UM300のメモリを増設・デュアルチャネル化、ドラクエベンチスコアは約25%アップ」を参照ください。
▼このクラスとしては立派なヒートシンクを備え、後段に記載していますが、静音仕様で 負荷をかけた際のCPU温度の上昇も抑えられています。
▼USB Type-Cは映像出力に未対応のデータ専用となりますが、前面にUSBポートのある嬉しい仕様。まさかのフリーズ時にも安心のCMOS クリアもあります。
実機のシステム情報
続いて実機のシステム情報を記載します。
▼Windows 10の「デバイスの仕様」と「Windowsの仕様」。一般的には Windows 10 Proの恩恵は多くないのですが、Proがプレインストールされていると 得した気分になります。
▼こちらはGeekbench 5から抽出のシステム情報。当然ながらも Jasper Lake N5095とあります。
▲▼こちらはフリーソフト「HWiNFO」から抽出のメモリの情報。Crucial製とあります。本ソフトではSSDの製造元を確認できることが多いのですが、本製品では確認できず。
外観
金属製の底板以外は樹脂製となりますが、シックなグレーの色合いで質感高く見えるうえに、ロゴのないスッキリした天板は好印象です。
▼グリーンが鮮やかな外箱。ミニPCの場合、汎用的で簡易的な 再利用できないような外箱もあるのですが、専用の立派な外箱です。
▼小さな文字ですが「Energy Saving Green Series」とあります。このために「Green G2」のモデル名となっているようです。
▼7カ国対応の簡易的な説明書が付属しています。一般的なミニPCであり、参照することはないように思います。
▼ACアダプター以外の付属品一式。
VESA マウントのホルダー、2.5インチ SSD / HDDとVESA マウント取付用のネジ、説明書、HDMIケーブルが長短2本 付属しています。
▼EUプラグのACアダプター。Banggoodさんのサービスで、日本(USA)仕様の変換アダプターが付属しています。
▼包装された状態での撮影。
▼全体像。
実機は写真よりも濃いグレーです。全面金属のようにも見えますが、底板は金属(おそらくアルミ)、底板以外は樹脂製です。グレーの配色も伴って、樹脂製といえども質感は高いもの。また、天板にロゴがないことも、スッキリしてよいです。
▲前面の黒い部分は、艶ありブラックであり、指紋はやや目立ちやすい。電源オンの写真は割愛しましたが、電源オン時には赤の電源マークが白く点灯します。
▼12.4 x 11.3 x 4.1 cmのサイズ感をつかみやすいよう、マウスを並べてみました。その下の写真 2枚は、BMAX B2 Plusと並べたものですが、サイズとしては一般的なミニPCです。
▲▼BMAX B2 Plusの実機レビュー記事はこちら。
▼前面から。
ミニPCでは前面にポート類のない製品もありますが、USB 3.0 x 2、USB Type-C、イヤフォンジャック、CMOS クリアと、使い勝手が考慮されています。
▼背面より。
有線LAN、USB 3.0 x 2、HDMI x 2が備わっています。一般的なミニPC以上に四隅は丸みを帯びており、このデザインが価格以上の質感の高さに貢献しているように思います。
▼サイドの二面は、パンチング加工の通風孔を備えています。
内部の構成、2.5インチ SSDの増設
後段のベンチマークスコアとともに感心したのが、内部の作りのよさ。発熱にそれほど気を遣う必要のない SATA M.2 SSDですが、上の写真の左側のようにヒートシンクが備わっています。以下のCore i5-8259Uを搭載する上位のミニPCとボディを共通化しているためか、金属製の天板・外枠ともに厚みがあり しっかりしています。
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▼四隅のネジを外すと底板を剥がすことができます。このネジは接着剤でも固定されており、初回は外しにくいです。
▲背面の丸いロゴには「GREENLINE」とあり、GREEN シリーズ専用のロゴだとすると、控えめながらも凝った仕様です。
▼左のシルバーはM.2 SSDのヒートシンク、その下に2280サイズのM.2 SSD 256GBが装備されています。右側は Crucialの8GB RAM。その下に空きスロットがあります。
ヒートシンクは、熱伝導の両面テープで固定している製品が多いのですが、左下のネジで固定されています。
▲▼底板に 2.5インチ SSD / HDDを取り付ける枠がありますが、ケーブルが短いために 勢い余って 底板を引っ張らないよう、注意が必要です。
▼メモリ、2.5インチ SATA ポート部分を拡大。底板・SSDの取付枠に厚みがあるのがわかります。
▼外枠も厚みがあり、しっかりとしたものです。
▼SSD / HDDの取付の向きを示す矢印がありますが、ネジなしでもしっかりと固定できます。
▼Crucialの2.5インチ SSDを取り付けた状態。
▲▼取り付けている Crucial SSDは以下の製品。CrucialやWDなどの大手ブランドの場合、無料で配布のOSクローンソフトを利用できます。
▼メモリを外した状態。空きスロットがありますが、このクラスのミニPCでメモリを増設できる製品は貴重な存在です。
ベンチマークスコア
