Fire HD 10のCPU(SoC)には、第9世代の2019年モデル、第11世代の2021年モデルともに「MediaTek MT8183」が採用されていますが、ベンチマークスコアの他のAndroid タブレットの比較が気になるところではないでしょうか。
そこで、Fire HD 10と同じく MT8183を搭載する Android 12 タブレットのベンチマークスコアを、他のAndroid タブレットのスコアと比較してみました。
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Fire HD 10に搭載のCPU(Soc)について
Fire HD 10も含めて、Fire タブレット・Fire TV Stickのスペックの詳細は以下のサイトにて確認することができます。
▼上記サイトとAmazon サイトから抜粋のFire HD 10 第11世代 2021年モデルのスペックは以下です。冒頭に記載のとおり、第9世代 2019年モデルも同じCPUを搭載しています。
CPU | MediaTek MT8183、8コア、Cortex A-73 x 4 Cortex A53 x 4 |
GPU | ARM Mali-G72 MP3 |
メモリ | 3GB |
ストレージ | 32 / 64GB |
ディスプレイ | 10.1インチ、IPS 、解像度 1920 x 1200、224ppi |
WiFi、Bluetooth | WiFi 11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 LE |
LTE | 未対応 |
カメラ | フロント 2百万画素、リア 5百万画素 |
バッテリー容量 | |
サイズ | 247 x 166 x 9.2mm、465g |
OS | Fire OS 7、Android 9ベース |
その他 | Widevine L1をサポート |
2023年5月現在のTeclast / CHUWI / Blackviewなどの 10インチタブレット 主力製品比較でのコメントは以下です。
- MediaTek MT8183のパフォーマンスは、他ブランドの主力製品と比較しても遜色ありません(後述)。
- また、さすがに Amazon 製品ですので、Netflix / huluなどをFHD画質で視聴可能な「Widevine L1」をサポートしていることは頼もしい。他ブランドの主力製品では、サポートしていないこともあります。
- ただし、メモリ・ストレージ搭載量が少なく、OSがAndroid 9ベースであることは見劣りします。
- カメラの画素数も低いですが、Android タブレットのカメラは メモ書き代替の趣きとなるため、この画素数でもOKとの認識です。
MT8183のベンチマークスコア
上の写真の「N-one NPad Plus 2023モデル」には Fire HD 10と同じく「MT8183」が搭載されていますので、実機で計測のベンチマークスコアを掲載します。なお、ピュアなAndroidとFire OS、メモリ搭載量やストレージの種類も異なるため(NPad Plusは高速なストレージを搭載)、単純に同スコアが Fire HD 10に当てはまるものではありません。
▼「N-one NPad Plus 2023モデル」の実機レビュー記事は、以下の記事に掲載しています(クーポン情報もあります)。
▼アプリ「Device Info HW」で抽出の「NPad Plus」のCPUの情報。Fire HD 10と同じく、MT8183 / Cortex A-73 x 4, Cortex A53 x 4
▼AnTuTu ベンチマーク v9のスコアは 229,471
▼Geekbench 6のスコアは「シングルコア 323、マルチコア 1185」
▼なお、以下の記事で実機レビューの「ASUS Chromebook Detachable CM3」にも、MT8183が搭載されています。
MT8183、他のAndroid 端末とのベンチスコア比較
Fire HD 10に搭載のMT8183のベンチスコアはどれほどのものか。以下の記事に、これまでレビューしたエントリーからミドルレンジクラスのAndroid 端末をメインに、AnTuTu ベンチスコアを一覧化していますが、MT8183と近いCPU / 端末を抜粋しました(参考までに、上位と下位の端末も掲載しています)。
CPU(SoC) | AnTuTu スコア | レビュー、紹介記事 | 記載時期 |
Snapdragon 860 | 550,918 | POCO X3 Pro | 2021年5月 |
Dimensity 800U | 334,463 | realme 7 5G | 2021年2月 |
Helio G85 | 256,822 | Blackview Tab 13 | 2022年10月 |
Snapdragon 680 | 252,447 | CHUWI HiPad Max | 2022年11月 |
UNISOC T616 | 247,769 | N-one NPad Pro | 2023年4月 |
Helio P70 | 232,598 | Blackview A95 | 2022年2月 |
UNISOC T606 | 232,472 | Blackview Tab 12 Pro | 2022年4月 |
MT8183 | 229,471 | N-one NPad Plus | 2023年5月 |
UNISOC T606 | 227,854 | Blackview OSCAL Pad 10 | 2023年1月 |
UNISOC T310 | 147,561 | Blackview Tab 6 | 2022年1月 |
UNISOC T310 | 172,718 | BMAX I10 Pro | 2022年6月 |
Helio G35 | 119,645 | UleFone Power Armor 14 | 2022年3月 |
UNISOC SC9863A | 101,385 | Blackview Tab 12 | 2022年6月 |
▲10インチ Android タブレットの売れ筋としては、CPUにUNISOC T618 / T616 / T606、Snapdragon 680を搭載する製品ですが、MT8183もいい位置につけています。体感レスポンスは AnTuTu ベンチスコア 25万前後の製品と同様に、Web ブラウザ、SNSや動画のアプリでは 遅さを感じることなく、サクサクと動作します。
上表では参考までに、AnTuTu スコア 約55万、約33万の上位のスマホも掲載していますが、MT8183の端末と比較すると、普段使いでは「多少 キビキビとしているかも」と感じる程度で、大きな差はありません。
AnTuTu スコアが25万超のAndroid タブレットの場合、スコアよりも急速充電の対応有無、動画視聴の多い方は FHDで動画視聴できる「Widevine L1への対応」を重視すべきとの認識です。
まとめ
Fire HD 10 第9世代 2019年モデル、第11世代 2021年モデルともに、CPUに「MediaTek MT8183」を搭載していますが、同CPUを搭載するピュアなAndorid タブレットでのAnTuTu ベンチスコアは229,471。普段使いでは、サクサクと動作する水準です。
ただし、現行のFire HD 10 2021モデルは メモリ搭載量が 3GBと少なく、OSもAndroid 9がベースと古いため、多少差し引く必要もあるかと思います。
▼こちらは同一CPUを搭載し、メモリ 8GB、高速ストレージのUFS 2.1を搭載し、金属ボディの「N-one NPad Plus 2023モデル」
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