2021年2月5日時点では大寒波で電力不足とのニュースもありますが、まさかの計画停電や台風シーズンの停電時に活躍するのが「ポータブル電源」。我が家でも、2019年の台風による千葉での大停電時には、ポータブル電源が重宝しました。Amazonなどの通販では多くの製品が販売されていますが、今回レビューするのは「Anypro」のポータブル電源。120,000mAh / 444Whの大容量バッテリーを内蔵する一方で、最大幅 29cmとコンパクトなこと、5種類の出力ポート、4系統の充電に対応していることが大きな特徴です。
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Anypro ポータブル電源の特徴
実機の使用感の前に、Amazonの販売情報から製品の特徴の抜粋です。Anyproの公式サイトを検索したところ見つからなかったのですが、説明書には以下のBetter Power社のサイトがホームページと記載されています。製品のラインナップに本製品の掲載がないのですが、主に産業向けのUPS(無停電電源装置)を販売しており、Anyproはサブブランド的な位置付けかもしれません(想像です)。
さて、本製品の特徴は以下との記載があります。
- 120,000mAh / 444Whの大容量バッテリーを内蔵し、60Wのパソコンは約6.3時間の駆動、50Wの車載冷蔵庫は約7.5時間の駆動、 4,000mAhのスマホの充電は約25.5回の充電、2,000mAhのデジカメは約51回の充電が可能。
- 出力ポートは、AC出力、USB出力、USb Type-C (45W)出力、DC出力、シガーソケット出力の5種類と豊富。30Wの急速充電にも対応。
- 充電は、家庭用コンセント、 2V/24V車のシガーライターソケット、発電機、ソーラーパネル(別売)の4系統。
- FCC、ROHS、PSE、UN38.3などの認証取得済、購入日より2年間の保証あり。
- 29 × 12 × 20cmとコンパクト、重量は4.5kg
大きな特徴は、 大容量バッテリー、5種類の出力ポート、4系統の充電に対応、さらにはコンパクトなボディであり、バランスのとれた製品です。また、冬のテストとなり、夏には異なると思いますが、実機を使用していると、ほとんどファンが回転しないこともポイントの一つ。
なお、定格出力は500Wであり、500W以上の製品を充電しないよう注意が必要です(500W以上の製品を充電した場合、過負荷保護のために駆動しません)。
▼ソーラーパネルは別売りですが、シガーソケットが付属しています。
▼LEDライトも装備されていますが、これがサイドから見ても目が眩むほどに明るく、万一の停電時などでの活躍は間違いなしです。
外観
一見して、古くはラジカセのようにも見えるポータブル電源。手にするとさすがに重みを感じますが、29 × 12 × 20cmとコンパクトにまとまっていることも特徴。机の下やキッチンに置いても邪魔にならず、もしもの緊急時やキャンプ、ベランダでの利用など、持ち出しやすいことも特徴です。
▼上にある取っ手部分を撮影していませんが、持ち運びを考慮し、取っ手が装備された外箱。
▼しっかりとビニールで梱包されています。
▼電源とコード類。電源のほか、シガーソケットから充電用のケーブル、シガーソケットアダプターが付属しています。
▼コード類と説明書。説明書は1枚もの・両面印刷の8ページですが、ポイントを概説しており、接続・操作が難しい製品でもなく十分です。
▼正面からの全景。上の取っ手の部分は多少の伸びしろはあります。ただし、4.5kgの重さに耐えるために硬く、伸ばした状態での撮影はできませんでした。
▼サイズの確認用に、6.53インチのスマホと並べて撮影。290 x 120 x 200mmのコンパクトさを感じ取れると思います。
▼前面は、USB PD(USB Power Delivery、最大45Wの給電が可能)やQC (Quick Charge) 3.0、DC 12Vが装備されています。それぞれの端子を利用する際には、「DC OUT」「AC OUT」を3秒以上 長押しするとオンとなります。なお、通常のAC出力は後述のサイドに2つ備わっています。
