8インチクラスのタブレットの両手でのホールドにおいては、通常のアスペクト比・縦長サイズよりもiPad miniのサイズがより安定し操作しやすい。このiPad miniサイズのAndroidタブレットとして、以前から販売されているのが「fnf Ifive Mini 4S」。Android 6.0搭載のやや古い機種ですが、GearBestさんよりサンプル提供いただきましたので、本家のiPad mini 3、同じくiPad miniサイズのTeclast M89と比較しつつ実機レビューします。
※ 冒頭の写真は、左よりiPad mini 3、Teclast M89、fnf Ifive Mini 4Sとなります。
fnf Ifive Mini 4Sのスペックと特徴
冒頭のとおり、fnf Ifive Mini 4Sの最大の特徴としては、iPad miniのクリーン的な位置づけであること。サイズは下表の黄色網掛のとおりiPad mini 2もしくは3とほぼ同じ、7.9インチのディスプレイにして解像度 2048 × 1536もiPad miniと同じです。
▲比較対象として、同じくiPad miniクローンのTeclast M89、通常サイズのエントリー機としてTeclast P80 Pro、そしてサイズのみの比較用としてiPad mini 3を掲載しています。
▽Teclast M89、P80 Proの実機レビュー記事はこちら。
▼CPU-Zより抽出したシステム情報です。必要に応じ、クリックのうえ拡大ください。なお、ディスプレイサイズは16インチと倍の表示となっていますが、もちろん 7.9インチの間違いです。
ここではスペック表のみの掲載としましたが、使用感とベンチマークについては後段を参照ください。
fnf Ifive Mini 4Sの外観
続いて外観をみていきます。
▲▼外箱・内箱は、中国メーカーによくあるしっかりとしたものです。
▼付属品は、本体、本体に貼付済の保護フィルム、電源アダプター、USBケーブルです。電源アダプターはEUプラグですので、他のものを流用するか、量販店などで変換アダプターを購入する必要があります。
▲中央上にある「5」のロゴが際立っていますが無地でもよかったかも。
上下の帯の部分はプラスチック製、その他多くの面積を占める部分は艶消しブラックのアルミ製です。背面全体的に指紋が付着しやすく、下記他のケースを常用したほうがよいでしょう。
Original fnf ifive mini 4S Protective Case
▼全般的に質感は高いのですが、唯一「これはいかに?」と思うのが、カメラ下の段差。その他の部分に段差はないのですが、触っても明確に感じる段差があります。製造過程の個体差だと思うのですが。
以降の写真は、fnf Ifive Mini 4S(上)、iPad mini 3 (中央)、Teclast M89 (下)を並べたものです。
▼fnf Ifive Mini 4Sは右サイドに音量ボタンがあり、シルバーで縁取りされています。
▼上側より。右から電源ボタン、カードスロット、Micro USB、イヤフォンジャック。もしや、電源ボタンの位置はiPad miniを真似たものでしょうか。実際に操作していると、電源ボタンは右サイドが操作しやすいように感じます。
▼下部にスピーカーがあります。
なお、他の写真も同様ですが、指紋を拭き取らずに撮影したため、fnf Ifive Mini 4Sの背面がまだら模様のようになってしまっていますが、アルミ製の質感の高いもの。
▼下部を拡大。上下の帯の部分はピアノブラック調塗装のプラスチック、サイドは艶消しブラックのプラスチックですが、わるくはない質感です。Teclast M89は後発なこともあってか、サイドの部分もアルミ製となっています。
▲Teclast M89と同様に、iPad miniのケースなどを流用できるのでは、との微かな期待があります。上の画像は、iPad mini向けのロジクールのキーボードケースに収めた様子ですが、ケースの加工・キーボードと本体を固定するマグネットの部分を工夫する必要がありますが、何とかなりそうイメージ。
外観をまとめると以下となります。
- 背面はアルミをメインとした素材で、私が好きなブラックと相まって、国産のタブレットよりは断然 質感の高いもの。
- ただし、個体差によるものか背面の一部に段差があり、また、指紋がつきやすい。
- 全般的に、セール時には120ドル前後であったと記憶していますが、この価格帯としては十分以上の質感です。
ベンチマークスコア、使用感
続いてベンチマークスコアと使用感です。ベンチマークスコアについては、AnTuTuベンチマークが動かず、Geekbunch 4のみとしています。
ベンチマークスコア、回線速度
▼Geekbench 4のCPUベンチマークスコアは、Single-Coreが780、Multi-Coreが1907。メジャーなスマホでは、概ねNexus 5程度のスコアです。
SoCのRockchip RK3288は、ChromebookのASUS C100PAに採用されてたものです。私は後継のASUS C101PAを所有していますが、C100PAは「メモリ 2GB搭載と少ないためにややカクツキを感じる」とのレビューコメントが散見されるものの(CPUとは関係ありませんが)、大手のASUSが採用していたことで安心感に繋がるでしょう。
