Amazonで販売のAlder Lake N100を搭載する、「Zwide」ブランドの8インチ UNPC。私は同じ筐体を採用する2つのUMPC(CHUWI MiniBookとFFFの製品)を所有していますが、これらの使用感も踏まえて、N100 モデルの特徴を記載します。
スペック
N100 モデルと同筐体の「CHUWI MiniBook」と「FFF 製品」の実機レビュー記事は以下です。MiniBookの実機レビューは、2019年11月の投稿ですので「筐体は約5年間変わらず」となります。今見ると、ディスプレイのベゼル幅の太さに古さを感じますが、金属製の筐体で質感の高いものです。
CHUWI MiniBook 実機レビュー。サクサク動作のCore m3-8100Yに明るい液晶、タイピング感も想像以上。これで5万円台とは満足度高し
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▼N100 モデルのスペックは以下です。Amazon サイトのスペックを補うため、Alibaba サイトも参照し掲載しています。
CPU | Alder Lake N100 |
GPU | Intel UHD Graphics |
メモリ | 12GB LPDDR5 オンボード |
ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 8インチ、IPS、タッチパネル、光沢、解像度 1920×1200 |
WiFi | WiFi6 対応、11a/b/g/n/ac/ax |
Bluetooth | 5.2 |
ポート類 | USB Type-C (3.0)、USB 3.0、USB 2.0、Mini HDMI |
バッテリー | 3500mAh |
サイズ | 200.6 x 130.6 x 17.9mm、674g |
OS | Windows 11 |
その他 | 日本語キーボード(バックライト機能あり)、指紋認証 |
スペックのその他の補足は以下です。
- 前述のAlibaba サイトのオリジナルモデルは、256GBのUFSに 2242サイズのM.2 空きスロットとも読み取れます。従来モデルも含めて、M.2 スロットには背面の扉からアクセスするタイプです。
- 指紋認証は電源ボタンと兼用。従来モデルの使用感では程よく動作します。
- 給電・充電は USB Type-C。従来モデルにおいては、この給電・充電に課題あり(バッテリーの段落で記載しています)。
- 今さら記載するまでもありませんが、ミニPCに多く搭載される Alder Lake N100は、インテル 第8世代 モバイル向けのCore i5-8350U / 8250Uと同水準のベンチマークスコアと体感レスポンス(以下の記事を参照)。Web サイトのブラウジングや動画視聴、Excelなどの動画視聴において、遅さを感じることはありません。
▼Alder Lake N100を搭載するPCのレビュー記事の事例です。
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SkyBarium T-BOX Pro、N100 ミニPC 実機レビュー。73mm幅の超小型、Alt モード USB-Cを装備、コンパクトさ、機能ともにおすすめ
従来モデルの使用感
CPU以外では、所有する「CHUWI MiniBook」「FFF」の製品も概ね同じかと思いますので、これらの製品の使用感などを記載します。なお、掲載の写真は従来モデルです。
外観
前述のとおり、筐体は2019年の製品であり、ディスプレイのベゼル幅の太さに古さを感じますが、金属製の筐体は、重厚感とあわせて 今なお高品質のもの。
また、バッテリー交換や後述の文鎮化したMiniBookの状態確認のために分解(マザーボードの取り出しまで)も行いましたが、内部の作り込みもしっかりとしています。
▼厚みはありますが、サイドも含めてデザイン・質感ともによいものです。私はドンキ NANOTE 初代も所有していますが、質感にはかなりの相違があります。
液晶
以下の上位の製品と比較すると色合いに淡さも感じますが、5万円前後のUMPCとしては十分な色合いと明るさです。IPS パネルにより、視野角も十分です。
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また、かつて UMPCが人気絶頂の頃には、OneMixなど より高解像度の液晶を搭載する製品が多々ありました。これらの製品は、明るさや色味に課題のあるものがあったのですが、本製品のシリーズは 一般的な解像度でもあり、品質が安定しているように思います。
バッテリー
Amazonのレビューコメントを参照していると「付属のACアダプターでないと正常に充電されず」といった類のコメントがありますが、同筐体の採用する従来モデルのUMPCは、バッテリーに課題があるものでした。ただし、本製品においては未確認です。
所有する「CHUWI MiniBook」では以下の記事に記載のとおり、バッテリーへの給電ができなくなり文鎮化。正常動作していた際にも、3つめの「FFF」の製品も同様に、バッテリー残量が正しく表示されない課題がありました。これらの事項も含めて、本製品の場合にも 保証内容を確認したうえで、付属のACアダプターを使用すべきです。
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キーボード
私はCHUWI MiniBookは英語キーボード、FFFの製品は日本語キーボードですが、変則的なキー配置は前者が少なく、日本語キーボードでは句読点や「」などが変則的な配置でサイズが小さいため、誤タイピングを招きやすいです。詳細は以下となります。
- キーストロークはやや深く、しっかりした押し込み感があります。
- 主要キーも一部に特殊な配置がありますが、主要キーに限って言えば、ある程度は慣れでカバーできます。
- 使用に難があるキーは、上一列の右半分とEnter キーの下回りのキー。これらのキーはある程度慣れたところでも 誤タイピングを招く、あるいはキーを確認したうえでタイプする必要があります(私の場合)。
- ただし、7インチのUNPCと比較すると、主要キーのサイズが大きいことから、程々の速度でタイピング可能です。
- ポインティングデバイスの動きは滑らかで重宝します。通勤電車内での使用において、不自由なく操作できています。
▲▼じっくり確認したものではありませんが、N100 モデルとキーの配置・サイズは同じと見受けられます。私が頻繁に使用するキーで特に誤タイピングを招くキーは右半分の以下のキーです。
- 最上位の=
- Mキー横の3つのキー
- 右下から2列目の句読点
- Enter キーを兼ねている 「
まとめ
CHUWI MiniBook / FFFのUMPCと同型となる N100 モデルのスペックと特徴について記載しました。私が所有する従来モデルは ややモッサリしたレスポンスですが、N100 モデルは普段使いでのレスポンスの心配は無用です。
従来モデルから察する懸念点はバッテリー。所有するMiniBook Core m3 8100Y モデルは給電・充電できずに文鎮化しました。FFFのモデルは バッテリー残量表示の課題以外は問題ありません。N100 モデルの場合、付属のAC アダプター以外は使用しないなどの注意を要するものと思います。
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