FiiO KB3、メカニカルキーボード レビュー。DAC内蔵による音質向上に加え、タイピング感も極めて良好 | Win And I net

FiiO KB3、メカニカルキーボード レビュー。DAC内蔵による音質向上に加え、タイピング感も極めて良好

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今回レビューする製品は、USB DACなどを多く展開する「FiiO」の、デュアル DAC・ヘッドホンアンプを内蔵するメカニカルキーボード「Fiio KB3」です。DAC内蔵のモデルは有線接続となりますが(DACを内蔵しないワイヤレスモデルも販売中)、音質のよさはもちろんのこと、Gateron G Pro 3.0 黄軸によるタイピング感のよさも格別です。

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今回のレビューは、多くのメカニカルキーボードを販売する通販サイト「Mech Keys」より、レビュー用にサンプル提供いただいた製品に基づいています。

Mech Keys サイト、販売ページ

 

FiiO KB3の特徴

「FiiO KB3」の特徴は以下の記事においても紹介していますが、ポイントのみを再掲載します。なお、DACを内蔵しない、PCとの接続がBluetooth / 無線に対応するワイヤレスモデルも販売されていますが、ここではDAC 内蔵モデルの特徴を記載します(キーボードの構成は、DAC 内蔵モデル / ワイヤレスモデルともに同じです)。

FiiO KB3、デュアルDAC・アンプ内蔵のメカニカルキーボードの特徴。高出力なアンプで省スペース化も実現

 

▲▼実機の写真ですが、左サイドに3.5㎜ステレオミニと4.4㎜バランスのヘッドフォン出力を備え、前者は170mW、後者は550mWの出力が可能です。

また、背面にPCとの接続のUSB Type-Cポートのほか、USB-Aポートを2個装備し、マウスなどを接続してのハブとしても機能します。

DACとしては、CS43131 チップ x 2個、アンプとしては SGM8262 x 2個の構成です。ただし、DACを内蔵していることからか、PCとの接続は USB Type-Cの有線のみとなることに留意ください。

 

▲キーボードの仕様は以下となります。

  • 81キー、テンキーレス
  • Gateron G Pro 3.0 黄軸、リニア、静音
  • キー荷重 50±15gf、キーストローク 最大 4.0mm
  • ホットスワップ対応
  • ガスケットマウントデザイン
  • WindowsとmacOSの双方に対応
  • アルミとマグネシウムの合金ケース
  • サイズは 329 x 140 x 43.5mm、重さ 1060g(DAC内蔵モデル)、1115g(ワイヤレスモデル)
  • ワイヤレスモデルでのバッテリー持ちは、RGB ライトの常時点灯で約18時間、RGB ライトオフで500時間、待機状態で2000時間以上。
  • DAC 内蔵モデルの接続は有線のみ。DACを内蔵しないワイヤレスモデルの接続は、Blutooth(3台までのマルチペアリング)、無線、有線の3パターン。

 

開封、外観

続いて、開封・外観について記載します。アルミとマグネシウムの合金ケースで質感は高く、重さ 1060gと重厚感のあるキーボードです。

 

▼黒と青のツートンの外箱です。左上にFiiOのキャッチフレーズ的な「BORN FOR MUSIC」とあります。DAC内蔵を最大の特徴とした製品ですが、キーボードのタイピング感も かなり良好な製品です。

 

▼内部の表面の緩衝材の撮影は省略しましたが、キーボード保護の透明樹脂・その他の緩衝材も含めて、製品の保護は十分です。

 

▼他の製品と同様に、透明樹脂・ビニールで梱包されています。

 

▼付属品は、USB Type-C to Type A ケーブル、キーキャッププライヤー、説明書。説明書は、中国語と英語表記です。接続方法は網羅していますが、RGBライトの調光などのファンクションキーの説明が乏しいです。

 

▼キーボードの全体像。サイズは 329 x 140 x 43.5mm。英語キーボードのみの設定ですが、一般的なキー配置です。他のキーボードと同様に、右一列にPgUpなどのキーがありますが、Enter キーから程よく離れており、Enter キーをタイプするつもりが 右一列を押下する現象はありません。

 