▼自宅のWi-Fi環境(Nuro 光)での回線速度は85MBps。自宅では、Windows、Android、macOS、iOSでも同程度の速度ですので十分です。なお、所有のスマホ・タブレットでは、同じ計測環境でアンテナがフル表示にならない端末もあるのですが、fnf Ifive Mini 4Sはしっかりとフル表示になっており、感度も十分なようです。
ディスプレイ
7.9インチ、解像度 解像度 2048 × 1536のディスプレイですが、全般的にコントラストのしっかり効いた綺麗なディスプレイです。以下はディスプレイが同サイズのiPad mini 3、Teclast M89との比較におけるコメントです。
- fnf Ifive Mini 4S、Teclast M89ともに、iPad mini 3と同等、もしくはそれ以上に鮮やかな感覚あり。
- Teclast M89は白が強調されがちなイメージですが、fnf Ifive Mini 4Sはよりメリハリ・色調の濃淡の効いたディスプレイ。おそらくは多くの日本人に受け入れやすいディスプレイなのでは、と思います。
- 3製品とも視認性がよく鮮やかで、テキストを拡大しても粗さはありません。私個人の好みではコントラストのしっかり効いたfnf Ifive Mini 4Sのディスプレイがよりよい感覚です。
- なお、タッチの精度においても全く問題ありません。
※ 本来ならディスプレイを点灯した画像を掲載すべきですが、実機プレゼント企画との関係から(終了)、保護フィルムの剥離シートを付けたままの状態としていることもあり、画像を添付しておりません。
体感レスポンス
Geekbench 4のスコアはNexus 5クラスですが、Webサイト閲覧、SNSなどの軽めのアプリ、YouTube視聴、やや重めのFXアプリなどの体感レスポンスは、軽くNexus 5以上です。手持ちのタブレットでは、以下のFire HD 8、NEC TE507よりもサクサクと動作します。
さすがに、AnTuTuベンチマークスコアが10万越えのTeclast M89と比較すると、キビキビした心地よさでは劣るものの、上記のライトユースでは待たされ感や遅いと感じることはありません。通常ユースでは十分な動作です。
なお、ベンチマークの項で記載の、AuTuTuベンチマークが稼働しなかった件ですが、私の経験ではエントリークラスのSoCでは何度か生じています。ベンチマークの負荷がかかり熱暴走しているような状況となりフリーズすることも他製品ではあったのですが、fnf Ifive Mini 4Sでは熱暴走している様子はなく、別の要因があるものと思います(通常の使用には何ら影響はありません)。
カメラ、バッテリー
カメラ、バッテリー消費については、多くを記載できるほど使用していないのですが、以下の雑感です。
- 室内でカメラを利用した範囲では、オートフォーカスは遅め。また、シャッターを押した後に撮影となるまで、タイムラグがあります。
- カメラの明るさが不足しているような感覚もあり。
- バッテリー消費は並みのAndroid。スマホ・タブレットともに、バッテリー消費はプレインストールアプリがわるさをしていない限りはSoCによるとの認識ですが、以下のiBatteryを使用することにより、スリープ時のバッテリー消費は劇的に改善します。
ベンチマーク、使用感を整理すると以下となります。
- ベンチマークスコアはNexus 5程度となるものの、ライトユースの体感レスポンスは軽くNexus 5以上となり、通常使用では十分快適に使用できます。
- 高解像度のディスプレイは濃淡のしっかりした描写で、私の感覚ではiPad mini 3以上の鮮やかさ。
- 一方、室内で撮影する限りではカメラのオートフォーカスはやや遅く、シャッターから撮影までのタイムラグあり。
まとめ
短期間使用後のレビューとなりましたが、通常使用では快適なレスポンスに鮮やかなディスプレイ、そして扱いやすいiPad miniと同じサイズで、各所のレビューで相応の評価を受けているのも納得です。
ただし、Android 6.0を搭載するやや古い機種であり、海外通販サイトではセール時と通常時の価格差が大きいのですが、通常時にはTeclast M89と同水準の価格となるため、この場合にはスペックの高いTeclast M89がおすすめ。fnf Ifive Mini 4Sはセール時を狙って購入すべきとの判断です。
▼fnf Ifive Mini 4SとTeclast M89のGearBestの価格情報。fnf Ifive Mini 4Sは入荷待ちとなっていますが、価格の変動が激しく、セール時を狙って購入すべきです。一方のTeclast M89の価格は安定しています。
コメント
自分が去年買ったものには「段差」は無かったので、個体差でしょうね。
中華製品はここ2~3年で著しく品質が上がってきたと感じてますが、不良品(使用に問題ないレベルのものも含めて)の発生率はまだ高めのままという印象があります。
こないだ買った中華ラップトップも、アルミボディなのに一部に若干の歪みがありましたし 笑。
こういう雑なところが減ればメイドインチャイナはもっと素晴らしいものになるのになぁ。
記載いただいたとおり、中華製品はかなり品質がよくなっています。私が初めて中国メーカーのタブレットを購入したのは2015年ですが、その頃よりは格段によくなっています。ただし、なかには今回の「段差」もそうですが、スペック先行でカメラなどは実機を操作しないとわからないレベルであることや、通販サイトの製品紹介もイメージ画像をよく見せているものも多々あり、海外レビューサイトなどを参照しつつ、ある程度見極める必要もあります。
いづれにしても、年々 その品質がよくなっているので、今後も含め期待しています。