Gemini Lake N4100を搭載するChuwi LapBook SEとJumper EZBook X4。ディスプレイサイズは異なるものの、同価格帯のファンレスノートとなります。この両機種でどちらを購入すべきか検討している方も多いのではないでしょうか。そこで今回、両機種 実機の使用感を項目毎に整理してみました。
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基本スペック
当記事を参照されている方は、両機種の基本スペックはご存知かと思いますが、過去記事からスペックの再掲です。参考までに、2017年度から人気継続のJumper EZBook 3 Proのスペックも併載しています(199.99ドルの13.3インチノート対決、Jumper EZBook 3 ProがAIWO 737A1よりもおすすめな理由)。
上表のとおり、Chuwi LapBook SEとJumper EZBook X4は、CPUとメモリ搭載量の基本スペックは同じ。また、外観としては、天板と底版がアルミ製であることも同じとなりますが、ディスプレイサイズ以外に下記の相違があります。
- Chuwi LapBook SEのディスプレイがグレアパネルであるのに対し、Jumper EZBook X4はノングレアパネル。
- Chuwi LapBook SEは32GB eMMCにWindows 10がプレインストールされ、128GB SSDはデータ保存用の扱い。ただし、32GBでは心もとないため、Windows 10はSSDに移行したほうが無難。
- 双方ともに、キーボードはバックライト機能付ですが、Chuwi LapBook SEの天板はChuwiのロゴが光る仕様。
ディスプレイ
先述のとおり、Chuwi LapBook SEの13.3インチ・IPS・グレアパネルに対し、Jumper EZBook X4は14.1インチ・IPS・ノングレアパネル。双方とも解像度は 1920 × 1080のFHDとなります。
ディスプレイサイズの差はともかく、また、グレア・ノングレアの相違もありますが、全般的には双方ともによいパネルです。
- グレアパネルのChuwi LapBook SEは映り込みも控えめで、グレアパネルならではの鮮やかさがあります。
- ノングレアパネルのJumper EZBook X4は、グレアパネルのギラギラ感がないために、長時間作業するのに向いているイメージ。グレア・ノングレアの特徴どおりのコメントですが。
- 双方ともに、特にJumper EZBook X4は明るさは控えめ。国内製のPCや、ディスプレイ単体では光度を落として使用することが多いのですが、双方ともに明るさを最大にして丁度よいイメージです。
- また、いづれの機種も 色合いとしては暖色系・寒色系によらず、自然な発色です。
▼Chuwi LapBook SE (上)とJumper EZBook X4。写真でも、グレアとノングレアの相違が伝わるかと思います。
キーボード
ブログ記事の編集もあり、キーボードには特にこだわりのある私ですが、Chuwi LapBook SE、Jumper EZBook X4ともに、キーボードのタイピングは快適。会社で使用している富士通のLIFEBOOK(機種名は失念しましたが、15.4インチノート)よりも、軽快かつタイプミスが少なく入力できます。
双方とも、2017年に発売のノートPCよりも質感もよくなっていますが、私が想像するにキーボード面をプラスチック製とすることによりコストを下げ、その分 使い勝手に直結するキーボードやタッチパッドにポイントを置いているのだろうと思います。
さて、双方のキーボードの使い勝手は以下となります。
- Chuwi LapBook SEは、横幅いっぱいに拡がったキーボードを一つの特徴としているとおり、13.3インチとしては大きめのキーピッチで、フルサイズもしくはフルサイズのキーボード以上に軽快に入力できます。
- 一方のJumper EZBook X4のタイピング感もChuwi LapBook SEに劣らず心地よいのですが、デメリットはシルバーのキー色に透かし文字のため、キーの視認性がよくないこと。室内照明の角度によりますが、多くの場合、バックライトを点灯しないと入力しづらくなります。
- バックライトの明るさはJumper EZBook X4が優位。Chuwi LapBook SEの場合、明るい室内ではバックライトを点灯した場合にも、点灯していないと錯覚することもあります。
なお、双方ともに英語キーボードとなりますが、以下のフリーソフト「Alt IME」を導入し、左右のAltキーにて「英数・かな切替」をワンタッチで行うことを前提としています。このフリーソフトのおかげで日本語キーボード以上に快適に「英数・かな切替」を行うことができます。
▼ Chuwi LapBook SE (上)とJumper EZBook X4(下)。Jumper EZBook X4のタイピング感もChuwi LapBook SEと同様に快適なのですが、照明の当たり具合がよく「キーがしっかりと見えた場合には」が前提となります。
▼Jumper EZBook X4の場合、室内照明のもとでもバックライトを点灯しないとキーの視認性がわるくなります。
タッチパッド
2017年に発売された、エントリークラスの中国メーカー製PCの場合には、タッチパッド操作に難があるもの(敏感すぎる、滑りがわるいなど)もあったのですが、Chuwi LapBook SE、Jumper EZBook X4ともに基本機能は正確に、ジャスチャー機能も一通り動作します。
- 指の滑り具合のよさとしてはJumper EZBook X4が一歩リード。
- Chuwi LapBook SEもわるくないのですが、表面のザラツキ感から引っかかりを感じることもあります。