▼反対側には何もありません。正面も同様ですが、左右の円形の部分がスピーカーのようにも見えます。屋外でのキャンプなどでの使用を想定し、スピーカーっぽく見えることを狙っているように思います。
▼AC出力を2つ備えたサイドより。上にある2つの円形のものはLEDライト。上の黒い部分の中央がLEDライトのスイッチ。スイッチオンで点灯、2回押すと点滅のSOSモード、3回押すとスイッチオフ。停電時においても便利な機能です。
▲2019年の台風の関東への直撃、千葉での大規模停電時には夜間の照明で困ってしまったのですが、このLEDライトはもしもの場合にも活躍します。
▲▼反対側の下には、DC入力ポート、別売のソーラーパネルの接続ポートがあります。
▼上側の取っ手部分。
▼下側には、接地面の傷付き防止、滑り止めのゴム製台座かあります。
ガジェットを充電中の使用感、写真
実際に、Android スマホ、タブレット、iPhone、iPad、ノートPC 複数台を充電してみましたので、その写真の一部を掲載します。
これらの機器の充電は全く問題なく、特筆すべきは充電時にファンが回転せず、無音であったこと。寒い冬であることが大きな要因とも思いますが、以下で掲載の他製品が時おり大きなファン音量であることを考慮すると、この静音は想定外でした。
▼Quick ChargeではないUSBポートから、スマホを充電中。中央のインジケーターには、USB出力マークが点灯しています。
▼12.5インチのノートPCをAC出力ポートから充電。インジケーターには、AC出力マークが点灯しています。
▼8インチのUMPC CHUWI MiniBookを、AC出力ポートから充電。
▼サイドから。大きなACアダプターではないのですが、同種のアダプターを2つ同時に繋げるのは厳しいです。
▼Quick ChargeポートでのAndroid スマホと、通常のUSBポートから iPad mini 3を同時に充電。双方とも、普通に充電できています。
その他の使用感
上の画像は室内の照明をオフにし、LEDライトを点灯したものですが、正面から見ることができないほどに明るく、サイドから撮影しても、しばらくは目が眩んでしまうほどの明るさです。これなら、キャンプや照明のないベランダ、停電時などに活躍しそうです。また、SOSモードでの点滅具合も適切で、明るさと相まって、万一の場合には合図となります。
その他の使用感を、上で記載したことも含めてランダムに記載します。
- 他のポータブル電源の使用感から、ある程度のファンの音量が大きくなることを想定していたのですが、動作しているものか心配になるほどに静か・無音です。ただし、これは冬に使用している影響もあるかと思います。
- また、AC出力の充電時などに、ファンの回転なくともボディが熱くなることもありません。ただし、上記と同様に、冬の使用であることも大きな要因かと。
- 290 x 120 x 200mmのコンパクトさは特筆に値します。大きな製品では、部屋に置くと邪魔になり、つい押し入れなどに追いやってしまいますが、この程度の大きさなら机の下に置いても、それほどスペースをとるものではありません。
- 正確な計測ではありませんが、ACコンセントからのフル充電に要する時間は、製品仕様どおりの概ね8時間程度でした。
- 複数のガジェットの同時充電は多く試していませんが、Android スマホとiPad、ノートPCとAndroid スマホの充電も大丈夫。
- 30Wの急速充電も普通に使用できています。
なお、ポータブル電源の全般として、使用せずに保管する日数も多くなると思いますが、説明書には「リチウム電池の寿命を長くするために、少なくとも63ヶ月に1度は充電してください」とあります。一般的には、63ヶ月も利用しないことは想定できないために、気にする必要もなさそうです。
まとめ
私としては二製品目のポータブル電源のレビューとなりますが、大容量のバッテリーとコンパクトさを両立していることは大いに評価に値する製品です。ファンが回転せず、ボディも熱くならないことにも好感ですが、暑い夏の使用でどれほどのファン音量となるものか、ファンのテストは春まで持ち越しです。
▼こちらは他サイトのレビュー記事です。ご参考まで。
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