Celeronを搭載していることもあり、Cinebench R23などの負荷を要するベンチマークは未計測。Geekbench 5、ドラクエベンチマーク、CrystalDiskMarkの軽めのベンチマークソフトのスコアを掲載します。
▼こちらは Geekbench 5のCPUベンチマークスコア。
上は Jasper Lake N5095を搭載の本製品、中央はGemini Lake J4115 (N4100相当)のBMAX B2 Plus ミニPC、下はCore i5-5200Uを搭載のNECの超軽量ノートのスコア。
J4115と同水準を想像していたのですが、Single-Coreでは Core i5-5200Uと同水準、Multi-Coreでは Core i5-5200Uよりも高スコアとは驚きです。N5095を侮っていました。
▲▼比較対象とした製品のレビュー記事はこちら。
▲▼「CPU-Z」でのCPU ベンチマークスコアは、シングルコア 257.9、マルチコア 1005.6。以下のJasper Lake N5100と同水準のスコアです。
▼ドラクエベンチマーク、標準画質でのスコアは「4167 普通」。下のCore i5-5200Uより高スコアです。
▼SATA接続 M.2 SSDのCrystalDiskMarkのスコアは 一般的。上記のBMAX B2 Plusなど、Celeronでも PCIe SSDを増設できる製品もありますが、本製品は不可です。
体感レスポンス、使用感
ベンチマークスコアでは インテル 第5世代 (2015〜2016年に多く流通)のCore i5-5200U相当となりましたが、体感レスポンスも同水準です。具体的には以下となります。
- Gemini Lake N4100クラスと比較すると、画像編集などのライトユースにおいても、引っ掛かりが少ないなどのレスポンスの相違を体感できます。
- 最も顕著に体感できるのは、Windowsの更新前後。バックグラウンドのシステムプログラムにより N4100クラスでは CPU使用率が100%となる時間が長く、レスポンスがかなり悪化しますが、N5095ではある程度軽減されます。
- 高速なPCIe接続ではなく、SATA接続のSSDとなりますが、Windows 10の起動や 大容量アプリのインストールですが、CPUパワーの恩恵か Gemini Lake クラスよりも速く感じます。
- 我が家の大学生は、Core i5-5200U相当のミニPCで、オンライン授業や就活の面談を受けることも多いのですが、レスポンスは十分との評価です。私の評価も同様で、Excelなどの在宅勤務でも 遅さを感じることはありません(さすがに、第8世代以降のCore iはよりキビキビとした動作です)。
- 後段のCPUファンの音量と関連し、ファン音量が小さいために、ほどよいレスポンスで作業に集中できることは大きなメリット。
CPUファンの音量
大きなボディとヒートシンクの場合には ファンレスも可能な発熱の少ない Jasper Lakeですので、CPUファンの音量は特筆すべきほどに静音です。ベンチマークで負荷をかけた場合にも、ファン音量の変化はほぼ感じません。
▼以下は iPhoneアプリ「騒音測定器」での簡易的な測定のために誤差はあるかと思いますが、参考情報です。上はWeb ブラウジング時、下はGeekbench 5のベンチマークで負荷をかけた際の音量ですが、双方ともに 34dB前後と ほとんど気にならないほどの音量です。
▼こちらは前述のフリーソフト「HWiNFO」で計測のCPU温度。
11月26日の室温が低い状態での確認ですが、ベンチマークソフトで負荷をかけた際にも 最大温度は61℃と良好です。また、ボディを触ってみても、よく冷えていることを確認できます。
まとめ
樹脂製ながらも シックな色合いを伴い、価格以上の質感にも見えるうえに、ベンチマークスコアと体感レスポンスは Core i5-5200U相当、M.2 SSDやCPUヒートシンクの丁寧な作り込みと(CPUヒートシンクは イメージ画像で見る範囲です)、約200ドルのミニPCとしては上出来であり、間違いなく おすすめのミニPCです。
▼Banggoodの価格情報。
メモリ 8GB / SSD 256GB版は、クーポン「BGJPMNTR67」の利用により 189.99ドル。メモリ 16GB / SSD 512GB版は、クーポン「BGJPMNTR68」の利用により 259.99ドル
▼2021年12月5日追記。Windows 11に更新しても、レスポンスのよさは変わらず。
▼2021年12月19日追記。メモリを8GBから16GBに増設しました。
コメント
こんにちは。Banggoodで
G2の16GBモデルを2022年1月19日に決済したのですが、3月16日になっても発送されず、キャンセル処理したのですが、こんなものですかね?
たまたま、キャンセルした日に、こちらの記事にある8GBモデルが129.99ドルで1個限定で特売されていたのでポチりましたが、また在庫切れで残念な感じになってます。発送してもらえるのか不安ですが、安かったので、しばらく待ってみようと思います。
129.99ドルで購入できたとは、ラッキーでしたね。
Banggoodの場合、通常は10日から2週間で受領となるのですが、一時期 クーポン情報が途切れたこともあり、
在庫切れの期間が長かったように思います。
本来なら、在庫なし・納期が遅れる場合、少なくとも公式サイトで連携すべきですね。このあたりの基本的なアフターセールスは
まだまだのようです。