Core i3-5005U、メモリ 8GBを搭載する14インチノートとしてリリースされた「Jumper EZBook X4 Pro」。Apollo Lake ノートのX4のPro バージョンとなりますが、サイト記事の編集などにて 10日間ほどメイン利用しました。そこで今回は、外観やレスポンスも含め、使用感などについて記載します。
全般的には、当初は違和感のあったTNパネルにも慣れ、Gemini Lakeクラスと比較すると小気味よいレスポンスでタイピング感も上々。サイト記事編集用のノートPCとして、しばらくはメイン利用することに決定です。
※ 当記事は、GearBestさんよりサンプル提供いただいた製品に基づくものです。
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スペック
レスポンスと価格を考慮し、旧世代となりますが、第5世代のCore i3 5005Uを搭載することが大きな特徴。また、メモリは8GB、SSDは256GBと、CPUに見合う容量を搭載しています。
上表は、概ね同水準のパフォーマンスとなるChuwi AeroBook、CPUにApollo Lake J3455を搭載する Jumper EZBook X4のスペックを比較したもの。
Jumper EZBook X4、Chuwi AeroBookともに、Gemini Lakeの供給難が続くなかで、Apollo Lake / Gemini Lake クラスよりも優位なレスポンスと価格を抑えるために、あえて旧世代のCPUを使用しています。
X4 Proのマイナスポイントは、ディスプレイがIPSパネルではなく、TNパネルであること。ディスプレイについては後述します。
▼Chuwi AeroBookの記事はこちら。
外観
2018年以降に販売された、Chuwi、Teclastなどの中国他社の製品と同様に、天板と底板はアルミ製、キーボード面はプラスチック製となっています。
全般的には、質感はEZBook X4と同様にJumperの製品らしく高い質感となり、特に狭いベゼル幅とブラックベゼルにより、ディスプレイ周りがX4以上に洗練されています。
▼X4の外観レビューはこちら。
外観の詳細は、以下の記事にて詳述していますので、ここではポイントのみ記載します。
▲▼天板と底板はアルミ製(キーボード面はプラスチック製)。底板には、冷却用のスリットが多数あります。内部にはCPUファンもありますが、Windows 10 更新後の処理などの高負荷時以外では、ほとんどCPUファンがやかましく感じることはありません。
▲下側にM.2 SSDスロットにアクセスする扉がありますが、当スロットにはSSDがありません。SSDを増設し機能することを確認予定です。
▲▼左右サイドを拡大。下のPCはEZBook X4 通常版。ポート類では、USB Type-CとHDMIがMicroではなくMiniのX4 Proが優位。
▼キーボードの全体像。シルバーのキーに白の印字で視認性がよくないのは、同じ配色の他のPCと同様です。印字の視認性については、X4通常版よりも識別しやすくなり、タイピング時に困ることはほぼありません。
ベンチマークとレスポンス
全般的な体感レスポンスとしては、簡単な画像編集などの軽めの処理においても、Gemini Lakeクラスと比較すると軽快に動作します。
ライトユースでは、第8世代のCore iシリーズでなくとも十分とのイメージ。さすがに、以下のCore i7 8750H、PCIe SSD 搭載機と比較すると違いを感じますが、余程 負荷のかかることをしない場合には、遅いと感じることはないでしょう。
ベンチマーク
第5世代のCore i3のため、ベンチマークスコアはそれほど伸びないのですが、概ねCore m3-6Y30と同程度か、やや下回る水準です。
▲▼上の記事で掲載のベンチマークスコアと同じ画像ですが、ポイントのみ記載します。
▼Geekbench 4のスコアはこちら。
▼ドラクエベンチマークのスコアは期待値ほどに伸びず。それでも、Gemini Lake N4100クラスのGPUと比較すると(N4100はスコア 2000に届かないケースもあり)、健闘しています。
▼Foresee製のSSDです。デフォルトのSSDの場合には、コストを抑えるために低速なSSDを搭載することもあるのですが、Read / Writeともに立派なスコアです。
レスポンス
現在のところ、Webサイト閲覧、動画視聴、画像編集のライトユースの使用となり、Gemini Lake クラスと比較して著しくレスポンスアップするものではないのですが、全般的には小気味よく動作します。
