CPUに AnTuTu ベンチマーク v9のスコアが約23万となる「Helio P70」を搭載し、メモリ 8GB、ストレージ 128GBの6.5インチスマホ「Blackview A95」。フラットな側面とリアカメラのデザインが iPhone ライクであることも特徴とします。
この「Blackview A95」をレビュー用に Blackviewさんより お借りしましたので、外観、約1週間利用の使用感などを記載します。
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Blackview A95、Helio P70,RAM 8GB搭載の6.5インチスマホのスペック。AliExpressの早期購入価格は 139.99ドル
スペック
CPUはミドルレンジのHelio P70ながらも、メモリ 8GBと上位機並みであることが特徴の一つ。詳細スペックは以下となります。
CPU | MediaTek Helio P70 、8コア |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 128GB UFS 2.1 |
ディスプレイ | 6.528 インチ、解像度 1600 x 720 |
リアカメラ | 20百万画素(SONY IMX376) |
フロントカメラ | 8百万画素 |
WiFi | 11 b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
SIM | Dual Nano SIM、4G: FDD:B1/B3/B7/B8/B20 TDD:B40 |
バッテリー | 4380mAh、18W 急速充電、充電はUSB Type-C |
サイズ | 163.7 × 75.5 × 8.55mm、195g |
OS | Doke 2.1 OS、Android 11ベース |
その他 | サイドの指紋認証 |
メモリ 8GB、ストレージ 128GBを搭載する一方で、ディスプレイの解像度は1600 x 720とFHDではありませんが、FHDのスマホと並べてじっくり比較しない限りは 粗さを感じません。
リアカメラは20百万画素のシングルカメラとなり(形状は iPhone ライクな3カメラ)、CPUとメモリ、ストレージが価格帯としては頑張っている分、カメラでコストカットしているように思います。
▼オーシャンブルー、ナイトブラック、ギャラクシーレインボーの3色展開となり、背面は8層のコーティングが施されています。イメージ画像ではわからなかったのですが、背面はザラザラしており、指紋や油脂の付着がほとんど目立たないことも特徴の一つ。
▲▼リアの3カメラの形状(2つはダミー)とフラットな側面は、iPhoneをイメージしたデザインです。
実機のシステム情報
続いて、実機から抽出のシステム情報を記載します。
▼「設定」の「デバイス情報」。もちろん、スペックどおりに、メモリ 8GB、ストレージ 128GB。
▼こちらはアプリ「Device Info HW」より抽出の情報。2画面を並列で掲載しています。CPUは Helio P70、Cortex-A73 + Cortex A53。GPUはMali-G72 MP3
▼ディスプレイの解像度は スペックどおりの 1600 x 720。解像度は低いのですが、実際に使用してみると 粗さは感じません。
▼セール時の最安価格 139.99ドルのスマホとしては、メモリ 8GB、ストレージ 128GBと大容量。既に AnTuTu ベンチマークなど、複数のアプリをインストールしていますが、空き容量は100GB超と余裕です。一方、コストカットのためか、リアカメラはシングルカメラの20百万画素のみ。
▼左から順に、ホーム画面、アプリ一覧、設定画面。標準アプリ以外では、ゲームが4種 プレインストールされています。
外観
外観においては、iPhone ライクなフラットなサイドに、背面の複層コーティングが特徴です。貸出機は ギャラクシーレインボーですが、やや派手な配色となるため、オーシャンブルー、あるいは ナイトブラックが無難な選択なように思います。
外箱、付属品
▼Blackviewの製品は 8インチタブレットの「Tab 6(Blackview Tab 6 実機レビュー、4コアCPUのベンチスコアは8コア超で機敏に動作、LTE接続も確認)」に続き 2製品目ですが、Tab 6と同じく白の外箱です。
▼レビュー用の貸出機のため、梱包用の保護フィルムを剥がした状態で、TPUケースを装着して収まっています。
▼ACアダプターとケーブルがコンパクトに収納されています。
▼説明書、ケーブル、EU プラグの電源(数百円で販売の変換アダプターが別途必要)を拡大。説明書は日本語も含め、多国語表示です。
▼サイズがわかるように、マウスを並べて撮影。EU プラグでもあり、電源はやや大きいように感じます。
ディスプレイ面、ディスプレイ品質
ここではディスプレイ面の外観、ディスプレイの品質をあわせて記載します。