▼左側を拡大。タイピングしやすいよう、キーの中央は窪んでいます。スケルトンのキーキャップであり、軸などが透けて見えます。

 

▼右側を拡大。前述のとおり、右一列・矢印キーは主要キーに隣接していないため、誤タイピングを招くことはありません。他のキーボードでは誤タイピングとなることが多々あり、これは私にとって大きなメリットになります。

 

▼右サイドより。金属製の鮮やかなレッドの音量調節ダイヤルがよいアクセントになっています。なお、ダイヤル中央の押下により、ミュート・ミュート解除を切り替えることができ便利です。

▲一見してツートンの下側も金属製とも思いましたが、ツートンの下の部分から底面にかけては樹脂製です。

 

▼左サイドにはイヤホンジャックが2つ装備されています(小さい方は 3.5㎜ステレオミニ / 出力 170mW、大きい方は 4.4㎜バランス / 出力 550mW)。

 

▼背面中央のUSB Type-CポートはPCとの接続(USB Type-C to A ケーブルが付属)、左右のUSB-Aポートはマウスなどを接続しハブとして機能します。

 

▼樹脂製の背面です。四隅に細長のゴム足、左右に二段階調整式のスタンドがあります。

 

▼三段階調整式のスタンド。スタンドの強度は十分です。どの角度においても入力しやすいですが、私にとって より高速にタイピングできるのは、3つ目の写真の最も高い角度です。

 

▼キーキャップを外してみました。仕様どおりの黄軸です。なお、製品仕様にキーキャップはPBTとの記載は見当たりませんが、油脂の付着は目立ちません。

 

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▲▼直近でレビューのメカニカルキーボード「MINISFORUM MKB i83」を並べて撮影しました。Kailh MX / 赤軸の「MKB i83」のタイピング感も良好ですが、Windows / Macの識別のインジケーター、私好みの黄軸でもあり、全般的には本製品が私には よりマッチします。

 

PCとの接続

Windows 11 PC、およびMacに接続した際のシステム情報を掲載しています。なお、私自身の備忘録も兼ねて記載しますが、WindowsとMacの切り替えのキーは以下です。

  • Windowsは「Fn + A」
  • Macは「Fn + Q」

 

▼Windows 11 PCとの接続。モデル名の「FiiO KB3」として認識しています。

 

▼Macとの接続、サウンドのシステム情報。出力・入力ともに、Windows 11 PCと同様に モデル名の「FiiO KB3」として認識しています。

 

キーボードの使用感

DACを内蔵していることが最大の特徴となる製品ですが、キーボードのタイピング感は かなり良好です。タイピング感の好みは人それぞれですが、これまでレビューしたメカニカルキーボード 5製品のなかでは、私にとっては黄軸の本製品が最もタイピングしやすいです。

  • 赤軸ほどの軽快感はないものの、赤軸よりもしっかりとした打鍵感があり、私好みのタイピング感です。
  • これまでレビューしたメカニカルキーボードでは、キーの配置やWindowsとMacの切替など、多少の慣れが必要な製品もありましたが、本製品は使い始め当初から違和感なく、高速タイピングできています。これは私のみならず、他のメカニカルキーボードを使用している 社会人の息子も同感です。
  • 上記と関連し、Enter キー横のWindowsとMacの切替を示すインジケーターも便利です。他のキーボードでは、現在どちら側のOSで設定しているか迷うことも しばしばあります。
  • 前述のとおり、Enter キー右のPgUpなどの一列は Enter キーから離れており、Enter キーなどと誤タイピングすることは皆無です。これまでレビューしたメカニカルキーボードでは、誤タイピングを招く製品も複数あり、これは私にとっては大きなメリットです。
  • ロジクール MX KEYS mini KX700やノートPCなどと比較すると、キーストロークが深いために、長時間連続しての大量タイピングでは、多少の手の疲れもあります。ただし、メカニカルキーボードでもあり、これはやむを得ないこと。
  • タイピング音は比較的小さめです。ただし、メカニカルキーボードですので一般的なノートPCよりも大きく、会社での使用においては多少の抵抗もあります。
  • 唯一とも言える課題は、説明書にショートカット、ファンクションキーの説明が少ないこと。RGBライトの調光にしても手探り状態でした。
  • DAC接続のための有線接続かと思いますが、できれば無線接続の機能も欲しかったところ。