- 双方ともに、タイピング時にタッチパッドに触れてしまい、思いがけない動作を招くことはほぼありません。
- 慣れの問題もあるのですが、マウスとどちらが操作しやすいかと言うと、間違いなくマウスです。Windowsは全般的に同様ですが、Macほどの操作性への期待は禁物。
レスポンス
双方ともに、CPUはGemini Lake N4100、メモリは4GBとなるために、体感レスポンスは変わりません。CPU・GPUベンチマーク的にはJumper EZBook X4が僅かに優位なのですが、これはChuwi LapBook SEのメモリクロックが低いことに起因しているようです。
なお、個体差によるものか、私のJumper EZBook X4のSSDベンチマークは、Write側がなぜか遅めになっています。ベンチマークの詳細については以下の記事を参照ください。
▼こちらは、Gemini Lake N4100とApollo Lake N3450のレスポンス比較記事です。
外観、デザイン
今回は使用感の比較のため、外観・デザインは最後となりましたが、Jumper EZBook X4の質感も高く、初めて中国メーカー製のPCを購入した場合には驚くこと間違いなしです。
両機種にあえて優劣をつけるならば、その外観・デザインにより満足できるのはChuwi LapBook SEとなるでしょう。ダークグレイの色合いと重厚感(実際に1.4kgと13.3インチとしては重い)、光る背面のロゴなどの処理など、2017年度に発売にLapBook Airから継続する、他社と異なる高級感を醸し出しています。
外観の詳細は以下の記事を参照ください。
まとめ
Chuwi LapBook SEとJumper EZBook X4の使い勝手を項目毎に整理しましたが、あらためて記載すると以下となります。
- ディスプレイは、サイズとグレア・ノングレアの相違はあるものの、双方ともによいパネルです。
- キーボードは、Jumper EZBook X4のキーの視認性がよくないことがマイナスポイントとなり、Chuwi LapBook SEが優位。EZBook X4の視認性を無視すれば、双方とも同様に国内製PC以上に快適なタイピング感です。
- タッチパッドは、その指の滑りのよさからJumper EZBook X4が優位。Chuwi LapBook SEもわるくはないのですが、ややザラツキ感あり。
- 外観は双方とも質感高く、初めて中国メーカー製PCを購入する場合には驚くこと間違いなし。全体の雰囲気としてはChuwi LapBook SEのデザインがリード。
やはり、Jumper EZBook X4はキーボードの視認性が響き、中国メーカーの1台めのPCとしてならChuwi LapBook SEがおすすめ。Jumper EZBook X4はキーボードのマイナスポイントを認識しての購入なら全く問題なしです。
GearBestの販売ページ
両機種ともセールにより価格は流動的ですが、狙いとしては279.99ドルまで。その価格以上の場合には、セールまで待つべしです。2018年11月25日現在では、なぜかJumper EZBook X4の製品紹介ページがないために、復旧してからリンクを記載します。また、Jumper EZBook X4はTNパネル版も流通していることがありますが、もちろん狙いはIPSパネル版です。
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コメント
本日、Jumper EZbook X4のIPS版が届いたのですが、やっぱりTN液晶と比べて全然違い視野角が広く使いやすいですね。しかもTN版はとても画面が青かったのに比べ、IPS版は記事でおっしゃっていたとおり自然でした。
EZbook X4のIPS版とTN版の違いは液晶だけかと思っていましたが、結構違いますね。
電源ランプの色(TN版:青、IPS版:緑)やキーボードの質感(TN版は多少のザラつき感がありましたが、IPS版はツルっとしている)キーボードの文字もIPS版の方が文字がハッキリしてもう少し見やすくなっていたり。また、キーボードのバックライトもTN版は3段階だったのがON、OFFの2段階になってしまったり。
「Touchpad Blocker」なるソフトがインストールされたり、起動時のロゴが小さくなったり、「DC,イヤホンジャック」のシールが無くなっていたりと、パッと見ただけでもかなり違いがあり、他にも色々変更点がありそうですが、やはりIPS液晶の方が全然良いですね。Chuwi LapBook SEもとても良いので、どちらをメインで使うのか迷ってしまいます。
Jumper EZBook X4 IPS版も購入されたのですね。おっしゃるとおり、Chuwi LapBook SEとどちらをメインで使用すべきか悩ましい選択です。私は日替わりで交互に使用しているような状況ですが、キーの印字の視認性のよさから、Chuwi LapBook SEを使用頻度が高いです。また、なぜか(設定を間違えたのか)、Jumper EZBook X4 IPS版のキーボードのキーは妙なショートカットが毎回のように起動してしまいます(サインアウト・サインインで直るのですが)。
ところで、私のX4 IPS版と仕様が異なっているようです。私のX4 IPS版は記載いただいたTNパネル版に近いようです。電源ランプは青、「DC,イヤホンジャック」のシールもあり、キーボードのバックライトも3段階となり、TNパネル版とIPSパネル版の移行期だったのかも。
「Touchpad Blocker」については、タイピング中にタッチパネルに触れてしまいがちな機種(Chuwi Hi10 ProやEZBook 3 Proなど)にはプレインストールされており、誤操作を防ぐ意味では便利で、私はAIWO 737A2にはインストールしています。ただし、EZBook X4は誤操作を招くこともないため不要かと思います。