▲製品紹介のイメージ画像ではわからなかったのですが、サイドはメッキ調の塗装です。お借りしたサンプル機の色はギャラクシーレインボーですが、後述の背面のみならず、サイドもレインボーで、写真の左と右では色が異なるのがわかります。
▼左サイドのSIM カードトレイ側を拡大。しずく型ノッチを採用しています。
▲メッキ調のサイドのために、SIM トレイは目立ちません。
▲▼SIM トレイにドコモ回線のOCN モバイル ONEのSIMを置いてみました。現在、実際にSIMを挿入し利用していますが、千葉市郊外の自宅で普通に接続できています。
▼右サイドより。液晶品質では、明るさ・鮮やかさは、上位機よりもやや控えめな印象。私の他のスマホでは、明るさ 70%あたりで程よいのですが、本製品は 約90%にしています。
▲サイドの中央やや右に、電源ボタン兼指紋認証ボタンがあります。指紋認証の精度は標準レベル。所有するXiaomi、その他のスマホも同様ですが、Android スマホの指紋認証は、MacやWindows PCと比較すると、一発で認証とならないことも多く、もどかしさを感じます。
▼音量ボタン周りを拡大。フィルムが貼り付けられていますが、指紋や油脂の付着も少なく良好です。
▼USB Type-Cのポート、スピーカーがわかるよう下側から。
▼▲上部と下部ではサイドの色がかなり異なります。
▼上とサイドのベゼルは細い一方で、下は太めであることは、多くの他のスマホと同様です。
背面
Blackview A95は、オーシャンブルー、ナイトブラック、ギャラクシーレインボーの3色展開ですが、レビュー用にお借りしたのは ギャラクシーレインボー。事前に、スペックと外観は確認していたのですが、想像とは異なっていたのは以下の3点。
- 前述のとおり、サイドはメッキ調。
- ザラツキのある背面となり、指紋や油脂は全く気になりません。
- レインボーの色の変化の度合いは想像以上。私としては、オーシャンブルー、あるいはナイトブラックが好みです。
▼見る角度や照明により可変となる色ではありません。色の境界のボカシ加減は程よいもの。Blackviewのロゴは彫り込みであり、しっかりと作り込まれています。
▼ザラツキのある背面で、指紋や油脂の付着は全くと言っていいほどにわかりません。「ザラツキのある」と表現していますが、ホールドする際には、多少の滑りも感じます。
▲▼3カメラ(3レンズ)形状のリアカメラですが、実際には20百万画素のシングルカメラ。有効なカメラは上の画像の左下です。
▲▼iPhoneのデザインに似た A95ですが、以下の「OUKITEL C21 Pro」の背面カメラも同形状であり、iPhoneに倣うことは 今も昔も 複数のエントリースマホに共通する傾向とも思います。
▼付属するTPUケースを装着。TPUのために太くはなりますが、他の100ドルクラスのスマホに付属のケースと比較すると細いです。
また、TPUケースを装着するとサイドの指紋認証ボタンが押しづらくなる製品もあるなか、本製品は大きな違和感、押しづらさはありません。
iPhone 12 Pro Maxとの簡易比較
通販サイトのイメージ画像・製品紹介では明記されていませんが、iPhoneのデザインを意識していることは明らかなため、簡易的にメイン利用のiPhone 12 Pro Maxと比較してみました。
▼iPhone 12 Pro Maxが実際よりも小さく見えていますが、サイズとしては iPhone 12 Pro Maxが一回り大きいです。
▲▼リアカメラはレンズとフラッシュの配置(A95はシングルカメラで、2つはダミー)、周囲のデザインともに 似ています。
▲▼フラットなサイドも同様のデザイン。背面は異なりますが、いっそのこと、以下のUMIDIGIの製品のように配色も含めて似せるのもありです。
ベンチマークスコア
AnTuTu ベンチマーク、Geekbench 5、eMMCのベンチマーク、回線速度について記載します。
▼AnTuTu ベンチマーク v9のスコアは 232598と、AliExpressの最安価格 139.99ドルの端末としては、高いスコアです。エントリークラスの場合、AnTuTu ベンチマーク v9の通常版は動作せず、Lite 版での計測となるのですが、Helio P70では通常版で計測できました。
▼Geekbench 5のスコアは、Single Core 295、Multi Core 1087
▼こちらは上記のアプリ「CPDT」にて計測のeMMCのベンチマークスコア。通常のeMMCよりも高速な UFS 2.1により、Write 153.71MB/s、Read 303.20MB/sとまずまずのスコアです。
▲▼上の2つの画像は以下のハイエンド寄りの「Xiaomi POCO X3 Pro(高速なUFS 3.1を搭載)」とエントリーの「OUKITEL C21 Pro(通常のeMMC)」のスコア。大容量のアプリをインストールしない限りは、大きく体感できるものではありませんが、A95は順当なスコアです。