メモリ 8GBとCore i3 5005Uの恩恵か、Gemini Lake N4100と比較すると、Windows 10 更新後の処理時の負荷・レスポンスのわるさをそれほど感じません。やはり、Gemini Lake / Apollo Lakeとの比較では、高負荷時にレスポンスの相違を感じ取れることでしょう。
事例として、高負荷ではないものの、先ほど参照していたOnePLusの公式サイト(アニメーション多数)では、Gemini Lake N4100ではややカクカクした動きであったものの、X4 Proでは比較的なめらかな画面遷移となっています。
なお、CPUファンについては、Webサイト閲覧・軽めのオフィスソフトではファンはほとんど回転せずに静かなものです。
ディスプレイ
TNパネルのディスプレイが大きなポイント。JumperはX4 通常版においても、当初はTNパネル版をリリースし、期間をおかずにIPSパネル版をリリースしたことがあるのですが、このX4 Proでも早々にIPSパネル版をリリースすることを期待。
X4 Proのディスプレイのポイント、使用感は以下です。
- グレアパネルとなり、一見してIPSパネルにも見えるのですが、他の多くのTNパネルと同様に、特に上方から見た際の視野角が狭い。
- 正面から見た場合、色合いとしては青白系で淡く、色の再現性が足りない・メリハリがない感覚もあったのですが、10日間も使用しているとこれが普通のように感じます。要は慣れと好みの問題ですね。
- 私の最も使用時間の長い、会社の富士通製のノートPCはTNパネルなのですが、これとの比較や国内某直販メーカーのハイエンド機と比較すると、明らかにX4 Proの液晶が鮮やか。
キーボード
シルバーに白の印字のキーを持つ端末は、概ねどの端末も同様ですが、キーの視認性が今ひとつ。ただし、X4 通常版と比較すると改善しています。
タイピング感としては、会社の富士通、数機種をお借りしレビューした国内直販メーカーのキーボードよりも軽快に入力できます。
- 打鍵音はカチャカチャ系ではなく、旧世代のMacBook AirやChuwi LapBook SEなどと同じような低めの音質で打鍵音は静か。
- 中国メーカー製のPCとの比較では、Chuwi LapBook 、EZBook X4 通常版と比較すると、タイピング感は軽く、MacBook Air 11をややしっかりめにしたような感覚。
- やや底打ち感があり、一部のキーのみ、建付けがわるいのか異質の音がするものの、許容範囲。
- バックライトキーは、印字に照明が透ける構造ではなく、キーの周囲のみ光るタイプ。
- キーの中央が僅かに窪んでおり、指の吸い付きのよさに貢献。
- キーの配色から目立つものではないのですが、油脂は付きやすい。
その他
Windows 10 PCのバッテリー待ちについては、余程の低電力でもない限りはほぼ同じとなるため、ノーコメントです。他製品と同様、Webサイト閲覧などのライトユースで、フル充電からせいぜい4時間程度だろうと思われます。
その他、タッチパッドなどについては以下となります。
- 125 x 75mmの大きなタッチパッドの動きはスムーズ。ジェスチャー機能も一通り使用できます。タイピング時の誤動作防止のため、Touchpad Blockerがプレインストールされています(タイピング中のタッチパッドを無効化するTouchpad Blockerにより、誤作動をようやく回避)。
- キーボードにはプリントスクリーンキーがないのですが、フリーソフト「Screenpresso」のインストールで全く問題ありません(Screenpresso、Print Screenキーがないパソコンで簡単にスクショがとれるアプリは機能も豊富)。
まとめ
Core i3-5005Uを搭載することにより、Jumper製品に多い Gemini Lake / Apollo Lake ノートと比較すると軽快に動作します。快適にタイピング可能なキーボードと、狭いベゼルとJumperらしい質感の高いボディで、今後のJumper製品のスタンダードにもなり得るように思います。
ディスプレイのTNパネルも慣れてしまえば、当初感じた違和感や物足りなさも軽減され、IPSパネルに特にこだわる必要性もないのでは、との思いも強くなりました。ただし、願わくはIPSパネル版の早期リリースですが。
▼GearBestでの価格情報。2019年5月25日時点のフラッシュセール価格は419.99ドル。
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