 

▼比較対象としたキーボードのレビュー記事は以下です。以下に記載のメカニカルキーボードのうち、タイピング感のよさ、慣れまでの時間が短いことについては、MINISFORUMのキーボードと同水準でトップです。

他サイトのレビュー記事では、「Lofree Free」と「Keychron K3」の評価が高いのですが、私としては本製品のタイピング感が段違いで良好。誤タイピングもほぼなく、高速タイピングできています。ロジクール MX KEYS mini KX700も含めた比較では、タイピング感は大きく異なるものの、同程度に高速にタイピング可能です。

 

▼これまでレビューしたメカニカルキーボード 5製品のうち、私のタイピング感の好みで順位をつけるとすると、今回レビューの「FiiO KB3」「MINISFORUM MKB i83」「JamesDonkey RS2 3.0 Rosy」

 

DACの使用感

続いて DACの使用感について記載します。私は音質には鈍感、それほど拘りがないものの、Windows / Macともに、普段は 上の写真・以下の記事にて掲載のDACと格安の真空管プリメインアンプにスピーカーを接続して使用しています。今回は、この組み合わせとの音質も比較してみました。

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数値で示すものではなく感覚的な音質の確認となりますが、音質を確認した本製品の接続は、写真では上から順に以下の組み合わせです。

  1. 3.5mm ミニプラグで接続のヘッドホン。
  2. 3.5mm ミニプラグで接続のCREATIVEの安価なスピーカー。
  3. 本製品の3.5mm ミニプラグから、3.5mm to RCA 分岐ケーブルを利用し真空管プリメインアンプに接続。

 

▼上記1の 3.5mm ミニプラグで接続のヘッドホンでの確認(撮影用に、PCとの接続ケーブルを外した状態です)。

 

▲▼上記2の安価なCREATIVEの安価なスピーカーを、3.5mm ミニプラグ経由で接続。

 

▲▼上記3の、本製品の3.5mm ミニプラグから3.5mm to RCA 分岐ケーブルを経由し、段落の見出し下のスピーカーと真空管プリメインアンプの組み合わせに接続。

 

YouTubeとAmazon Musicで音楽を聞いた範囲でのコメントは以下です。なお、Windows PCとMacの双方で確認しています。また、40インチのモニターに装備のスピーカーとも聞き比べしています。

  • 当然ながらも、本製品のDACを接続していない 40インチのモニターに装備のスピーカーと、上記2および3との比較では、スピーカーとアンプの影響もありますが、比較にならないほどに高音質です。低音の迫力、中高音の明瞭さともに別物です。
  • 上記2のCREATIVEのスピーカーは価格の割には音質はわるくないのですが、DACなしとDAC経由では、音質の相違を感じます。上記3の組み合わせでなくとも、YouTubeの視聴では十分です。
  • 上記3の組み合わせでは、3.5mm to RCA 分岐ケーブルを使用していることもあってか、比較対象の他のDAC(国内通販で4千円前後)経由の音質と概ね同じ。ただし、低音の迫力がやや欠けているイメージです。
  • 上記1の3.5mm ミニプラグで接続のヘッドホンとの組み合わせでは、ヘッドホンがエントリークラスであるためか、明瞭な変化を感じにくい状況です。
  • なお、キーボードの音量調節ダイヤルとミュートボタンは、便利に活用できています。

 

まとめ

私は普段からDACを使用していますが、本製品のDACの場合にも概ね同様の音質。今回は、3.5mm ミニプラグ経由での簡易的な接続、また、ヘッドホンも安価な製品の接続でしたが、接続を見直すとよりよい音質となるように思います。

キーボードにおいては、私好みの黄軸、適切なキー配置などにより、これまでレビューしたメカニカルキーボード 5製品のなかでも、最も快適にタイピングできています。また、音量調節ダイヤルとミュートボタン、WindowsとMacの切替を示すインジケーターも便利です。

 

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2024年1月16日現在、Mech Keys サイトでは 159.99ドルでの販売です。

Mech Keys サイト、販売ページ

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