▼自宅のWiFi 環境(Nuro 光)での回線速度は 140Mbps。自宅周辺はNuro 光としては、かなり遅いのですが、iPhone 12 Pro Maxや 上位のAndroid スマホ、パソコンでは 90〜120Mbpsとなるなか、A95はこれまでの最高記録です。
▼ドコモ回線の OCN モバイル ONE SIMを挿入しての回線速度。電波が強くない千葉市郊外の自宅での計測ですが、9.2Mbpsと良好な速度。日本向けのAPNも多くプリセットされていますが、追加して設定しました。
体感レスポンス
上記のAnTuTu ベンチスコア 約23万のスコアなりの体感レスポンスです。「スコアなり」と記載しましたが、良い意味であり、サブ運用はもちろんのこと、SNS関連やブラウザなどの普段使いでは、メインスマホとしても通用します。
- AnTuTu ベンチスコアが50万クラス、UFS 3.1のストレージを搭載するスマホと比較すると、さすがに キビキビ感に欠けますが、最安価格 139.99ドルのスマホとしては 十分なレスポンス。2019年に一時期 サブ運用していた「Huawei P30 lite」よりも高速。
- 私のスマホの普段使いとしては、ブラウザ、YouTube、記事編集(画像編集も含む)のライトユースがメインですが、AnTuTu ベンチスコアが10万台半ばでは多少のモッサリさを感じるものの、本製品は十分なレスポンス。AnTuTu ベンチスコア 30万台のスマホと比較しても遜色ないレスポンスです。
- 総じて、遅さを意識することなく普通に動作します。AnTuTu ベンチスコア的には、以下などの CPUにUNISOC T618を搭載するタブレットが人気となっていますが、同水準以上のレスポンスです。
▼上記3で引用の、概ね同水準のレスポンスとなる Android タブレットの事例
カメラ、サウンド
CPU、メモリ、ストレージの基本スペックと比較すると、コストカットされているのがカメラとサウンド。
- シングルスピーカーの音質は、他のシングルスピーカーのスマホ(価格帯としては上位)と比較すると、A95は低音重視で、中高音の伸び・クリアさが不足しているように感じます。
- ただし、スマホのシャカシャカした音質が好きではない私としては、A95の中高音が喧しくない音質に好感が持て、ある程度の時間 聞いていても、それほど嫌味のある音質ではありません(iPhoneなどにおいても、私はスマホの音質は苦手)。
- リアカメラについては、私は室内撮りメインですが、通常と同様に撮影してみました。シングルカメラのために近接撮影は苦手ですが、1mほど離れての撮影では SNSや記事に掲載用の写真としては、素直な発色でわるくはないイメージ。
- 20百万画素と高画素ではないため、屋外撮影においても 拡大してみると細部の描写は解像度なりですが、室内では明るい画像です(明暗のメリハリに欠ける感あり)。
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▲▼こちらは記事掲載用の写真撮影時と同様に、40インチのウルトラワイドモニターを撮影。以下の記事で掲載の同種の写真は、iPhone 12 Pro Maxで撮影したものですが、記事には圧縮した写真を掲載することになるため、どちらかと言えば 明るさや色合い重視。この意味では、A95の20百万画素の写真は、明るく発色も良好で、わるくはありません。ただし、マクロレンズがないために近接撮影は苦手です。
まとめ
あらためて「Blackview A95」の外観・使用感のポイントを記載すると以下となります。体感レスポンスは価格帯以上となり、サブ運用として十分に活用でき、カメラやスピーカーを重視しない場合にはメイン運用もありです。
- iPhone ライクな外観において、背面は指紋や油脂の付着が全くと言えるほどに気にならず。
- 3色展開の背面ですが、ギャラクシーレインボーはやや派手なため、オーシャンブルー、あるいは ナイトブラックが無難な選択(私の好みでは)。
- ディスプレイは、やや明るさ・鮮やかさに欠ける感もあり(概ね、100ドル台半ばまでの他のスマホと同様)。
- AnTuTu ベンチマークスコアは 約23万。ブラウザやSNS関連アプリなどのライトユースでは、遅さを感じることなく良好。AnTuTu ベンチスコア 10万台のスマホとは、明確な相違を感じます。
- リアのシングルカメラは、近接撮影は苦手ですが、明るさ・発色は良好。
- シングルスピーカーは、低音重視で中高音のクリアさが今ひとつ。ただし、私のように、スマホのシャカシャカした音質が苦手な場合には、程よいイメージ。
▼AliExpressの販売情報。2022年2月21日に開始のセールでは、クーポン利用により 139.99ドルとなります。
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