Amazonにて、CPUにRyzen5-3400G、メモリ 8GB、NVMe対応のSSD 250GB、Microsoft Office 2019を搭載するミニPCが59,980円にて販売されています。インテルのモバイル向けCPUとの比較では、Core i7-8565Uを軽く凌駕するスペックですが、本製品のコスパ度はいかがなものか。海外通販サイトで販売のモデルと比較してみました。
参照元
ProfessionalPC,ProEX02A (Amazon)
スペック
国内外の通販サイトともに、CHUWIやJumper、Teclastなどの新興ブランド以外のミニPCでは、その呼称が難しいのですが、AmazonサイトではProfessionalPC ProEX02Aとの記載があります。前者が代理店、後者がモデル名かと思われます。
インテルのCPUと比較するとコスパに優れた「Ryzen5-3400G」を搭載し、さらには通常のSATAより高速なNVMe対応のPCIe SSDを搭載することを大きな特徴とする本製品。そのスペックは以下となります。
CPU | AMD Ryzen 5 3400G (4コア 8スレッド, 最大4.2GHz) |
GPU | Radeon RX Vega 11 |
メモリ | 8GB DDR4(32GBまで増設可能) |
ストレージ | PCIe 接続 NVMe対応 M.2 SSD 250GB(換装可能)、2.5インチ SATA SSDを増設可能 |
WiFi | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
ポート類 | USB 3.0 x 4、USB 2.0 x 2、HDMI、有線LAN、COMポート |
サイズ | 200 x 200 x 75mm、1.8kg |
OS | Windows 10 Pro 64bit プレインストール |
その他 | Microsoft Office Pro 2019付属(永続版ライセンス) |
CPUのAMD Ryzen 5 3400GとGPUのRadeon RX Vega 11のベンチマークスコアは、インテルのモバイル向けのCPUでは第8世代の Core i7-8565Uを凌駕します。私は以下のミニPCにて、Core i7-8565Uを使用していますが、PCIe SSDとの組み合わせにより、エクセルやアクセスなどの大量データを処理している会社のPC(インテル第4世代のデスクトップ用CPU)よりも快適に動作します。この意味では、AMD Ryzen 5 3400Gは普段使いでは十分すぎるほど。
▼多くの他のミニPCと同様に、ポート類は充実しています。
その他、当製品に対するコメントは以下です。
- Ryzen 5 3400Gの場合、その発熱とCPUファンの音量が気になります。発熱はやや大きく、このためCPUファンの高速回転で風量を確保する必要があり、通常の場合にはファン音が大きくなります。
- 発熱やCPUファンの関係から、ボディを大きくする必要があり、一般的なミニPCよりも一回り大きいサイズとなっています。
- Amazonのレビューにて、「完全に電源が切れない」とのコメントが気になります。USBに常に電源が供給されている状態のようです。
- OSはWindows 10 Proとなり、AmazonのノートPCやミニPCで多く見られるように、当製品もMicrosoft Officeが付属しています。これらのプロダクトID (ライセンス)は、Yahoo! ショッピングで合わせて3,500円もあれば購入できるのですが、Win 10 Pro / Office付属となると、得をした気分になります(Amazonで販売の製品の戦略だと思います)。
- PCIe SSDはSATA SSDと比較すると、HDDとSSDほどの劇的な相違はないのですが、それでもWindowsの起動や終了において、その速さを体感できます。ただし、PCIe SSDでもその接続方法の世代により、ベンチマークスコアはそれなりの相違があり、本製品はおそらく低位な世代かと思います(発熱などのリスクをより軽減するため)。
▼上記で引用した、Yahoo! ショッピングの激安なWindows 10 Pro、Officeはこちら。私は何度か利用しています。
コスパ度を海外通販の他製品と比較
Amazonの場合、BanggoodやAliExpress、GearBestなどの中国系通販よりも割高となるケースが多く、気になるのは本製品のコスパ度。そこで、ほぼ同スペックの以下の製品と比較してみました。
▼本製品と同じく、AMD Ryzen 5 3400G、メモリ 8GBを搭載し、SATA SSD 256GBのChatreey s1のAliExpressの価格は420ドル。これをベースに比較してみます。
▼詳細記事はこちら。
上記のChatreey s1のSSDは明記はありませんが、SSDはSATA接続でWindows 10 Pro。これを本製品と同様にPCIe SSDとし、Office付属に引き上げてみます。
- ベースモデルの価格は420ドル、8/10時点の日本円換算は45,174円(DHLにて送料無料)
- 256GB SSDのSATA / PCIeの差額は安い場合には約1,000円ですが、2,000円とします。
- Microsoft Officeは、Yahoo! ショッピングにてOffice 365 Pro Plus (PC 5台、モバイル 5台)の場合には2,150円。
- 合計すると49,324円。Amazonで販売の本製品は納期が速いこと、万一の場合には日本語でクレーム対応できることを考慮し、プラス5,000円とした場合、合計価格をまるくすると約 55,000円。
緩めに見積もっても、やはりAliExpressなどの海外通販のコスパが高いことになります。私なら最後のAmazonの利便性を考慮せずに、約1万円安い 海外通販を選択しますが、海外通販にリスクを感じる方(実際のリスクは納期が遅いことに、まさかのクレーム対応が煩わしい程度ですが)は、Amazonでの購入もありと判断します。
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